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屍の命題
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屍の命題の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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作者の門前氏は、「建築屍材」で鮎川哲也賞を受賞された人だ。氏がかつてデビュー前に自費出版したのがこの作品。但し、その時は「死の命題」というタイトルだったらしい。その某自費出版系の会社が倒産したためになかなか入手できず、一時期、古書に大変な高値が付いていた。しばらく復刊できなかったのはその会社との版権の問題などがあったからだろうか。 とにかく、そうして待望されて復刊された一冊だ。いわゆる「館もの」「閉ざされた雪の山荘」という、本格推理では王道とも言える題材を扱った作品。ここアマゾンのレビューも評価が高く、私も期待して読み始めた。だが……。 感想を一言で言うと、「読んで損した」。 復刊したのだから、過去の作品にあった瑕疵や誤謬は修正を受けているはずなのだが、アカマツが広葉樹とか、冒頭からいきなりミスがあって意気消沈した。 また、最初の殺人が起きるまでに紙数の約半分を使い切るなど、前半が退屈で仕方がない。新人賞に応募したら間違いなく一次選考で落とされる典型的な書き方だ。事件が起きてからの展開もこれと言ったものがない。本格ものでは最も大事と言えるトリックも、極めてまれにしか起きない偶然性に頼っている。切断後の死体の挙動なども過去に例があると言うが、この作品で書いているようなことは先ずあり得ない。その他、事象の起きたタイミングも整理されてなくてわかりにくいし、それを後で論理的に説明されても、「うん、なるほど、そうだったのか」とうなずけるものがない。 鮎川賞の受賞で人気が出たための復刊なのだろうが、読んでしまった今としは、「幻の処女作」として復刊せずにいたほうが良かったのではないかと思う。 | ||||
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吹雪の山荘というありがちなシチュエーションが、ミステリファンとして嬉しい限り。第一の殺人が起きるまでがちょっと長いのが瑕といえば瑕。だが、動機はともかく、『深く考えれば、ある程度真相を見抜くことが可能』という点はとても好印象。カブトムシを巡る現象はかなりの奇想で、息を呑んだ。真相もいい感じ。ただ、探偵役がちょっと好きになれない人物像なのが気になった。あと、全部読み終わってからプロローグを読み返すと、すげえ、面白い!と思えた。これから読む人は、解決編の前に、一度立ち止まって、プロローグを読み返すことをお勧めします。 | ||||
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本格で吹雪の山荘。集められた六人が次々と…。 こんな設定のミステリはもう新しい衝撃はないですよね、本作も既にどこかにあるような話を吹雪の山荘を舞台にしているという感が否めません。 探偵は変わり者、解明をやたら勿体ぶる性格。一度借りがあるとは言え一般人に協力する警視庁警部。 典型的なまでに各自の個性が色分けされた六人、けれど本格ミステリが好き。 いずれも何処かで読んだことのある展開です。 逆に言えばそういう話が好きな人には及第点かなと思います。 それを踏まえてもやや不満なのは1、読者への挑戦状の条件がヒントになっておりそれを踏まえて読むと細かなトリックはともかく犯人や真相が分かってしまうのです。もし読むなら読者への挑戦状のページは読まないことをお勧めします。であればそこそこ楽しめます。 2、読者への挑戦状がある割りには必要な情報が出揃わずに解明の場面に言ってしまいます。前フリなく唐突に過去が出てきてそれが犯人の動機に繋がっているのがピンと来ません。 後半は駆け足で書き上げた感があります。設定に対して未消化な部分も目立ちます。 3、これだけの惨劇の割りには動機が弱い、犯行に駆り立てるまでが蓋然性に欠ける…だから真相を読んでもしらける。ミステリだから動機には一定のリアリティがあれば良い(と作中の人物が代弁してますが)のは分かりますがそれにも真相とのバランスや程度がある訳で。またそれをフォローするだけの奇抜なトリックでもない。 いずれにしてもこう言った不満を取っ払うだけのオリジナリティや奇抜さが弱いです。本ミスへのランクインは無いですね(佐藤大) | ||||
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