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タンゴステップ
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タンゴステップの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.31pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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殺人現場に残された血の足跡はタンゴのステップを踏んでいた。地元の警察官が気づいたまでは良かったが、何も明らかになることはなくひたすらなぞに引き込まれていく。人生が詰んだ気になっている主人公と共に、どこまで真相が見えない宙ぶらりんに耐えられるか。 | ||||
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単に謎が解けるだけでなく、著者の社会への見方が窺える。訳者があとがきに記す著者の人生で、その背景が明らかに。 | ||||
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最後までとっておいた本作もとうとう読んでしまい、作者の文庫翻訳作品すべて読破しました。 相変わらず重厚で読ませる内容でした。 本作は今なお残るナチズムに対する警鐘でしたが、作者は他の作品でも移民排斥への反対を示唆 するなどリベラルな政治志向が窺がえるものがものが多くあります。 欧州の移民問題や右傾化などについては、昨今の風潮を踏まえ更に作者の見解や新作を読んで みたかったと思い、それが叶わないことが残念です。 本作ではステファンとジョゼッペといったように同等の思考力を持ち、尊重し合う相方との会話の 中で思索を高めていく過程が好きです。 改めて、良い作品でした。 | ||||
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全編に重苦しい雰囲気が漂う北欧ミステリー。 プロローグに綴られる1944年のドイツの断片描写は事件の真相に大きく関わって来るのだろうか。 主人公の警察官ステファン・リンドマンは舌がんの宣告を受け、不安の中、かつての恩師で定年退職した警察官ヘルベルト・モリーンの惨殺事件の真相を追う。 少しずつ事件の真相は見えて来るのだが、主人公を見舞う不幸と予想だにしない真実が新たな展開への期待を膨らませる。 下巻ではどういう結末が待っているのか… | ||||
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ノンシリーズの北欧ミステリーの下巻。 舌がんを宣告された主人公ステファン・リンドマンの絶望感と次第に姿を見せる過去の亡霊が全体の雰囲気を重苦しいものにしているようだ。 主人公の警察官ステファン・リンドマンは舌がんの宣告を受け、不安の中、かつての恩師で定年退職した警察官ヘルベルト・モリーンの惨殺事件の真相を追う。 少しずつ事件の真相は見えて来るのだが、主人公を見舞う不幸と予想だにしない真実…結末に待ち受けるのは… | ||||
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文庫本上下巻の大部をわずか4日で読み切りました、というより読まされました。 スウェーデンのミステリー作家ヘニング・マンケルの傑作です。 プロローグ、舞台は1945年終戦直後のドイツ、ユダヤ人虐殺のナチ狩りから始まります。 ヨーロッパミステリーにありがちなテーマではありますが、そこは、ヘニング・マンケル、一筋縄ではいきません。 今回の主人公はヴァランダー警部ではなく、ステファン・リンドマンという37歳の舌癌を患い死の淵を歩いているというハイデッガー哲学を地でいくような警察官。 10ページごとに謎が謎を呼ぶ展開に、読者は休むことなくノンストップでマンケルの世界に引き込まれます。 タンゴステップ、哀調のアルゼンチンタンゴが聴こえるような、意味深なタイトルがいいですね、物語のキーワードでもあります。 | ||||
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この作品は、ヴァランダーシリーズではありません。警察官ステファン(やはりこの人も悩んでいます)は、ガンを告知され治療に入る前に病気休暇を取ることに。その間に、自身が研修生の頃大先輩だったヘルベルト・モリーンの、死の謎を探るのです。中身については、あまり書かない方がいいと思うので、雑感を。マンケル作品を読んで何時も思うことは、寒そうだな、スウェーデンということです。今回の舞台は、さらに北部の方みたいです。でも、この国土だからこそ、こんな作品が生まれるのかも。もう一つ、ヨーロッパの人々にとって、ナチスというものは、まだ「歴史」ではないのだなと思いました。もちろん私たちにとっても、ヒロシマ・ナガサキが歴史ではないように。ステファン、これからもさらに活躍しそうです。 | ||||
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へニング マンケルの本、全部読ませて貰いました。 刑事ヴァランダーをみて、読んでみようと思い、 なんと、次から次へあっという間に完読!! まだまだ次を読みたい このタンゴステップは、違う刑事でしたね ヴァランダーほど、人間味が出てなかったけど 面白かったです | ||||
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スウェーデンの作家による本作品は、2000年発表、2008年邦訳。 ストーリーの本編は、スウェーデンの北部ヘリュダーレンで、ヘルベルト・モリーンという老人が惨殺されるところから始まる。 同国南部のボロース警察に勤めるステファン・リンドマンはこの事件のニュースに驚きを感じた。 老人は、警察官としての先輩だったからだ。 舌癌の療養のため、休暇を取っていた彼は、ヘリュダーレンを訪れ、独自に捜査を開始するが…。 【ミステリとしての面白さ】 この作品、読み始めてすぐに、登場人物達をじっくりと描写する、手堅い筆さばきに驚かされましたが、ミステリ的に面白くなるのは、上巻の半ばを過ぎ、第二部に入ったところから。 何と、あっさりと「犯人」が登場するのです。 ならば、「倒叙もの」かと思いきや、確かに、「倒叙もの」でありながら、フー・ダニット、犯人は誰かという謎も混在するという興味深い趣向となっています。 ただ、本格ものにあるような、「どんでん返し」や「トリック」とは無縁です。 【社会派ミステリとしての骨格】 本作品は、日本の小説の分類に無理矢理当てはめれば、「社会派推理」と言えるでしょう。 プロローグでは、1945年、ドイツ人戦犯の処刑シーンが描かれており、「ナチズム」が主要なテーマ。 スウェーデンの歴史を紐解いてみると、第2次世界大戦には参加せず、中立政策をとっており、小説の中でも主人公のステファンはそのように教育を受けた、となっています。 でも、決してナチズムとは無縁ではなかった−−ということで、スウェーデンの秘められた歴史に迫るのが、本作品です。 このため、スウェーデンの人達にとっては、つらい内容ではだったのでは、と感じますが、結果はスウェーデンだけでなく、ドイツでもベストセラーになったとのことです。 「訳者あとがき」にもあるとおり、「ヨーロッパ人の懐の深さを感じ」させる傑作がここにあります。 | ||||
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2度の世界大戦で中立を維持し、先進的福祉モデルを実現したユートピア国家スウェーデンのイメージを壊すようなスリリングなテーマを持った小説。こういう題材が取り上げられたということは、実際にこういう動きが当時のスウェーデン社会にはあったし、現代では形を変えて実在しているのだと非常にショックを受けた。 事件そのものは非常にスリリングにテンポ良く展開し、意外性のある犯人も見事。ラストのエンディングも感慨があってグッとくる。 唯一の難点は探偵役の警官か。この事件に関わり合った動機は煮え切らないし、行動もなげやりになったかと思うと大胆になったり一貫性がない。癌に侵されたという設定だったが、自分的には共感できなかった。ヴァランダーシリーズの方が人物造形は優れていると思う。 | ||||
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’08年、「このミステリーがすごい!」海外編第6位にランクインしたスウェーデン発本格ミステリーと国際的社会問題小説が融合された重厚な作品。 主人公であるステファンは37才の警察官。最近舌がんがみつかり治療までの間休暇をとることになるのだが、かつての同僚で今は引退したモリーンが遠く離れた中部スウェーデンの深い森のなかの家で惨殺されたことを知り、自身の病気で落ち着かない彼は現地に向かう。彼は地元警察と協力しながらも個人的に調査を行い、いくつもの秘密を発見するのだった。 そこから本書の謎に満ちたストーリー展開が始まる。まず、なぜモリーンは人里離れた森の中で隠遁生活を送っていたか。そしてなぜ、奇妙で残忍な殺され方をしたか。そしてすぐ近くで第二の殺人事件が起きる。モリーン殺害の犯人はなんと第二部ではじめから登場する。しかしその男は二人目は殺っていないのだ。では、誰がなぜ・・・。ここでアルゼンチンから来たこの男の第二の殺人事件の犯人探しも始まる。物語はただでさえ癖のある関係者たちに加え、モリーンの娘ヴェロニカの登場でさらに一層複雑な展開となる。 やがて事件はどうやら第二次世界大戦のナチス、そして現在もなお息づくナチズムの信奉者たちが関っていることがわかってくる。 病におびえ、死に恐怖するステファンが、まるで逃避するように事件に傾倒していく姿を縦糸とすると、最後の最後まで解決されない、先の見えない謎また謎の連続が横糸と言えるだろう。 本書は、ヘニング・マンケルの看板シリーズであるヴァランダー警部ものからはなれた単発の書き下ろしだが、スウェーデンの夕刊紙が選ぶエクスプレッセン賞やベスト・ヨーロピアン犯罪小説賞などを受賞している、読み応えのある傑作である。 | ||||
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’08年、「このミステリーがすごい!」海外編第6位にランクインしたスウェーデン発本格ミステリーと国際的社会問題小説が融合された重厚な作品。 主人公であるステファンは37才の警察官。最近舌がんがみつかり治療までの間休暇をとることになるのだが、かつての同僚で今は引退したモリーンが遠く離れた中部スウェーデンの深い森のなかの家で惨殺されたことを知り、自身の病気で落ち着かない彼は現地に向かう。彼は地元警察と協力しながらも個人的に調査を行い、いくつもの秘密を発見するのだった。 そこから本書の謎に満ちたストーリー展開が始まる。まず、なぜモリーンは人里離れた森の中で隠遁生活を送っていたか。そしてなぜ、奇妙で残忍な殺され方をしたか。そしてすぐ近くで第二の殺人事件が起きる。モリーン殺害の犯人はなんと第二部ではじめから登場する。しかしその男は二人目は殺っていないのだ。では、誰がなぜ・・・。ここでアルゼンチンから来たこの男の第二の殺人事件の犯人探しも始まる。物語はただでさえ癖のある関係者たちに加え、モリーンの娘ヴェロニカの登場でさらに一層複雑な展開となる。 やがて事件はどうやら第二次世界大戦のナチス、そして現在もなお息づくナチズムの信奉者たちが関っていることがわかってくる。 病におびえ、死に恐怖するステファンが、まるで逃避するように事件に傾倒していく姿を縦糸とすると、最後の最後まで解決されない、先の見えない謎また謎の連続が横糸と言えるだろう。 本書は、ヘニング・マンケルの看板シリーズであるヴァランダー警部ものからはなれた単発の書き下ろしだが、スウェーデンの夕刊紙が選ぶエクスプレッセン賞やベスト・ヨーロピアン犯罪小説賞などを受賞している、読み応えのある傑作である。 | ||||
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舌ガンを患っている刑事ステファン・リンドマンは、かつての同僚で、スウェーデン北部の森の中で隠居生活を送っていたヘルベルト・モリーンが惨殺されたことを知る。病の不安から逃れるように、彼は、この事件の捜査に首を突っ込むことになるのだが・・・。 導入部は、ジャック・ヒギンズあたりの冒険小説のようですが、時代はすぐに現代に移っていきます。 歴史の重みが、物語に反映されているのは、クルト・ヴァランダーものと同じですが、今回は特に強く感じました。 悩める主人公のステファンよりも、むしろ地元警察の捜査陣、とくにジョゼッペ・ラーソン刑事が魅力的でした。 次は、ヴァランダーものを出してくださいね! | ||||
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