■スポンサードリンク
(短編集)
午前零時のサンドリヨン
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
午前零時のサンドリヨンの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.78pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全55件 41~55 3/3ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
全選考委員が「うまい」と評した第十九回鮎川哲也賞受賞作。 読んでみてなるほどなと思いました。 すべての謎が解明されたわけではないので、次のお話が楽しみです。 酉乃初の名前を見て思ったんですが、名前の由来はニュートリノなんでしょうね。 物語の中で、おニューと呼ばれているくらいですから。 なんにしても、続きが早く読みたいです!! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この話の主役はマジックでもあると思います。 このマジックのタネが明かされないまた気になりますね。 気になるけど、その不思議さがまた楽しい。 ほんとに目の前で見てたような感覚がするんです。 マジックとミステリと学園ものって、 珍しい組み合わせだと思うけど、面白かったです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
第19回鮎川哲也賞受賞作品帯には、 女子高生マジシャン酉乃初(とりのはつ)が学園の謎を解く期待の新人がセンシティブな筆致で描く”ボーイ・ミーツ・ガール”ミステリと書いてあり、その言葉に違わず、高校で起こる”日常の謎”をマジシャンであるヒロインが解決していく様子を、主人公(一目惚れした)の視点で軽快なタッチで語っていくという、とても楽しく読めた作品で、受賞したのもうなずけた。しかし、この作品最終選考に残った四作品のなかで選考委員の意見が割れている作品らしい。選考委員の四人、笠井潔・北村薫・島田荘司・山田正紀(敬称略)のなかで、笠井潔氏が、「小説的な技術性は最も高い」としながらも、「米澤穂信の「古典部」や「小市民」シリーズに含まれる「苦さ」のようなものが、この作品には欠けている。」として、四人中で唯一反対している。読み進めていくと、物語の最中でヒロインが犯人を告発し、手を差し伸べるのだが、それを「偽善」として撥ね退けられてしまう。しかし、その後のヒロイン・主人公ともにそのことが無かったかのように振る舞っており、そこが中途半端だと感じてしまった。ただ個人的な感じ方の違いであり、笠井氏以外の三方はこの作品を推しているため、あまり「苦さ」を含まない日常の謎が好きな方には楽しく読めると思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
第19回鮎川哲也賞受賞作品 帯には、 女子高生マジシャン酉乃初(とりのはつ)が学園の謎を解く 期待の新人がセンシティブな筆致で描く”ボーイ・ミーツ・ガール”ミステリ と書いてあり、その言葉に違わず、高校で起こる”日常の謎”を マジシャンであるヒロインが解決していく様子を、主人公(一目惚れした)の視点で 軽快なタッチで語っていくという、とても楽しく読めた作品で、受賞したのもうなずけた。 しかし、この作品最終選考に残った四作品のなかで選考委員の意見が割れている作品らしい。 選考委員の四人、笠井潔・北村薫・島田荘司・山田正紀(敬称略)のなかで、 笠井潔氏が、「小説的な技術性は最も高い」としながらも、「米澤穂信の「古典部」や 「小市民」シリーズに含まれる「苦さ」のようなものが、この作品には欠けている。」 として、四人中で唯一反対している。 読み進めていくと、物語の最中でヒロインが犯人を告発し、手を差し伸べるのだが、 それを「偽善」として撥ね退けられてしまう。しかし、その後のヒロイン・主人公ともに そのことが無かったかのように振る舞っており、そこが中途半端だと感じてしまった。 ただ個人的な感じ方の違いであり、笠井氏以外の三方はこの作品を推しているため、 あまり「苦さ」を含まない日常の謎が好きな方には楽しく読めると思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
第十九回鮎川哲也賞受賞作レストランバー「サンドリヨン」でマジシャンを務める女子高生そんな彼女に一目惚れしたクラスメイトの視点で物語は展開する連作短編ミステリー推理小説ファンの主人公は、困っている学友達を手助けしようと奔走する探偵役をかってでるも上手くいかず、マジシャンの彼女に助けてもらうまた、人間関係に苦しむ彼女主人公はそんな彼女を最後には救えるのかキャラの設定といい、ラストといい米澤穂信著「古典部シリーズ」「小市民シリーズ」と逆をいくが、青春の描き方には、似たところも感じる雰囲気がちょっと可愛いらしすぎな気もしますが、古典部・小市民シリーズが好きな人にはオススメだと思います | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
綺麗だけれども寡黙な同級生の酉乃初に一目惚れしたポチこと須川君は、レストランバー『サンドリヨン』で颯爽とマジックを演じる彼女の意外な一面を見つけて、益々、彼女に魅かれていきます。ポチ君は学校の不思議を話題に彼女に接近しますが、酉乃さんは「不思議は不思議のままでいい」と言って無関心な態度をとります。それでも、「魔法使いのように誰かを助けてあげたい」という思いから彼女は謎を解き明かしていきます。 ミステリー好きの草食系男子のポチ君と不思議な美少女マジシャン酉乃初が日常の謎を解きながら、彼と彼女の微妙な距離を縮めていく青春ミステリー小説です。 一読目の印象は、男の子目線で女の子達を魅力的に描いている可愛らしい小説という印象です。 過去のある出来事から、他人との関わりに臆病になっている酉乃初。その酉乃初に対して歪んだ愛情を抱く八反丸芹華。ポチ君に対して開放的に太腿を見せながら接する香坂先輩など現実にはありえないけれども、近くにいて欲しいと思うような魅力的な女の子達が目立ちました。そのために鮎川哲也を受賞するほどの推理小説なのかなと言う印象を持ちましたが、再読した時に意味深な台詞や何気ないエピソードがラストに向かって旨く収束されていて、ここにミステリー作家としての筆者の演出力と構成力の高さを感じました。 口下手な酉乃さんがマジックを通して語る想いが届く人もいるし、偽りだと言って拒絶する人もいます。 そして、マジックで得たものが虚構となることを経験している彼女は、マジックという幻想を通してしか他人と旨く関わることが出来ない、自分自身の存在に対しても不安を抱きます。たとえ、まやかしであったとしても、優しさからでた行為で誰かを救うことが出来たならば、それが魔法となるという須川君の想いは、マジックを嗜む作者だから語れる言葉だと思いました。 本作は、小説の中でしか味わえない様な須川君と酉乃さんの甘酸っぱいクリスマスの場面で終わっています。読んでいる方が恥ずかしくなる可愛らしいエンディングですが、最後に酉乃さんに普通の女の子としての願いを叶えてくれた作者には好印象を持っています。 「現実にはありえない」、「都合が良すぎる」などと言わずに、タイトルが示すような童話だと思って、素直にポチ君の気持ちになって読めば楽しく読める可愛い小説だと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
デザインとタイトルに惹かれて読みましたが、期待を裏切らない作品でした。高校が舞台なので事件の推理と言ってもそこまで難しいわけではありませんので、ミステリー初心者でも読みやすいと思います。なにより、ちょっとラブコメ要素が入っているので読みやすいですね。読んでいて不自然に思った部分は後からちゃんと辻褄が合っていますし、事件の解決のヒントになっていて分かりやすいかなと思いました。みんなのその後が気になるので、ぜひとも続編が読みたい作品です。ただ、一ヶ所だけ(これから読む方のために詳しくは書きませんが…)言い争うシーンで『ちょっとこれはやりすぎじゃない??』と思う部分(表現)があって、それだけが残念でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この「本」に対する不満はひとつ。表紙イラストでヒロインの顔を描いてしまったこと。しかも結構写実的なタッチで。勿論そういう演出もありだと思うが、本作については読者のイマジネーションに委ねて欲しかった。つまりそれだけ鮮やかに「私の中の彼女」を浮かび上がらせる優れた物語だということです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
理想の草食男子・須川くんの初々しさに、つい油断してしまう小説ですが、侮るなかれ。仕掛けが丁寧に張り巡らされた、オツなミステリです。カードマジックに対する造詣の深さ、ピュアな人物の造形力は、貴重な個性です! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
奇術がらみの探偵小説といえば泡坂妻夫の佳城ものがどうしても頭をよぎり、いきおいハードルが高くなります。星四つというのは辛めの採点です。 高校を舞台に、心に傷をもつツンデレ系女子高生探偵と、草食系ワトソン役が日常の謎を解いて行くという内容です。探偵役のヒロインはプロ並みの腕を持つ奇術師で、レストラン・バー「サンドリヨン」でバイトもするという設定が特色。クリシェであることがわかっていながらも引き込まれてしまう力があります。ワトソン役の描写を薄く、定型そのものにすることで、遠近法的にヒロインの魅力を引き出している点が見事です。 作者はフリーのプログラマだそうで、かなりマニアックなコンピュータネタも出ますし(whoisサーバやハッシュなんてのが出てくる日常の謎推理読んだことがありません)、音楽室と図書室を根城にしていた種族には「そうだよねえ」って同感できる部分がたくさんあります。難点を挙げるとすると、鮎川賞向け本格推理連作短編という要請から、一部の登場人物の造形が不自然になっています。また、枚数の関係か、もうちょっと読みたいなって部分があります(サントリヨンのマスターまわりの話とか)。これらの点では加納朋子さんや光原百合さんに一歩を譲るかな。 巻末に収められた選評は、推理小説を切り開いて行く理念的な新しさがないことを指摘してかなり厳しい評価を下す笠井潔氏から、物語としての完成度と破綻のなさを指摘して高い評価を下す山田正紀氏までさまざまな意見があり、評者の作風と合わせて読むと大変興味深いものがあります。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
初野晴ほどスラップスティックではなく、 米澤穂信ほど「探偵小説」という香りはしないが 人間関係と登場人物の心理/内声、そして 個々の短編のみならずシリーズを通した伏線を丁寧に描いた 学園青春“日常の謎”連作短編集である。 そのさりげなくとも老練な筆致により、第19回鮎川哲也賞を受賞している。 文体の適度な硬度と脱線が心地よく、 登場人物たちのその後が気になるという意味においても シリーズ化はやはり待ち望まれる一冊。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
第十九回鮎川哲也賞受賞作。 一つ一つ完結している短編が集まって長編を構成しているという構造。最近割と多いタイプのスタイルだと思う。 鮎川哲也賞受賞作ということで、本編のあとに審査員を務めた人たちの(他の候補作の作品も含めた)感想が載っている。その中でも指摘されているように、伏線の仕掛け方や、全体の構成等については、ミステリとしてちゃんとしていると思う。また、作品全体の空気、或いは雰囲気というのも、適度な緊張感もありつつも、ねっとりしたそれではなく、爽やかに感じられるのも好印象だと思う。 ただ、それでも全体的には弱いというか、いまいちメリハリに欠ける気がする。いわゆる日常の謎を扱っているのだから、派手な事件が起きるわけではないが、それでもどうにも中途半端な印象が拭えない。或いは意図的なものかもしれないが、作品のディティールが、曖昧な部分も多く、また、主人公を含めた高校生たちの描写が、爽やかではあるが現実の高校生たちのリアルな姿というよりは、青春小説とかに登場する、ある意味ではステレオタイプの姿なように見えるからかもしれない。ただ、まあ、作品の雰囲気という点を優先するなら、これもありかも知れない。 その他、今作品とは直接関係ないが気になった点として、本文のあとに、審査員たちに夜採点、講評が掲載されているという点が少々気になる。 この作品についての解説があるのは、ある意味では至極当然とも思うが、それ以外の候補作(この作品の他に3作品)の評価(とダメ出し)が少し問題だと思う。どういう採点の経緯によるものかは知らないが、それらの作品はこの本を読んでも全く分からない。おそらくはごく一部審査に関わった人間だけが読んだものだと思う。それについて、あれこれと話の筋書きや、トリックを書き、また、どの部分が悪いかなど具体的に書くというのは、正直自避けてもらいたい。仮に将来、それら作品が出版されて、そして、その作品を読んだとしたら、その肝心のトリックを知っているというのは、それだけでミステリとしては致命的だと思う。審査をする人たちというのは当然、何らかの意味でミステリのプロである人たちなのだから、その辺りの配慮をして欲しかった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
お洒落なタイトルと表紙絵に誘われて、書店で思わず衝動買い。後悔はしてません。見た目は可愛いけど教室ではそっけない女の子が、学校の外で活き活きとしている姿を偶然見かけ、しかもその笑顔を知るのは自分だけとくれば、彼女のことをもっと知りたいと思うのは男の性。ポチこと須川君の気持ち、よく分ります(笑)。物語は全四編から成る連作短編で、季節は高校一年生の春から冬に移ろい、探偵役にしてヒロインである酉乃初の感情も、起承転結という感じで推移します。転に該当する『あてにならないプレディクタ』で、一度は自信喪失に陥った彼女が、結に該当する『あなたのためのワイルド・カード』で鮮やかに復活するのは、読んでいて気持ちがいいですね。 序盤のエピソードに登場する何気ない一言が、実は後のエピソードの伏線になっていたりして、デビュー作ながら、プロットは良く練られています。上品だけど堅苦しくなく、強くはないけど勇気と優しさのある、ラブコメ学園ミステリ。お薦めです。 まだ最初の一年を描いただけなので、或いはシリーズ化もあるかもしれませんね。その場合、須川君には酉乃さんのボーイフレンドに相応しい男に成長してもらいたいものです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
あの「大・泡坂妻夫氏」が、天国でニコニコしているという連絡(!?)が入り(??)ましたぞ。数十年に一度の傑作。選者の選評も興味シンシンの一冊。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
普段、学校でみている顔と、違った一面をみた事はありませんか?もし、それが気になっている女の子だったら尚更気になってしまいますよね。主人公の須川くんの横恋慕から、ちょっとした謎を違った一面をもった彼女がといていく。彼女はマジシャン。言葉の魔法使い。謎と一緒に謎を抱えているヒトの気持ちも溶いていく。読了感がちょっとくすぐったくて好きです。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!