橋口雄一郎は40代のプロの結婚詐欺師。

女性や老人だけを狙った通り魔や強盗傷害を繰り返し、自暴自棄な逃避行を続けていた伊豆見翔人は、宮崎県の山深い村で、老婆と出会った。

夫婦と、息子ひとりの3人家族。どこにでもある、新興住宅地の平穏で幸福な一家だった。

3回コールの後に切れる不気味な電話。この電話は…。

マニラから日本に来て銀行員に嫁ぎ、二児の母になったマイラは、新潟へ越して初めて雪を体験する。

東京都下、武蔵村山市で占い師夫婦と信者が惨殺された。音道貴子は警視庁の星野とコンビを組み、捜査にあたる。

色恋をめぐる狂気は、その女たちを少しずつ蝕み、少しずつ壊していった…。

上京し、夢を打ち砕かれた孤独な少女。だがその男との出会いを境に、心の底に凍てついた狂気がゆっくりと溶けはじめる。

「ごめん。もう、会えない」。

わたしを裏切った男と侮辱したあの女は絶対に許せない!ふたり同時に復讐するには、あの方法しかない―男に妻も子どももいると知った愛人の心に燃えたぎった嫉妬と殺意。

独り身で子供も持たなかった、仕事ひとすじの啓子は、病気のため五十四歳という若さで亡くなった。

ペットの洋服作りの仕事が軌道に乗ってきた芭子と、パン職人の道を邁進する綾香。

タワーマンションの最上階に暮らす売れっ子作家・珠美は人生の絶頂。一方、売れない作家桜子は安マンションで珠美を妬む日々。

エリート銀行員の仁藤俊実が、意外な理由で妻子を殺害、逮捕・拘留された安治川事件。

わたしの人生は充実する、あの夫、あの親族さえいなければ。

一つになれない家族を猫だけが見つめ続けた――「すずの爪あと」。

両親を相次いで喪った三人きょうだいの末っ子で高校二年生の麻里子は、いつの間にか端が切れた鞄を縫おうとして隙間に挟まれていた鍵に気付く。

かつての恋人の故郷でその不在を想うキャリア・ウーマン。寒い土地への転居を境に狂い出す「じゃぱゆきさん」。

深夜のファミリーレストランで突如、人間が炎上した。その数日後、天王洲では無残に咬み殺された男が発見される。

小森谷芭子29歳、江口綾香41歳。ふたりにはそれぞれ暗い過去があった。

「私は拳銃を構える。恐怖にひきつった顔を思い描くだけで、胸のもやもやが晴れていく」―。

ふと入ったカレー屋で音道は、男が店主に「こいつは俺の女房を殺した」と怒鳴る場面に遭遇する―男同士の絆が無惨に引き裂かれてゆく様子を描いた表題作。

婚姻届を出すのは待ってほしい―彼が結婚を決断しない理由は、思いもよらぬものだった(「二年半待て」)。

「グランドマンション一番館」には、元「名ばかり管理職」の男、元公務員、三世代同居の女所帯から独居老人、謎の若者、はてはかなり変わった管理人までと、アクの強い人たちが住んでいる。

連続結婚詐欺&不審死事件の容疑者―稀代の毒婦、佐竹純子。

妻あり子なし、39歳、開業医。趣味、ヴィンテージ・スニーカー。

様々な職場で“運命”に弄ばれる女性たち。哀しき現実と向かい合い、追いつめられた彼女たちは、ついに…。

萌子は、かつて夫だった男と待ち合わせをしていた。折り入って相談があるというのだ。

小学校教師の水川には給食で食べられなくなった物がある。それはうずらの卵。

貸家だった木造民家の解体現場から、白骨死体が発見された。

内見したマンションはおしゃれな街のおしゃれな造り、環境も間取りも条件も申し分ない。

夫、息子と幸せに暮らす宏美は9年前に恋人を飛び降り自殺の巻きぞえで失っていた。

「犯罪被害者に限定して言えば、事件の加害者となった人間以外はすべて、被害者になってしまうのではないかと、私はそんなふうに考えている。

『凍える牙』で、読者に熱い共感を与えた女性刑事・音道貴子。彼女を主人公にした初の短編集。

美容に狂う前妻と彼女を奪っていった男、なぜ二人は俺に会いに来るのか?なぜこんなに友人の母親が気になるのか?隣室で虚ろで奇妙な音を出し続けるのは何者か?どうしてあんなに不出来な部下に惹かれるのか?なぜ暗闇で出会って顔も見えない彼女がこんなにも愛おしいのか?な

母親を殺害された高浜真裕子は、そのとき高校二年生。心に癒しがたい傷を負った。

凍てつくオホーツク海に突き出し、人も寄せ付けぬ原生林に襲われた極寒の地・知床。

女優の弓香の元に、かつての同級生・理穂から届いた故郷での同窓会の誘い。

この子と、幸せになりたいだけなのに―岸谷奈江と一人娘の真央は、入園を予定している有名幼稚園へ見学に向かう。

助言あり〼(ます)――。スーパーの駐車場で“相談屋”を営む稲垣さんの下で働くことになった浜田青年。

失踪した母、殺害された父。そこから悲しみの連鎖は始まった。

孤独と暴力に耐える日々のなか、級友の弥生から絵本作りに誘われた中学生の圭介。

生まれて初めて芽生えた殺意という名の感情。

浅井久子は、12年前に夫をひき逃げで亡くした。犯人が分からないまま時効を迎えた今も、悲しみが癒されることはない。

―君のこと忘れたこと、なかったよ、これから先も、百歳になっても。十六年前に起きた『西池袋事件』。

ちっちゃい赤ん坊だった準子が嫁に行くんだぞ――男手一つで育てた娘を嫁がせる「結婚しようよ」。

退屈な日常がキレる。怒り、殺意、逆襲…。

「私の息子は、犯罪者になるに違いない」 1962年、西新宿・十ニ社の花街にある洋館「鸚鵡楼」で殺人事件が発生する。

どこの家庭でもありそうな、でも他人には言えない妻の悩み―夫との冷え切った関係、姑との対立、病死した一人息子への想い、受験生を抱えるつらさ、あるいは生活費の工面や、男友達との密会だったり…。

仕事がしたい。なのに、あの男は“私の家”に帰ってきて偉そうに「夕飯」だの「掃除」だの命令する…。

男と女の愛憎を描く、直木賞作家のサスペンス傑作。

「あいつから逃げなきゃ!」執拗に追ってくる男の影に脅えつつ、逃亡を続ける花屋の店員、三田村夏季。

「さて、同窓会を下記のとおり開催することとなりました。

実力はあるが作品が売れていない悩みを抱える作家・佐古珠美はかつて、ベストセラー作家・豪徳寺ふじ子の秘書だった。

離婚して一人暮らしを続けるフリーカメラマン宇津木葉子のもとに、大学受験を迎えた甥の彰彦とその妹理菜がころがりこんできた。

殺人事件の被害者と加害者。双方から事件について語られる、異色のミステリー。