両親が急死し、多額の遺産を相続した少女が恋をした。

九五年八月、東晃大学医学部の研究棟、通称「瞭命館」で六〇名を超す人間が同時に意識障害を起こす惨事が起こった。

大学院生・栗栖川亜理は、最近不思議の国に迷い込んだアリスの夢ばかり見ている。

見覚えのない部屋で目覚めた田村二吉。

核シェルターにひとり籠った男の胴体が捻り切られていた怪事、柩の中で数十カ所刺されて発見された男……。

「弟を殺そう」―身長195cm、体重105kgという異形な巨体を持つ小学生の雷太。

人間たちは、テングとブタに二分されている。鼻を持つテングはブタに迫害され、殺され続けている。

二〇××年、中国でサッカー・ワールドカップが開催された。

9・11以降の、“テロとの戦い”は転機を迎えていた。

異動先の編集部で、偶然目にした未発表の原稿『聖域』。なぜ途中で終わっているのか。

製薬会社テルンジャパンの埼玉県研究所・三号棟で、ウィルス漏洩事件が発生した。

火星の迷宮へようこそ。ゲームは開始された…。

北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。

難病を発症し心臓移植を受けることになった堤雅之。手術は無事成功するが、すぐに雅之は奇怪な現象に悩まされ始める。

覚醒剤中毒死を疑われ監察医務院に運び込まれた遺体から未知の黒色胞子が発見された。

櫛森秀一は、湘南の高校に通う十七歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との三人暮らし。

夭逝した明治の日本画家・河野珠枝の「朱鷺飛来図」。

日本最西端に位置する与那国島の沖合に建設中の“オーシャンテクノポリス”。

志津香はマスコミに勤めるOL。顔立ちは普通だが「美乳」の持ち主だ。

風俗嬢の霊が出るラブホテル、首吊り自殺した女がみえる酔っ払い、曰く付きの事故物件、海外で出くわした恐怖体験、ビール瓶で殴ったら目玉が飛び出たヤクザ…読み終わったら後味最悪。

15歳の「私」の主人は、数百年に1度といわれる呪詛の才を持つ、驕慢な美少女。「お前が私の玩具になれ。

怖いもの好きの管徳代と峰岸柚璃亜は、惨劇の現場“無辺館”に忍び込む。

幼少の頃から、人間に取り憑いた不吉な死の影が視える弦矢俊一郎。

わたし、城の外に行きたいの 一家団欒に突然飛び込んできた少女は、「城」の外に出て行くと言う。

死相が視える探偵・俊一郎のもとに、遺産相続殺人と思われる事件の捜査依頼が舞い込む。

事故で亡くなった愛妻の肝細胞を密かに培養する生化学者・利明。

十数年の不倫関係を続けるヴァイオリニストの亜紀と建築家の聡史。

旧家の猪丸家に現れた記憶のない謎の女・葦子は、開かずの間だった蔵座敷で“狐狗狸さん”を始める。

神々櫛村。谺呀治家と神櫛家、二つの旧家が微妙な関係で並び立ち、神隠しを始めとする無数の怪異に彩られた場所である。

「助けて、『奴等』が来る―!」和歌山県でひそかに開発されていた自衛隊の特殊兵器。

埼玉県の長閑な田園地帯で、肉片と骨の屑のようなバラバラ死体が発見された。

永遠の愛をつかみたいと男は願った―。東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。

奈良の山奥、波美地方の“水魑様”を祀る四つの村で、数年ぶりに風変わりな雨乞いの儀式が行われる。

古神家の令嬢八千代に舞い込んだ【我、近く汝のもとに赴きて結婚せん】という奇妙な手紙と佝僂の写真は陰惨な殺人事件の発端であった。

瀬戸内海の兜離の浦沖に浮かぶ鳥坏島。鵺敷神社の祭壇“大鳥様の間”で巫女、朱音は神事“鳥人の儀”を執り行う。

参加者全員に死相が浮かぶ、バスツアーの行方は!? シリーズ第6弾!! 黒術師を崇拝する者たちがいる。

奇妙で凄惨な自死事件が続いた。被害者たちは、かつて自分が行った殺人と同じ手口で命を絶っていく。

妻が傾倒し出した百舌鳥魔先生の芸術。それは生き物を生かしたまま切り刻んで繋げるという異様なものだった。

雪の山荘に閉じ込められた小説家の安斎を突如襲う、凶悪なスズメバチの群れ。安斎は山荘を生きて出られるのか。

“シュール”かつ“泥沼”のような状況を乾いた“ユーモア”とともにお届けする、異才の作家・平山夢明“最悪劇場”全四話。

「親友を探してほしい」。探偵は、古ぼけた四枚の写真を手がかりに、一人の女性の行方を追い始める。

愛なのか、狂気なのか―。女性エッセイストが絶賛したことを機に、一躍脚光を浴びた知られざる天才画家。

到底人など通いそうにない十津川の山頂に、絢爛豪華な洋館が聳えていた。そこに暮らすのは素封家・天主家の一族と召使い達。

犯罪抑止のために開発された「人工脳髄」。

十三歳で遊女となるべく売られた少女。“緋桜”と名付けられ、身を置いた世界は苦痛悲哀余りある生き地獄だった。

しんと静まった真夜中を旅する怪しい集団。

たとえば、苔むして古びた水路の先、住宅街にひしめく路地のつきあたり。

雷の季節に起こることは、誰にもわかりはしない―。

十一月七日水曜日。女子大生の藍は秋のその一日を何度も繰り返している。