未踏峰への夢を息子に託す登山家の狩義之は、後援をやめると言う会社重役を撲殺、登り慣れた山で偽装工作を図る(「未完の頂上(ピーク)」)。

鑑識不在の状況下、警備会社社長と真っ向勝負(「マックス号事件」)、売れっ子脚本家の自作自演を阻む決め手は(「失われた灯」)、斜陽の漫才コンビ解消、片翼飛行計画に待ったをかける(「相棒」)、フィギュアに絡む虚虚実実の駆け引き(「プロジェクトブルー」)…好評『

本への愛を貫く私設図書館長、退職後大学講師に転じた科警研の名主任、長年のライバルを葬った女優、良い酒を造り続けるために水火を踏む酒造会社社長―冒頭で犯人側の視点から犯行の首尾を語り、その後捜査担当の福家警部補がいかにして事件の真相を手繰り寄せていくかを描く

不可能犯罪ばかりが起こる街、蝦蟇倉市。

2058年4月、上海大学で20世紀の探偵小説を研究していたユアン・チンルウは、国家科学技術局から呼び出される。

新興宗教団体にかかわる事件で警視庁が緊張に包まれる中、都内近郊ではスズメバチが人を襲う事故が連続して発生。

銃撃を受けて負傷した警視庁捜査一課の鬼警部補・須藤友三は、リハビリも兼ねて、容疑者のペットを保護する警視庁総務部総務課“動植物管理係”に配属された。

音楽学科の学生選抜コンサートの会場となるはずだった、大ホールのステージを泡だらけにした犯人は誰か? そしてその理由とは? 爽やかな余韻が残る表題作ほか、聴き屋だからこそ真相に気づけなかったエピソードを描く「恋の仮病」、美少年タレントの謎の行動の理由を探る「

ここ蝦蟇倉(がまくら)市では、不可能犯罪ばかりが起こる。事件を通じて人々が経験する、出会いと別れ。

砂漠を行くキャラバンを襲った連続殺人、スペインの風車の丘で繰り広げられる推理合戦、ロシアの修道院で勃発した列聖を巡る悲劇…ひとりの青年が世界各国で遭遇する、数々の異様な謎。

助言あり〼(ます)――。スーパーの駐車場で“相談屋”を営む稲垣さんの下で働くことになった浜田青年。

平凡なサラリーマンの「ぼく」こと海老野が勤める会社の近所に、突如できた小さな美術館。

「遠野物語」から二十数年を経て刊行された怪異譚「遠野物語拾遺」を、 京極夏彦がその感性を生かして語りなおす。

明治二十年代の半ば。雑木林と荒れ地ばかりの東京の外れで日々無為に過ごしていた高遠は、異様な書舗と巡りあう。

開業にあたり調査事務所“紺屋S&R”が想定した業務内容は、ただ一種類。犬だ。

雪の山荘に閉じ込められた小説家の安斎を突如襲う、凶悪なスズメバチの群れ。安斎は山荘を生きて出られるのか。

能登半島の最北部にある眞塊谷を支配する邑知家。

日本推理作家協会賞、本格ミステリ大賞ダブル受賞 寒村でおきた殺人事件の犯人と疑われた大学生・静馬を救った隻眼の少女探偵・みかげ。

「よろず探偵承り」珍妙な看板を掲げる発明家・柿三郎が、不思議な発明品で事件を解明!? 大正“ハイカラ"ミステリー。

進々堂。京都大学の裏に佇む老舗珈琲店に、世界一周の旅を終えた若き御手洗潔は、日々顔を出していた。

推理作家の美袋三条は、知人の別荘で出会った佑美子に刹那的に恋をする。

人の住まぬ荒地には、夜どこからともなく現れた女のけたたましい笑い声が響き渡るという。

宴席の最中だった。突然部屋の中に入ってきたのは「鬼」―祭で使う鬼の面をつけ蓑をまとった「鬼」だった。

江戸時代に聞き集めた、怪しい話、奇妙な話。

「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが…。

大学院生・栗栖川亜理は、最近不思議の国に迷い込んだアリスの夢ばかり見ている。

創立百周年を迎えた京都・宇治市にある北乃杜高校。

繁華街のカラオケボックスに集う四人の男。めいめいに殺意を抱えた彼らの、今日は結団式だった。

18世紀英国。

希望に燃え、警察学校初任科第九十八期短期過程に入校した生徒たち。

傲岸不遜で超人的推理力の探偵・メルカトル鮎。教師殺人の容疑者はメフィスト学園の一年生、二十人。

一夜にして3人の死者が出た事件を調査するため、イギリスから西インド諸島へ旅立った私立探偵。

もし、現在の記憶を持ったまま十ヵ月前の自分に戻れるとしたら?この夢のような「リピート」に誘われ、疑いつつも人生のやり直しに臨んだ十人の男女。

蒲田の老夫婦刺殺事件の容疑者の中に時効事件の重要参考人・松倉の名前を見つけた最上検事は、今度こそ法の裁きを受けさせるべく松倉を追い込んでいく。

ロンドンから出帆し、波高き北海を三日も進んだあたりに浮かぶソロン諸島。

17歳の少女が自ら警察に保護を求めてきた。その背景を探る刑事に鑑識から報告が入る。

僕は、まあやる気のない、モテない、冴えない子供だ。

新規オープンを間近に控えた映画館のオーナー、那須福太郎。彼の周囲に相次いで不吉なことが起きているという。

結合双生児として生まれたゲオルクとユリアンの波瀾に満ちた数奇な人生。

弟・襾鈴の失踪と死の謎を追って地図にない異郷の村に潜入した兄・珂允。襲いかかる鴉の大群。

奇っ怪な分身、“生霊”の目撃談が語り継がれる奥多摩の旧家、谷生家。

奈良の山奥、波美地方の“水魑様”を祀る四つの村で、数年ぶりに風変わりな雨乞いの儀式が行われる。

高校生の心中事件。二人が死んだ場所の名をとって、それは恋累心中と呼ばれた。

首を切り取られた石膏像が、殺人を予告する―著名な彫刻家・川島伊作が病死した。

転落死した男は、勤務先でかけられた横領の疑いを苦にして自殺したと思われていた。

高崎市内の川土手で私立高校に通う女生徒の扼殺死体が発見される。

国内篇2001年、新聞社を辞めたばかりの太刀洗万智は、編集者から海外旅行特集の協力を頼まれ、事前調査のためネパールに向かう。

探偵小説愛好家グループの中心人物・伍黄零無が謎の言葉を残して密室から消失。

十年前に解散した女性三人組アイドル・トライスター。彼女たちが所属していた事務所の元社長が他殺死体で見つかった。

1年前に離婚した大槇辰男は、息子・俊也との面会の帰り、かつて故郷のO村に住んでいた曾木美禰子を駅で見かける。

第二次大戦下のドイツ。

結婚式場へ向かうエレベータ内で、指名手配犯を監視していたふたりの刑事。

原爆が6発落とされた日本。敗戦の絶望の中、国はアメリカ発の不老技術“HAVI”を導入した。

オカルトスポット探険サークルの学生六人は京都山間部の黒いレンガ屋敷ファイアフライ館に肝試しに来た。

まるで拾った宝くじが当たったように不運な一日は、一本の電話ではじまった。

神奈川県警が劇場型捜査を展開した「バッドマン事件」から半年。 巻島史彦警視は、誘拐事件の捜査を任された。