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ミノタウロス



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【この小説が収録されている参考書籍】
ミノタウロス
ミノタウロス (講談社文庫)

ミノタウロスの評価: 3.85/5点 レビュー 34件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.85pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全34件 21~34 2/2ページ
<<12
No.14:
(3pt)

暇だったら読めばいい

よく書けているとは思うが、世間で言われているほど面白く無かった。
特に舞台をロシアにする必要性も感じられなかったし、正直なところピカレスクものとしても、まったく物足りない。
残念ながら、暫く経ったら、この本の内容など何も覚えていないだろう。
ミノタウロスAmazon書評・レビュー:ミノタウロスより
4062140586
No.13:
(3pt)

暇だったら読めばいい

よく書けているとは思うが、世間で言われているほど面白く無かった。
特に舞台をロシアにする必要性も感じられなかったし、正直なところピカレスクものとしても、まったく物足りない。
残念ながら、暫く経ったら、この本の内容など何も覚えていないだろう。
ミノタウロスAmazon書評・レビュー:ミノタウロスより
4062140586
No.12:
(2pt)

違和感あり過ぎ

テーマが良く判らない。
ギリシャ神話の「ミノタウロス」はある意味悲劇の王子だが、
この小説の主人公は全くのチンピラでしょう。
ロシア革命を背景に持ってきているが、
価値観がひっくり返る時代であればよくある話で、
平和な時代でこそ異常性が発揮されるはずです。
頭が良いのに時代に翻弄されて悪事に走るのは理解できても、
頭が悪くて、度胸もないではね。
そんな主人公だから、ラストは違和感がある。
特に、要領だけが取り柄のフェディコの最期はね。
もう少しページを圧縮していればスピード感があったかも知れない。
どなたかも書かれていましたが、
好評論が余りにも多いので私も書き込みしました。
購入する前に、必ず店頭で目を通してから買いなはれ!
ミノタウロスAmazon書評・レビュー:ミノタウロスより
4062140586
No.11:
(2pt)

違和感あり過ぎ

テーマが良く判らない。
ギリシャ神話の「ミノタウロス」はある意味悲劇の王子だが、
この小説の主人公は全くのチンピラでしょう。
ロシア革命を背景に持ってきているが、
価値観がひっくり返る時代であればよくある話で、
平和な時代でこそ異常性が発揮されるはずです。

頭が良いのに時代に翻弄されて悪事に走るのは理解できても、
頭が悪くて、度胸もないではね。
そんな主人公だから、ラストは違和感がある。
特に、要領だけが取り柄のフェディコの最期はね。

もう少しページを圧縮していればスピード感があったかも知れない。
どなたかも書かれていましたが、
好評論が余りにも多いので私も書き込みしました。
購入する前に、必ず店頭で目を通してから買いなはれ!
ミノタウロスAmazon書評・レビュー:ミノタウロスより
4062140586
No.10:
(1pt)

面白くなかった

佐藤亜紀さんの本を読んだのはこれが初めてです。挫折。
ずっと主人公の一人称で、メリハリがなく読むのが辛いです。
  ⇒同じ、一人の一生を固定された視点で追う文章ならば
   「疾走(重松清)」の方が(これはオチが非常に残念な作品ですが)
   スピード感があって一気に読めました。
主人公のニヒルさも共感できずに苦痛に感じました。
  ⇒勉強はしないけれど本は読んでて、賢くニヒルな少年という
   陳腐なモデルに飽き飽きしてしまいました。
   後半では色々犯罪に手を染める人生のようですが、
   同じアウトロー「ゲルマニウムの夜(花村萬月)」のほうが迫力があります。
   共感も出来ないまま「人間を人間たらしめているものは何か」と問われても、
   ただのポップスの歌詞にしかみえませんでした。
文章が分かりにくい
  ⇒カギカッコが一切なく読みづらいです。
   脇に登場した端役にもライトをあて、その人生を照らすというのはいいと思いますが、
   話が冗長になりすぎてよくわかりませんでした。
   同じように端役にスポットライトを当てる作品ならば
   「悪人(吉田修一)」の方が優れていると思いました。
   (これはテーマの分かりすぎるところにすこし問題のある作品ですが)
独特の翻訳小説のような面白さが、受ける人には受けるのだと思います。
テンポがあえば引きずり込まれるように読めるかもしれません。
書評を色々なサイトで見、
べた褒めしかないのがあまりに気になったので筆をとりました。
ミノタウロスAmazon書評・レビュー:ミノタウロスより
4062140586
No.9:
(5pt)

前半の語りのすごさ

物語は、社会や周囲の人間を軽蔑しきったヴァシリの視点から一人称でシニカルに語られていきます。
そして、当然ヴァシリは、自分の行動を正当化しようとします。
しかし、その一方で、作者は主人公のナイーブさを一人称の語りのなかにそっと忍びこませています。
たとえば、恋人テチヤーナに対する描写の箇所。
だからテチヤーナは、十八で、はちきれんばかりに健康で、(中略)信じられないくらい無邪気だった。抱きしめると一抱えもあって、裏返すと広い背中が馬の毛並みのように輝いて、肌は柔らかいというより針で突いたらはじけそうで、こんがり焦げた焼き菓子のような匂いがした。
ここなんていわゆる19世紀ヨーロッパの大衆小説の典型的な修辞で、恥ずかしくなるような紋切り型の連続です。かつて『皆殺しブックレビュー』で、作者がデビッド・ロッジの評論を紹介していましたが、底意地の悪さはまさにロッジ的です。
ある女性評論家が、この主人公と作者は似ていると言っていましたが、それは間違っているような気がします。
作者のほうが主人公より二枚も三枚も上手です(というより、物語と登場人物の操り具合がすさまじい)。
その後、ヴァシリのヘタレっぷりは、どんどん顕在化していきますが、前半部分の最後で、ついに信頼していたシチェルパートフという資本家に7ページに渡って罵倒されまくることで、彼のダメさ加減は、読者の前にすべてさらけだされます。
と、このように、シニカルでニヒリストであるはずのヴァシリのヘタレさが徐々に明らかになっていくというかなり難易度の高いベクトルが、前半部分の修辞と行間には巧妙に織り込まれています。しかも一人称視点であるにもかかわらず…。これだけとってみても「ミノタウロス」は傑作だと思います。
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4062140586
No.8:
(5pt)

前半の語りのすごさ

物語は、社会や周囲の人間を軽蔑しきったヴァシリの視点から一人称でシニカルに語られていきます。
そして、当然ヴァシリは、自分の行動を正当化しようとします。
しかし、その一方で、作者は主人公のナイーブさを一人称の語りのなかにそっと忍びこませています。
たとえば、恋人テチヤーナに対する描写の箇所。

だからテチヤーナは、十八で、はちきれんばかりに健康で、(中略)信じられないくらい無邪気だった。抱きしめると一抱えもあって、裏返すと広い背中が馬の毛並みのように輝いて、肌は柔らかいというより針で突いたらはじけそうで、こんがり焦げた焼き菓子のような匂いがした。

ここなんていわゆる19世紀ヨーロッパの大衆小説の典型的な修辞で、恥ずかしくなるような紋切り型の連続です。かつて『皆殺しブックレビュー』で、作者がデビッド・ロッジの評論を紹介していましたが、底意地の悪さはまさにロッジ的です。
ある女性評論家が、この主人公と作者は似ていると言っていましたが、それは間違っているような気がします。
作者のほうが主人公より二枚も三枚も上手です(というより、物語と登場人物の操り具合がすさまじい)。

その後、ヴァシリのヘタレっぷりは、どんどん顕在化していきますが、前半部分の最後で、ついに信頼していたシチェルパートフという資本家に7ページに渡って罵倒されまくることで、彼のダメさ加減は、読者の前にすべてさらけだされます。

と、このように、シニカルでニヒリストであるはずのヴァシリのヘタレさが徐々に明らかになっていくというかなり難易度の高いベクトルが、前半部分の修辞と行間には巧妙に織り込まれています。しかも一人称視点であるにもかかわらず…。これだけとってみても「ミノタウロス」は傑作だと思います。
ミノタウロスAmazon書評・レビュー:ミノタウロスより
4062140586
No.7:
(4pt)

大蟻食は「今までいったい何を読んできたのだ!」と、読者に問いかける。

舞台は、革命前後のウクライナ。
豊かな地主の家に生まれた若者は、激動する時代にすべてを失いながらも、
力強く、したたかに、生と死の挟間をかろうじて生きる。
乾いた大地でくり広げられる壮大なドラマは、
生半なヒューマニズムなど寄せつけない。
ミノタウロスとはギリシャ神話で、ミノス王の子にして
上半身が牛で下半身が人間というモンスター。
長じるにつれ凶暴の度を増し、最後はアテナイの王子に討たれる。
主人公はまさに、革命が産み落としたミノタウロスだ。
予備知識がなければ、翻訳文学と見紛うだろう。
80年代後半に突然あらわれ、当時の私のゆる〜い読書に冷水を浴びせた、
アゴタ・クリストフさんの『悪童日記』から連なる三部作を思い起こさせる。
そして、中上健次さん亡き後「日本文学は終わった」と嘯き(汗)、
しばらくこの国の作家の作品を手にしなかった私は・・・
予備知識がなかった。
わずか数ページ。
すでに、これから展開するだろう酷薄な世界を予感させ、
あれ?日本人の作品だったよな──と改めて奥付の著者名を確認する。
佐藤亜紀・・・女性と知って、少し納得する。
佐藤さんのブログ「新大蟻食の生活と意見」を読む。
舌鋒鋭く、楽しい。
今回初めて、『鏡の影』をめぐる騒動を知る。
なるほど。読まざるをない。
いずれにしても、『ミノタウロス』は
読み手のこれまでの読書歴と世界観を問うている。
全霊を傾けて臨むべき、骨太の作品である。
ミノタウロスAmazon書評・レビュー:ミノタウロスより
4062140586
No.6:
(3pt)

読み応えはあったけれど

重厚でとても読み応えのある小説です。暴力満載の内容でありながら、主人公を含め登場人物たちの行動の矛盾も物語の中で示されているため、気分良く読んでいくことができました。極悪非道な脇役たちにも人間味を感じたので、複数の人間の物語が幾重にも重なってできた物語のようにも感じます。ただ、主人公が一人称で語る形式をとったのは失敗だったと思います。
ミノタウロスAmazon書評・レビュー:ミノタウロスより
4062140586
No.5:
(4pt)

戻れなくなります。ご注意を。

「バルタザール」以来の著者のファンなので、途切れ途切れ読みが勿体無く
一日どっぷり浸かろうと、午前中から読み始め、読み終えたのが黄昏時…
日常に感覚が戻るまで、かなり長い時間を要しました。
黄昏時も悪かったのでしょうが、かなりやばかったです。
ありとあらゆる、暴力の限りを与え、与えられる。
銃器を備えた馬車で、大地を走り回り、襲い、奪って食べる時間の自由さ
(&もしかして彼の幸福)。
最後に一瞬、獣だった彼も「土地にへばりついて生きる人生」を夢見る。
でもそんな夢はやっぱり冗談でしかなくて。
完全に持って行かれ、圧倒されましたが
やはり「バルタザール」「天使」「1809」のような
ロマンティックが入った作品のほうが好きと言わざるを得ないかも。
ミノタウロスAmazon書評・レビュー:ミノタウロスより
4062140586
No.4:
(5pt)

この水準の作品が日本語で読めることの幸せ

筆者は本当にこの第一次世界大戦前後の時代が好きなのだろう。
しかも本書の舞台ははまだメジャーなウィーンを遠く離れ、
ヨーロッパの辺境の地、ウクライナである。
理解するに困難な時代設定など、背景の説明さえ
一切捨て去ることで文体の格調を維持し
安易な歴史モノにありがちな凡庸さを回避している。
よって気軽に手に取れるエンターテイメント作品ではないが、
紛い物の歴史に飽き飽きした読者にとって
この水準の作品が日本語で読めることは幸せである。
ミノタウロスAmazon書評・レビュー:ミノタウロスより
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No.3:
(5pt)

文体が見事な、悪党2人の物語です

ロシア革命前後のウクライナを舞台に、地元社会の崩壊をきっかけに「(あらゆる意味で)やっちまえ!」と突っ走っていく地主の息子とオーストリア軍の脱走兵の物語です。
標題の「ミノタウロス」が示すものは日本人にはイメージしにくいのですが(ギリシャ神話ではあっさり死んでる感じだし)、暴虐と殺戮など、あらゆるダークサイドのイメージをはらむキャラクターです。主人公のうち地主の息子は、流行りの幼児期トラウマなどはどこ吹く風。ナチュラル・ボーンで堅気じゃないし、相方となる兵士もまともそうで壊れています。この2人が地元のギャング集団や軍隊の間をすり抜けながら生きていくさまは壮絶そのもの。とはいっても文体自身は格調高く、下品なところは皆無です。新潮社クレスト・ブックスにそっと入れられていても気づかないほどの良質の文体だと感じました。結末は救いのかけらも何もないのですが、なぜかほっとさせるような切れのよい結末です。
主人公と相方のキャラクター造形もさるものですが、前半で異彩を放つのが主人公の兄。もともと影が薄い存在なのですが、傷痍軍人として故郷に帰ってきた後の存在感の不気味さが重たくのしかかってきます。
小悪党ものでも大悪党ものでもないけれど、疾走感あふれるダークな物語をこんなにキレイに読めたというのは驚きでしたのでこの評価としたいと思います。
ミノタウロスAmazon書評・レビュー:ミノタウロスより
4062140586
No.2:
(5pt)

異邦人文学

とんでもなく索漠としてヘヴィな状況を淡々と書いているその様子は、例えばアゴタ・クリストフとかミラン・クンデラとかの東欧作家の翻訳もののようにも思えるし、それ以前に内容は、(たとえ自分の生まれた場所ですら)どこにも身の置き場のない異邦人の話であり、だからこその客観性と、ある種のペーソスに満ちた、分野は違いますが、佐野元春のVISITORSにも比肩する爆弾的作品。
ミノタウロスAmazon書評・レビュー:ミノタウロスより
4062140586
No.1:
(4pt)

殺戮。略奪。強姦。

本書の際立った特徴は、ほとんどの文章が多重の意味、ほのめかし、省略を含んだ高度の読解力を要求される文体であり、もう1つは、タイトルに示したような内容の凄惨さである。同じく一種の少年兵の話を、半ば美談にしてしまった感のある「戦争の法」(ともにゾラの『金』が登場する)に比べれば、些かの美談も入り込む余地がないだけに、作者のペシミズムも説得力を持つが、それにしても酷い話である。「天使・雲雀」の能力者のように他人と頭の中を繋げられなければ、人は滅ぼしあうしかないのか?ところで「天使・雲雀」は作者にとって例外らしく、セックスに肯定的なのは、お互いの感覚を自分の感覚として感じ取れるという設定のこの作品だけである。
ミノタウロスAmazon書評・レビュー:ミノタウロスより
4062140586

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