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屍の命題
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屍の命題の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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1990年代半ば(?)に執筆された作品を改稿しているせいか、用語や価値観の違いに戸惑います。 また、ヒントの出し方が強引で「突然出てきた建築関連の蘊蓄」「あまり正確でない薬学知識」が 重要な手掛かりとなるので驚けません。 終盤は怒涛の展開で圧倒されますが、かなり無理のある論理なので好き嫌いが分かれる作品だと思います。 | ||||
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どこぞの雑誌が祭り上げた2015年1位の海外作品が非常にダメダメだったので口直しに読んでみました。 非常にバカ素晴らしい。最高です。ただし初心者向けではない。 構図の展開は過去の作品に類似例があります。 それを差し引いても雪密室の殺害方法とカブトムシの真相に気が付く人はいるのでしょうか。 人によって壁に本書を投げつけ、これがミステリーというのであれば二度と読まないと いう人もいるでしょう。 私は一読ポカンとしてその後大笑いしました。 しかし考えてみてください。ミステリーというものは始祖の作品(モル●街)からバカミスではなかったか。 作者が何とかしてアンフェアにならないよう、如何にして読者を欺き、トリックにおいて感心させるかを 腐心してきたか。 その綿々と続くこの1点の原理思想において、この作品は突出しているのです。ブラヴォー! (この1点が逆に「アレ●クス」では欠落しているのです) 現実的にカブトムシはありえねーよ!と言われる方もおられるでしょう。 ただ、ミステリーとはフィクション、再現実験して立証するわけにもいきますまい。 文体がやや読みにくい点、話の前半が冗長である点からこの評価と致しました。 著者の若さゆえの過ちと情熱が込められており、私は楽しめました。 ただしミステリー初心者向けではないのでご注意を。 | ||||
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鮎川賞に応募され、鮎川氏に絶賛されながら受賞に至らなかった著者の最初の作品のリニューアル版である。 その後鮎川賞を受賞した「建築屍材」より遥かに面白いのは間違いない。 読者の挑戦付きクローズドサークルもので順番に死んでいき、そして誰もいなくなったところで探偵が手記を元に真相を究明するという、定番の展開をなぞりながら、最後で明かされる連続殺人の真相はまさしくトンデモないものであり、強烈なインパクトを残すだろう。 特に巨大なカブトムシの正体は麻耶 雄嵩のデビュー作のあのトリックと同列のリアリティのなさ加減で唖然。 結果非常に意欲的な本格らしい異型の傑作となっている。 この著者の小説内のリアリティを完全に犠牲にしてまでのトリックと論理に殉じようとする潔い姿勢があっぱれな作品である。 | ||||
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作者の門前氏は、「建築屍材」で鮎川哲也賞を受賞された人だ。氏がかつてデビュー前に自費出版したのがこの作品。但し、その時は「死の命題」というタイトルだったらしい。その某自費出版系の会社が倒産したためになかなか入手できず、一時期、古書に大変な高値が付いていた。しばらく復刊できなかったのはその会社との版権の問題などがあったからだろうか。 とにかく、そうして待望されて復刊された一冊だ。いわゆる「館もの」「閉ざされた雪の山荘」という、本格推理では王道とも言える題材を扱った作品。ここアマゾンのレビューも評価が高く、私も期待して読み始めた。だが……。 感想を一言で言うと、「読んで損した」。 復刊したのだから、過去の作品にあった瑕疵や誤謬は修正を受けているはずなのだが、アカマツが広葉樹とか、冒頭からいきなりミスがあって意気消沈した。 また、最初の殺人が起きるまでに紙数の約半分を使い切るなど、前半が退屈で仕方がない。新人賞に応募したら間違いなく一次選考で落とされる典型的な書き方だ。事件が起きてからの展開もこれと言ったものがない。本格ものでは最も大事と言えるトリックも、極めてまれにしか起きない偶然性に頼っている。切断後の死体の挙動なども過去に例があると言うが、この作品で書いているようなことは先ずあり得ない。その他、事象の起きたタイミングも整理されてなくてわかりにくいし、それを後で論理的に説明されても、「うん、なるほど、そうだったのか」とうなずけるものがない。 鮎川賞の受賞で人気が出たための復刊なのだろうが、読んでしまった今としは、「幻の処女作」として復刊せずにいたほうが良かったのではないかと思う。 | ||||
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吹雪の山荘というありがちなシチュエーションが、ミステリファンとして嬉しい限り。第一の殺人が起きるまでがちょっと長いのが瑕といえば瑕。だが、動機はともかく、『深く考えれば、ある程度真相を見抜くことが可能』という点はとても好印象。カブトムシを巡る現象はかなりの奇想で、息を呑んだ。真相もいい感じ。ただ、探偵役がちょっと好きになれない人物像なのが気になった。あと、全部読み終わってからプロローグを読み返すと、すげえ、面白い!と思えた。これから読む人は、解決編の前に、一度立ち止まって、プロローグを読み返すことをお勧めします。 | ||||
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この、著者の本格ミステリに対するチャレンジ精神と、本格魂、そして遊び心は、賞賛に値する。 本作が鮎川賞を受賞しなかったことは、本作にとっては良かったのかもしれない。 どうしても受賞作というのは、ある程度の格式が求められる。 しかし本作は、そういった枠をぶち破る大きさのある、型破りの作品だからである。 あえていえば「雪の山荘」ものという、本格ガジェット適用作品といえる。 殺人が起こり、名探偵が登場し、ロジックで伏線が回収される。 いかにも、という本格ミステリなのである。 ここまでは、特になんということのない、ごく普通のミステリだ。 しかし、だがしかしである。 あのカブトムシだ。 あれには唖然としつつ、実はニヤニヤした。 そしていまどき、こんな作品を発表しようとするものがいる、ということに嬉しくなった。 この作家は絶対に追わなくては、と思ったものだった。 できれば、もっと早いペースで作品を発表してほしいが、それも作品密度を維持するためには、我慢しなければいけないかもしれない。 とにかく、この著者にはこのテンションで、徹底的にこだわった作品を発表してほしい。 ガンバレ。 応援している。 | ||||
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雪に閉ざされた別荘で起こる不可解な連続殺人事件。足跡の無い雪の密室、被害者が見た湖に浮かぶ天女の姿、暗闇の雪上を蠢く巨大な兜虫、一人ひとり違う殺害方法等など、そのシチュエーションや謎解きのロジックはまさに新本格系ミステリーのそれであり、斬新さは無いが完成度は高い作品。 ちょっと事件が起こるまでが長く、全体的に冗長な表現が多いのが難点か。あと、探偵役のキャラ付けが中途半端なのが気になった。 | ||||
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《雪の山荘》に閉じ込められた六人の男女が、ひとり、またひとりと殺されていき、 『そして誰もいなくなった』にいたるという、きわめてクラシカルなプロットの展開を 見せる本作。しかし、そこで読者に示される奇天烈な謎――《雪密室》での殺人 を可能にした凶器や“雪上を這う巨大な兜虫”――の真相は実に衝撃的で、その 是非はともかく、後々まで忘れられない印象を読者の心に刻みつけると思います。 また、真相が究明された果てに浮かび上がる偏執的な事件全体の構図も秀逸。 過去に前例はあるものの、冒頭に「読者への挑戦状」 を掲げ、フェアプレイに徹する姿勢は好感が持てます。 不自然な舞台設定や偶然の多用、そしてあり得ないバカトリックの連打など、 真面目な方からは、「荒唐無稽」の一言で切って捨てられそうな本作ですが、 リアリズムよりも遊び心を重視する読者には堪らない、怪作(バカミス)ですw | ||||
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これ、古い感じってレビューしてる人がいるけど、もともと2001年に『建築屍材』で鮎川哲也賞をとる前に自費出版した「死の命題」を復刊したものなんだよね。知ってる人は知ってることだから、この作品は内容よりも、復刊されたという事実に喜ぶべき。 | ||||
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本格で吹雪の山荘。集められた六人が次々と…。 こんな設定のミステリはもう新しい衝撃はないですよね、本作も既にどこかにあるような話を吹雪の山荘を舞台にしているという感が否めません。 探偵は変わり者、解明をやたら勿体ぶる性格。一度借りがあるとは言え一般人に協力する警視庁警部。 典型的なまでに各自の個性が色分けされた六人、けれど本格ミステリが好き。 いずれも何処かで読んだことのある展開です。 逆に言えばそういう話が好きな人には及第点かなと思います。 それを踏まえてもやや不満なのは1、読者への挑戦状の条件がヒントになっておりそれを踏まえて読むと細かなトリックはともかく犯人や真相が分かってしまうのです。もし読むなら読者への挑戦状のページは読まないことをお勧めします。であればそこそこ楽しめます。 2、読者への挑戦状がある割りには必要な情報が出揃わずに解明の場面に言ってしまいます。前フリなく唐突に過去が出てきてそれが犯人の動機に繋がっているのがピンと来ません。 後半は駆け足で書き上げた感があります。設定に対して未消化な部分も目立ちます。 3、これだけの惨劇の割りには動機が弱い、犯行に駆り立てるまでが蓋然性に欠ける…だから真相を読んでもしらける。ミステリだから動機には一定のリアリティがあれば良い(と作中の人物が代弁してますが)のは分かりますがそれにも真相とのバランスや程度がある訳で。またそれをフォローするだけの奇抜なトリックでもない。 いずれにしてもこう言った不満を取っ払うだけのオリジナリティや奇抜さが弱いです。本ミスへのランクインは無いですね(佐藤大) | ||||
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