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彼女がその名を知らない鳥たち
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彼女がその名を知らない鳥たちの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.88pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全134件 101~120 6/7ページ
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圧倒的な牽引力でぐいぐい読んでしまいます! しかししんどい。 ものすごく面白い。 が、しんどい。 人に勧められるかと言ったら、しんどいのでちょっと。 でも、最後はもうもう、号泣しますよ! でも人には勧めない。 ものすごくどうでもいいことですが、 わたしの中では木村多江×火野正平で再生されていましたよ。 | ||||
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ティッシュに痰を吐く、汗臭い作業着を食事のときまで脱がない、部屋は散らかり放題の同居人である陣治。物語の前半では、主人公十和子の目線でそのだらしなさ、嫌らしさ、彼への生理的な嫌悪感が念入りに描写される。それでいて陣治は、十和子が疲れているからと体全体を揉んでやったりする一面もある。 だが、十和子には忘れられない男がいた。自分にとんでもなく酷いことをした上、8年前に車から彼女を蹴り落とした男だ。だが、忘れられない。ある日、警察が訪ねてくる。黒崎が3年前から行方不明だという。マンションの前に車を残して忽然と消えたというのだ。十和子は陣治を疑い始める。 十和子はやがて黒崎への寂しさから、水島という男の付き合いはじめる。やがて水島の身辺に不審な事が起こり始める。十和子は真っ先に陣治を疑う。黒崎と同じ様に水島も殺す気ではないか……。そして陣治を殺さないといけないとナイフを買う。 物語は最後を迎える。十和子を深く愛していたのは誰だったのか。そしてその愛の形の奥深さ。事件の真相。その愛に比べて二人の男の吐いた言葉の薄っぺらさ。すべてが明らかになったとき、はじめて分かる。世の中にはこんなにも深い愛の形があるのだと。 前半嫌悪感に包まれ不快だった小説は、自分には一生体験することが無い(だろう)こんな凄い愛に巡りあいたい、という憧れの物語になって終わった。 最重量の読後感。 | ||||
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読んでいると恋愛ってバカバカしいなという気持ちになっていくが、最後の最後でそれでも世の中のどっかに愛があるのかもなと思えた。なかなかの良作でした。 | ||||
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主人公の十和子が魅力的ではなく、始めは感情移入ができなかった。嫌な気持ちになる文章が延々と続き、息苦しくなるような内容だが、是非最後まで読んでほしい1冊。パズルが完成し、衝撃の事実にさまざまな感情が押し寄せてくる。この事実を知った後でもう1度細かいところを見ながら読み直したくなった。 | ||||
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皆さんのレビュー通り、前半ダラダラと続くので、 飛ばし読みしてしまいました。 主人公の女性のばかさ加減に腹が立ちます。 中盤から元恋人の疾走というミステリーの要素が出てきて おもしろくなり始めます。 そしてラストはそのミステリーの真相があきらかになり、 感動的なラストではあるのですが、 前半のダラダラ及び主人公に対するイライラを 解消できるほどではありませんでした。 プラスマイナスで星3つさせていただきます。 | ||||
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デビュー作からふつう、一人の作家はここまで上昇するだろうか? 作者の年齢を考えたら、奇跡みたいな話だ。 沼田まほかるは現在日本一の作家で、日本の中高年の星だ! | ||||
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十和子がウダウダダラダラしていて、いつになったら「!」という様な出来事が起こるかと思ってたらそのまま終わってしまった。 十和子がなんで壊れてしまったのか(なんで黒崎&国枝の言いなりだったか)、陣治がなぜ十和子にあそこまでするのか、理由が弱いというかいまいち分からなかった。 姉夫婦の不仲とか、黒崎のあっさりした奥さんとか、刑事とかあっさりしすぎで不要。 もっと思わせぶりで、謎めいたり、感情的だったら盛り上がるのに。 | ||||
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沼田まほかるさんが好きで、『猫鳴り』『9月が永遠に続けば』に続いて、3冊目です。しかし、この本の評価は低いですね。十和子の記憶障害や陣冶の最後の行動の整合性がつきません。世の中にはそういうこともあるのかもしれませんが、それを納得させるだけの丁寧な描写をその前にするべきだと感じました。「そんなことあるの?!」というのが読後の感想です。 | ||||
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ラストは衝撃です。小説ではじめて泣いてしまいました。途中も一度も飽きることなく、夢中で一気に読みました。 この物語を読んでいると 甘い言葉や綺麗な恋愛小説なんか全部嘘そっぱちだ!そんな気分になってきます。 文章も素晴らしすぎて、本当に読んでいて楽しかったです。今もまだ、余韻にひたっています。 | ||||
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読み終えて、しばらく放心状態が続きました。ラストは、衝撃的です。 嫌悪感、軽蔑、怒り、怖さの果てに、どうしようもなく深い愛と光、優しさ、切なさが襲ってきます。読み始めたら、最後まで一気に読んでください。でも、途中でラストを読んじゃダメですよ。こんなに様々な感情を一冊で感じられ、振り回されたのは初めてです。凄い本ですね。 | ||||
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最初から最後までまったく爽やかなところがなく、心の中を黒い虫が少しずつ浸食していくような読感。黒崎にも水島にもいいようにされる十和子はとてもはがゆい。特にわかりやすい「悪者」の黒崎と違い、中途半端な水島の「薄っぺらい」部分に、文房具屋の時計の値段を見たとき、本屋で砂漠の写真集を見付けたとき、十和子はうろたえるにも関わらず、水島を愛し続ける。その心の葛藤に深く触れていないところから、「水島とは一体何だったのか」という疑問が出てくる。水島がただ単に黒崎を重ねてみるための存在だとしては、読者にあまりに水島という存在を意識させすぎる構成になっているように感じる。また、十和子が自分の舌に感じる違和感とはなんだったのか、美鈴の真意と物語に登場する意味、陣治が水島の妻に(他のものではなくあえて)おもちゃを送りつける意味・・など、どういうことなのか結局読者が想像して終わる、という付箋が多すぎる感も否めない。そのしっくりこないがなんとなくわかる人間の黒い部分が見え隠れするというのが、この作者の魅力なんだろうか。 ただ、終わりは切ない。どぜうの陣治。たった一人の十和子の恋人陣治。その一見不躾で繊細さとはかけ離れた風貌や行動に反して、社会に対する劣等感の下にある彼の十和子を思う気持ちが純粋で不器用すぎて、切ない。ただやはり、いくら陣治の気持ちを想像してみても、物語を切なくする為にこのラストを用意したんだろうという感じはぬぐえない。 それにしても作者は「九月が永遠に続けば」の登場人物でもそうだが、大阪弁の下品な中年男=不器用で不快感を与えるが深い愛情を持った男、としているが、その存在に対して何か偏見(良い意味なのか悪い意味なのかは複雑だが)でもあるのだろうか・・ | ||||
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私も、汚い陣治に愛されたくなった。というか、陣治をたくさんたくさん愛してあげたくなった。 目に見えないところに大切なものはある。凡庸な言い方だけど、しみじみそう思った。 陣治の大阪弁のセリフがあったかくて、深くて号泣しました。 人間て、かっこ悪くて弱くて、失ってから気づく、バカな生き物かも。 十和子のこれからが心配です… | ||||
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ミステリーが好きなので、序盤過ぎあたりの伏線からオチは読めてしまい(ミスリードが強硬で、逆にそれだけは違うと思ってしまうし) 実際その通りでしたが、 この小説はミステリーとして読むべきではないと思うので、そんな事は少しも問題ではないかも知れません。 痺れる純愛小説。 オチには気付きましたが、ラストに読者をこんな気持ちにさせるとは想定外でした。 前半はかなり鬱々としていてダラダラ描写が永遠に続きます…しかもオチはあれなんでしょ?早く進んでくれ!と思いながら読んでいたのに。 こんな感動があるなんて、びっくりな傑作です。 | ||||
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成り上がりのインテリ陣治と、海底から徐々に、水面へ浮上する十和子。二人が見ている二つの別世界、 そしてそれらの微妙な交点が、言葉にならないほどに美しい。 陣治は、正気の十和子の心に宿るであろう、あまりにも鋭利な、切り裂くような愛の矛先を、一体どこに 向けろと言うのだろう。何重にも織られた愛の模様は、不可避的に勝者と敗者を分け隔ててしまうのだろうか。 大切な人と語り合いたい一冊。 | ||||
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いやぁ、辟易する、気色悪い、息ができない・・・。 本を読んでて、ここまで陰惨で目を背けたくなる表現 に出会うのも珍しいのだが、この冗長気味の前半が、 主人公2人の心底に流れているボロボロの絆を最後に きらめかせる。 ほんと、どうしようもない2人。 不器用で弱い人間にありがちな理解不能の言動に、 いささかも共感できない。 愚かで汚らしいことこの上ない。 でも、でも、最後の真相を知った瞬間、涙がこぼれる。 そして、男は・・・。 伏線の張り方、回収も申し分なく、妥当な表現かは 迷うが、論理的で納得できる結末。 作風からは予想もできなかったが、読後の今でも不思議なほど、 なぜか「温かい気持ち」になった。 「壮絶な愛の形」なんて当たり前な言い方では、 作品に対して失礼かな。 最後の一文「たった一人の十和子の恋人」。 この強烈な12文字が、いつまでも心に響き続ける・・・。 | ||||
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生理的に嫌悪感を感じさせる陣治とその陣治を侮蔑、罵倒しながらも依存している十和子になかなか感情移入できずにいた前半は読むのがつらかった。この話は本当の愛の物語と言えるだろうが、私には男女の愛の物語でありながら、親子の愛の物語のように感じられた。親に金銭的、精神的に依存しながら、反抗的な子供、子供を愛しながらも表現が不器用な親。陣治の姿は年頃の娘に煙たがられ、疎まれる中年親父たちの悲哀に重なるものがある。ラストの描写にも未来永劫続いていく親子関係、生命の輪廻を感じた。あまりにも陰惨で重苦しい物語を最後に無償の愛へ昇華させたすばらしい小説で、一読をお勧めする。 | ||||
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『ユリゴコロ』で気になる作家さんになったので、こちらも読んでみました。 あちらはわりとこざっぱりと短くまとまっていましたが、こっちはジックリ、ネットリ、ですね。 言葉の迫力に圧倒されつつ、一気に読んでしまいました。 読みやすくはないです。この真に迫る文章の重さは、嫌悪を感じる人もいると思います。 それほどすごい文章ということにもなりますね。 女主人公の同棲している男性を嫌う、呪いのような言葉や手を抜かない性の描写は、 読んでいて目眩がしてくるほどでした。 そこまで嫌いなら、なんで出て行かないのか、別れないのかという疑問が不思議とわいてきませんでした。 こういう女性の思考回路がありありと伝わってきたからでしょう。 そして、皆さんが絶賛なさってるラストですが、期待しまくりましたが、それでも裏切られませんでした。 うー、すごい作家がいたものだと、ただただ感心。次作も楽しみです。ちょっと読むのが怖いけどw | ||||
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読んだ方が良いかと。 ユリゴゴロと違いダラダラが長いのでねw 怠惰怠惰怠惰ズルズル感。最低の女に最低の男 読みながら ...そろそろ面白くなる?よね? ...まだなの?う〜〜ん 起伏が足りないのですよ。 後半まで散々ダラダラした挙句のラスト、 え...ええ?! ...そして涙 読書後の感想を一言で言うと、 『なんでや? なんでぇ...こんなクソ女の為に...? 何してくれてんねん!><ばかぁ〜』 です。 一途で悲しく汚い男に 涙。そして、その男に対し イマイチの不可解さが残る小説でした。 著者の沼田まほかる さん って、社会に不適合なヘン女描くの得意ですよねw | ||||
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デビュー作「九月が永遠に続けば」に次いで本作を読んだ。登場人物の特異なキャラクター設定のみに頼ったデビュー作には失望したが、本作で作者は化けたようだ。平凡な人間が抱える不満・鬱屈の掘り下げ方、男女間の機微の切り取り方、簡潔な文体でありながら濃密で狂気めいた世界を構築する描写力。いずれも格段の進歩を遂げている。 ヒロインは8年前に捨てられた元愛人の黒崎を忘れられないまま典型的な俗物中年男の陣治と同棲している33才の無職の女性。生計を依存して置きながら、陣治の卑俗さや無能ぶりを心から唾棄して暴言を度々吐く。ヒロインの言動が日常の範囲内なのか狂気の世界に入っているのか判然としない不穏な空気の中で読者を引っ張る筆力には凄味を感じた。「八日目の蝉」の前半を思わせる。また、舞台を大阪に設定している関係で、大阪弁で発せられる上述の罵詈雑言の嵐がある種の滑稽味を伴い、陣治への同情を引き出している辺り巧い。実際、陣治はヒロインに対して限りなく優しいのだ。反面、黒崎の魅力の源泉が伝わって来ない恨みがあるが、それが不条理感を増しているとも言える。 そして、ヒロインの前に同世代の妻子持ちの水島が現われ...。水島の造形には作者の僧侶体験が反映されている様に映ったが、水島の登場後、物語が却って凡庸化した感が否めない。繰り返される不倫、黒崎に捨てられた経緯、ヒロインと対照的だった筈の姉夫婦の実態、そして黒崎の失踪等が次々と描かれるが、要素を散りばめる事によって物語を複雑化される狙いが単なる昼メロ的パターン化に堕している印象を受けた。ヒロインと陣治と黒崎の幻影だけに焦点を絞った方が物語の濃密度を増したと思う。勿論、水島の登場はあるキッカケに過ぎないのだが...。 後半は小説としての体裁を整えたいとの意図からか既視感のある展開になってしまったが、前半の迫力と重圧感だけでも読む価値があると思う。今後も期待出来る作家ではないか。 | ||||
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400P弱ありますが、前半半分が後半の伏線として存在しており、やや冗長。主人公が疑念を持ちだした後半が肝ですが、もうちょっと薄皮を剥ぐように恐怖を与えていけばいいのに、仕掛けはわりと単純で直線的。最後の展開は驚かされるけど、ただ唐突なだけの感じも…。ただ、あまり苛々させずに読ませるのは筆力なのでしょうが。 | ||||
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