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盤上の敵
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盤上の敵の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.80pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全44件 1~20 1/3ページ
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誰が善で誰が悪なのかが物語の終了までわからないのがノンシリーズのミステリの良さなので、スピーディーなサスペンスの展開にハラハラしながらあっという間に読めます。事件パートと交互に挟まれるモノローグ的な友貴子の生い立ちを語る場面があまりにも重く暗く残酷でしかも長いので、著者がわざわざのそのことを冒頭で断りを入れているのも納得です(もっとも、そう言われれば言われるほど読んでみたくなるものですが)。終盤のどんでん返しも驚きました。このサプライズを成立させるためのややご都合主義的な展開もありますが、序盤から伏線はちゃんと張ってあり決してアンフェアではありません。それにしても、友貴子パートは読むのがあまりに辛かった…。そこだけで言えば完全にイヤミスです。 | ||||
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猟銃を持った殺人犯が、妻を人質に自宅に立てこもった。夫の末長は、妻を助けるために警察には秘密にして犯人と個別に交渉をしていく。 どんな展開になるか楽しみにしていたが、犯人とのやりとりや警察を出し抜く場面も緊迫感がなく読み応えがなかった。 妻の回顧録は冗長が多いし、同僚のシメタが何をやらかすか期待していたのに特に見せ場もなかったし、驚愕の真実というほどの内容でもなかった。 友貴子の同級生の兵頭三季がなぜ絶対的な悪になり、友貴子を憎むのか。そのあたりの事情も知りたかった。 友貴子の過去には同情すべき面が多々あったが、色々と過去を遡って盛り上げたわりに期待はずれの展開だったのが残念。 | ||||
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どこがミステリーで、どこに驚愕のどんでん返しがあるのだろか?「我が家に猟銃を持った殺人犯が立てこもり、妻を人質にされた。果たして、警察を出し抜きに、妻を救い出せるのか?」と、読欲をそそるような見出しが飾られてあります。 ところが、妻を人質にされ、殺人犯が立てこもるその前に、重大な出来事が有ったではないか。その事に全く触れず、ひた隠して話しを進めています。最後の方に、その出来事を晒して、「なんと、以外なんだろう。その後の展開はどうなるんだろう。」と、読者はけして思わないです。何故、最初に、そんな重大な出来事を表に出さないのか、理解できません。姑息な手段を取ったとしか思えません。実力あるミステリー作家であれば、初っ端からその出来事も晒して、その上に、妻の人質立てこもり事件が発生した。と物語が始まるのではないでしょうか。そこから、面白く以外な展開を創っていくので、素晴らしい作品が出来上がるのではないでしょうか。 また、妻の少女時代からの生い立ち、回顧シーンにおいても同様です。何故、最初に、妻の事を云っているものだと、明かさないのだろうか。最後の方まで、「誰の回顧録の事」か分かりませんでした。読んでいる最中も、「誰の話し?」と、もやもやしたすっきりしない、嫌な感じが常にありました。何故、あらゆる事象を隠さなければいけないのか。これが、装丁に書かれてあった北村マジックと云うことなのでしょうか。不思議でしょうがありません。 よって、全く魅力のない、つまらない話しになってしまっています。もうこの作家の本は、二度と読まないつもりでいます。 | ||||
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評価☆3を付けている方は、4〜5の方を意識して、と、思われる。 実際は、1〜2が多数ではないかと言う印象。 とにかく、奥さんのパートが、長い。 疲れるので、すっ飛ばして、あとで、ペラペラ読み飛ばしました。 だらけ感が、嫌な方は評価が低い作品。 | ||||
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90年代後半の年間ミステリー・ベストテンにランクイン。登場人物を、チェスのクイーンやキングに例えるのはなかなか洒落ている。けれど、内容はいじめを含む重い部分もあったりして、全編カラッとしているわけではない。 ストーリー自体はとてもおもしろかった。中盤で意外な事実が明かされ、最後もまずまず。「奥さん」が誰なのか、というのがキーワードだ。 但し、ストーリーテラーとしての作家・北村薫はどうなのか。これだけの素材なのだから、もう少しサスペンス風味をきかせて、ハラハラドキドキ心臓バクバクの描写をしても良かったのではないかとも思う。 300頁あるものの、文章が平易かつ行間がスカスカなので1日で読める。どうでもいいような心理描写も思いっ切りすっ飛ばす。そうすれば半日で読了。 | ||||
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女性視点のクイーンパートは事件と関係ないと感じてしまう 日記帳のような内容が多く、これまた関係あるのかと思ってしまう 陰湿な描写も取ってつけたようで好きになれませんでした。 キングパートは事件がそれなりに面白いため退屈はしません でしたが、やや間延びしていてページを使っている割には 進展が遅いです。終盤事件が進展してからはテンポが良くなり 驚くこともいくつかありました。 登場人物がしっくりきません。女性は美化されすぎて足の 着いていない存在みたいな印象があり入り込めません。男性は 中盤ぐらいまでは良かったのですが、後半はちょっと異常で 気持ち悪いです。 犯人に至ってはかなりひどいです。男女の内面は丁寧に描写 してるので、よけい違和感があります。ストーリーを成立させる ための盤上の駒です。 ミステリーというよりも、主人公二人の物語という面が強い 作品だと感じました。 | ||||
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レビューの評価が高いので読んでみたが、全然面白くもなんともない。何がそんなに良いのか分からない。 この本はミステリーものなのか?妻のどうでもいい回想シーンや持論など退屈極まりない。そもそも何故妻はあんなに執拗につけ狙われていたのかも書かれていない。 旦那の方もあんなに都合よく警察を出し抜いて、籠城犯を連れ出せるのだろうか?リアリティーに欠ける。 ラストも何なの?って終わり方。時間を無駄にした。 本格ミステリーを期待されている方はやめた方が無難でしょう。 | ||||
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どんでんがえしトリックを期待して買ったのですが、読後はその手法より話の重さで泣けました。 嫌な話でしたが、かなり話に入り込んでしまい、最後は清々しさのある終わり方でしたが、読後もしばらくは重さが消えませんでした。 | ||||
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よく言われる「嫌ミス」に属する作品かもしれない。この作品、かねがね評価が高いのは知っていたが、わたしは今回が初読。 うーん、わたし個人の読後感はちょっと微妙かな。冒頭の殺人に至るまでのシーンが無駄に長い気がする。犯人がただ猟銃を奪うためだけの犯行なのに。 あと主人公の妻をめぐる過去の悲劇もいまいち説得力がない。悪役三季の異常なキャラもややインパクトに欠けるような。 チェスに見立てた構成は、エラリ―・クイーンへのオマージュなのかもしれないが、活かしきれてない気がする。 と、批判ばかりしたが、読み始めれば一気に読ませる力を持った作品であるのは確か。 主人公もしくはその妻に感情移入できれば、エピローグは絶対泣ける。 | ||||
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本格推理小説は、そのミステリ要素が増すほど登場人物が無機質な「駒」になりがちと感じる。 そのため、自分はアガサクリスティのような作品を愛する一方で、日本の最近の推理小説は敬遠しがちだ。 そんな私が絶賛したいのが本作である。 流石北村氏というべきか、盤上の登場人物はミステリ的な構成のための「駒」ではなく、血の通った存在になっている。 そして、その人間的な内面にこそ、本作の謎を解く最大の鍵が隠されている。 チェス盤を前に、プレイヤーは何を考えているのか。 そこを推理しながら、駒たちの息使いを感じ取ってほしい。 本格的なミステリ要素と、純小説としての要素との見事な融合。 | ||||
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なかなかトリッキーな展開なのですが、イジメ、実際は傷害です、の場面が恐ろしいです。 トラウマになりそうです。 あれほどの悲惨さの描写が必要なのでしょうか。 | ||||
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最後に全てが繋がります。それまでは何が起きているのかよく分からず退屈かもしれませんが、頑張って読んでください。あと、この小説は本格ミステリーではありません。驚くことは間違いないですが、本格ミステリーとしては強引過ぎます。 | ||||
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面白い作り。タイトルに合わせた小見出し。白のキング、クイーン、攻撃、防御。すべて、二人の視点を交互に行き来している。最後はトリックで読者を驚かせる。まあ、ミステリーってカテゴリーでしょ。一人主人公を一気に追い詰める女がいるが、この悪意の塊具合が物語に緊張感を持たせる。そう、こういう人間が必ず世界に多数いる。人の人生を物の様に扱い、徹底的にいたぶる。。黒いキングだ。これをどうやって攻略するか。それは秘密である。 | ||||
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粗筋からだと、立てこもり犯と妻を人質に取られた主人公が警察の目をかいくぐり、犯人を出しぬいて妻を救出するゲーム感覚溢れた緊迫するリアルタイムサスペンスのようにどうしても読む前は期待するのだが、そういう狙いの作品ではない。 立てこもり事件と並行してある人物の語りが並行する。どうも叙述トリック系かなと身構えるが、そういう訳でもない。 ある種のノワール要素を立てこもりというミステリー的要素に絡めて描いた作品で、ミステリー的な面白さというよりは北村氏ならではの心理描写を味わうべき作品なのだろう。 少ないページ数にかかわらず重い読後感あり、作品としては質は高いが、岡嶋二人的な丁々発止の犯人と警察と主人公が繰り広げる頭脳ゲーム的なものを期待していたので、やや違ったなという印象。 衝撃の落ちもののミステリーとして名前が挙がることの多い作品だが、プロット自体は短編レベルだと思う。それを別の要素で膨らましたことろに本作の価値があるのだろう。 | ||||
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ミステリー作品と聞いて読み始めると、序盤から急な展開が起こり章が進むごとに回想と現在の事件の進行が繰り返される その回想では読者がはっ、と息を呑み言葉が出ないような雰囲気があり心に響く。終盤に近づくにつれ、自分もこの事件が無事に解決されることを願っていることに気づく。 読み終わったあとは漠然と世にある不条理さを考えてしまう。読んだあと得られるこの感想はこの本のすばらしさを語っているだろう | ||||
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全編に渡るご都合主義っぷりに耐えられるかが評価の分かれ目になる作品 特に影の薄い立てこもり犯の協力っぷりは謎だ もし自分が犯人の立場なら、主人公など脱出した後適当に殺していたと思う また冒頭思わせっぷりに銃を撃たせたりしたのに、特に意味がなかったのも残念 奥さんの回想も長い。しかも事件に絡むのはちょっとだけと恐ろしいほどの水増し そしていくらなんでも警察が間抜けすぎる こういった人の目の集まる事件の場合、もっと気合を入れそうなものだが・・・・ もう少し車を追い回したり、もう一つの事件に絡んだり執念を見せて欲しかった チェスで例えるなら主人公だけ盤の上にクイーン三個ぐらい置ける超ハンデ戦で楽勝みたいな感じで 読み終えてもあまりすっきりしなかった | ||||
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私は北村薫さんの作品が大好きで、ほとんど読んできました。 ただ、この作品はいつもの北村さんと違う、という話を聞いていて(前書きに北村さん自身書いていて)躊躇していました。いざ読んでみると、確かに辛い展開ではあります。どうしてこんなことが・・・と胸が苦しくなりました。しかし北村さん以外の作家がこのストーリーを書いていたらすごく嫌〜な作品になっていたと思うのです。いやらしくて女性にとっては特に苦痛だったと思います。北村さんの直接的な言葉を使わない優しい文体からは、どうしてこんなひどいことがこの女性に降りかからなければならないのだろう、と悔しさ怒り女性への慈しみが感じられ、辛い話ではあっても不快感というのはありませんでした。 「月の砂漠をさばさばと」の文庫版の解説を梨木果歩さんが書かれていて、その中に盤上の敵の話も出てきて私は深く共感しました。 梨木さんの言葉にも感動してしまったので、引用させていただきます。 「日常を愛すれば愛するほど、どうしたらそれを守り通せるか、人はこの世に起こりうるあらゆる残虐な場面に自分や自分の愛するものたちが遭遇したときのことを考えずにいられないものだから。友貴子の運命は変えられない。作者といえども。だから北村は自分にできる全ての力を使って彼女のために書く。・・・きわめてハードな場面描写に至っても北村の独特な叙情は情景ごと包み込み、決して読み手を突き放したりはしない。こういうことが、起こりうるのだ、と読み手の肩に手を回して共に唇を噛みしめているようだ。この作品は北村ワールドの陰画ではない。北村が常に見つめ続けた世界である。起こらなければいい、と祈りつつ。日常にしっかり根を下ろした視点で書かれているからこそ、その連続する地平上で起こったこととして書かれているからこそ、登場人物達は、揃って、あの日常に戻れたら、と激しく願うのだ。」 | ||||
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本作を読む前に、その評判を聞いてしまっていた。 だから、しばらく読むのを躊躇していた。 読まないままにしようかとも思った。 しかし、読んで良かったと思う。 著者の長編では、ベストの作品だと思う。 本作の仕掛けは、まさにミステリである。 実は、著者がこれだけのミステリ心を持っているとは、失礼ながら認識していなかった。 意外性のための、あざといほどの仕掛け、ミスディレクションともいえる。 でも、それがミステリの遊び心というものなのだ。 映画「アフタースクール」を見たとき、本作の仕掛けを思い出した。 そう、あの映画も、ミステリの遊び心に満ちた作品だった。 著者の異色作とも言われているが、著者の本質は実はここにあるんじゃないかと思う。 そして、著者がこのミステリ心を持っている限り、本作のような傑作長編を、またいつか書いてくれると期待している。 直木賞もいいが、連城氏のように、またミステリに戻ってきてほしい。 レベルの高いミステリがかける作家だと思っている。 | ||||
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北村作品としては異色作かもしれない しかし、代表作たりえる、力の入った作品だ! 終盤のドンデン返しには、たしかに驚かされた しかし、正直そんなことはどうでもよい ミステリとしての凄さよりも、各エピソードの素晴らしさを評価したい クッキー、桂、レジのやり取り、ピッコロ達のフルネーム等等 暖かな血の通ったエピソード また、逆にいじめ等のエピソードは読み進めるのがつらかった ラストは楽しそうで、美しい夢で締めくくられる しかし、夢はあくまでも夢 夢が実現される保障は全く無い 宮部みゆき著「スナーク狩り」も同様のテーマを扱っており、そちらも同様におもしろかった | ||||
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日本の警察力を過信してるかもしれないが。妻を救うために末永の取った行動は突飛なものだ。都合がよすぎるのかも知れない。 しかしこの小説で光るのは「白のクイーン」妻の由紀子の「語り」である。北村さんは心の美しい女性を書くことにどうしてこんなに長けているのやら。 清潔で静かで、そんな彼女の心が「黒のクイーン」の悪意によって破壊された。読んでいて衝撃のあまりめまいがする思いでした。この小説は「事件」より「語り」によって支えられてる。 ところでタイトルも「白、黒のキング、クイーン」といった比喩はチェスを意識してるけど。別にチェスのルールを知らなくても読めます。むしろ関係なくってもいいくらい。一時的にはまったことのある私が言うんだから本当。 | ||||
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