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マリオネットK さんのレビュー一覧
マリオネットKさんのページへレビュー数10件
全10件 1~10 1/1ページ
※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
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世間一般の評価でも私個人の評価でも、『十角館の殺人』と並ぶ、シリーズの最高傑作でしょうか。
単純なインパクトや新本格ブームへの貢献度などといった面では十角館より落ちるものの、作品の完成度やドラマ性という面ではこちらが遥かに優れていると言っていいでしょう。 この度10年ぶり、3度目ぐらいの読み直しをしましたが、細部の伏線や説明がしっかりしている作品ということを再認識し、メイントリックそのものはトンデモですが非常に整合性が取れてかつ、フェアな作品に仕上がっていると感じました。 また、108個の時計が時を刻む”時計館”を舞台に、仮面の殺人鬼が出没し、中に閉じ込められたメンバーを次々と殺害していく描写・展開に非常に緊迫感があり、本格ミステリ作品だけでなく、ホラー・サスペンス作品も数多く手がける綾辻氏でありますが、彼の作品の中でホラー・サスペンス作品という観点で見てもこれが№1なのではと思ってしまいます。 あまり魅力がない探偵と言われがちな島田も、この作品あたりから段々キャラクターの一人歩きが見られるように感じますね。 新装改訂版では上下巻に分かれるなど少しボリュームのある作品ですが、読みやすく展開も終始ダレることがないので初心者にもおススメできる一作だと思います。 (最低、先に『十角館』『迷路館』は読んでから読むべきでしょうが) ▼以下、ネタバレ感想 |
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自分の中で史上最高の推理小説はこのサイトでも総合1位のクリスティの『そして誰もいなくなった』なのですが、それに対し史上”最大”の推理小説と言いたいのがこのサイトで総合2位のこの作品です。
もちろん大長編という意味ではなく、そのストーリーとミステリーとトリックの壮大さという意味での”最大”です。 こんなことを考えつく作者の想像(創造)力がまさに宇宙スケールだと感じました。 自分は本来SFというジャンルをミステリの枠に含めるのにはどうしても抵抗がある人間なのですが、この作品に関しては紛れもなくSFを題材とした本格ミステリです。 あるいはこの偉大すぎる作品のせいで、一部でSFがミステリと混同されてしまっている面もあるのかもしれないと思いました。 小説の体裁、構成としては賛否もあるようで、事実私も一部読んでいて退屈な場面はありましたが、自分の中で10点をつけたくなる作品とは粗や欠点のない「完璧」な作品ではなく、もはや点数化できないほどの驚きや感動を与えてくれた作品なのだなと改めて感じさせられた一冊です。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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『学生アリスシリーズ』第三弾にして最高傑作とも名高い作品。
前二作同様クローズドサークルものですが、今回は半ば世間を捨てた芸術家たちの住む孤立集落という舞台設定や 川を挟んで二箇所で同時進行する殺人事件。それに伴いアリスとマリア交互の視点で進行する物語という構成も面白いです。 前作の最後に傷心の状態で推理研を去ってしまったマリアの再登場がまず嬉しかったですね。 随所に見える先輩の江神さんを頼りにしてなついている彼女の様子が非常に可愛いです。 でも、今回は川の向こうでアリスも江神さん抜きでがんばっていたので、彼の活躍も知ってあげてほしいと思いましたね(笑) 純粋な話の面白さ、キャラクターの魅力、真相の衝撃、物語の構成。 個人的に完璧に近い作品だと思うのですが、唯一惜しいと感じるのが、今作に限らずこのシリーズ通して言える点として、犯人を指摘する根拠が物証ではなくロジックに基づく消去法のみ、という所です。 これは否定されたら決定打に欠けるというか、それこそ他の人が「なんらかのトリック」を使った可能性もあるんじゃない?などと思ってしまい、納得行きかねる所があります。単に好みの問題とも言えるでしょうが。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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私の中で(世間一般でも?)史上最高の推理小説です。
この作品に影響を受けたり、オマージュとしているミステリは無数にあり、もはやミステリを読むなら「読んでいるのが前提」というレベルの作品でしょう。 その素晴らしさは第一に推理小説の超人気ジャンル「クローズド・サークル」を生み出したということ。 (厳密には同じクリスティでも『オリエント急行殺人事件』の方が先ですが、このジャンルの土台を完成させ、世間一般に広めたのがこの作品であることは疑いの余地なしでしょう) 第二にこれだけ人が死ぬ作品ながら、翻訳版で300ページ足らずと極めてコンパクトにまとまっており、無駄や退屈する間など微塵もないハイテンポな展開ということ。 次のページが非常に気になり、それまで推理小説を読んだことのない人間にも読みやすく、離さない作りとなっています。 内容的には倍、あるいは3倍のページ数でもおかしくない(むしろそれが妥当)なのですが、あえて短くまとめたことで、本当に世界一人に読まれた推理小説となったのではないかと思います。 見立て殺人作品という観点でも史上最高だと思います。 小学生時代、どこかかっこつけて(無理して)本を読んでいたのが否めなかった私ですが。この作品は100%純粋に面白くて面白くて仕方なかったのを今でも覚えています。 自分の中で同じく10点評価の『十角館の殺人』や『インシテミル』などもこの作品のオマージュであり、その偉大さも含めもはやこの作品は何点つけても足りないというか、点数をつけること自体が失礼、ナンセンスと思える領域かもしれません。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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今更語ることも無いような人気作ですが、なんと言ってもこの本はとても読みやすい点でミステリ初心者向きだと思います。
その一方でミステリをある程度知っているからこそニヤリと出来る部分も多いので、ミステリにはまった友人などに勧める際、どのタイミングで読ませるべきか悩ましい作品とも思います。 とりあえず最低限「そして誰もいなくなった」だけは読んでいて、作品は読んでないまでもコナン・ドイル、モーリス・ルブラン、エラリィ・クイーンなどがミステリの古典の大御所ですよ、ということだけは理解していれば十分でしょうか? 自分がこれを最初に読んだ時は小学生でクイーンやヴァン・ダインの作品は全然読んでいなかったのですが、「そして誰もいなくなった」は読んでいたのと、名探偵コナンのおかげで、大御所作家の名前だけはある程度知っていたので無事楽しむことができました(笑) 新装改定版のあとがきで作者の綾辻氏も述べていましたが、女性が無条件で食事担当になってるあたりとかは時代を感じますね。 新本格ブームの火付け役とされているこの作品ももはや「古典」の域に入りつつあるのかもしれません。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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