【青山文平】
泳ぐ者
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ほんとうに人を斬ったのか──幕末から戦前までを駆け抜けた、日本美術家の生涯。
雪の夜、木挽町の芝居小屋の裏で、菊之助なる若衆が果たした見事な仇討。白装束を血に染めて掲げたのは作兵衛の首級。
切り立った岩の上で独り稽古を積む、藤戸藩お抱えの道具役(能役者)の長男・屋島剛(やしまたける)。
村に染まれず、江戸に欠け落ちた男たち。当時の江戸は一季奉公の彼らに支えられていた。
『機織る武家』血の繋がらない三人が身を寄せ合う、二十俵二人扶持の武家一家。生活のため、後妻の縫は機織りを再開する。
安政七年(1860年)。笠間藩士・小野友五郎はサンフランシスコを目指す咸臨丸の船上にあった。
飲み屋で男二人が喧嘩をした。一人は大怪我、殴った男は遁走の果てに首を吊った。
小さな喫茶店を営む女性が殺された。加賀と松宮が捜査しても被害者に関する手がかりは善人というだけ。
内気な人々が集まって暮らすその土地は、“アカシアの野辺”と名付けられていた。
「この金で生まれ変われ」半グレ組織から奪い取った大金をマモルに託し、タクヤは姿を消した。あれから三年。
なぜ、人と人は争わねばならないのか?日本史上最大の危機である元寇に、没落御家人が御家復興のために立つ。
47歳で若き官房長官となり、総理への階段を駆け上がる男は、周囲を魅了する輝きを放っていた。
本能寺の変より四年前。織田信長に叛旗を翻し有岡城に立て籠った荒木村重は、城内で起こる難事件に翻弄されていた。
天文年間、小土豪が群雄割拠する中国地方で没落した宇喜多家の嫡男・八郎は、その器量を見込まれ、豪商・阿部善定のもとで父母とともに居候していた。
ノースカロライナ州の湿地で青年の遺体が見つかる。村の人々は「湿地の少女」カイアに疑いの目を向ける。
恩人の命令は、思いがけないものだった。不当な理由で職場を解雇され、腹いせに罪を犯して逮捕された玲斗。
関所破りは磔が定め。武州栗橋の関所で偽造の往来手形が発覚、諸国放浪の絵師土田半左衛門が捕らわれた。
問題を起こし家裁に送られてきた少年を一定期間預かる制度ーー補導委託の引受を突然申し出た父・孝雄。
小間物問屋『遠野屋』の主清之介は、生国嵯波の紅花産業に莫大な金を注ぎ込んできた。その紅餅を積んだ船が突然消えた。
一俵でも禄高が減れば旗本に格下げになる、ぎりぎり一万石の大名、下総高岡藩井上家に婿入りすることになった竹腰正紀はまだ十七歳の若者だ。
緻密な構図や大胆な題材、新たな手法で京画壇を席巻した天才・伊藤若冲は、なぜ奇妙な絵を生涯描き続けたのか――。
白昼、老人が渋谷のスクランブル交差点で何もない空を指さして絶命した。正光秀雄96歳。
検事を辞して弁護士に転身した佐方貞人のもとに殺人事件の弁護依頼が舞い込む。