■スポンサードリンク
彼女がその名を知らない鳥たち
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
彼女がその名を知らない鳥たちの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.88pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全17件 1~17 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本書は主人公の十和子と彼女を溺愛する陣治という男のラブストーリーと言ってしまえばそれだけの話ですが、300ページ以上の長さで積み重ねられてきたエピソードは全て最後の20ページの意表を突く展開へ伏線だった…というところがポイントです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
登場人物全員がドクズで最低ということがどの書評にも記されている胸糞悪い作品。 そのクズさがエンターテイメントになってるから読んで楽しい人もいるんだろ。 不快なのは描写の汚さというよりも、終始一貫して婆さんが焦点の合わない目をして オロンオロン泣き喚いているような文体。ヒロインの十和子は攻撃的コミュ障の狂人、 元彼は地獄の最下層で1兆年全身を切り刻まれ続ければいい冷淡利己主義の極致クズ、 浮気相手は水素よりも軽いカラッポクズ、そして同居の陣治は本質的部分はさておき 気色悪過ぎて魅力を発見する前に本をゴミ置き場に持ち込みたくなる。十和子の姉は まあまあ正常に見えるが、普通によくいる高慢ちき意識高い系。よくいるってことは 他の登場人物よりは億倍マシってこと。加えて、この作者も若干おかしい人って感じ。 何あの文章。キンタマが小さいとか書くのはべつにいいんだけど、あんな場面でまで キンタマとか見つけたら失笑するわ。乃南アサも重要な終盤の犯人の告白のところで、 セリフの最後が「そのまんま!」で締められていた。普通に意味は通じてるんだけど、 東かよ……ってげんなりした。乃南もこっちの作者も言葉選びのセンスがなさ過ぎる。 こっちの作者は頭よさげにつらつら「文学的ぃ!(笑)」なこと書き連ねてるが。 作家として核の部分は優れてるんだろうなって思うところは多かった。十和子の姉は うまい造形。姉がこれで妹がこれなら毒親だったんだろうなってことを臭わせながら、 明確には描かない。だけど想像させる。その匙加減が絶妙。陣治の「愛」は最後まで 共感できなくてアホだよなこいつとしか思わなかったけど、そのみっともなさ自体が 快不快は別として芸術的。陣治の子供時代の回想、子供をこき使ってうどん一本だけ 報酬にする知能指数の低そうな叔父とか、それに対する価値判断をあえて書かないで、 モヤモヤした居たたまれなさを読者の心に鮮明に植え付ける巧妙さ。十和子が終盤で、 自分を岩のなかの蟹になぞらえる心情は唯一泣けそうになった。 これは映画版の評価が高いが、役者たちもこんなにくっきりクズさを押し出してくる 登場人物を演じるのは楽しかったんじゃないか。 黒崎に関するミステリー要素について、ひねった部分まで読めてしまったから星3つ。 まったく予想外だったら4つにした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
沼田まほかるさんの作品は2作目、前回読んだデビュー作はあまり好きではなかったのですが、 これは評価が高かったので期待しました。 ですが、何と言うか、この方独特の言い回しというか、表現が少し苦手です。 全体的なストーリー自体はわりと好きなんですが、もう少し十和子の魅力がわかればよかったかな、というのが 個人的な感想です。陣治がそこまでする程の女とは思えないままだったので。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
映画の宣伝を見て読んで見たくなり購入。確かに、もっと、もっと読みたい!って気分になり、没頭してあっという間に読み終えました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
どのジャンルにあてはまるのか、ちょっとわかりにくい。 また、ページ数はあるけれど、途中で読むのを諦めようかと迷うぐらい、主人公のキャラがわかりにくい。 主人公の立場に立って読むこむことができず、珍しく一気に読めなかった。 内容はネタバレするので、記載しませんが、やはり初めから犯人が誰かはわかりやすいです。 どうしても、登場人物の性格がつかみにくいため、読後も読み終わったと思えるぐらいでした。 この作品は、好き嫌いがはっきりわかれると思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
純文学と申し訳程度のミステリー要素を足したような感じ。なので続きが気になりどんどん読み進める感じではなく、オチや展開も何となく想像つくものだった。 文体は村上龍を彷彿とさせるような、まどろっこしい言い回しを多用している印象。個人的には好みではない。 また、登場人物に誰一人として感情移入できないのも珍しいが、それもイヤミスの醍醐味だと思う。湊かなえ作品を煮詰めて濃くしたような作品だった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
33歳の北原十和子は、3人の男(佐野、黒崎、水島)を愛した。 48歳の佐野陣治 一部上場のT建設の社員だったが、次々に会社を変わって行く。 黒崎俊一 別れて、八年以上も立つ。未だに思いつづけている。水島 デパートに勤める係長。 佐野陣治は、女たらしと評判だったが、いつの間にか、十和子は、一緒に住むことになる。 そして、陣治に罵詈雑言の限りの悪態をつく。時計の故障を理由に、水島を口説き、誘う十和子。 水島の、甘い言葉に酔う十和子。 性格の悪さ、ぐうたらな生活、人を非難する十和子。 おぞましい限りの女に、陣治は、尽くすが、十和子は、つねに疑いの目で見る。 物語のプロットは、途中で見えてくる。 黒崎の悪人ぶりが、明らかになることで、殺意はどこにあるのか、 見えてくるのであるが、それが明らかになるのは、水島に向かった時に、氷解する。 それでも、黒崎を思う理由がみえない。 会話文は、悪態の言葉に紡ぎ方はうまいが、平凡。 心理状態の表現力が、優れている。ホラーの書き手の素養がある。 クラゲ、ガラスの中の水泡。 映像がうかびそうな表現力がすぐれている。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この人の作品に出てくる女性には共感できずイライラします 絶対幸せになれないだろうなと思わせる女性ばかりです 特にこの品は 好きな人もいるでしょうが私は無理です | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
先にレビューを読んでしまっていたので意外と陣冶の描写は不快ではなかったです。どこにでもいるオッサンというか。 所々、十和子が陣冶を可愛く思っていたり、体調不良にショックを受けてる描写があったので、それなりに好きなんだろうと思えました。 でも陣冶の魅力は分かるんですが陣冶が、あれほど十和子を愛する、十和子の魅力だけが全然分かりませんでした。 一応、陣冶を受け入れてくれたからなのかな。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読後の感想としては、上手だな、という印象。 うまくまとめた感がありました。 なんだか美しいタイトルに惹かれて読み始めましたが、前半は主人公の呪詛、罵詈雑言、汚らしい極みのような表現が続き、 ちょっとしんどかったです。何度か途中で止めようかと思ったほどでした。 しかし途中から、なぜ別れた彼氏にそんなに執着しているのか、彼氏にどんなことをされてきたのか、 過去が垣間見えてくるに従って、俄然面白くなって行きました。 しかし、途中から結果が見えてしまい残念でした。 どんでん返しものが好きなので、もっとびっくりさせて欲しかったです。 真梨幸子さん好きな方なら好きだと思いますが、感情移入はまず難しいと思うのと、読後感は全然爽やかではありません。 ただ、物語として上手にまとまっているとは思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公がヒーローでない時代になってから久しいが、 ここまで主役を始めとする登場人物全員が 醜く、読者に嫌悪感を持たせる話も珍しい。 恋愛小説にさえも酔わせてもらえない時代なのかな。 でも、かさぶたを剥ぐような・・・、 明らかに腐った食べ物の臭いを嗅いでみたくなるような・・・ そして、その結果報告をどうしても話し合いたくなる、 そんな小説です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
前半ダラダラ、中盤ほうほう、しかし後半オチがw よめすぎる。ただそれがおもしろさといえばおもしろさ。 ラストがじゃじゃーん!!というよりは、 過程の方が面白いと思う。女性視点での空虚な日常は もう少し気軽な描き方でよかったのでは。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
精神的に、かなり「やられる」本です。 主人公・十和子は、かつての恋人・黒崎に利用され、酷い捨て方をされたにも関わらず、 まだ忘れることができずにいる。 そして彼女を心から愛し、大切にしてくれるけれど、 見てくれも性格もパっとしない陣治と一緒に暮らし始めるも、 ことあるごとに、いや、毎夜のように陣治を虐待する。 十和子は、何かに依存していないと生きていけない。 黒崎に酷い扱いを受けていた、利用されていただけと知りながらも、 まだ黒崎を求めてしまい、黒崎の携帯に電話をしてしまうことから、 この物語は大きく動き始めるのであるが、 現在の同居人である陣治を虐待することも、 十和子にとっては、おそらく一種の依存の形なのだ。 逆にまた陣治は彼女に虐待されながらも、彼女を放ってはおけない。 彼女の過去を知り、その過去から彼女を守らねばならないという使命感は、 これもまた、何がしかの依存と言えるかも知れない。 だからこその結末。 もう自分が必要なくなったと、あとは自分で超えねばならない、と。 お互いに形は違えど、いわゆる共依存していた者同士、何かのきっかけで崩れてしまう。 独り残された十和子は、これから先、どう生きていくのであろうか・・・? 本当に自分を大事にしてくれていた陣治のその愛情を失ってしまった上に、 失っていた、失っているという意識さえなく忘れていた悪夢のような現実を思い出すことになった彼女は、 どう生きていくのであろうか・・・。 また同じように依存できる男を求め、 彼女の想いに応えられないと知るや、同じことを繰り返してしまうのであろうか・・・? うわ〜、重いわ。 と感じながらも、先を読まずにはいられない作品です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
皆さんのレビュー通り、前半ダラダラと続くので、 飛ばし読みしてしまいました。 主人公の女性のばかさ加減に腹が立ちます。 中盤から元恋人の疾走というミステリーの要素が出てきて おもしろくなり始めます。 そしてラストはそのミステリーの真相があきらかになり、 感動的なラストではあるのですが、 前半のダラダラ及び主人公に対するイライラを 解消できるほどではありませんでした。 プラスマイナスで星3つさせていただきます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最初から最後までまったく爽やかなところがなく、心の中を黒い虫が少しずつ浸食していくような読感。黒崎にも水島にもいいようにされる十和子はとてもはがゆい。特にわかりやすい「悪者」の黒崎と違い、中途半端な水島の「薄っぺらい」部分に、文房具屋の時計の値段を見たとき、本屋で砂漠の写真集を見付けたとき、十和子はうろたえるにも関わらず、水島を愛し続ける。その心の葛藤に深く触れていないところから、「水島とは一体何だったのか」という疑問が出てくる。水島がただ単に黒崎を重ねてみるための存在だとしては、読者にあまりに水島という存在を意識させすぎる構成になっているように感じる。また、十和子が自分の舌に感じる違和感とはなんだったのか、美鈴の真意と物語に登場する意味、陣治が水島の妻に(他のものではなくあえて)おもちゃを送りつける意味・・など、どういうことなのか結局読者が想像して終わる、という付箋が多すぎる感も否めない。そのしっくりこないがなんとなくわかる人間の黒い部分が見え隠れするというのが、この作者の魅力なんだろうか。 ただ、終わりは切ない。どぜうの陣治。たった一人の十和子の恋人陣治。その一見不躾で繊細さとはかけ離れた風貌や行動に反して、社会に対する劣等感の下にある彼の十和子を思う気持ちが純粋で不器用すぎて、切ない。ただやはり、いくら陣治の気持ちを想像してみても、物語を切なくする為にこのラストを用意したんだろうという感じはぬぐえない。 それにしても作者は「九月が永遠に続けば」の登場人物でもそうだが、大阪弁の下品な中年男=不器用で不快感を与えるが深い愛情を持った男、としているが、その存在に対して何か偏見(良い意味なのか悪い意味なのかは複雑だが)でもあるのだろうか・・ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
400P弱ありますが、前半半分が後半の伏線として存在しており、やや冗長。主人公が疑念を持ちだした後半が肝ですが、もうちょっと薄皮を剥ぐように恐怖を与えていけばいいのに、仕掛けはわりと単純で直線的。最後の展開は驚かされるけど、ただ唐突なだけの感じも…。ただ、あまり苛々させずに読ませるのは筆力なのでしょうが。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
主人公・十和子は恋人に捨てられ、ずるずると中年男・陣治と関係を持ち、一緒に暮らしている。仕事もせず、かといって家事をするわけでもなくごろごろする十和子を陣治は大切にしているが、十和子は陣治をさげすみながら暮らしている。幸せになりたいのかなりたくないのか、いったいどうしたいのか。現状を嫌だ嫌だと暮らす十和子は決して自分から、現実から遠い存在ではなく、そんな主人公にだんだん感情移入していくうちに、こちらの気分までどんより重くなっていく。じゃあ、そんな本読まなければいいじゃないか、と思うけれども、決して面白くないわけではない。ただ、どんよりしていくのだ...。こうして思い出していくだけで、なんとなく気分が...。 とちょっと落ち込んでみたい方にお勧めです。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!