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夜想
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夜想の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.77pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全32件 21~32 2/2ページ
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「空白の叫び」が良かったので再び貫井作品を手に取りました。 この人の何がすごいかと言えば、途中で本を閉じる事が出来ない、一旦本を閉じても次の展開が気になってしょうがない。 一気に読みたくなる様なある種、【先の読めなさ】があるからだと思う。 ラストをなんとなく想像は出来ても、(いや?ひょっとして…?)とある意味想像を裏切る形になったりする。 作中に出てくる子安嘉子の人物描写は恐ろしくも良かった。 | ||||
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新興宗教が誕生し,成熟していく過程が内部から描かれていて、身近と言う意味で非常にリアルに表現されている。 主人公達は「これは宗教ではない」と言っておきながら、この小説を振り返る読者は間違いなく「宗教の話」と括るだろう(本のタスキにも「再び宗教をテーマに…」と書かれているし)そんなところも,ある意味現代新興宗教を とても上手に表現できていると思う。 紅一点?の遥女史は、ちょっと輝きすぎでリアリティーが薄いが、その分"教祖"のオーラを感じる。(輝きすぎ…と言うのは、「これほど悪意のない、そしてアイドルみたいなルックスの美人が現実世界に存在するのだろうか?」という疑問と、「教祖ならありえる」みたいな超現実とをうまく兼ね備えているという意味) | ||||
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宗教もの・・・とは言ってはいけないのでしょう。 怒られる、主人公(雪藤さん)に。 目線が貫井さんらしくてこの題材にして新鮮。 苦しくて怖い話だけど 優しさにつつまれています。 貫井さんの本の中で、ストーリーのバランスが 一番とれていると思いました。 | ||||
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残念ながら前作「慟哭」は面白く読めませんでした。最初の50ページ程でラストの仕掛けがある程度予測できてしまったので、読書の残りは予測の為の確認作業っぽくなってしまったからです。今作は最後の1ページまで展開を楽しみに読めました。日頃から小説を読むことはないので、たまに小説を読むと「やっとあと何ページで終わる」等と思って読んでいますが、本作は読むことが楽しく、「あと何ページで終わってしまう。終わって欲しくない。」…との思いを持った珍しい経験をしました。続編を書いて欲しいほどです。本作の帯に「宗教をテーマに」と書かれていますが、宗教をテーマにした本だとは思いません。確かに宗教っぽい舞台ではありますが、サスペンスであり、ヒューマンドラマです。ただ現実離れした話が登場するので、「特殊な力」の存在など全く信じられない場合には宙に浮いた話のように感じることでしょう。また主人公男性の妄想による逸脱ぶり(これでは重度の精神障害では?)にはハリウッド映画のような非現実感はありますが、それはそれで娯楽要素として楽しめます。心の救いをテーマにしていますが、主張の強引な押しつけはないので素直に読むことが出来ます。全く別の二つの平行する話が登場しますが、それがどこでどのように絡み合っていくのかが絶妙でした。ただこのスタイルは「慟哭」でも同じでしたので、次回作では別の展開なども期待しています。有意義な本を有難う御座いました。 | ||||
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主人公は32才、男性。突然の事故で妻子を亡くして以来、生きる意味を見い出せず、仕事でもミスばかり。一日をなんとかやり過ごしている。そんな彼が、事故以来初めて自分の悲しみを共有してくれた、不思議な能力を持った女性にめぐりあいます。自分のために泣いてくれた人に心酔するのは分からないでもないけど、その根拠となる出来事が冒頭に少ししか書かれていないので、「そんなので、ここまでのめりこむのだろうか?」とか、「いわゆる恋愛感情に変化しないのが不思議だ」などと違和感を感じながら読んでいました。主人公視点で展開していく中盤まではそうでしたが、もう一人の子安嘉子が行動を起こし始めて、その言動に不安感を覚え、それとともに雪藤に向ける周囲の目が書き込まれるにつれ、急に足元が抜けるような感覚を覚えました。そうだったのか!前半に感じた違和感はすべて解消されました。この作者は初めて読みましたが、深い悲しみ、絶望を抱えた人間の描写に説得力があると思いました。どんなに辛くても、現実から目を背けている限り、立ち直ることは出来ない。他人がどんなに耳障りのいい言葉をかけてくれたとしても、立ち直るか否かは、自分次第。私はそういうメッセージを強く感じました。 | ||||
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事故により一瞬にして妻子を失い、生きる望みを無くした主人公・雪籐が、 ある能力を持つ女性・遥と出会い変わっていく様子を描いた物語です。 半分くらいまでは少しテンポが遅い様に感じ、 ちょっと飽きてしまいました。 丁寧に書いていると言えば聞こえは良いですが、 何となく物足りなかったです。 後半は続けざまに事件が起こり、あっと言うまでした。 更にラストは想像していたものと違い、 良い終わり方でした。 この物語を読んで、 人は、考え方一つでどうにでもなるものなのだなと、 改めて思いました。 嫌いだと思っていた人も、 見方を変えるととてもいい人に感じてくるから不思議です。 物事を悪く捉えるととことん悪くなるし、 前向きに考えればどん底にいても、光明を見いだすことが出来るのですね。こんな風にポジティブに生きて行きたいものです。 この本は、悩みを抱えている人に是非読んでもらいたいです。 | ||||
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心に食い込んでしまった悲しみがあっても、私達はそれを克服していかなければならない。 この本には、妻と娘を失った雪藤と、娘が消えた子安の二人が交互に描かれる。 喪失した問題を抱える2人がどう乗り越えるかのように見せてラストどんでん返しがくる。 悲しみを背負った人が、ある種の宗教的なものに走っていく様を描くように見せて、読者である私達にラストで明かすどんでん返しは、悲しみから目を背けたが故だけに溜飲ものだ。 | ||||
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突然の事故で妻子を失った雪籐。彼の落とした定期入れを拾った女性は、 物に触れるとそこに籠った思いを感じ取れる不思議な力を持っていた。 雪籐は、彼のために泣いてくれたその女性・・・天美遙のために生き ようと決意するのだが・・・。 さまざまな理由で救いを求める人がいる。絶望のどん底から誰かが救い 上げてくれないか、じっと待っている人がいる。遙の不思議な能力に すがろうとするたくさんの人たちがいても不思議ではない。最初は 個人的な好意のボランティアだったものが、有名になりすぎて暴走する。 遙が有名になるきっかけを作った雪籐にさえ止めることはできない。 遙は、自分が望む望まないにかかわらず、教祖に祀り上げられる。 その過程はぞくりとするほど怖い。救いを求める人に手を差し伸べる 遙だが、彼女自身の救いを求める心は誰が救ってくれるのか?また、 雪籐は本当に救われたのか?最後まで目が離せなかった。「自分を 救うのは自分自身しかいない。」この言葉が作品を凝縮したようで、 とても印象的だった。 | ||||
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この本に登場する団体は他人の目から見たら明らかに宗教だけど、 傷ついた人が何か(宗教)にすがるというのは間違ったことではない。 本当に怖いのは宗教そのものではなく、 何かに過度に依存してしまう執着心だ。 絶望も欠落感も無理に埋める必要はない。 その気持ちを忘れずにしっかり生きていく、これが重要なんだと思う。 妻と子を事故で失った主人公・雪籐は 特殊能力で人の心を読み取ることのできる美少女・遥と出会い、 悲しみから癒されていく。 また遙も雪籐との出会いにより自分の使命を見つけていく。 たたみかけるように悲しみや人間の心理の怖さが襲ってくるけど、 最後は明るい方向へ進んでいくお話なので希望が持てます。 テーマは重いけど、難しいことはまったくないのでテンポ良く読めました。 | ||||
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宣伝の『宗教・絶望』という単語に惹かれて買いました(ちなみにミステリー入門者です)。交互に展開される2つの物語が重なり、1つの物語を紡ぎ出す様に引き込まれて400ページを越える厚さにもかかわらず1日半で読破。絶望の淵に立たされた人間が何かを信じ、信じ過ぎた故に真実を視る目を潰す。救う者と救われる者、絶望と狂気。人間とは何なのか考えさせられる作品ですが、難しい単語もなく読みやすいと思いました。 | ||||
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貫井徳郎の作品は暗い作品が多い中、光を与える作品だったと思う。 宗教をテーマに書いたそうだが、人が生きていくうえで、何かに縋ること、救われようとすること、そういったことがなぜ起きていくのか。そして人を救うというのはどうゆうことかが描かれていると思う。文体そのものは読みやすく、かつ引き込まれて、読後にはいろいろと考えてしまう作品だったと思う。 「追憶のかけら」についで、生きることの良さが謡われている作品で読後感がよかった。 | ||||
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宗教をテーマに書かれた作品…。どうしても堪え難い悲しみや不幸のどん底に直面した時に宗教に頼る方って多い。この主人公の雪藤も愛する妻子を交通事故で亡くして悲しみのから抜け出せずに居た…。そんな時にある特殊な能力を持った女性と出会う…。そして、もう一方で母子家庭で娘亜由美と暮らしていた主婦嘉子の家庭でも…。家庭崩壊していまし娘が家出してしまう…。そこからも物語がリンクして行く…。中盤過ぎた当たりから怖いと感じずには居られなかった…。人への執着が、こんなにも凄まじく怖いとは…。嘉子の言動が、あまりにも過剰表現かなと思う所はあったが…。貫井さんらしい作風で考えさせられました。 | ||||
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