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アイアン・ハウス



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アイアン・ハウスの評価: 7.00/10点 レビュー 3件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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No.1:
(9pt)

サスペンスは悪役次第と、改めて納得

今や米国の最も有力なミステリー作家に数えられるジョン・ハートの最新作は、前3作とは趣を異にする傑作エンターテイメントだった。

孤児院で離れ離れになった兄弟が成長し、兄はギャングの凄腕の殺し屋として、弟は富豪の上院議員の養子で著名な作家として再会し、出生の謎を解いて行くというのはありがちな設定ではあるが、それに、愛する女性のためにギャングから足を洗おうとする兄・マイケルのギャング仲間との戦いが絡んでくると、これまでにないサスペンス小説ができあがる。
物語の前半は、殺し屋から足を洗おうとするマイケルと、それを阻止したいギャング仲間の戦いが中心に展開されるのだが、話のスピードといい、緊迫感といい、一級品のサスペンスが堪能できる。特に、悪役であるジミー(組織の先輩で、マイケルの師匠役でもある)がとてつもないデビルなキャラクターで度肝を抜く。サスペンスの魅力は悪役次第であると、改めて感じた。
後半は、弟の邸宅で発見された死体の犯人探しと兄弟の出生の秘密をさぐることが絡み合いながら展開されるが、これまたかなりひねった設定だし、ジミーに負けないくらいのデビルな悪役(ネタバレになるので、詳しくは書かない)が物語を大いに盛り上げてくれる。
ジョン・ハートのこれまでの作品は、どちらかといえば情緒的というか、家族、親子、故郷などを情感豊に歌い上げるハートウォーミングな感じだったが、本作はいい意味でエンターテイメントに徹しきったクールな仕上がりだった。
作品のテイストとしては、「ミスティック・リバー」を思い起こさせた。

iisan
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