1935年、ドイツ。若く優秀な保安情報部員アルベルトは、党規に従い神を棄てた。

時は大正。

薩摩藩士の岡元伊織は昌平坂学問所で学ぶ俊才であったが、攘夷に沸く学友のように新たな世への期待を抱ききれずにいた。

1945年夏、敗戦翌日。誰もが呆然とする中、朝日新聞社に乗り込んできた男がいた。

応仁の乱前夜。天涯孤独の少年、才蔵は骨皮道賢に見込まれる。

ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。

ビール会社の営業課長、明良。部下からも友人からも信頼される彼の家に、謎めいた贈り物が?都議会議員の夫と息子を愛する篤子。

国内篇2001年、新聞社を辞めたばかりの太刀洗万智は、編集者から海外旅行特集の協力を頼まれ、事前調査のためネパールに向かう。

出世街道を外された総合商社部長の山崎鉄郎は、やけ酒を呷り泥酔。

1945年7月、ナチス・ドイツの敗戦で米ソ英仏の4カ国統治下におかれたベルリン。

結合双生児として生まれたゲオルクとユリアンの波瀾に満ちた数奇な人生。

本当に客を掴んでいるのは誰か―。

村野隼介、30歳。職業、ユーロポール連絡員。

昭和63年、広島。所轄署の捜査二課に配属された新人の日岡は、ヤクザとの癒着を噂される刑事・大上とコンビを組むことに。

ハイブリッドカーは、本当にエコカーなのか?日本の家電メーカーは、なぜ凋落したのか?メモ魔の窓際刑事、再臨場!警察小説史上、最も最酷で哀しい殺人動機。

会社を潰すのはヘッドハンターか!? 父が創業したアウトドア用品メーカーに勤める鹿子小穂(かのこ・さほ)は、創業者一族ということもあり、若くして本部長、取締役となった。

新米新聞記者の英田紺のもとに届いた一通の手紙。それは旧家の蔵で見つかった呪いの箱を始末してほしい、という依頼だった。

3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクール。

1944年6月6日、ノルマンディーが僕らの初陣だった。

全身の骨が折られ、血が抜かれた若い女性の遺体が、ライプツィヒの貯水池で見つかった。

玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。

95年、渋谷。時代に抗うように、街を駆け抜けた、17歳の少年たちがいた。

高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律に魅せられた外村は、念願の調律師として働き始める。

一級建築士の青瀬は、信濃追分へ車を走らせていた。望まれて設計した新築の家。

大学病院で激務に耐えている平良祐介は、医局の最高権力者・赤石教授に、三人の研修医の指導を指示される。

著者を短編ミステリーの名手として知らしめた大ヒット作『傍聞き』。

昭和十年、春。数えで二十歳、女子学習院に通う笹宮惟佐子は、遺体で見つかった親友・寿子の死の真相を追い始める。

東京でインテリア・アートの販売員をするOL、真紅。仕事に挫折し、母親の待つ故郷に帰るべきではないかと悩んでいたある日。

八歳の女児が乗用車に撥ねられ死亡する。運転手は不起訴処分になるが、そこには罪深い大人たちの様々な打算が働いていた。

女優の弓香の元に、かつての同級生・理穂から届いた故郷での同窓会の誘い。

ベテラン女子行員はコストだよ―そう、うそぶく石頭の幹部をメッタ斬るのは、若手ホープの“狂咲”こと花咲舞。

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。

廃病院に集まった十二人の少年少女。彼らの目的は「安楽死」をすること。

湖から屍蝋が上がった―。小さなバーのママと常連客は、そのニュースに激しく動揺する(「水底の祭り」)。

休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。

昭和39年夏。10月に開催されるオリンピックに向け、世界に冠たる大都市に変貌を遂げつつある首都・東京。

竜崎伸也は、警察官僚である。現在は警察庁長官官房でマスコミ対策を担っている。

あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。

世紀の奇書『熱帯』に惹かれ、秘密を解き明かさんと集まった“学団”によるソウダイなる追跡劇。

会社がヤバい。彼女とヤバい。

衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。

ニューヨーク、国連本部。イラク攻撃を宣言する米国務長官の背後から、「ゲルニカ」のタペストリーが消えた。

「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」突然の依頼に、作家の〈私〉は驚愕する。

「あなたの本当の目的というのは、もう一度人間になること?」 大学生になった春、美綾の家に迷い込んできたパピヨンが「わしは八百万の神だ」と名乗る。

この本を読んではいけない―奇妙な警告文の挟まれた古書がオカルト雑誌の編集部に持ち込まれた。

「できることが目的じゃないよ。

記憶が80分しか持続しない天才数学者は、通いの家政婦の「私」と阪神タイガースファンの10歳の息子に、世界が驚きと喜びに満ちていることをたった1つの数式で示した…。

三月以外の転入生は破滅をもたらすといわれる全寮制の学園。二月最後の日に来た理瀬の心は揺らめく。

必要な人材を育てる前に、不要な人材をはじきだすための篩。それが、警察学校だ。

ガレージで発見された、黒焦げの男の遺体。殺したのは、男にさらわれ監禁されていた二十代の女性フローラ。

凄腕の女性弁護士アイゼンベルクは、ホームレスの少女から弁護を依頼される。

警察のあきれた怠慢のせいでストーカー被害者は殺された!? 警察不祥事のスクープ記事。

ベテランケースワーカーの山川が殺された。新人職員の牧野聡美は彼のあとを継ぎ、生活保護受給世帯を訪問し支援を行うことに。

家事と育児に追われる高村文絵はある日、中学時代の同級生、加奈子に再会。

少年時代、チェロ教室の帰りにある事件に遭遇。

愛したはずの夫は、まったくの別人であった。 「マチネの終わりに」から2年。