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顔の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.08pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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薄気味悪いところと、過酷な生い立ちが描かれています。 | ||||
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第10回(1957年)日本推理作家協会賞 受賞作。 昭和三十年頃から発表された短編集となっている。 故山村正夫氏の解説によると、そもそも、これらはミステリ作品の依頼として書いたものではなかったそうだ。松本氏は、日本推理作家協会賞受賞を契機に、勢いづいて、あの『点と線』をものすることになるという。 本作品集は、犯罪を扱う6編からなるが、どれも人間の本質そのものに焦点をあてている。リアリティ重視という意味で、社会派ミステリが生まれるモニュメントといえるのかもしれない。本格もののような奇抜なトリックや、意外性は見られないが、文学よりの味わい深い作品集とは思う。 過剰な警戒心から墓穴を掘ってしまう愚行「顔」、毒殺された男に対する密やかな怨念「殺意」、病死の裏に隠された情念の罠「なぜ星図が開いていたか」、犯罪の隠蔽を邪魔する気まぐれという陥穽「反射」、老年の男を死へ誘う妄執の果て「市長死す」、平凡な女が命を燃やした数時間「張込み」 何度もドラマ化されている有名な作品が収録されている。 | ||||
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著者は昭和30年頃から現代物の短編小説を手がけるようになったが(当初は歴史小説家を目指そうとしていた)、旧来の探偵小説が犯罪の奇抜さに片寄りすぎてリアリティーを欠く犯罪や安易な動機に流れていることを疑問視して、一般市民の日常生活の中に動機や事件を追及する当時としては野心的な試みに挑んだ。この本に載った作品を発表した後に「点と線」が世に出て著者の推理小説作家としての地位が確立されたので、今これらの作品を読んでもストーリーが素朴でさほど面白いとは思わないかもしれないが、著者が犯人の心理を重視して描こうとしたことはよくわかる。表題作の「顔」は一番成功している作品で、著者の初期の代表作の一つであろう。 | ||||
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著者は昭和30年頃から現代物の短編小説を手がけるようになったが(当初は歴史小説家を目指そうとしていた)、旧来の探偵小説が犯罪の奇抜さに片寄りすぎてリアリティーを欠く犯罪や安易な動機に流れていることを疑問視して、一般市民の日常生活の中に動機や事件を追及する当時としては野心的な試みに挑んだ。 この本に載った作品を発表した後に「点と線」が世に出て著者の推理小説作家としての地位が確立されたので、今これらの作品を読んでもストーリーが素朴でさほど面白いとは思わないかもしれないが、著者が犯人の心理を重視して描こうとしたことはわかるだろう。表題作の「顔」は一番成功している作品で、著者の初期の代表作の一つである。 | ||||
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松本清張は言うまでもなく、ミステリーがまだ一般に「推理小説」と呼ばれていたころの“社会派”のチャンピオンである。彼はそれまでのおどろおどろしい、絵空事のような「探偵小説」に不満を持ち、よりリアリティーに富む日常的な事件の上に犯罪(主に殺人)を犯すに足るもっともな動機や人間性を追求・構築した作品を書いた。そしてそれらの作品はベストセラーとなって一大ブームを巻き起こした。 本書は昭和31年にまとめられて単行本化された短編集である。そして昭和32年度の「第10回日本探偵作家クラブ賞・短編賞」を受賞している。いずれも私が生まれる前の、さらには『点と線』でベストセラーを記録して一世を風靡する以前の、著者初期の6つの短編だ。 時代背景の古さと、短編という制約の中、動機の不十分さ、結末のあっけなさは否めないものの、それぞれの内容は伏線、逆説、罠、人間洞察、ドンデン返しと推理小説のテクニックが駆使されていて、かつ「本格謎解き」の要素もある。作品によっては手記や検事調書など、表現にも工夫が凝らされており、ストーリー展開も会話部分が多く、比較的短いセンテンスでスピード感があり、意外にも(?)面白く読めた。 いずれも、推理小説の作品を依頼されて書いたものではなかったそうだが、物語の体裁はともかく内容は新聞の“社会面”をにぎわすようなリアリティーの強い推理サスペンスとなっていた。 最近、また彼のブームが静かに起こっているという。そろそろ絵空事的設定だけが主眼の単なる本格ミステリーでは読者の期待に応えられず、リアリティーを追求した彼のような社会性に富んだミステリーが注目されるようになってきたのだろう。 | ||||
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