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屍の命題
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屍の命題の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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どこぞの雑誌が祭り上げた2015年1位の海外作品が非常にダメダメだったので口直しに読んでみました。 非常にバカ素晴らしい。最高です。ただし初心者向けではない。 構図の展開は過去の作品に類似例があります。 それを差し引いても雪密室の殺害方法とカブトムシの真相に気が付く人はいるのでしょうか。 人によって壁に本書を投げつけ、これがミステリーというのであれば二度と読まないと いう人もいるでしょう。 私は一読ポカンとしてその後大笑いしました。 しかし考えてみてください。ミステリーというものは始祖の作品(モル●街)からバカミスではなかったか。 作者が何とかしてアンフェアにならないよう、如何にして読者を欺き、トリックにおいて感心させるかを 腐心してきたか。 その綿々と続くこの1点の原理思想において、この作品は突出しているのです。ブラヴォー! (この1点が逆に「アレ●クス」では欠落しているのです) 現実的にカブトムシはありえねーよ!と言われる方もおられるでしょう。 ただ、ミステリーとはフィクション、再現実験して立証するわけにもいきますまい。 文体がやや読みにくい点、話の前半が冗長である点からこの評価と致しました。 著者の若さゆえの過ちと情熱が込められており、私は楽しめました。 ただしミステリー初心者向けではないのでご注意を。 | ||||
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鮎川賞に応募され、鮎川氏に絶賛されながら受賞に至らなかった著者の最初の作品のリニューアル版である。 その後鮎川賞を受賞した「建築屍材」より遥かに面白いのは間違いない。 読者の挑戦付きクローズドサークルもので順番に死んでいき、そして誰もいなくなったところで探偵が手記を元に真相を究明するという、定番の展開をなぞりながら、最後で明かされる連続殺人の真相はまさしくトンデモないものであり、強烈なインパクトを残すだろう。 特に巨大なカブトムシの正体は麻耶 雄嵩のデビュー作のあのトリックと同列のリアリティのなさ加減で唖然。 結果非常に意欲的な本格らしい異型の傑作となっている。 この著者の小説内のリアリティを完全に犠牲にしてまでのトリックと論理に殉じようとする潔い姿勢があっぱれな作品である。 | ||||
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この、著者の本格ミステリに対するチャレンジ精神と、本格魂、そして遊び心は、賞賛に値する。 本作が鮎川賞を受賞しなかったことは、本作にとっては良かったのかもしれない。 どうしても受賞作というのは、ある程度の格式が求められる。 しかし本作は、そういった枠をぶち破る大きさのある、型破りの作品だからである。 あえていえば「雪の山荘」ものという、本格ガジェット適用作品といえる。 殺人が起こり、名探偵が登場し、ロジックで伏線が回収される。 いかにも、という本格ミステリなのである。 ここまでは、特になんということのない、ごく普通のミステリだ。 しかし、だがしかしである。 あのカブトムシだ。 あれには唖然としつつ、実はニヤニヤした。 そしていまどき、こんな作品を発表しようとするものがいる、ということに嬉しくなった。 この作家は絶対に追わなくては、と思ったものだった。 できれば、もっと早いペースで作品を発表してほしいが、それも作品密度を維持するためには、我慢しなければいけないかもしれない。 とにかく、この著者にはこのテンションで、徹底的にこだわった作品を発表してほしい。 ガンバレ。 応援している。 | ||||
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雪に閉ざされた別荘で起こる不可解な連続殺人事件。足跡の無い雪の密室、被害者が見た湖に浮かぶ天女の姿、暗闇の雪上を蠢く巨大な兜虫、一人ひとり違う殺害方法等など、そのシチュエーションや謎解きのロジックはまさに新本格系ミステリーのそれであり、斬新さは無いが完成度は高い作品。 ちょっと事件が起こるまでが長く、全体的に冗長な表現が多いのが難点か。あと、探偵役のキャラ付けが中途半端なのが気になった。 | ||||
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《雪の山荘》に閉じ込められた六人の男女が、ひとり、またひとりと殺されていき、 『そして誰もいなくなった』にいたるという、きわめてクラシカルなプロットの展開を 見せる本作。しかし、そこで読者に示される奇天烈な謎――《雪密室》での殺人 を可能にした凶器や“雪上を這う巨大な兜虫”――の真相は実に衝撃的で、その 是非はともかく、後々まで忘れられない印象を読者の心に刻みつけると思います。 また、真相が究明された果てに浮かび上がる偏執的な事件全体の構図も秀逸。 過去に前例はあるものの、冒頭に「読者への挑戦状」 を掲げ、フェアプレイに徹する姿勢は好感が持てます。 不自然な舞台設定や偶然の多用、そしてあり得ないバカトリックの連打など、 真面目な方からは、「荒唐無稽」の一言で切って捨てられそうな本作ですが、 リアリズムよりも遊び心を重視する読者には堪らない、怪作(バカミス)ですw | ||||
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これ、古い感じってレビューしてる人がいるけど、もともと2001年に『建築屍材』で鮎川哲也賞をとる前に自費出版した「死の命題」を復刊したものなんだよね。知ってる人は知ってることだから、この作品は内容よりも、復刊されたという事実に喜ぶべき。 | ||||
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