■スポンサードリンク
虚夢
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
虚夢の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.21pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全70件 41~60 3/4ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読んでいるうちに、自分にもいつか起こる事件ではないかと不安になります。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
精神病による、無罪。罪を犯した者がその罪を逃れる唯一の結論。ニュースでも、大量殺人をした犯罪者において、必ずここの部分に焦点があたる。しかし、実際問題その人間の内面を誰が正しく、判定できるのだろうか…。そういった、グレーゾーンに足を踏み入れた本作は、とても興味深い内容だった。最後、真実が明かされる部分は作者なりの答えを苦しんで出した跡がありありと出ていた。小説の真骨頂を見た。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本の舞台の豊平区に住んでおりました。酷い悲しみとどのように付き合うかの指針のひとつになる話だと思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
刑法 第39条 心神喪失者の行為は、罰しない。心身耗弱者の行為は、その刑を減軽する。 この題材は過去、永井 泰宇さんが書かれた「39 刑法第三十九条」を読んで非常にインパクトを受けました。 それからすると大変薄味な作品に感じました。 著者の他の作品も読みましたが、力強さ、リーダビリティが不足しているように感じます。 重要な題材を扱っているのに結局著者が何を強く打ち出したいのか伝わってきませんでした。 デビュー作「天使のナイフ」の方が詰め込み過ぎ、ご都合主義ではあるものの話に起伏が富んでいておもしろく読めました。 他の作品も読みましたが、二度読みはないだろうと思います。 題材が使い古されており、今更感があります。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
といいますか、薬丸岳さんの作品を何作品か読ませてもらってますが、どれも考えさせられる非常にクオリティの高い作品で、満点以上でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
複数の視点で描かれるので多少イライラするものの、わりと早い段階でそれぞれの話しの関連が分かるため、そのあとは違和感なくぐいぐいと読み進めることができます。エンターテイメントとしては素晴らしい作品だと思いました。しかしミステリとしては、まず「先生」にまつわる叙述トリックは必然性がまったくなく物語の中核でもないため蛇足に感じたのと、「ゆき」の精神疾患に関する展開もまったく同様に感じたので、終盤で不必要にサプライズを詰め込んでる感が否めませんでした。あと、これは全くの偶然なのですが、直前に道尾秀介の『シャドウ』を読んでいたので、最大のどんでん返しが全く同じだったために予測できてしまったのが残念でした(ちなみに『シャドウ』のほうが先に書かれています)。一方、社会的な作品という側面で見ると、「佐和子」の真の目的が犯人を殺すことではない(さらにその先がある)ところに感銘を受けました。大仕掛けなわりには、あまりにも無謀な計画ではありますが(笑)。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
精神病者による犯罪 罪をなぜ問えないのか?被害者家族の思いは? について真っ向から取り組んだ作品。 ”精神病”の恐ろしさを強調しすぎているきらいがあり、精神病を抱える家族にはとても読める小説ではない。そういう意味で問題作です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
2012年1月26日、ちょうどこの『虚夢』を読み始めた日の中日新聞に宮城県の気仙沼高校の文芸部員を取材した記事があった。 そこには、部員が作った短歌が数点紹介されており、読んでいて胸が痛くなるようなものばかりだった。 こんなことをなぜ言っているのかというと、『虚夢』を読んだ後にこれを読んだら、怒りがわいてきたからだ。 あの震災を経験した方々はもちろんのこと、文句も言わず、必死に生きておられる人はたくさんいる。 国は、政治家はそのような人たちこそ助けてあげなければいけないのだ。 だが、それができていないというのが現状だ。 さらに言うなら、そんな人ほど本作の篠崎のような人間に出くわして被害を受けるということが多々ある。 だが、損をするのは被害者だ。 ただ、「心神喪失者」という理由だけで、加害者は刑務所に入ることもなければ罰を受けることもない。 こんなことがまかり通る世の中ならば、希望を持つこともできない。 今の政府及び政治家に「この国の未来を明るいものにしたい」という考えがあるのならば今すぐ本作を読むべきだ。 下らない覇権争いばかりしていないで、今すぐに読んでほしい。 だが怒りとともに反省も少しした。 今の世の中を形成しているのは自分を含めたすべての人である。 ならば少しはこんな世の中にした責任もあるのではないかと思う。 こんなことを考えても無駄かもしれないが、やっぱり意識はしておかないといけないことだと思う。 作者の他の作品に触れた人はもちろん、本書に出てくるような事件で少しでも思うところがあった人には読んでもらいたい。 きっと深く読むことができると思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
『天使のナイフ』で少年犯罪の矛盾や被害者家族の苦悩を鋭く描き出したように、 本作では刑法39条をモチーフにしている。精神鑑定で『責任能力ナシ』と診断されると、 大量殺人を犯した加害者でも数年で社会復帰できてしまう。そんな不条理さに、 本作は真正面から切れ込んでいる。主人公が抱く憤り、葛藤、虚無感がまた痛々しい。 主人公の妻の心の叫びもリアルに伝わってきた。やはり読み応えはかなり重い。 だが、ミステリーの要素もきちんと備えており、クライマックスに向かう 大きな仕掛けには深い感銘をおぼえた(どんなオチかは早くに気づいたけど) あえて不満を述べるとすれば、主要キャラクターの相関図がやや安易なところか。 それでも充分満足できたし、薬丸氏の作品には今後もぜひ注目していきたいと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「天使のナイフ」では少年法・少年犯罪について、「闇の底」では女児への性犯罪 について書いてきた作者が次に選んだテーマは、刑法第39条・心神喪失者の犯罪に ついて。 本当に毎回興味深いテーマを選んでくる。 また、導入部からの引き込むスピード、展開力の巧みさには毎度の事ながら感心する。 飽きさせずに読ませることにかけてはなかなかのものだ。 ただ、これは前作の「闇の底」の時にも感じたことだが、デビュー作の「天使の ナイフ」に比べて、作り込みの浅さを感じてしまう。このテーマであれば、もっと 枚数をかけて描き込んだ作品を読んでみたいと思うし、それが出来る作家さんだと 思う。 前作のような後味の悪さが無かったのは良かった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私はどうしても作者の前作と比較してしまいます。 そういう意味でデビュー作の『天使のナイフ』よりは落ちます。 デビュー作であれほど素晴らしい作品を書かれたので、 今回はテーマとしても非常に興味がありましたし、 楽しみにしていましたが、期待以上ではありませんでした。 具体的には最後のどんでん返しの為に、 ストーリーを作成している感があり、 確かにびっくりはしましたが、 全体としてハラハラドキドキの展開ではなかったです。 しかしながら、私がこのテーマで常々思っていた事を、 この作品は問題提起してくれているので、 そういう意味では満足しています。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「総合失調症」という精神の病が軸となった事件に、 少しのミステリ要素を足した物語は、 著者の読みやすい文章も手伝って、 一気読み間違いなしです。 母親の姿があまりにも痛々しくて哀しい。 強い意志による行動は、 何物も止めがたいのだろうなとつくづく思いました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
刑法三十九条「心神喪失者の行為は、これを罰しない」 何でこんな法律ができたんやろ。てか、自己防衛とか正当?な理由がない限り、人殺した時点で〜て思うけど。加害者の遺族の想いもあるんかな。でも、被害者の遺族の苦しみややりきれなさを思うと、そんなこと言っとられへんと思うけど。 日本の法律はおかしい。 刑法に関しても、憲法に関しても。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
レビューをしに来て、世の中の評価が案外高いのに驚いています。 「天使のナイフ」以来のファンですが、 今回の作品の脆弱さ、浅薄さには悪い意味で驚きました。 プロットも、刑法39条をモチーフにするならもっともっと深堀できたはず。シンプルな構成は○ですが 登場人物の描写が浅すぎて、誰一人たりとて共感できる人がいませんでした。 エンディングも一見捻っているようですが、浅はかな伏線は張ってあり、何となく予想のつくものでした。うーーーーーん、軽く読むにはいいけれどねって感じの1冊でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
個人的には最近話題の作家を、この作品に限り著者は凌駕しています。切なさの深さがある作品に仕上がってます。ラストが圧巻。是非お勧めいたします。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
今回も犯罪被害者の家族がテーマになっている。 個人的にこの重いテーマが好きなので、読み始めてすぐに夢中になった。 主人公は娘を殺害された夫婦。犯人は統合失調症という精神病であり「刑法39条」により 「責任能力の無い者」と判断され、不起訴となった。 遺族の夫妻の苦悩が読む者を苦しくするほど丁寧に描かれている。 確かに、現実の事件でも「心神喪失ってなに?」「心神喪失なら何をしてもいいの?」「その境目はどこにあるの?」と疑問に思うことも多々ある。 しかし、この作品がすごいのは、ただ、「刑法39条」を批判だけしているのではないところだ。 加害者の青年の心理状態もリアルに表現されていて、 私たちが知ることのできない「統合失調症」という病気が どんなものなのか、どれほど彼を苦しめているのかがつぶさにわかる。 その上で、読者は「刑法39条」をどう考えるかと問いかけられているのだ。 一方的に声高に社会の不条理への怒りをぶつけるのではなく 被害者、加害者の両面を丁寧に描くことによって そして、被害者の妻の考え抜かれた行動によって この法律の不備を明らかにしていく。 感情的にも、とても動かされる物語であったと同時に 読み終えた後、ではどうするべきなのか?と真剣に考えたくなった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
素晴らしい本でした! 私が日ごろ、疑問に思っていたことに答えてくれる本でした。 薬丸さんの本はすべて読んでいますが、私は個人的にはこの本が一番好きでした。 人を殺して、罰せられない人がいていいのか? いつも無差別殺人などの事件に触れると思ったことでした。 自分の家族が殺されたりしたら、 殺人犯が、特定されているのに、死刑にならない、それも罰せられもしない現実を知ったら、絶対に赦せないと思います。 そんな気持ちを共有してくれる本でした。 悲しい話だったけれど、 最後はなんだかちょっとスカッとしてしまいました。 決してこれはいいことではないのでしょうが・・・・・ 気持ちがわかるだけに、とてもとてもつらくもなりました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
刑法39条、心神喪失での責任能力の是非。 同じテーマでありながら、作品の表現する世界観は全く異なります。 より現実に近くストーリープロットも本作の方が上ですね。 ただ、考えさせられるという意味では「無痛」が強いです。さらっと読めないところが特に。 どちらも感慨深い内容でおすすめです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
面白かった 薬丸 岳さんの小説はテーマが重いけれど、とにかく読みやすい、そしてわかりやすい。 序章からぐいぐいと引き付けられて、先が気になって一気に読める 現実にも起こり得る内容なので、果たして自分ならどうするか…と考えてしまった。 絶対次の作品も読みたくなる作家です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
日本はおかしなことだらけになった。 その最たるものを描いたのがこの本である。 国民のまっとうに生きる権利を奪ったものは、病気であろうとなかろうと等しく裁かれるべきである。 ところが、昨今の殺戮者たちのほとんどが簡単に弱者扱いされ、刑を免れ社会に戻ってくる。 この物語はある意味架空の話ではない。 誰にでも起こりうる恐ろしい災厄であり、もし被害者になったら誰でもこの母親のような塗炭の苦しみの中に放り出されるのだ。 あるいは、家族の誰かが、親族が、もしかしたら自分がこの犯人とおなじ加害者となる日を迎えるかもしれないのだ。 配慮を欠いた刑法が放置されているのは司法の怠慢であり、こうしたことに及び腰のマスコミや国の態度を物語は明快に責めてゆく。 物語は半ばでやや中だるみになる。 風俗に勤める少女の設定に少し違和感を感じる。 だが、一人娘を殺された母親が人生を引き換えにして犯人を追う痛ましさがそれを補ってあまりある。 国も司法も医者もマスコミも夫でさえ頼みにならず、たった一人で娘の命を奪った男にふさわしい罰を与えるために命をかける母親の姿はあまりにも痛ましい。 いとしい娘を失った母親の至極まっとうな思いを愚かしいとは言えまい。 物語は精神の病で苦しむ側の苦悩も同時に描いている。 そちら側の苦しみも存在する以上、人は行いを等しく裁かれるべきで、一方だけを放免するのは新たな苦しみの連鎖を生んでゆくだけだ。 この難しいテーマをごく普通の人の視点でわかりやすく描いたことがこの本の成功につながっている。 読みやすいのでいろいろな人に読んでもらいたい。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!