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追伸
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追伸の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.23pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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個人読書履歴。一般文学通算426作品目の読書完。2012/08/26 | ||||
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夫婦間の往復書簡のみでストーリーが進行していき、途中妻の祖父母間の往復書簡が出てきます。 謎解き・ミステリとしての中心部分は、第2部の祖父母間の往復書簡の部分ですが、それが下敷きとなって夫婦間の問題の謎解きにもつながっていきます。 二つの夫婦間の問題が、当事者間の手紙のやり取りのみによって語られていくという手法は極めて斬新な感じがしました。他の方が指摘しておられるように、多少登場女性の心の動きに得心のいかないところを感ずる部分もありますし、安易に苦界を持ち出している印象などがある点は否めませんが、それでも、謎解きや当事者間の心の動きを、往復書簡のみで表現するというスタイルは興味深いもので(文庫版の解説によれば、他にも往復書簡による作品があるようですが、私にとっては初めてでしたので)、十分に面白く読むことができました。 | ||||
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私にとって子供と見に行く映画「ドラえもん」の脚本家としての印象の強い著者。 こちらのレビューを拝見し、初めて著者の作品を手にした。 現代を生きる悟と美奈子と、美奈子の祖父母の二組の夫婦の手紙のやりとりで全編が展開されている。 手紙という形式をとっているせいか やさしく品のある言葉遣いで綴られている。 始めは「???」の部分も読み進めるうちに明らかになっていき、一気に読まされてしまった。 悟も祖父も互いのパートナーに対しどこまでもあたたかく そして優しい。心一杯 相手を想う。 特に祖父は 漆黒の夜空に澄み渡った朗月のように祖母の心を照らし、支えていこうとする。 男性である著者が描いた2人の男性主人公は ある意味女性の理想像とも言えるであろう。 それに対し、女性陣の行動がいささか共感できない。 美奈子が離婚を切り出した理由もしっくりこない。 何より祖母が事件前に取った行動そのものが理解できない。 なぜそこに走ってしまったのか。それが「業」というものなのか、私にはわからない。 結果、女性陣の心の奥底に寄り添うことができなかった。 しかしながら 手紙という手法のみでここまで読み手を惹きつける手腕はさすがである。 一読の価値はあると思う。読まず嫌いは勿体無い。 文庫化され、購入しやすくなった今、読もうかどうか迷っていた方も読んでみたら如何だろう。 | ||||
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物語は破綻寸前の夫婦の手紙のやりとりから始まります。 二人の出会いからこれまでが手紙のやりとりから 少しずつ明らかになっていきます。 この途中に女性の祖母の過去の物語が挟まれ 祖母と孫のあいだの悲しい因縁がわかります。 愛するだけでは愛にならない、相手を大切にするとは いったいどういうことなのだろうかと 考えさせられました。手紙のやりとりというと宮本輝の錦秋が有名ですが こちらも違う形としておすすめです。 | ||||
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全編手紙。夫の赴任先ギリシャに共に行く決心を固めた矢先の交通事故で一人日本に残り入院治療をしていた妻から、突然送られてきた手紙と離婚届。あの事故には何かあるのか? 離婚理由も曖昧で納得がいかず、訝しみつつ諭すように労りをこめた手紙を送る夫。そんな折、妻の祖父が他界する。遺品の整理で出てきた、祖父の手紙を写した祖母のノート。そこには父母でさえ知らなかった祖父母の若き日が驚愕の事実と共に記されていた・・・。共に精神的・身体的の違いはあれ負い目のようなハンディーを背負った祖父母。敗戦前後の女性の地位と生き方。母の過ぎる自分への干渉。それらに思い当たった妻はこのノートのコピーを夫に送り自分の“罪”を告白する。ほんの60年程前なのに遥か彼方の日本があり、携帯電話やメールでは伝わらない温もりが感じられる。状況描写等一切ない為自分の想像も加わり引き込まれる。手紙のあい間に呼吸をするといった感じ。 | ||||
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読了直後です。本当はもう少し時間をおいた方がより冷静な批評をしやすいのでしょうが、この小説は、時間をおいてもあまり印象は変わらないだろうと思いました。 新聞の書評で評判がよかったので読んでみたのですが、なかなか面白かったですね。 全編手紙、という形式を採用していますが、中心人物がそれぞれの心情を吐露し、それをそれぞれの相手に投げかけなければならないという設定なので、手紙という形式は適していると思います。また手紙らしい流れるような文章なので、謎が徐々に明らかにされていく過程を、ストレスなく楽に読み通すことができます。自分の推理の速度ともマッチしていたようでした。 作者はストーリーと形式とどちらを先に思いついたのか、聞いてみたいですね。同時、と言われそうですけど。 それほど複雑な関係ではありませんが、できれば、家族関係説明図を書きながらお読みになると、主要人物とそれ以外の登場人物との関係と名前がわかりやすくなって読みやすいと思います。 | ||||
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1年1冊のペースを守る真保裕一の新作を読んだ。斬新な描写手法を考えたなあと感心させられたが、本一冊丸ごと手紙のやりとりに終始。1冊の本の中に、手紙の書き手が4人登場するのだが、それぞれの手紙の中ではそれぞれの書き手の叙述となっており、会話というものがこの本では存在しない。読み始めてしばらくは、いったいどういう展開になるんだろうと面食らい、とまどったまま少し我慢しながら読むことになるが、ほどなくしてペースがつかめ、本の中に吸い込まれていく。恋愛物かと思いきや、ミステリー的な要素、人間の生き様的な要素も加わり、何ともぜいたくなコンテンツである。真保裕一の本では毎度のことだが、一気に読んでしまった。 | ||||
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真保さんの最新作は、全部手紙、という形式にチャレンジした意欲作。 手紙文学といえば古くはアメリカの「足ながおじさん」、国内だと 宮本輝の「錦繍」も有名ですね。「錦繍」は、別れた夫婦が再会後に 手紙のやりとりを始める話でしたが、この「追伸」は、妻が夫に 離婚を切り出す手紙から物語が始まります… ギリシアに造船の仕事のためにひとりで赴任した山上のもとに あとからついてくる予定だが交通事故で怪我をしているために 日本に一人残っている妻・奈美子から長い手紙が届く。 中には離婚届が同封されていた…納得できない山上は、別れる気は無いし なぜそうしたいのか理由が判らないと返信する。しかし妻の決意は固い… 最後に、奈美子が、自分に似ているという祖母と祖父が50年前に交わした 手紙のコピーを山上に読んで欲しいと送ってくるところで第一章が終わっている。 第二章は、その手紙のコピーを、主人公とともに読者も読むことになる。 奈美子の母方の祖母・春子が夫(祖父)と交わしていたのは、 殺人容疑で逮捕され拘束されていた春子と、彼女の無実を信じてひたすら 救おうとする夫の一途な愛情のあふれる手紙。しかし、春子は、夫にもいえない 殺人よりも知られたくないある秘密を抱えていた… そして、祖父母の手紙から色々感じるところのあった孫娘の奈美子と夫の山上が お互いに手紙の感想などを送りあう第三章で物語はしめくくられる。 全文手紙、ということで、テンポよく読めます。美しい祖母とその祖母に似た娘の、 美しく生まれてもなかなか幸せになれない不器用な生き方も丁寧に描かれていますが、 そのふたりの間の奈美子の母が、容貌は醜くないのに外見に無頓着に生きてきた 理由が後半で明らかになり、なるほど、と思い、印象に残りました。 真保作品の男性は、前作の「最愛」のときも思ったけど、 とてもよくつくすタイプの(女性から見て)都合のいい男タイプが多いような気がします。 それに対して女性は結構わがままだったり図太かったり生命力が強くてしたたか。 そんな2組の男女の時代を超えた心のすれ違い、愛のかたちが解き明かされる、 広く深い意味でのミステリーです。 前作の「最愛」では成功していると言い難かった真保氏の「ミステリーと恋愛を 盛り込んだ長編」という試みは、今回は重厚な読み応えと、この男女はどうなるのか、 という緊張感があって、なかなかうまくいったのではないでしょうか。 手紙形式なので細かく読むのもじっくり味わえていいかもしれませんが、謎を味わうには じっくり一息に読むことを個人的にはお薦めしたい所です。 | ||||
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