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(短編集)
夜の蝉
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夜の蝉の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.12pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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日常の出来事に対してそういう受け止め方もあるかと楽しく読みました。夜の蝉は別の昆虫ですが自分自身も経験したことだったので、身につまされました。 | ||||
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中古品を注文しましたが届いた本は新品並みで気持ちが良いです。 | ||||
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「空飛ぶ馬」以来本当に久方ぶりに北村薫を読む。「空飛ぶ馬」では日常生活に潜む小さな謎を 解いていく小気味よさが印象的であったし、こういう形の推理小説が出来るんだという驚きもあった。 そして、この短編集「夜の蝉」。ここに収められた3篇においても日常生活の中でのちょっと理解でき ない出来事が円紫師匠の推理によって解かれていくというパターンは守られているが、それは作品に おいては決してメインディッシュではない。特に表題作の「夜の蝉」では主人公「私」と5つ年上の美貌の 姉との関係が情感を持って描かれる。姉の失恋をめぐる謎解きで読者を惹きつけておいて、この姉妹の 幼児時代からの確執、女同士の葛藤的なもの、そしてそれらの氷解も軽いタッチで描いていく。筆者が 何を書きたいのかということをはっきりと分からせてくれるような運び方だ。3つの作品を通じて、 筆者の広い分野における博識も印象的である。筆者は多くの人が知るように男性ではあるが、 この作品、特に「夜の蝉」はきっと女性が書いた作品であると言われても私は信じる。男性が ここまで女性の世界が描くことが出来ることに私は驚く。 | ||||
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江美ちゃんの結婚、姉の失恋・・・。 何でもかんでも聞いちゃダメでしょって思ったりもするが、 それがこの物語でもある。 隙のない完璧ともいえる美しい姉に訪れる不和。 そこに日常の悪意が潜み、 避暑地の何気ない悪戯が後々の結婚を暗喩する・・・。 決して作り事には思えない出来事が続く中で、 軽やかにあっさりと謎が解かれていく爽快感と複雑な思いが 駆け巡りつつ、あっという間に読了となった。 | ||||
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落語家の三三さんによる一人芝居を観て、再び読みました。 昔は同年代として読んでいたものが、今は軽く主人公の年を越えて いますが、再読してもなお、いろいろな思いが心にしみてきます。 やっぱり北村さんの中でも一押しかもしれないなぁと思いました。 | ||||
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それにしても本格物と落語は相性がいい。 ホームズ役として登場する噺家の春桜亭円紫と、 ワトソン役の女子大生。 この2人が解決するのは殺人事件などではなく、 日常で起こる不可解な謎。 「なぜ本屋の本がいくつも逆さになっているのか? 」 「なぜチェスの駒が冷蔵庫に隠されたのか? 」 どの謎においても必ず落語のネタが土台になった上で、 人間の闇や情愛が鍵として描かれているので、 読後感がしみじみと味わい深いです。 さて、「八万三千八三六九三三四七一八ニ四五十三ニ四六百四億四六」が読めますか? こんな数字ばかりですが、短歌です。 真ん中の一八ニは「ひとつやに(一つ家に)」と読むのがヒント。 答えはこの本の150ページ。 日本文化って本当に面白いと唸ってしまいます。 | ||||
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他の方も書いていますが、私もシリーズで一番好きです(「秋の花」も好きなのですが、ちょっと悲しすぎるので)。3作品の中でもタイトル作の「夜の蝉」が好きで、2人姉妹の妹である私は、最後の二行を読むと泣きます。小さいときからかわいがってくれたにもかかわらず、素直に甘えられない姉に対するいろいろな思いが湧きあがってきて、何度読んでも涙が出ます。 | ||||
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落語家の円紫師匠が探偵役のシリーズで共通している事ですが、 作品を読むにあたって、あまり大きなエネルギーを必要とはしません。 それでいて、ライトノベルではなく、強固な骨格を有しています。 軽妙な文体に加えて、推理対象が他愛ないものだからかも知れません。 ある作品では、書店の本の中身が、故意に入れ替えられている理由を推理します。 また、一人称で語られる、学生である「私」は、前作「空飛ぶ馬」に比べて、内部から少し変化します。 つまり、この年齢の時期にありがちな、微妙な心理的な揺れが、鮮やかに描かれています。 この部分は、本書の、特筆すべき魅力の一つです。 著者の感性は独特です。 それは、常に心地良いばかりではありません。 しかし、本書を流れる空気は、総じて、心地良いです。 | ||||
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円紫師匠と「私」のシリーズの2作目です。このシリーズはどの巻にも表紙に「私」が同じポーズで立っている姿が描かれていて、「私」が少しずつ大人になって行く様子が描かれているのが良い味を出しています。内容の方も「私」の人間的成長をテーマにした3作が収録されています。 このシリーズは読後感がほのぼのとしているところが魅力なのですが、それは必ずしも殺人事件が出てこないことに由来するわけではなさそうです。殺人が出てこないけれども、人間の悪意というものはしっかりと登場します。本作では3編のうち2編までもが人間の悪意から生まれる謎です。にもかかわらず、悪意というものから逃れない人間という哀れな生き物をいとおしむような作者の視点が感じられることによって、読者にさわやかな読後感を与えるのでしょう。 | ||||
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僕は「優しく」という言葉を使った。しかし初めには「幸せに」と書いてみた。そして実のところ、そのどちらもが適切に僕の感情を表してはいない。むしろ優しくもなければ幸せでもない誰かの悪意、あるいは何かのさだめは、すらりと「わたし」の日常に切り込み、知らぬ間に傷口を開かせる。けれどこの物語が僕に与えた感触は、やはり「優しさ」であり「幸せ」であり、そして「悲しみ」さえも含めて、何もかもをも包み込むような「暖かな視点」だった。だから、それが踏みつぶされ見捨てられ、ハーレクイン・ロマンス程度にまで落ちぶれているとしても、あえてこの言葉を使いたい。本作を貫く紡ぎ手の意志、それは紛れもなく『愛』――あるいは”それに準ずるもの”である、と。 (限りなく★★★★★に近い) | ||||
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「わたし」と「円紫さん」シリーズの一冊。ミステリー仕立ての小説。謎解きの楽しさはもちろん、日常のなかにあるほんの小さな出来事に対する感性が素晴らしい。たとえばこんな場面。帰宅した女子大生の主人公に母親が「庭の百合が咲いたよ。」と声をかける。すると彼女は雨の中懐中電灯を片手に百合に「会い」に行く……。 自然や人に対する細やかな心配りは読んでいて心洗われる。「あっ」という小さな日常への発見にあふれた小説。 | ||||
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「私」と円紫師匠のシリーズで一番好きな本です。「朧夜の底」「六月の花嫁」では「私」が子供から大人へとたどたどしくも成長していく姿にこちらが気恥ずかしくなる気分で読みました。確かこの頃は北村さんをまだ女性だと思ってたのかな?(私もご本人を知り、衝撃を受けた一人です)どうしてこんな風に「私」の機微が描けるのかと驚いたものです。そして「輝く存在」ではないけど姉妹の姉である私は「夜の蝉」で姉に共鳴して、思わず妹に電話してしまいました。 | ||||
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これは謎解きの本である。円紫が解決編に至る前にパタンと本を閉じ、犯人、動機、手段を当てることは決して不可能ではない。しかしそれには頭の良さはもちろんのこと、円紫並みの「優しさ」も無ければならない。(「やさしき」とは古語では頭が良いという意味もあったらしい) | ||||
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