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蜂の巣にキス
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蜂の巣にキスの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.80pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全15件 1~15 1/1ページ
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デビュー作「死者の書」で独特の作風にガツンとやられて以来、キャロルのファンです。 ただ、どのあたりからだったか、神様とか宗教色が強くなってきたような気がして違和感を感じ始め、この本も以前購入済みだったのに未読でした。改めて手にとってみればやはりおもしろい。この「蜂の巣にキス」、「薪の結婚」、「木でできた海」はクレインズ・ビュー3部作と呼ばれ、ニューヨーク郊外の同じ小さな町を舞台にした物語なんですが、たまたま「木でできた海」も積読状態になっていたので、この2冊共止まらなくなって半日で一気読みしてしまいました。 他のレビュアーさんもおっしゃっているように、いつもふわふわと非現実的なキャロル作品の中ではかなり現実に足がついた物語です。 新作が書けなくてパニックになっていた作家サムはふと気が向いて生まれ故郷へ。いろいろとなつかしいもの、人に再会し感激している最中に思い出したのは15歳の時に上級生の少女が殺された事件。彼女が川に浮いているのを発見したのは自分だったのだ、しかも警察の捜査にはなにやら不審な点が。これを新作のネタにできるのではないか?と。 今は町の警察署長になっているかつての悪ガキ、フラニー・マケイブや殺人犯人に仕立てられ刑務所で自殺したエドワードの父親と一緒にあれこれ調べ始めます。このフラニーは後に「木でできた海」では主役を勤めることになります。また、サムがお互い一目ぼれで恋に落ちるヴェロニカが怖いです。熱愛とストーカーは紙一重ですね。 キャロルにしてはめずらしく強いて言えばミステリ色の方がファンタジー色よりも強いかもしれません。ただやはりあくまでもキャロル作品。本格推理と勘違いして読むと、なんだこれは?になると思います。 歌うようにリズミカルな独特の文章と、いつもそれを見事な日本語に翻訳された浅羽莢子さん、逝去されたそうで残念です。キャロルの本は本当に名訳でした。 また、時々にさりげなくはさまれる人生訓のような言葉にもうならされます。たとえば「大事なことはいつも手遅れになってからわかる。老いることの悲劇は、長いことかかってやっと学んだ物事を、もう応用できないことにあるんです。」 「我々は理解できる理由や怨恨を捜すことばかりに時間をかけるがそんなことをしても無駄なんです。ただ”そうであるもの”も世の中にはあるんです。その不条理が我々を怯えさせる。なおも捜し続け”理由がないわけがない”と言い続ける。あいにく、いつもあるとは限りません。 天災がいい例です。竜巻やハリケーンが襲ってくるたびに教会が破壊され善良な人が100人は道連れになる。理屈では説明がつけられないから、被害総額を計算し1億ドルと判断する、死者を数えて209名と言う。数字ばんざい!数字なら理解できる。説明はしてくれないかもしれないが、耐えるために必要な1つの秩序を作り出してはくれるんです。」などなど。 殺されたポーリン、気に入れば誰とでも寝て酒飲みで評判は最悪、けれど超成績優秀、強烈な好奇心のままに動き回り、気に入らないといやというほど刺す”蜂の巣”と呼ばれた少女の実像がだんだんと明らかになってくるところもスリリングです。最後の意外な真相は賛否両論かもしれません。が、変わらないキャロル節を堪能できました。よかったです。 | ||||
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大好きなジョナサン・キャロルの作品ですが、何時ものダークファンタジーなら好きなのですがサスペンスはちょっと性に合いませんでした。 一度しか読んでません。 | ||||
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ホラー色が少し抑え目ですが、安心して読めるキャロルらしい本です。 結末は少しミステリーっぽいですが、全体はキャロルらしい退屈のない内容です。 邦訳では最新作であり、初期の頃から悪く変わってないか心配でした。 期待を裏切らないおもしろい本です(キャロルファンには)。 解説にありますが、まだ訳されていない本があるようです。キャロルは日本ではあまり売れないようです。 私の住んでいる市内でも扱っている本屋はかぎられております。キャロル作品は味のある文書と独特の恐さがあり、 どの作品も高いクオリティです。もっと売れると良いのですが・・・・。 | ||||
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キャロルといえば、ダークファンタジー、下手なホラーよりよほど怖い。何が怖いって、何も起きないのに何か変だっていうのが延々つづくあたりがこわい。もちろん、ただこわいだけじゃなく、そこにさまざまな人間どうしの愛が描かれていたりする。だからこそ、それが壊れていくことがすごく怖い理由の一つなのだけれども。 けれども、「蜂の巣にキス」は怖くない。解説で豊崎由美が書くように「これって普通のミステリーじゃん」なのだ。スランプの作家、サミュエル・ベイヤーがかつて子供のころ、若い女性の死体を発見した話をめぐって、調査を開始する。そこで意外なことがわかったり、まきこまれたり、親友に再会したり、とまあそういう話なわけで、おもしろいけど、普通のミステリー。愛読者だと言って主人公に近づいてくるすごく変な女性も出てくるけれど、それほど怖いわけじゃない。蜂の巣というのは、主人公が子供の頃に発見した死体の女性のあだ名なのだけれど、これだってとても不思議な女性として生きていた。でも怖いわけじゃない。スティーヴン・キングがキャロルの作品が好きだっていう話だけれど、そのことに対するキャロルの返事ということもあるのかもしれない。だって、話は「スタンド・バイ・ミー」みたいでしょ。 怖くはないけれども、蜂の巣の死の謎を追いながら、それによってまわりの人間が狙われたり殺されたりと、そんな展開なので、ページをめくる手は止まらない。止まらないけれども、それは本当に、キャロルのエンターテイメントの技術を徹底的に披露してくれている、そういうことかもしれない。主人公はやはり、エンターテイメントの作家であり、メインストリームの文学に対し、コンプレックスを持っているのだから。まあでも、それはキングへのオマージュということと重なりますね。 多分、この小説でグっとくるのは、キャロルが繰り返し描いてきた、親子の愛なんだと思う。この小説には、重要な女性が何人か出てくる。蜂の巣をはじめ、愛読者で謎の女性ヴェロニカなど。でも主人公にとって最も大切なのは、娘のキャサンドラ。別れた三人目の妻とは冷たい関係であるにもかかわらず、娘との絆は強い。自分の仕事や恋愛よりも大切なのだから。でも、その関係がとても強いものであると同時に、変化していくものでもある、そうした移ろいの中に、人間のある種の限界を見て取ろうとする。それが時にひっくり返ってしまうこともある。そもそも、信じていた人間関係が破綻してしまうことこそが、最大の恐怖なのかもしれない。そして、いつもそんな予感がする、それがキャロルの小説の怖さを支えていたのかもしれない。そんなことを思っている。「月の骨」がまさに、生まれてこなかった子供との愛情の物語だった。そして「沈黙のあと」が、どうしようもなく親子関係が破綻してしまう物語だった。だとすれば、主人公のサミュエルと娘のキャサンドラが、むしろ強い絆と、同時にキャサンドラ自身がボーイフレンドをつくり、父親から離れていく、健全な成長にともなった関係の変化が描かれる。親子の愛情は、親にとっては永遠に等しいけれども、子供にとってはそうではない、そうした不対称があるけれども、主人公はそれを受け入れていく。そこには、関係の破綻による恐怖が描かれる余地はなかったのかもしれない、とも思う。その一方で、不幸な親子関係も描かれているし、それもまた、本書のキーポイントにはなっている。 ダークファンタジーを期待すると裏切られるかもしれない(それでも、ヴェロニカ・レイクはそれなりにホラーな存在だけれでも)。けれども、人間関係のある種の不安を描くことにおいては、キャロルらしい作品なのだと思う。ぼくとしては、「月の骨」と並んで、好きな作品、ということになるな。キャロル入門として適切だとはおもわないけれども。 | ||||
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キャロルといえば、ダークファンタジー、下手なホラーよりよほど怖い。何が怖いって、何も起きないのに何か変だっていうのが延々つづくあたりがこわい。もちろん、ただこわいだけじゃなく、そこにさまざまな人間どうしの愛が描かれていたりする。だからこそ、それが壊れていくことがすごく怖い理由の一つなのだけれども。 けれども、「蜂の巣にキス」は怖くない。解説で豊崎由美が書くように「これって普通のミステリーじゃん」なのだ。スランプの作家、サミュエル・ベイヤーがかつて子供のころ、若い女性の死体を発見した話をめぐって、調査を開始する。そこで意外なことがわかったり、まきこまれたり、親友に再会したり、とまあそういう話なわけで、おもしろいけど、普通のミステリー。愛読者だと言って主人公に近づいてくるすごく変な女性も出てくるけれど、それほど怖いわけじゃない。蜂の巣というのは、主人公が子供の頃に発見した死体の女性のあだ名なのだけれど、これだってとても不思議な女性として生きていた。でも怖いわけじゃない。スティーヴン・キングがキャロルの作品が好きだっていう話だけれど、そのことに対するキャロルの返事ということもあるのかもしれない。だって、話は「スタンド・バイ・ミー」みたいでしょ。 怖くはないけれども、蜂の巣の死の謎を追いながら、それによってまわりの人間が狙われたり殺されたりと、そんな展開なので、ページをめくる手は止まらない。止まらないけれども、それは本当に、キャロルのエンターテイメントの技術を徹底的に披露してくれている、そういうことかもしれない。主人公はやはり、エンターテイメントの作家であり、メインストリームの文学に対し、コンプレックスを持っているのだから。まあでも、それはキングへのオマージュということと重なりますね。 多分、この小説でグっとくるのは、キャロルが繰り返し描いてきた、親子の愛なんだと思う。この小説には、重要な女性が何人か出てくる。蜂の巣をはじめ、愛読者で謎の女性ヴェロニカなど。でも主人公にとって最も大切なのは、娘のキャサンドラ。別れた三人目の妻とは冷たい関係であるにもかかわらず、娘との絆は強い。自分の仕事や恋愛よりも大切なのだから。でも、その関係がとても強いものであると同時に、変化していくものでもある、そうした移ろいの中に、人間のある種の限界を見て取ろうとする。それが時にひっくり返ってしまうこともある。そもそも、信じていた人間関係が破綻してしまうことこそが、最大の恐怖なのかもしれない。そして、いつもそんな予感がする、それがキャロルの小説の怖さを支えていたのかもしれない。そんなことを思っている。「月の骨」がまさに、生まれてこなかった子供との愛情の物語だった。そして「沈黙のあと」が、どうしようもなく親子関係が破綻してしまう物語だった。だとすれば、主人公のサミュエルと娘のキャサンドラが、むしろ強い絆と、同時にキャサンドラ自身がボーイフレンドをつくり、父親から離れていく、健全な成長にともなった関係の変化が描かれる。親子の愛情は、親にとっては永遠に等しいけれども、子供にとってはそうではない、そうした不対称があるけれども、主人公はそれを受け入れていく。そこには、関係の破綻による恐怖が描かれる余地はなかったのかもしれない、とも思う。その一方で、不幸な親子関係も描かれているし、それもまた、本書のキーポイントにはなっている。 ダークファンタジーを期待すると裏切られるかもしれない(それでも、ヴェロニカ・レイクはそれなりにホラーな存在だけれでも)。けれども、人間関係のある種の不安を描くことにおいては、キャロルらしい作品なのだと思う。ぼくとしては、「月の骨」と並んで、好きな作品、ということになるな。キャロル入門として適切だとはおもわないけれども。 | ||||
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短・中篇としてまとめられていればここまでの低評価にならなかったと思うのですが、殆どが説明的なシーン展開ばかりで退屈してしまう。 更に主人公は受け身ばかりで、結局何もしてないような印象すら受ける。 殺人事件の取材と奇妙な女とのやり取りという2つの軸で展開され、終盤で収斂されるものの別個の内容を混ぜただけ。 サスペンス要素も出しきれないままだったし、ミステリーとしても簡単にオチの想像がついてしまう・・・。 何ともへたくそで、へんてこなミステリーでした。 | ||||
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短・中篇としてまとめられていればここまでの低評価にならなかったと思うのですが、殆どが説明的なシーン展開ばかりで退屈してしまう。 更に主人公は受け身ばかりで、結局何もしてないような印象すら受ける。 殺人事件の取材と奇妙な女とのやり取りという2つの軸で展開され、終盤で収斂されるものの別個の内容を混ぜただけ。 サスペンス要素も出しきれないままだったし、ミステリーとしても簡単にオチの想像がついてしまう・・・。 何ともへたくそで、へんてこなミステリーでした。 | ||||
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ジョナサン・キャロルといえば、日本で出版されたらすぐに買っていた私。近頃ブランクがあると思っていたら、この本! これはたぶんキャロルの創作にたいする、ある種の悩み(デリケートでない、そして陳腐な言い方をすれば「生みの苦しみ」)からの脱却とこの本の主人公のある行き詰まりからの解放とがうまく連動している。物語で重要な役目を果たす、まるで「幻の女」の現代版かといえるほどの強烈な個性を持った女性の描き方がうまい! ブルーの色調のなかのルージュのような存在感。私が不思議でならないのは、ジョナサン・キャロルが日本ではそれほど圧倒的な人気を保ち続けていないこと。サガンと翻訳家の朝吹登水子との関係のように、キャロルと浅羽 莢子さんを連想してしまいます。ひとつひとつのセンテンスがリズミカルで詩のよう。作者の文体の素晴らしさと翻訳家の才能とがうまく調和して、息がぴったりという感じ。コピーライター志望の人などこうした本を読むといいだろうな。少し気障と思えるぐらいの表現の数々。だれか映画化してくれないかなといつもキャロルの本を読むたびに思います、映像的でスマートで。今回はハイスクールの思い出に端を発しているところが、キャロルの創作における苦闘をあらわしているかのよう。ひさしぶりの楽しいキャロル体験でした。 | ||||
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ジョナサン・キャロルといえば、日本で出版されたらすぐに買っていた私。近頃ブランクがあると思っていたら、この本! これはたぶんキャロルの創作にたいする、ある種の悩み(デリケートでない、そして陳腐な言い方をすれば「生みの苦しみ」)からの脱却とこの本の主人公のある行き詰まりからの解放とがうまく連動している。物語で重要な役目を果たす、まるで「幻の女」の現代版かといえるほどの強烈な個性を持った女性の描き方がうまい! ブルーの色調のなかのルージュのような存在感。私が不思議でならないのは、ジョナサン・キャロルが日本ではそれほど圧倒的な人気を保ち続けていないこと。サガンと翻訳家の朝吹登水子との関係のように、キャロルと浅羽 莢子さんを連想してしまいます。ひとつひとつのセンテンスがリズミカルで詩のよう。作者の文体の素晴らしさと翻訳家の才能とがうまく調和して、息がぴったりという感じ。コピーライター志望の人などこうした本を読むといいだろうな。少し気障と思えるぐらいの表現の数々。だれか映画化してくれないかなといつもキャロルの本を読むたびに思います、映像的でスマートで。今回はハイスクールの思い出に端を発しているところが、キャロルの創作における苦闘をあらわしているかのよう。ひさしぶりの楽しいキャロル体験でした。 | ||||
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話のもっていきかたは、割と読者を引き込む感じで ドンドンと読み進めましたが、ミステリーとしては あまり心地よい裏切りもなく、ポツンという感じで 読み終わった気がします。 蜂の巣というあだ名な女の子をもっと魅力的に 描写して欲しかった。 ただ形容詞として「魅力的だった」とか「美しかった」 と何度言われてももっと心のヒダを触るような描写をしないと伝わってこないし、 ただ利発で聡明で美しくて前衛的であるコノ手の主人公は よくありがちなので、イマイチ感情移入できなかったです。 彼女が本編では重要なキーワードなので、そのあたりはとても大切だっと 思うのでこのように評価しました。 ベロニカという女性の描写は面白みがありましたが、 それ故に最後がもっと意外すぎる展開にして欲しかったかも。 | ||||
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話のもっていきかたは、割と読者を引き込む感じで ドンドンと読み進めましたが、ミステリーとしては あまり心地よい裏切りもなく、ポツンという感じで 読み終わった気がします。 蜂の巣というあだ名な女の子をもっと魅力的に 描写して欲しかった。 ただ形容詞として「魅力的だった」とか「美しかった」 と何度言われてももっと心のヒダを触るような描写をしないと伝わってこないし、 ただ利発で聡明で美しくて前衛的であるコノ手の主人公は よくありがちなので、イマイチ感情移入できなかったです。 彼女が本編では重要なキーワードなので、そのあたりはとても大切だっと 思うのでこのように評価しました。 ベロニカという女性の描写は面白みがありましたが、 それ故に最後がもっと意外すぎる展開にして欲しかったかも。 | ||||
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キャロル9年ぶりの訳出。喜び勇んで本屋で購入後、あとがきの解説を読むと、「ええ?ダークファンタジーじゃないの?」 でもそんな心配は無用でした。いつもながらの超個性的でありながらリアリティあふれる登場人物達、しおりに挟んで持ち歩きたくなる深いセリフの数々。特に主人公が彼氏とケンカして落ちこんだ娘に言った言葉、胸にしみました。 物語は30年前に殺された「蜂の巣」というあだ名の女の子の死の真相を本にしようとした主人公が巻き込まれる事件を通した、ミステリーであり、有る意味ホラーであり、主人公の自分回帰の物語でもあります。キャロルファン、ミステリーファン必読です。 | ||||
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原書を直接読む力はないので、ずっと新作の翻訳を待ちわびて9年です。 やっとやっとのキャロルです。いつものメンバーは顔を出しませんが、じわじわと背筋を這い登る怖さは相変わらず(今回は超自然なものは一切ないにもかかわらず)。そして、細部の表現が味わい深いのも相変わらずです。 ネタバレになるといけないので、詳しくは書けませんが、今回はヴェロニカというキャラクターに座布団一枚。男の人には、さらにこの話は怖く感じられるでしょうねえ(私は女性なので、主人公の対応にも、ちょっと問題ありと感じられました)。あとがきによるとモデルが居るということ。うーん、事実は小説よりも奇なりなのかしら。 | ||||
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原書を直接読む力はないので、ずっと新作の翻訳を待ちわびて9年です。 やっとやっとのキャロルです。いつものメンバーは顔を出しませんが、じわじわと背筋を這い登る怖さは相変わらず(今回は超自然なものは一切ないにもかかわらず)。そして、細部の表現が味わい深いのも相変わらずです。 ネタバレになるといけないので、詳しくは書けませんが、今回はヴェロニカというキャラクターに座布団一枚。男の人には、さらにこの話は怖く感じられるでしょうねえ(私は女性なので、主人公の対応にも、ちょっと問題ありと感じられました)。あとがきによるとモデルが居るということ。うーん、事実は小説よりも奇なりなのかしら。 | ||||
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9年ぶりの新作。待ちくたびれました。翻訳者の浅羽さんのあとがきではミステリに趣旨変えした(か?)のような感じだったけどこのお話は「沈黙のあと」の流れかと感じました。執筆に行き詰まった主人公の小説家が30年前に溺死体で発見した「蜘蛛の巣」のような美少女の真相を小説にするために故郷に戻り・・・ていうのがおおまかなあらすじなんですが、キツめのラブストーリーとしての面も。偶然の刺青の写真、万年筆(フィドルヘッド氏にも出てきたし万年筆好きなのか?)、壊れた恋人、読んでる途中に回路のカチっとはまるあの感じ。久々にキャロルを堪能しました。 | ||||
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