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マリオネットK さんのレビュー一覧
マリオネットKさんのページへレビュー数347件
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約50年前の作品ですが凄く読みやすく、本格好きの自分にとっては大変好みで面白かったです。
全体を通して一つ一つは小粒ながら非常に多くのトリックや謎解きロジックが盛り込まれていて、本格推理小説のお手本、教科書のような作品だと思いました。 舞台はクローズドサークルというわけではないのですが、作中の警察があまりに無能なので人が次から次へと殺されていって、実質クローズドサークル作品として楽しめました。折角のクローズドサークルシチュなのに、1,2人しか殺されない作品に見習って欲しいです(笑) 作中に出てくる20代の若者達は、現在生きていれば80歳過ぎのご年配になるのですが、作中で「最近の若者はみんな字が下手」などと言われているのになんか笑いました。 あと現在でもごく普通に使われている「不倫」という言葉が作中で逆に「古い言葉」と表現されていたのが興味深かったです。 こういう現代とのギャップを楽しむのも古い作品を読む際の醍醐味の一つですね。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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「黒鳥亭殺人事件」
「壷中庵殺人事件」 「月宮殿殺人事件」 「雪華楼殺人事件」 「紅雨荘殺人事件」 「絶叫城殺人事件」 以上の六編のいずれも独特の特色を持った館や廃墟などで起きた殺人事件を扱う『作家アリスシリーズ』の短編集です。 このタイトルラインナップを見ただけで、所謂「館もの」が好きな人はゾクゾクするでしょうか、どれもあくまで短編なので、そこまで大掛かりなトリックやインパクトのある建物が出てくるわけではありません。ある意味全部名前負けです(苦笑) あと、表題にもなっている最後の「絶叫城」だけは、実際に作中でその城が舞台の殺人事件が起こるわけではなく、絶叫城というタイトルのホラーゲームに見立てた連続殺人事件が街中で起こるというストーリーです。 個人的に建物に惹かれたのは「月宮殿」ミステリとして出来がいいと思うのは「紅雨荘」ですね。 ※作品ごと個別にも登録されているみたいなので、気が向いたら個々の感想も書こうかなと思います。 |
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西暦2113年の未来、100年前からまるで時が止まったかのように外界との交流を閉ざした独特の価値観を持つ国(?)に、導かれるように迷い込んだ主人公がそこで殺人事件に巻き込まれるというストーリー。
なにやら凄まじい壮大な密室トリックか?と期待してしまいたくなるタイトルですが、そこは期待すると肩透かしを食らいます。 本格ミステリというよりは、人物や世界観を楽しむSFファンタジーミステリーかもしれません。 作中の主人公は約百年後の人間なので、彼から見て約百年前の技術や文化をギャップを感じたり、興味を持って接する場面が随所にありますが、 この作品をもし百年後の人間が読んだらどう思うのかな、とふと想像しました。 やや低評価になりましたが、自分が勝手にバリバリ本格を期待して勝手に裏切られたと感じてしまったがゆえで、目線を変えて読み返したら評価は変わるかもしれないですね。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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道化師の格好をした殺人鬼が女性を狙うという、10歳ぐらいの頃に学校の図書館で読んで凄い怖かった話。
最近読み返してみましたが大人になった今でもやはり怖かったです…… ピエロの恐怖を書いた話といえばスティーブンキングの『IT』が有名ですがこれはその40年以上も前、その『IT』のモデルとなったキラークラウン、ジョン・ゲイシーが生まれるより前の作品です。 この時代にピエロを恐ろしい存在として書いた作品は日本はおろか、世界的にも稀だったのではないですかね? (道化師をそのユーモラスさを逆手にとった恐怖小説の始祖はおそらくポーの『ちんば蛙』でやはり乱歩の小説の『一寸法師』がその影響を受けていますね) ホラー小説としてはすばらしいと思うのですが推理小説としてみるとちょっと……と言いたい出来です。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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雪に閉ざされた天文台を兼ねた館に集められた5人の探偵。
そしてそこで起こるバラバラ殺人事件。 ゲーム『ダンガンロンパシリーズ』のスピンオフ作品ですが、原作の予備知識は全く要りません。 むしろ完全に独立してるストーリーなので、そっちを期待した人の方が面食らうかもしれないです。 挿絵つき、美少女2人が主役、ラノベ・ティーン小説的な文章、2時間弱で読める中編といった文章量、と滅茶苦茶読みやすい作品です。 しかし、その内容は侮るなかれ最初に述べたあらすじの通り、極めて王道な本格推理小説で、「物理の北山」と称される北山氏に恥じない、理にかなったトリックも光る良作です。 この作品は推理ドラマや推理漫画などで、普段本とか殆ど読まないけど、推理小説にも興味を持った、という超ビギナーが身近にいた時、私は『十角館の殺人』よりも『そして誰もいなくなった』よりも、まず先にこれを薦めたい、と思うぐらい初心者におすすめの作品だと思います。 なので、有名作品というわけではないですが、「初心者におすすめ」タグをつけさせていただきました。(ついでに「クローズド・サークル」タグも) |
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私の中で(世間一般でも?)史上最高の推理小説です。
この作品に影響を受けたり、オマージュとしているミステリは無数にあり、もはやミステリを読むなら「読んでいるのが前提」というレベルの作品でしょう。 その素晴らしさは第一に推理小説の超人気ジャンル「クローズド・サークル」を生み出したということ。 (厳密には同じクリスティでも『オリエント急行殺人事件』の方が先ですが、このジャンルの土台を完成させ、世間一般に広めたのがこの作品であることは疑いの余地なしでしょう) 第二にこれだけ人が死ぬ作品ながら、翻訳版で300ページ足らずと極めてコンパクトにまとまっており、無駄や退屈する間など微塵もないハイテンポな展開ということ。 次のページが非常に気になり、それまで推理小説を読んだことのない人間にも読みやすく、離さない作りとなっています。 内容的には倍、あるいは3倍のページ数でもおかしくない(むしろそれが妥当)なのですが、あえて短くまとめたことで、本当に世界一人に読まれた推理小説となったのではないかと思います。 見立て殺人作品という観点でも史上最高だと思います。 小学生時代、どこかかっこつけて(無理して)本を読んでいたのが否めなかった私ですが。この作品は100%純粋に面白くて面白くて仕方なかったのを今でも覚えています。 自分の中で同じく10点評価の『十角館の殺人』や『インシテミル』などもこの作品のオマージュであり、その偉大さも含めもはやこの作品は何点つけても足りないというか、点数をつけること自体が失礼、ナンセンスと思える領域かもしれません。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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デスゲーム系の先駆者的存在の作品ですが、この作品は単にデスゲームブームの先駆けとなったばかりか「バトロワ系」という一つのジャンルを作ってしまったほどの極めて影響力の強い偉大な作品だと思います。
「参加者に逃亡・反抗防止の首輪がつけられている」「参加者にランダムで武器・アイテムが配られる」などはデスゲーム作品の定石パターンとなっていますが、広めたのがこの作品であるのは間違いないでしょう。(アイディアそのものは先例はあると思いますが) これに影響を受けた作品が無数にあるのは言うに及ばず、ネット上などでも数多くの二次創作のバトロワ作品などが発表されていますが、驚くべき点はこの作品で用いられたルールがほとんど改良の余地なく使用されており、先駆者であるこの作品の時点ですでに「完成」していることだと思います。 これは作品そのものの先見性と完成度の高さを物語っているでしょう。 登場人物たちも「こんな中学生いるわけないだろ」ですが、個性的で魅力的なキャラクターが揃っていて面白いです。 |
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名家の莫大な遺産相続をめぐり、一癖も二癖もある「犬神家の一族」たちによる骨肉の争い……そしてやがて発生する連続見立て殺人……
金田一耕助シリーズの中でも最も有名な代表作の一つですね。 特に全頭マスクのスケキヨさんは、実際に読んだ事のない人でもみんな知っている強烈・有名なキャラクターで今作品の主役と言っても過言でもないでしょう。 横溝御代の作品は、戦争からの復員など終戦直後の日本の当時の雰囲気を良く知れる「いい意味で」時代を感じる作風ながら、現代の読者の鑑賞にも十二分に堪える面白さが同居していて本当に凄いと思います。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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ホームズの長編の中では唯一二部構成が取られておらず、実質的にシリーズ一の大作と呼べる作品でしょう。
先代当主がその地の伝説に残る巨大な魔犬に襲われたかのような不審な死を遂げたバスカヴィル家。 この名家の後を継いだ甥のヘンリー卿にも謎の警告文が届き、ホームズとワトソンは調査の依頼を受ける…… 火を吐く巨大な魔犬の伝承、屋敷周辺の危険な底なし沼地帯、一癖も二癖もありそうな近隣住人たち、何かを隠している使用人夫婦、付近に潜伏した逃亡中の死刑囚、さらにそれとは別にワトソン達を観察するがごとく潜む怪人物の影(先代を殺した犯人か?)…… いくつもの不安と危険要素を孕んだ状況で、頼りのホームズは別の事件の調査のためロンドンを離れられず、しばしワトソン君一人で調査を進めなければならないというスリル満点のシチュエーション。 推理小説としては今読むと物足りないのは否めない所はありますが、数々の不穏な謎と危険が渦巻く、終始息をつかせぬ展開が魅力の作品と感じました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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劇団員の若者たちが吹雪に見舞われ、たまたま迷い込んだ幻想的な雰囲気を持つ豪邸。そしてそこで繰り広げられる連続見立て殺人。
……という非常に直球なクローズドサークル本格推理小説です。 700ページ超という読み応えのあるボリュームで、設定を見ただけで好きな人にはたまらないでしょう。 読み終えての印象としては、本当に終始まっとうな本格推理小説で、綾辻氏の作品としてはやや「大人しい」印象です。 ボリュームこそありますが、『館シリーズ』ほどの大掛かりな仕掛けやどんでん返しはなく、良くも悪くも無難にまとまっている作品だと思いました。 綾辻氏は普段の自分に求められているような全体に大きな仕掛けのある個性的な作品より、奇をてらわない、王道をつきつめたような作品を書きたかったのがこれなのかな、と感じました。 あるいは『館シリーズ』でやれないことをやった結果、極めてまっとうな推理小説となったのかもしれません。 率直な感想を言えば、出来は悪くないですが物足りなさを感じ、期待していたほどでは……といったところです。 好みのシチュエーション補正も含めて個人的評価は7ポイントとしました。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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もともと小学校中~高学年ぐらいを対象として書かれている児童書作品なので当然と言えば当然ですが大人が読むには物足りないです。
(でもミステリファンをニヤリとさせるような小ネタも仕込んでます) 一つ一つはシンプルながらも人間消失トリックを5つも用意しているのは気合が入っており、子供向けではあっても子供騙しではないですね。 本好きの子供をミステリファンに誘導するにはおすすめの一冊(シリーズ)じゃないかな思います。 死なないミステリでほっこりするストーリーなので安心して読め(読ませられ)ます。 |
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タイトルどおり、長い廊下にたくさんの部屋が並んだ建物で起こる殺人事件を扱った作品です。
トリックは簡単です。 処女作ゆえかあまり出来が良いとは言えない作品ですが、いつもミステリを読んでて騙されてばかりなので、たまにはこういうトリックが判りやすい作品も読むと溜飲が下がるな、と思いました。 |
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