■スポンサードリンク
倒錯の死角
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
倒錯の死角の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.16pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
今日気で読ませる、といったたぐいのミステリーとなります。 はっきり言ってしまえば登場人物のすべて「いかれています」悪い言い方で言えば。 まず主要人物の一人が鬱屈した環境の影響でとんでもないものを 趣味としています。 そしてその鬱屈とした環境は彼をアルコール依存症へと変貌させるのです。 そしてその男を快く思わなかった男も まあとにかく狂気に満ちているのです。 そして、今回の事件の被害者となる人間も… 真相は二段構えとなっていますが、さらに強烈な一撃もやってきます。 その真相を知ったときに… ただし、アンフェアと感じてしまうかもしれません。 謎解き要素はほぼほぼないので。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
倒錯のロンドを読んで面白いと感じたならば是非とも読んで頂きたい一冊。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
折原一は変態を書かせたらピカイチですね。倒叙の魅力は言ってみれば覗き見感覚を味わう点にあり、乱歩の初期短編にあるような一人称の閉塞感、昂揚感を読み手が感じられるかは大きなポイント。本作はまさに折原一の覗き見趣味(?)を如何なく発揮した佳作で、焦れる覗き魔の姿態の描写が秀逸。まあ似たような描写は折原作品には多々でてくるんですが、本作は特に愉しめました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
折原氏の倒錯シリーズの第一作だが、後に出た倒錯のロンドの方が先にかかれているのはご存知の通り。 基本的に構造は倒錯のロンドと似通っているのでどちらかを先に読むと落ちは何となく分かってしまうかもしれないが、例によってこのシリーズは登場人物が癖のある描写で3人ほどしか登場しないこともなって濃密な舞台劇を見ているような趣がある。 個人的には倒錯のロンドの方が好きであるが、本作も長編デビュー作としては良く出来た作品である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
翻訳家の大沢は、屋根裏部屋から向かいのアパートの201号室を覗く趣味があった。 ある日、そこの住人の女が何者かに殺され、死体となっているのを目撃した大沢は、 ショックのあまり酒に逃げ、ついにはアルコール中毒になって入院する羽目に陥る。 彼の退院後、201号室に新しい入居者がやって来た。その女の挑発的な行動に 始終心をかき乱された大沢は、再び酒に逃げ、次第に精神の均衡を崩していく。 さらに、大沢に恨みを抱くコソ泥の曽根が、ひょんなことから201号室に 忍び込み、女の日記を盗み読んでしまう。そのことが思わぬ事態を生み……。 大沢の一人称の語り、201号室の女の日記、曽根を視点人物とした三人称の 叙述、という三つのパートが錯綜しながら展開されていく構成が採られた本作。 トリックのポイントとなるのは、「日記」というテキストの性質とその扱いです。 それにしても、主要人物のほぼ全員がろくでなしか性格破綻者という本作は、 たしかに切羽詰った狂気が描かれてはいるものの、一歩引いて眺めてみると、 コントにしか見えません。そういった意味では、大いに笑わせてもらいました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
どいつもこいつも致命的な欲望を抱えた登場人物。めまぐるしく入れ替わる一人称視点が読者をめくるめく恍惚感へ誘いますね。そして、背中に 薄ら寒いものが走るラストに衝撃(!)。 面白くて面白くて、他人に薦めたくて薦めたくてしょうがないのに、フト冷静になるとこれは他人に薦めるものじゃないと気づき愕然とする のよ。。そんな、背徳じみた暗い遊戯。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本作は作者の表芸の叙述トリックもの。題名が示す通り、男が向かいのアパートの201号室の女を覗き見し、秘かに楽しむという隠微な趣向が見もの。作者の他の叙述トリックものに比べ、ブラック・ユーモア味が濃い。 男が女を観察するうちに、女がある事件に係わっていることが分かってくる。この事件と女を巡って謎が錯綜し、やがて真相が分かるのだが...。 真相が明らかにされた時、「(気を付けているのに)うまく騙された」と思ったが、それよりも強く感じたのは、「女は怖い」、「女は怖い」ということだった。本作は読みやすくできているので、折原氏あるいは叙述トリックものの入門書として最適の書としてお勧めできる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
作者が読者に対して直接仕掛ける種類のパズラーが、いわゆる叙述トリック小説です。どこかに仕掛けがあるのは判っているから、読む方は一語一句読み落とさないよう、神系を集中して読み進む訳です。それでも、最後には実に見事な背負い投げを喰らわされる(古いかな)のが、折原一氏の作品なのでした。真相を明かされた後、同じ文章を読み直してみると、全く世界が変わってしまうのも醍醐味。この作品は、折原一氏の長編第1作――では実質上ないのですが、まぁ最初期の作品の一つです。という事で(?)プロットが比較的判り易く、一度読んですんなり把握できるのが嬉しい所。とは言っても繰り返しますが、2度以上目を通して真の凄さに瞠目できる逸品なのは、折原作品たる真髄なのでした。お奨めです。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!