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泳ぐ者



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【この小説が収録されている参考書籍】
泳ぐ者 (新潮文庫 あ 84-4)

泳ぐ者の評価: 4.21/5点 レビュー 14件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.21pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全14件 1~14 1/1ページ
No.14:
(5pt)

奥深い味わい

著者の脂の乗りきった作品です。
泳ぐ者 (新潮文庫 あ 84-4)Amazon書評・レビュー:泳ぐ者 (新潮文庫 あ 84-4)より
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No.13:
(5pt)

発送いただき有難う御座いました

早々、書籍が届き有難う御座いました。
 書籍の状況もとてもよく放送も丁寧にして頂き良かったと思います。
泳ぐ者 (新潮文庫 あ 84-4)Amazon書評・レビュー:泳ぐ者 (新潮文庫 あ 84-4)より
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No.12:
(5pt)

人生が豊かになる

この作家のものは、全部五つ星です。
泳ぐ者 (新潮文庫 あ 84-4)Amazon書評・レビュー:泳ぐ者 (新潮文庫 あ 84-4)より
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No.11:
(5pt)

この作品に限らず

著者の小説は、主人公の内心を短いセンテンスでどんどん積み重ね、読んでいるうちに、その葛藤が読者の心理と重なるように仕上げられている。読了したとき、主人公と同じ心持ちになれば、読者にとって良作となり、得心がいかなければ駄作となるのだろう。
 本作には二つの事件の「なぜ」が描かれており、いずれも早期に一応の解決を見るものの、主人公はそれに納得できず、さらに「なぜ」を追い続ける。私には十分面白かった。
泳ぐ者 (新潮文庫 あ 84-4)Amazon書評・レビュー:泳ぐ者 (新潮文庫 あ 84-4)より
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No.10:
(4pt)

待ってました、片岡直人。次も待ってます。

なんたる失態。
『跳ぶ男』を読んだ後、しばらく青山文平の新刊は出ないだろうと、勝手に判断し、『鬼はもとより』や『伊賀の残光』などの再読を専らにしていた。先日、海外出張で思わぬ足止めを食らったとき、「こんなときに青山文平があれば」と思ってAmazonを検索したら、何と、新刊が出ているではないか! しかも3冊も! くぅ〜、自分に腹を立てながら、『江戸染まぬ』『泳ぐ者』『底惚れ』を怒りの即購入。

帰国するまで、レビューを読んでみた。
『江戸染まぬ』は高評価。しかし、意外にも『半席』の続編である『泳ぐ者』は辛口批評が目立つ。
帰国したら、当然、3冊とも届いていた。パッキンを開くよりも早く、青山の新刊を手にする。

『江戸染まぬ」は評判に違いなし。

『泳ぐ者」はレビューに反論したい。
海防の話が長い、という批判を目にしたが、さにあらず。片岡直人が生きた時代が、幕末であること改めて感じさせた。また徒目付という職が国防をも担うのか、と初めて識った。自分に海防の話は興味深く読めた。

その仕事と「なぜ」を解く仕事が並んで進行するストーリーに、やはり青山文平に心は拉致られていった。
人の情の奥の奥の奥を探る直人の真摯さと、そこで明かされる人の業、封建時代の彼岸と地獄。そして、内藤雅之と江戸グルメ。

こんなシリーズを待っていた。そして、今度は見逃さない。シリーズ三作目、さらに幕末を色濃く感じさせる新作を待ってます。
泳ぐ者 (新潮文庫 あ 84-4)Amazon書評・レビュー:泳ぐ者 (新潮文庫 あ 84-4)より
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No.9:
(2pt)

ミステリ風味の時代小説だが、内容が散漫で求心力の乏しさと作者の手前勝手が目立つ駄作

「なぜ?」に拘泥する直人という徒目付を主人公としたミステリ風味の時代小説だが、内容が散漫で求心力の乏しさを感じた。ロシアの軍艦に依る北海道(松前藩)への進攻という日本の海防問題から始まって、事件は離婚した旗本の妻が元夫を殺害して捕まった後に自死する件と、大川で水連する御徒が武士に斬り殺される件の2つ。最初の妻は姉からも"化け物"と呼ばれる浮世離れした女で、後者の御徒は斬られる前に笑った様に見え(直人は目撃していた)、斬った武士は御徒が"化け物"に見えたという設定。

最初の妻の言動は一般人には理解し難いもので、「なぜ?」に拘泥する直人ならずとも、読者にとっても不可解という他は無い(ラストで妻を自死に追い込んだのは自分が責めたからだと直人は自戒するが、これが当たっている保証は無いし、そもそも殺害の真相は最後まで分らない)。後者の事件は直人の執拗な追求に依って、お涙頂戴の復讐譚という事が分かるが、目新しさを感じない。所詮、人間の心理を道理で追及するのは無理なのに、そこを無理やり、コジツケと江戸中期の(海防を含む)政情の細々とした描写とで誤魔化している印象しか受けなかった。尚、「泳ぐ者」という題名は後者の事件の水連していた御徒を指すと言うよりは、真相を求めて漂っている直人を指しているのだろう。

読者が推理する伏線を全く与えずにミステリ風味とする作者の意匠もサッパリ分らなかった。作者の手前勝手が目立つ駄作だと思った。
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No.8:
(5pt)

難しい文章で読むのが大変でした。

直人の丹念で誠実な調べに感動しました。
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No.7:
(5pt)

現代的な手触り

とても現代的な手触りのする時代小説。奥方の造形が見事。山本周五郎を思い出す。あれは昭和、こちらは令和。元禄と化政。
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No.6:
(2pt)

100ページまで我慢して読んだが挫折

高レビューが多く期待して読み始めましたが,話が取れないというか頭に落ちてこない状態が延々と続き,途中で降参しました。
何回かに分けて読んだので余計にわかりにくかったのかもしれません。
涼しい静かなところで一気に読むのに向いているかも。
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4101200947
No.5:
(2pt)

泳ぐ者

構成がゴタゴタしている。若き武士の成長物語だとは思うが、一つ一つの話が錯綜している。
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No.4:
(4pt)

本はキレイで早い配達

青山文平さんの作品が好きでほとんど読んでいます。なので今回もすごく楽しみにして読みました。悪くは無い。悪くはなくてたしかに一定水準までは達してると思います。けれども少し回りくどいように思いました。特に前半。いつもはぐっと引きつけられるように読むんですが、今回は前半は少し我慢して読んで、徐々に面白くなってきて、後半はとても良かった、という感じです。前半残念で星四つ。
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4101200947
No.3:
(5pt)

作者の並々ならぬ創作能力を感じた。そして独特の語りによる文章のうまさに魅了された。

この作家は寡作である。久しぶりの青山氏の長編小説にためらうことなく購入した。
 主人公は、若き徒士目付けの片岡直人、まだ独身である。話は、徒士目付けとして捜査した武家の妻女による元主人の殺害と、この本の表題となっている、泳ぐ者の二つの話からなっているが、それを捜査した片岡直人には、その一見関係のない話が自身の胸の奥でじっくりとつながっているのだった。人の心のうちを慮り(おもんばかり)ながらも真実を探り当てようとする自分の仕事に真摯に取り組む若者を描いた心揺さぶる話である。江戸時代の下級武士の中に、こう言う心根のしっかりした役人がいたと言うことに気付かされ、たとえこれが小説であっても、日本人としての誇りと晴れやかさから、心地よい読後感を味わった。

 武家の妻女による殺人事件について、これから読む人の邪魔にならないように少し語るとこうだ。殺められた者は六十八歳の勘定組頭を致仕し、長子に家督を譲ってから三年が経っていた。彼は致仕する半年前に六十三歳になる妻女に離縁を申し渡していた。科人はその妻女である。その原因は、これから読む人のために言わないでおく(作者は、現在でも新潟で行われている火葬の後の遺骨の処理に興味を持って小説の題材にしている)が、新潟に生まれたわけでもないのにと、その視点に驚く。そういう夫婦の仲を作者は無理なく、訥々と人生の無常を、若き徒士目付け・片岡直人に語らせるのだった。

 泳ぐ人はそれよりもう少しわかりやすい。たまたま目にした大川を不器用に泳ぐもの、蓑吉、を目にした片岡直人は、心に引っかかるものを感じながらも、人騒がせなことをするなと叱責だけで見逃す。しかし、その三日後に蓑吉は斬り殺されてしまう

 原因は、これから読む人のために書かないでおくが、生前の蓑吉を知る、遊郭に布団を貸し出している多四郎は、「たまげているんでさあ。宿場の古手屋が笑っただけで、内藤新宿へ汗かきに来る御武家様がいなさることにね。」と、この一言が片岡直人の生き様、人間性を表している。
 
 これらの物語は架空の話ではあろうが、多くの資料を元にして当時の江戸をいわば舞台装置として作り上げ、人々を登場させている。それだけに話に現実味があり、重厚な印象を与えている。創作の裏にはそれを引き立たせる努力があるのだと思った。そして独特の語りによる文章のうまさで読者を魅了するのだった。寡作作家ではあるが、ますますの発展を望むものである。
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No.2:
(5pt)

久しぶりに読み応えのある時代小説に出会いました。

日経新聞縄田一男氏の書評を見て買いました。久しぶりに読み応えある時代小説に出会った感じです。「半席」に続いての主人公ですが、半席という藩内の地位も見透す者という正式な仕事もあることを知りませんでした。「泳ぐ者」の少年時代に両親を失い村を追い出されて乞食番というのをやらされて食べものを得ていたという悲惨な過去の話も出てくる。100冊くらいは時代物を読んでいると思いますが、青山文平氏の小説は人間が生きている実感のある骨太の時代小説だと感じました。直人の上司の内藤雅之がさらりとした人柄なのに深く人や物事を見透す目をもった頼りがいのある人物に描かれているのがなんとも温かく気に入りました。
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4101200947
No.1:
(5pt)

問わず語りの傑作だと思います

「泳ぐ者」(青山文平 新潮社)を溜息をつきながら読み終えました。
 神田多町の居酒屋、主人公・片岡直人と徒目付の上役、雅之とが猪口を傾け合っての対話から始まります。そこには江戸者の食道楽ぶりが静かなソプラノ・サックスのように咽ぶ中、徒目付という監察を担う御家人としての、この国の<インテリジェンス>が交差し、語られていきます。四ヶ月、江戸を不在にしていた雅之は、対馬へ、そして長崎へ。引き寄せられる様々な土地、国。蝦夷地、支那、朝鮮、琉球、阿蘭陀、露西亜、そしてエゲレス。"フェートン号事件"が引き合いに出されているということは、1808年以降の日本。徒目付の「御用」を語ることで、当時のこの国が背負った国家的背景が語られていく<つかみ>が、ただただ見事ですが、それはただ<つかみ>だと言うだけでなく、<海防>に惹かれながらも尚、人の世の「なぜ」の持つ暗闇に魅せられていく直人の選択のための一つの礎、壁、駒が布石のように置かれています。
 そして、直人が手がける二つの事件のようなものが語られていきます。一つは、齢六十八歳にして勘定組頭を致仕し、(実はその半年前に彼は妻女を離縁していましたが)、その三年後にその妻女は元勘定組頭に対し、懐剣し、死に至らしめます。そう、「なぜ?」。二つ目は、大川の対岸から泳ぎだす一人の男。その達者とは言えない泳ぎを見つめる直人が抱く「なぜ?」が、静かに語られていきます。
 それらのストーリーを詳述することはできませんが、どちらもそれぞれ一人の人間の持つ心の闇について「なぜ?」を繰り返すことで、その真理、真髄を見極めようとする息詰まるような心理の道筋がサスペンスを生み、最後は、ストンとある場所に落ちていきます。そこは、思っていた場所なのか、思っていなかった場所なのか?しかしながら、どちらも何故か心の琴線に触れる。
 人間には様々な形の「エゴ」があり、それが心の闇を作り出すのかもしれませんが、反面それ以外の何かもその「エゴ」がプロジェクションしてくれるのでしょうね。そう、それはたとえば愛、あるいは愛のようなものに対しても。
 直人の導師のような歌枕の旅を聴かせる沢田源内の存在が直人の「なぜ?」を鏡のように照らし、ささやかに阿弥陀堂に祀られた阿弥陀如来のように衆生救済のために生きようとする隠密としての直人の存在が、現代の私欲に塗れた「公僕」たちの「もののけ」のような悪しきものをも浮かび上がらせてくれています。
 時代ミステリとは言わず、問わず語りの傑作だと思います。
泳ぐ者 (新潮文庫 あ 84-4)Amazon書評・レビュー:泳ぐ者 (新潮文庫 あ 84-4)より
4101200947

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