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顔の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.08pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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これほど粒揃いの傑作を揃えている短編集は、他の作家も含めてですが、知りません。匹敵するとすれば、同じ作者の『カルネアデスの舟板』(文春文庫、1959年)くらいです。絶版になっているのが惜しいです。 | ||||
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収録作品すべて面白くて一気によんでしまいました。清張作品のいろんな要素が初期的な形でよくあらわれていて、読みながらこれはあの作品に発展したんだなと思いながら読みました。清張作品は自宅にいながら小説の語り手と一緒に旅に出るような錯覚を覚えます。戦後間もない日本を国鉄で旅したり、50年代の東京を歩いているような体験が得られのが大好きです。人間の内面や人間間の感情を鋭くサラリと表現してしまう清張の文章にもいつも惹きつけられます。 | ||||
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顔、張込み、声、地方紙を買う女、白い闇、の中短編5作。全て最後までオチが見えない凄い展開。素晴らしいセレクトでこの価格はホントにお得です。 | ||||
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図書館で白い闇を読み、大好きになってしまったので電子書籍で購入しました。私が好きなのは白い闇と地方紙を買う女です。そのほかも面白かったのですが、個人的には白い闇の面白さが凄くて、そこばかり読んでいます。しかしこの内容でこのお値段は破格です。買ってよかったなと思います。ただ一つ気になったのは、私が図書館で読んだものよりも文章が少し難しいままで、表現も違う箇所があるということでした。気になる方は試し読みなどされると良いと思います。 | ||||
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松本清張の作品は古くて新しい。 何度読んでも面白い。 昭和の名作です。 | ||||
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数多い清張作品の中でもベスト3に入ると思います!「点と線」よりはおもしろいかな。 短いので読書が苦手の人にもお勧め。 私は松本清張で読書が習慣になりました。 映画やドラマで味わえない緊張感がたまりません。 あっという間に読めますよ。 | ||||
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日本の社会派推理小説ブームを築いた立役者・松本清張の秀作短編5編を収めた犯罪小説集です。私事ですが今回本書を数十年振りに読み返しまして、とても面白く大満足しましたので、若い頃に読んでから長らく遠ざかっていた日本ミステリーを少しずつ読み直そうかなと考えています。時々は今時では見られない古い漢字や浪曲が娯楽といった場面が出て来て書かれた当時の時代の古さを感じさせますが、さまざまな切り口で読ませ心に深い余韻を残す推理文学としての良さは普遍的で今でも十分に楽しめる事が改めて実感できましたね。 『顔』新劇俳優の男が映画監督に見込まれ仕事が増えて喜ぶが、その半面で内心にはある根深い心配があった。本編は謎解きが主眼ではなく主人公の殺人犯の男の運命の変転を追うサスペンス推理ですね。この男は被害者の女と二人連れで列車に乗っている所を目撃されながら殺人を予定通りに決行したり、目撃者が警察に連絡する危険を全く考えずに殺人計画を練ったりと誠に軽率極まりないのですが、不思議と悪運だけは強いのですね。犯罪者とは言え役者としての幸運な成功を祝福し男に肩入れしそうになった時に・・・・やっぱり著者はどんでん返しの意外な幕切れを用意していたのですね。『張り込み』東京で起きた強盗殺人犯二人組の片割れが逃亡し、刑事二人がそれぞれ容疑者の郷里の山口県と昔の女が暮らす九州へと向かう。本編は刑事が首尾良く犯人を逮捕できるかという興味が主眼と思わせて実は意外にも刑事が犯人の昔の女の現在の心楽しまぬ生活と人生を不憫に思う心情を描いているのですね。『声』新聞社の電話交換手の女がある夜偶然に掛け間違えた電話先で何と殺人事件が起きていた。声を聞き分けるのに自信がある女は殺人犯人の声を記憶していて結婚後に偶然にも再びその声を聞く事となる。前半が女を主役とした物語で後半ではその女が殺された事件を必死で追う刑事二人組の捜査の物語となります。列車の時刻表とは無縁なアリバイ崩しのお見事な傑作ミステリーなのですが、一点だけ気になるのは犯人が石炭で殺害場所を特定させようとする見え見えの態度が非常に疑わしい(普通は隠そうとするはずなのに)という極端な不自然さですね。『地方紙を買う女』東京からわざわざ地方紙を取り寄せて買う女が、最初は連載小説を褒めていながらやがて購読を打ち切り面白くなくなったからとの理由を書いた手紙を読んで小説の作者が不審を抱く。著者が本当は自作の「野盗伝奇」を連載小説に引用して架空の作者を登場させている趣向が面白いですね。そこまで考えるか?という気もしないではありませんが、男女の心中事件と絡めて女の怪しい行動と心理を分析する素人作家の推理は名探偵顔負けの天晴れさですよね。『白い闇』北海道へ出張すると家を出たまま帰って来ない夫を待つ妻がやがて夫の従弟から実は夫には旅先に情婦がいたという事情を知らされる。そして時を経て情婦の兄から妹が自殺したという不可解な知らせが届いて事件の謎が一向に解ける気配も無くさらに深まる中で唐突に訪れるクライマックスに読者は大きな驚愕に突き落とされるでしょう。静かな淡々とした筆致の奥で密かにドラマチックな展開を目論んでいた著者の周到な企みに、「ああ、そうだったのか!」と術中に嵌められてまんまと騙された事に気づく良質のミステリーならではの心地良い快感が込み上げて来ましたね。 | ||||
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この著書には五つの短編が収められているが、短編ながらいずれも心理描写に優れた作品であり、ドラマや映画化されている。特に「張込み」は有名なので、ここでは私の好きな短編「顔」について述べたいと思う。 過去に女を殺害したことのある、売れない役者に映画出演のチャンスがめぐってきた。しかし、目撃者の存在を恐れた彼は銀幕に自分が映ることで犯行が明るみに出るのでは、と不安と夢の狭間で心が揺れ動く。意を決し、夢の実現のために彼はある行動を起こすのだが・・・。 成功した外国の役者が語ったという言葉「お金がうんと入って、何に使ったらよいか僕にはわかりませんよ。豪華な大レストランの特別室にかくれて、シャンパンを飲み、僕専用に歌ってくれるジプシーの歌でも聞きましょうかね。歌を聴いて、そして泣くんです。」彼が好きなこの言葉の中に女を殺害した身勝手な理由やスターへの野心など彼のすべての心理が集約されているように思える。 罪を犯した人間の不安感に苛まれる妄想の日々、それでも夢や欲望を持ち続ける人間の業が切なく哀しい。 | ||||
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