ただ独りで音もなく犯罪者に食いつく―。「新宿鮫」と怖れられる新宿署刑事・鮫島。

ある夏の夜、酔って遅く帰ってきた姉から、失恋の顛末を聞かされる。

アメリカで運を使い果たしたおれを拾ってくれたのは、シケた中年ボクサー・ムーニー。

失敗した遠征から帰国した登山家滝沢は、得体の知れない男からマナスル登頂を目指す登山隊の隊長になってほしいと依頼を受けた。

ある女のひとを守ってほしい―沢崎の事務所を訪れた十才の少年は、依頼の言葉と一万円札五枚を残して、雨の街に消えた。

トンネルを抜けると緑濃い山を背景に美しい里が現れた。浅茅が原だ。

1986年、晩秋。劇団「暗色天幕」の一行は、信州の山中に建つ謎の洋館「霧越邸」を訪れる。

パリで拉致された恋人のファティを追って、有曾奈春樹は彼女の故郷アルジェリアへ向かった。

マンションの屋上からの飛び降り、地下鉄への飛び込み、そしてタクシーへの飛び出し。

さらし首の名所・暗闇坂にそそり立つ樹齢2000年の大楠。

夏の終わり、郊外の瀟洒な洋館に将来を約束された青年たちと美貌の娘たちが集まった。

東京郊外の都市で一刀彫りの郷土人形を作る旧家に嫁いだ女性が次々に不審な死を遂げる。

「どこまでも殺されていく僕がいる。

レベル7まで行ったら戻れない―。謎の言葉を残して失踪した女子高生。

人を撃てる、こんな機会を誰が断わるか―。

「頼子が死んだ」。

青銅色の鐘楼を屋根にいただく精神病院に続発する奇怪な毒殺事件。自称億万長者、拒食症の少女、休日神経症のサラリーマン…。

元刑事でフリーライターの柚木草平は、雑誌への寄稿の傍ら事件調査も行なう私立探偵。

伝説のピアニスト、バローは生きていたのか?40余年ぶりの新録音がCD化され、話題を呼んだ。

見事な赤毛と死体の消失。これが連続殺害事件の共通項だった…。