どんなに上手に隠れても

【この小説が収録されている参考書籍】

【この小説が載っている参考書籍】

評判

どんなに上手に隠れてもの評価:

7.50/10点 レビュー 2件。 B ランク

書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点7.50pt

感想一覧

サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

全2件 1〜2 1/1ページ
No.2
(7pt)

安定の出来栄え

『99%の殺人』ではITを使った殺人、『クラインの壷』ではVRなど、時代を先取りする作品を出してきた岡嶋二人だけに今回は何か?と期待して読んだ一冊。得意の誘拐事件を軸に、今回は広告や報道がテーマ。あまり誰が犯人かというより、トリックに主眼を置いているように思いました。相変わらず読みやすく、また今回は抜群とまではいきませんが、安定の出来栄えでした。

タッキー
KURC2DIQ
No.1
(8pt)

どんなに上手に隠れてもの感想

売り出し中の新人歌手・結城ちひろ。
彼女はゼネラル・フィルムの新商品『パチリコ』のイメージキャラクター。
その日はテレビ局でCM曲を唄う予定だった。
同日、警察に結城ちひろ誘拐の匿名電話がかかった。
多くの人が出入りするテレビ局で、人目をひくタレントの誘拐などありえない。
そう思った矢先、結城ちひろが誘拐された。
彼女を心配する両親やマネージャー。
被害者保護と犯人確保を狙う警察。
しかし、被害者がタレント故に、関係者はそれだけではすまなかった。
芸能プロ・広告業界・スポンサーそれぞれの思惑と駆け引き。
そしてそれに踊らされる大衆によって捜査は混乱した。
はたして犯人はどうやって白昼堂々、タレントを誘拐し身代金を得たのか。
そのトリックは、そして犯人は―・・・

あらすじにある通り、誘拐ミステリです。
今回の舞台はコンピュータでも競馬でもなく、テレビ・広告業界。
本作は誘拐トリックだけが主軸ではないと思います。
「何故」犯人は人目をひくタレントを誘拐したのか。
「何故」犯人はこのようなトリックを用いたのか。
それも勿論重要なポイントです。
しかし、それと同じくらい、テレビ・広告業界の危うさやえげつなさがえがかれています。
関係者はなかなかに下種で、人命・人権より宣伝・視聴率が重要な様子も結構本作の幅を占めています。
関係者の思惑に邪魔され、警察はストレートに犯人追跡が出来ません。
しかし、そういった駆け引き・思惑は犯人・トリック推理の目くらましだけではなく、鍵にもなっています。
ただ、二点ほど気になることがあります。
まず、犯人の動機が弱い気がします。
次に、犯人の狙いやトリックは緻密なのに、狙い通りに人が動くかは運であり、その運の要素がかなり重要な点です。
緻密な割に運要素が強いというのは矛盾している気がします。
とはいえ、関係者の思惑により事件は二転三転し、非常に面白いです。
トリックの面白さは勿論、テレビ・広告業界の裏側も緻密にえがかれています。
さすが「人さらいの岡嶋」だと思える作品です。

▼以下、ネタバレ感想

※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[] ログインはこちら

あんみつ
QVSFG7MB