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密閉教室の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.72pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全29件 1~20 1/2ページ
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この小説の初版がノベルス版で刊行された頃は、警察が高校生探偵に捜査情報を漏らすなどあり得ない、人間が描けていない、リアリティがない、と批判ばかりであった。 池上冬樹が『頼子のために』を積極的に評価するまでは、『雪密室』も『誰彼』も、作者の意図は全く理解されず、酷評されていたと言って良い。(確かに『誰彼』の悪戦苦闘ぶりは作者本人も反省し文庫版で改訂していたが) 改めて、この小説を読んでみると、私のように学校や教職員を根本的に信頼していない者には、実に「リアル」だと思える。 『密閉教室』というタイトルの意味も、単に密室状況の教室の中で死体が発見されることなど、意味していない。 本当に「密閉」されているのは、教育現場なのだ。 イジメ自殺や体罰による指導死などが起こるたびに、学校側は事実を隠蔽し、加害者側を常にかばう。 その自殺の原因が、他の生徒からの暴力や恐喝であり、本来なら加害者側を家裁送り、少年院送りにすべき場合であっても、警察が介入し捜査することを、組合組織が徹底的に嫌う。 「国家権力の横暴で、やっていないこともやったと言わされる、生徒を国家権力から守れ」と身勝手に言い出し、第三者委員会などとは名ばかりの組織に「生徒のプライバシーに配慮した」と称する隠蔽工作をさせ、何十ページも墨塗りされた報告書しか提示しない。 裁判ともなれば「自殺の直接原因は思春期特有の悩み。イジメが自殺の直接原因でありイジメがなければ自殺しなかったと証明するのは被害者遺族の責任」と開き直り、生徒に行ったアンケート結果すら開示せず、被害者側を敗訴に追い込む。 それが、日本国の教育現場の実態である。 そうした認識を持っていれば、警察側が、学校のあり方そのものを疑っているとしても不思議ではない。あえて、名探偵気取りの勘違いをしている高校生に捜査情報を漏らしつつ、言わば鵜飼の鵜として学内で動かすことによって、真相への手がかりを得ようとしたとしても、不自然でも何でもない。 この小説は、警察が「密閉されている教育現場」の扉を開かせる道具として、名探偵気取りの高校生を利用し、真の解決は警察によって行われることを、高校生側から描いているのである。 結末に至って、主人公は自分が高校生探偵ではなく、美少女の恋人候補ですらなかったことを思い知らされる。 主人公に残されたのは、は平凡な高校生としての平凡な日常でしかなく、教育現場の密閉性は何ら変わらない。 そうした小説として読めば、これは実にリアルに、日本国の教育現場を描いた作品であるとも言えるではなかろうか。 | ||||
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法月綸太郎のデビュー作となった「密閉教室」ですが、そのもとになったノーカット版は秀逸でした。例えば工藤と吉沢のすれ違う感情、最後はやきもきさせられて終わったのですが、そこまでの経緯がこの本には描かれていると思います。誰もが味わったであろう高校時代の甘酸っぱい感情と、あり得ないスケールの犯罪計画。この両立しえないテーマがシンクロしながら、二転三転する大団円に向かって進みます。分厚い本ですが、息をつけないほどのスピード感で読ませます。個人的な意見を言わせてもらえば、この版の方がデビュー版よりも優れているのではないかと思います。 | ||||
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高校生が探偵役ですが、とにかくよく推理を間違える。もしくは思いついたことを相手のことを考えず、そのまま話して本人は得意げですが、周りは引いてしまう。そんな“イタイ”キャラクターです。 迷走する姿はコリン・デクスターのモース警部あたりがアイデアの元だと思いますが、空気の読めない言動が事件そのものよりも、高校内部の人間関係を壊していくようなハラハラドキドキ感にオリジナリティがあるのではないでしょうか。 結果的に探偵役は最後にしっぺ返しをくらい、謎が解き明かされるスッキリ感とは異なるモヤモヤした余韻を残して物語は終わります。この余韻を味わうためにだけにでも、この作品を読む価値があるのではないでしょうか。 デビュー作とのことですが、この後作者は、刑事が(事件関係者の可能性もある)部外者に捜査情報を伝え、その推理を参考にするといった点の不自然さを探偵が捜査一課長の息子というクイーン譲りの設定で、また空気の読めない点を父親が息子をたしなめ、変わり者だから仕方ないという力技で押し切る道を選んだようです。 | ||||
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あらゆる「探偵役」というものは社会不適合者だと思うのだが、そこを完膚無きまでに暴かれ打ちのめされるラスト、いやぁカタルシスです。クイーン的です。ただし、作品の出来はというと、かなり奇妙です。そもそも登場人物の存在感が極めて奇妙。なんか前衛演劇を見ているようなシュールさ。それぞれの登場人物の言動が時折別人のもののように感じる。読み終わったあとも、別に真犯人がいるような含みをぬぐいきれない、例えば、ナイフの真の持ち主とか(作者の狙い?)。さらに2ページに渡るあとがきも本編の登場人物の誰かが残した手記のように思える。もしすべて意図的なのであれば、ある意味白日夢的というか、幻覚のようで…実相寺昭雄に撮ってもらいたいような作品。奇書の部類。 | ||||
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密室の真相と理由、そこに至るまでのロジックが良い。 八方塞がりな推理を解決する探偵役の鮮やかな飛躍が良い。 ロジックが丁寧に積み重ねられていたからこそ、 手が届きそうで届かない真相への矛盾点が明示されていた。 それが解消された時の納得感たるや。 解決まで、校内のほぼ連続した時間で描かれる話。 伏線はかなりの数バラ撒かれ、メインの謎以外にも事件全体がちゃんと混み入っている。 真相の奥の奥まで、飛び道具を使わないからこその論理のアクロバットが楽しめる。 そこに青臭い青春ぽいのが噛ませてある。 作者はヴォネガットを意識して短い章立てにしているらしい。 賢しい文章は意図的。 ただの生硬な文章とは違う。 | ||||
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他の方々が言っているように青春小説であり、 とても酸味がありますが、わたしはこの酸味を、 素直に、とても楽しんで読めました。 魅力的な青少年たちが登場しますが、 中でもやはりヒロインの吉沢信子について、 述べたいと思います。 彼女はほんとに魅力的なんです。 目立ちたがり屋で、年頃らしく恋にも夢中であり、 かといって女子女子していない、結構性格のきつい、 要するにツンデレ属性の少女です。 主人公は彼女が好きなのですが、 彼女は別の子が好きで、 そんなふたりの会話が、 青春に満ちています。 終盤に向かって、 二人の関係は、 良好なものとなっていくのですが・・ 結末はぜひご自身でお読みください。 一緒に帰るために、 彼女が主人公を、 昇降口で待ち受けるシーンがあります。 壁にもたれかかっている彼女の、 「空いた方の肩の辺りにみだらな感じが漂っていた」 という描写が心に引っかかっています。 これは主人公視点ですから、 たぶん抑えられない性欲がそう言わしめたのか、 実際になんとも言えぬみだらさだったのか、 よくわかりませんが、 こんな表現もあって、 ぐっと来るキャラクターです。 アニメ映像でも観てみたい作品です。 | ||||
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法月氏のデビュー作だが、この頃出てきた新本格の作家群の中では最初から文章も洗練され、作中の登場人物の性格付けなどもしっかり書きこまれており、読み応えがある。 学園を舞台にした密室殺人というこもあり、同時期の綾辻氏や歌野氏の新本格直球の雰囲気というよりは、東野圭吾氏の初期の学園青春もの推理に近い感触がある。犯人の意外性はないが、そこにいたるまでの設定はなかなか凝っており、最後まで目が離せない展開なのは見事である。 | ||||
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新装版でどの程度改訂されたのか分からないけれど、 文章力はデビュー作と言う事も鑑みると批判されるようなものではないと思います。 ただ、新人らしく気負ってもってまわった感じの言い回しを多く使ってるようには感じましたが…。 内容は本格ミステリ+学園青春ドラマ。 何故密室状態が作られたのか、何故机と椅子が移動されたのかは納得の理由。 学園ものとしては生徒の書き分けが不十分にも思えますが、 酸味というか苦味というか、独特のいい味がありますねw 新本格派の作家群はデビューした当時バッシングをかなり浴びたのは有名ですが、 この作品もその一つ。 ですが粗がある中にも光るものがあったからこそ出版や島田荘司氏などの推薦を得られたわけで、 その後法月氏がその地位を築いた事が逸材だったことを示していると思います。 | ||||
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痛いほどの青春小説。 探偵法月は、まだ本作には登場しない。 デビュー作だけあって、文章もこなれていないし、ストーリー運びも巧みではない。 作家としてのポジションが決まってからの作品より、さまざまな点で不安定である。 しかし、その不安定さが、青春にいる若者の不安定さを表現するのに、実にしっくりくる。 そう、青春期の若者達は、心理的にも肉体的にも不安定なのだ。 だから、その不安定な自分に不安で、さまざまな方法で安定を求めようとする。 本作はそんな、不安定な若者達の、不安定な若者にしか語れない物語だ。 リアルタイムの若者には、かなり痛く感じるかもしれない。 そして、私を含めたかつての若者達は、自分にもこんな時期があったと感慨するだろう。 著者の、まさに若さが書かせた作品である。 多分著者自身も、読み返したらかなり顔が赤くなっちゃうんじゃないか。 | ||||
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デビュー作ということで、荒削りな文章ではあるが、細かく分けられた章や、主人公が意識を失う場面では[意識を失っ]と途中で文が途切れたり、面白い書き方だなと思った。 殺人事件の解決がメインではあるが、それぞれに問題を抱えている生徒や先生の描写も世界観を引き立てている。真犯人については不確かな要素が多すぎて、本当にその人物が犯人なのか今イチ納得しかねたが、読後、それも含めて何か意味があるのかと考えてしまっている。 | ||||
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デビュー作ということで、荒削りな文章ではあるが、細かく分けられた章や、主人公が意識を失う場面では[意識を失っ]と途中で文が途切れたり、面白い書き方だなと思った。 殺人事件の解決がメインではあるが、それぞれに問題を抱えている生徒や先生の描写も世界観を引き立てている。真犯人については不確かな要素が多すぎて、本当にその人物が犯人なのか今イチ納得しかねたが、読後、それも含めて何か意味があるのかと考えてしまっている。 | ||||
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なぜか机と椅子が消失し,出入り口と窓が閉ざされた早朝の教室において死体は転がっていた。そうして幕を開ける青春・学園ミステリ。 処女作にこそ主張が詰まっているとよく言われるが,本作もそうだろう。全編に亘りマニアックな知識が披露されていて,推理作家・法月を 形成しているミステリ観がよく判るし,さらにそれを煎じ詰めているところが法月の法月たる所以だろう。 そのミステリ観を用いることによって,自己の矛盾や自己と世界の対話といった非常に概念的なテーマに挑戦している作家・法月の姿が 浮かんでくる。 本格愛好者には格好の贈り物に違いないが,意外と前述の要素なんかがあることからこの手のジャンルに疎い人でも楽しめそう。 | ||||
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なぜか机と椅子が消失し,出入り口と窓が閉ざされた早朝の教室において死体は転がっていた。そうして幕を開ける青春・学園ミステリ。 処女作にこそ主張が詰まっているとよく言われるが,本作もそうだろう。全編に亘りマニアックな知識が披露されていて,推理作家・法月を 形成しているミステリ観がよく判るし,さらにそれを煎じ詰めているところが法月の法月たる所以だろう。 そのミステリ観を用いることによって,自己の矛盾や自己と世界の対話といった非常に概念的なテーマに挑戦している作家・法月の姿が 浮かんでくる。 本格愛好者には格好の贈り物に違いないが,意外と前述の要素なんかがあることからこの手のジャンルに疎い人でも楽しめそう。 | ||||
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教室にあった48の机と椅子がすべて消え、代わりに コピーされた遺書と男子高校生の死体が残されていた。 しかも、窓は施錠され、ドアは内側から、 ガムテープが貼られているという密室状態だった……。 本作は、探偵役が「世界」から徹底的に拒絶される物語 であるのですが、それはじつは他の登場人物も同様です。 彼ら一人ひとりが、不条理で理不尽な「世界」に翻弄され、 裏切られていった果てに「密閉教室」が現前したのです。 「密閉教室」とは、いわば「世界」の矛盾と歪みの結節点であり、 なお且つ、混沌とした「世界」をなだめる供犠でもあるのでしょう。 | ||||
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教室にあった48の机と椅子がすべて消え、代わりに コピーされた遺書と男子高校生の死体が残されていた。 しかも、窓は施錠され、ドアは内側から、 ガムテープが貼られているという密室状態だった……。 本作は、探偵役が「世界」から徹底的に拒絶される物語 であるのですが、それはじつは他の登場人物も同様です。 彼ら一人ひとりが、不条理で理不尽な「世界」に翻弄され、 裏切られていった果てに「密閉教室」が現前したのです。 「密閉教室」とは、いわば「世界」の矛盾と歪みの結節点であり、 なお且つ、混沌とした「世界」をなだめる供犠でもあるのでしょう。 | ||||
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▼あらすじ 早朝の教室に少年の死体が横たわっている。 しかも、教室に在るべきはずの机と椅子が、ひとつ残らず消えていた。 そして、そこにはなぜかコピーされた遺書が残されていて……。 死者の級友にして、ミステリーマニアである工藤順也は、 この事件の真相を暴くことができるのか!! ▼感想 作中、探偵役の工藤は試行錯誤しながら推理を重ねていきますが、 ことごとくその考えは覆されていきます。 彼の信奉するロジックの力は決して現実には届かない―― ということが繰り返し強調されるわけです。 のちに、苦悩する探偵・法月綸太郎を生み出した著者が、 処女作の時点で推理小説の無底性という主題を追究していた ことを証す記念碑的作品。 | ||||
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▼あらすじ 早朝の教室に少年の死体が横たわっている。 しかも、教室に在るべきはずの机と椅子が、ひとつ残らず消えていた。 そして、そこにはなぜかコピーされた遺書が残されていて……。 死者の級友にして、ミステリーマニアである工藤順也は、 この事件の真相を暴くことができるのか!! ▼感想 作中、探偵役の工藤は試行錯誤しながら推理を重ねていきますが、 ことごとくその考えは覆されていきます。 彼の信奉するロジックの力は決して現実には届かない―― ということが繰り返し強調されるわけです。 のちに、苦悩する探偵・法月綸太郎を生み出した著者が、 処女作の時点で推理小説の無底性という主題を追究していた ことを証す記念碑的作品。 | ||||
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まるで漫画にでも出てきそうな生徒や先生たち、これでもかこれでもかと推理以外の 部分であとから湧き出てくる真実、派手に見えて地味なトリック(成立するかどうかも 怪しいですが)、と新人らしい部分がてんこもりの著者のデビュー作。 決してこの作品がフェアな謎解きの本格推理小説だとは思いませんが(本格風?)、 読み物としては頁をめくる事を止めさせない力を持った作品でした。最後まで退屈は しませんし、頭も使いませんので普段本を読まない人にもお勧めです。謎解き部分に 関しても、作者が巧く誘導してくれるので自分でトリックが解けた様に感じる気持ち よい満足感も得られます。この辺の文章のテクニックは本当に巧いと思いました。 一度は読むべき作品だと思います。 | ||||
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新本格最強のパズラー作家、法月綸太郎のデビュー作にして最大の異色作。そしてそのノーカット版。 新本格を語るとき、デビューが先となった綾辻の十角館の殺人が必ずあげられるが、新本格の無限の可能性を秘めたこの密閉教室も忘れてはならない。 本作のたたえる、荒削りだが、端正さを失わない瑞々しい感性を読み取れないしたり顔の大人にはけして分かりはしないだろう。新本格の本質を。 型破りと伝統が華麗にクロスオーヴァーする青春ミステリ。ぜひ、己の感性を試すように読んでほしい。 | ||||
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