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沈底魚
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沈底魚の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.15pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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素朴な感想としては、面白かった。 二転、三転する状況で、誰が味方で、誰が敵かわからない。どの情報が正しくて、どの情報がうそなのかもわからない。あまり批判的に見ずに楽しむべき作品だろう。 もし、疑問点を書くとすると、国家機密を扱うべき部署の人々がここまで疑心暗鬼になるような状況があり得るのだろうか。2重スパイはあり得るとしても、味方を犠牲にするような手法を多用すれば、組織は壊滅するのではないだろうか。 ルカレやフォーサイスのような、スパイ組織と密接な関係を持ちながら小説を書いた人々の作品の中には、味方を平気で犠牲にするようなストーリーは、あまりなかったと思う。 | ||||
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息もつかせぬ展開というのはこういう小説のことを言うんだと思います。こんなにスピード感があって状況が二転三転また一転するような小説は読んだことがありません。とにかく休む暇がない。しかしものすごく面白い! 本作は警察小説でありスパイ小説でありミステリー小説でもあります。色々な要素が混ざっていますが、ざっくり言うと国家の情報を他国に漏らしているスパイを探しだそうというストーリーです。国対国なので大規模な話になりますが本書を執筆するにあたって作者はかなり綿密な調査をされているようで設定・展開に甘いところはありません。まさに隙なし。 エンタメ性も高く文章力も文句なし、欠点らしい欠点がなく、久々に大満足させてくれた小説だったのでこの評価の低さは驚きました。本作が普通かそれ以下、ありきたりだと感じる方は普段どんなハイレベルな小説を読んでいるんだろう。気になってしまいました(笑) 乱歩賞受賞作という看板も納得の出来だと思います。最初から最後まで誰を信じていいかわからない、推理する暇もない、始終物語に振り回されページをめくる手が止まりませんでした。一気読み推奨です。おすすめ! | ||||
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ずいぶん評価が低いのに驚いている。 裏表紙の紹介文では、動き出した大臣クラスの沈底魚についての話かと思ったけど、 この沈底魚自身は本文に出てこず、この沈底魚を追いかける方を描いた話。 ちょっと想像していた内容とは違うけど、それはそれであり。 このレビューは読後1ヶ月して書いてるんだけど、 内容はどんでん返しの連続で、かつ、最後のほうは表が裏返って裏になったと思ったら、 もう1回転して表に戻ってるなんてことが続いて、今どっちにいるのかもわからなかった。 最後、なんでこの沈底魚がスパイになったかの部分は興味深かった。 たしかに、これだけのスケールなら3巻くらいに描きこめた気はするし、 最後はかなりの駆け足だったので星は4つ。ただし、文句なしにおもしろかった。 | ||||
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ナカナカ読み応えのある警察小説?でした。 中国に機密情報を流している国会議員=沈底魚は誰なのか?をめぐる話かと思いきや、そもそもいるのか?と言う話で、誰はスパイで誰はダブルスパイで、だれが情報提供者で、誰は踊らされているだけなのか?振り回されます。 想像が少し読んでは覆され、また想像すると覆されナカナカ楽しめました。 それにしても、普通こういった小説に嫌われ役の紅一点が登場するとなると、米倉良子や浅野ゆう子がキャスティングされそうな美人が登場するものですが、この話に登場するのは名前も凸井ならばルックスもゴツイ感じの女理事官。ちょっと画的には楽しめませんが、キャラには合ってるのかなぁ。。。 | ||||
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本作品は、第53回(平成19年)江戸川乱歩賞受賞の「スパイ小説(エスピオナージュ)」。 日本推理作家協会編の「ザ・ベストミステリーズ」で2010、2011年版に選出された短篇(【義憤】【老友】)を読み、人間の暗黒面を抉る作風に興味を惹かれて、手に取った次第。 主人公不破は、警視庁公安部外事ニ課所属の刑事。 ある日、亡命を企てる中国人外交官が「日本の現職国会議員が中国に情報漏洩している」と証言したとの記事が新聞に掲載された。 捜査を開始すると、日本国内に潜行する大物の「沈底魚(スリーパー)」の存在が浮かび上がってくるが…。 小説本編を読む前に、巻頭の「受賞の言葉」に注目させられました。 著者は、有名大学に入学するも、卒業に向けた就職活動をせず、やがて中退、その後は職を転々とし、「身を持ち崩すこと」を目的としていたという。 今後は、ありきたりの価値観に抗う作家をめざすとのこと。 小説は作品本位であり、作家がどのような人物かは、小説の評価とは無関係と考えていますが、この「受賞の言葉」には、驚き。 「人間の暗黒面」が強調された作風はこのためでしょうか。 本作品の場合ですと、主人公は警察官ですから、「悪」ではないけれども、「社会悪に対抗する正義」という訳でもありません。 どこかに「暗黒面」を抱えているのです。 「エスピオナージュ」や「警察小説」が多々書かれている現在、題材やストーリーには目新しいものはあまり感じませんでした。 しかし、本作品には「世間的に良いとされている価値観」に対抗しようという気迫は十分に感じられます。 文章表現上、場面の説明は極めて少ないし、会話文の連続で進む部分も多い。 しかし、どの場面も頭に情景が浮かび、誰の発言なのかも明瞭。 上官の凸井も、同僚の若林も五味も、明確に描き分けがされています。 もちろん、スパイものに欠かせない、誰が敵か、という二転三転もあり、楽しめる作品でした。 | ||||
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二重スパイや三重スパイまでいて それぞれの登場人物が「どちら側か?」考えながら 読むととても面白い。 文章として読みやすく、展開が速い。 目指しているものは同じなのに主人公とは 全く異なった手法でスパイを追い詰めていく警官や、 スパイ活動に手を染めたことにより 好人物の日常が壊れていく様子が描かれている。 重すぎず、軽すぎず、エンタメとして「程良い」 | ||||
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平成20年江戸川乱歩賞受賞作。 最近は、おもしろい小説は読み手が決めることが多くなってきました。そんな風潮の中、 プロの書き手に選別された後に初めて世に出る乱歩賞はそれなりの意味があるように 思います。選考委員の好みや方針に左右されることもあるでしょうが、本作も 基準はクリアしていると思いますよ。 しかしながら、どのレビューを見ても乱歩賞受賞作には点が辛いですよね。 この点は読み手もそれなりの期待を持って読んでいるからなのでしょう。ただ応 募規定を見ると枚数制限があり、超過した場合は失格とのこと。枚数的には決して 多くはないので、コンパクトにどこまで話を広げていくかがポイントになり、 選考委員はその辺をわきまえて評価をしているのだと思います。乱歩賞に大作の 広がりを求めるのは、ないものねだりと思うのですが如何でしょう。しかし、 そんな制約の中13階段 (講談社文庫)のような傑作も出るだから、まぁ皆さんの期待もわか らないでもありませんが・・・ さて、本作ですが、いくらでも膨らませることのできることのできる題材を 削って、削って制限枚数内に収めたという印象を持ちました。増殖してとどまる ところを知らないライトな小説の対局にある千頁超の重厚な骨格とリアリティを もった作品を読みなれていると、どうもこの枚数は中途半端な印象を受けます。 レビューアーの不満はこのあたりにあるのではないでしょうか。 | ||||
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■不破は、警視庁公安部外事二課所属の刑事。中国と北朝鮮に関する国際諜報活動・情報収集が仕事だ。相棒は無口な若林刑事である■――その日、日本に激震が走った。「毎朝新聞」一面に現職国会議員が中国に機密情報を漏洩した疑いがある旨の記事が掲載されたのだ。しかもその議員は与党閣僚経験者とあった。大物保守政治家の中に中国のスパイがいるという驚くべき内容だ。情報元は米国に亡命した中国人外交官■当初警察は当該情報をガセネタとして黙殺姿勢をとっていた。だが、数日後、不破は今抱えている仕事から外れるように指示を受け、公安会議室に行く。会議室に集められた30名の捜査員たちは、エリート女性幹部・凸井(とつい)理事官から驚くべき情報をもたらされる■亡命外交官が漏らした情報《閣僚経験者の大物沈底魚がいる。暗号名はマクベス》は信憑性があるので捜査せよというのだ(「沈底魚」とは指示があるまで何年も一市民として暮らすスパイのこと)■捜査を進める不破の前に、相棒・若林の二重スパイ疑惑や公安刑事同士の反目と内ゲバ、凸井理事官の不審な行動などが次々浮上し、ついに命まで狙われる。果たして事件の真相は? 沈底魚は誰なのか? 裏切り者は? 後半相次ぐどんでん返しで、最後の一頁まで気を抜けない小説。 | ||||
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新人の作品としては良く出来ている。公安警察らしい暗い雰囲気がにじみ出た文章もマッチしている。ありがちな人物造詣も、奇を衒(てら)うよりは安心して読んでいられる。 二転三転するストーリーも次の展開が読めない構成で、決して複雑にならず好感が持てた。ただ、最後は疲れた。エピローグのエンディングもちょっと理解できなかった。次回作以降の期待を込めて星4つ。 | ||||
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昨年はひどかったですが、今年は良かったです。 エスピオナージに続いて読みましたが、こちらの方が真面目です。 でも気がついてみたら、舞台は警察の1部屋から抜け出ていませんでした。 でも予想外に楽しめたので〇。 | ||||
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みなさん、評価低いんですね。わたしは最近の乱歩賞の中では面白い方だと感じました。 とくに公安警察の捜査をじっくりと書き込んだところに惹かれました。また捜査にあたる刑事たちも個性的で良かったです。派手さはありませんが、エスピオナージとしては、その方がいいという感じもします。ただ、あまりに改行の多い文体に、最初は少し戸惑いました。 | ||||
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