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君たちに明日はない
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君たちに明日はないの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.71pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全68件 41~60 3/4ページ
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本書を手に取ったのはタイトルに惹かれたからだ。 「君たちに明日はない」・・・もちろん名作映画「俺たちに明日はない」のパロディであり、 「リストラ請負」を生業とする本書の主人公の稼業をよく表してもいる。 期待は裏切られなかった。 「リストラ」という、サラリーマンにとって人生最大の危機において表出する「人間臭さ」が、乾いたユーモアでもって語られる。 File.1の冒頭に出てくるアクの強い営業マンとの駆け引きなど、リアルでいながら得も言われぬおかしみがある。 人間のどうしようもないところを知りつつ、なお人間の「まっとうさ」を描こうとする、はっきりとした志向が本書にはある。 そのあたりが「山本周五郎賞」だったのではないか、と思う。 リストラが吹き荒れた「黄昏れた時代」に対して、作者からの「エール」である。 さて「ユーモア小説」としての本書の白眉は「File.4八方ふさがりの女」ではないかと思う。 主人公・日出子の名古屋弁が素敵だ。しかも名古屋弁が好きになるような気分で大笑いできる。オススメです。 | ||||
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現在に実在しそうな社員のリストラ会社。リストラされる方の切実な気持ちに感情移入も出来、明日を感じさせる展開もよい。 恋愛話も平行して進行していくのだが、官能小説ような描写には閉口した。 借金取りの王子も読んでみたいと思う。 | ||||
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1話ごとに深まっていく登場人物に知らず 知らずのうちに引き込まれ、気がつけば、 file3とfile5で泣きそうな感動の嵐に吸 い込まれていく当作品はまさに一級エンタ ーテイメント&人生を考えさせられる作品 である。 リストラ&転職をする側、される側の視点 に立ち、実にリアルな世界を描いている。 その登場人物達が現実に存在しているよう なリアル感は、やはり緻密な取材とテンポ のよいストーリー展開によるものだと思わ れる。 続編「借金取りの王子」も是非読んでみた いと思わせる作品。 | ||||
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凄く悪人てわけでもなく、善人てわけでもなし。 ルックスはそこそこで今を楽しんで生きている。 それなりに真剣に仕事をし、自活し、自由に過ごしている。 という主人公やら登場人物が魅力的。 なにやら楽しい小説でした。 | ||||
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リストラという社会人にとっては一番深刻な問題をサラッと解決しており、読み終わったあとの爽快感は十分に味わえます。主人公の恋愛観や人生観も織り交ぜて非常に楽しく読む事が出来ます。その分だけ読み終わった後に特に印象に残るような内容がない事に気づきます。息抜き程度に読める小説としては満点かもしれません。 | ||||
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本小説は、五編の短編で構成されている。 その内訳は、建材メーカ、玩具メーカー、メガバンク、コンパ ニオン派遣会社、音楽プロダクションのリストラである。 主人公の村上真介は、33歳の若者でリストラを専門に 請け負う日本ヒューマンリアクト株式会社に勤めている。 話の内容は、リストラを請け負った面接官(村上)と早期 退職を受け入れざるを得ない状況に追い込まれる被面接者の 話であり、重いテーマであるリストラを小説としてうまく まとめているのに感心した。 読んでいて、被面接者がこのまま会社にすがりつくべきか、 早期退職を受け入れるべきかの選択に悩んでいる、切ない 気持ちがとても良く表現されていた。 | ||||
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「リストラ請負会社」と言われてリアリティを感じてしまったところに、昨今の我が国の世知辛さが身に沁みる。その面接官が主人公の連作短篇集なので、奥田英朗の「最悪」(講談社)みたいな「どん底の連鎖」の重圧に満たされるかと思いきや、そうではない。「人生の岐路」を間に挟んで、下す側の青年の仕事に対する真摯なひたむきさ、下される側のこれまでの来し方を踏まえた上での葛藤、不確かだけれども将来への展望に、励まされ救われる。本書の題名「君たちに明日はない」は非常に逆説的な意味を持っているのだ。どの話もハッピーエンドで終わる訳ではない。リストラを迫られる現状は何も変わらない。だが最後には、一陣の涼風が駆け抜けていくような、気がついたら世界が前向きに再構築をなされたような感じで、「よし!」と握りこぶしを固める登場人物たちに強く共感していた。ぼくも頑張ろうと思った。 | ||||
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第18回山本周五郎賞受賞作品。 リストラをうけおう会社「日本ヒューマンリアクト」の社員・村上真介が担当する案件と、それにかかわる人物を描いた5編の連作中編集。 精神科医伊良部と患者達のエピソードを描いた奥田英郎の「空中ブランコ」の構成と同じと書くとわかりやすいだろうか。 ひさしぶりに「一気読み」した作品である。 会社から「リストラ」を言い渡される人物達。あるものは予期し、またあるものは予期し得なかった宣告であるが、各人が当初は「リストラ」に打ち負かされながらも、徐々に消化し、解決していく様が痛快であった。「笑い」と「泣かせ」のツボをこころえた秀作である。 強いて難点をあげるとすれば、登場人物がどういう結論にいたったのかあいまいな作品がいくつかあり、この手の作品では、ミエミエデもいいから、はっきりとした結論をしめしてもらうと、私としてはすっきりした。 続編の「借金取りの王子」もお薦め。 | ||||
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題名に惹かれて購入しました。 垣根涼介の作品は、ヒートアイランド、午前三時のルースター、ギャングスター・レッスンを読んでおりますが、これらの作品とは全く性格の違う作品です。 リストラ請負会社に勤務する「村上真介」が主人公です。 退職を勧告する側とされる側の人生模様がシリアスになり過ぎずに軽妙に描写されています。 万人受けしそうもないテーマに取り組み新境地を切り開いた事とその力量は評価すべきなんでしょうが、私は緊張感に包まれながら読み進めていく垣根涼介の従来の世界の方が好きです。 | ||||
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主人公の村上真介は、企業の人員削減を支援する会社に勤務しており、人員削減候補となっている社員と面接して中途退職を受け入れさせるのが仕事だ。 面接相手のリストラ候補社員も自分の生活がかかっているので、簡単に中途退職を受け入れるものはいない。従って、社員の過去の勤務実績、成果と失敗、不祥事、今後の昇進見込などを調べ上げて、現時点で退職するのが最善の選択であることを相手に受け入れさせるのが腕の見せ所だ。 この通り本書の扱うテーマはかなり重いが、主人公の真介や彼を取り巻く人間のキャラクターが軽いこともあり、雰囲気は妙に明るい。その一方で、真介自身も軽く生きているように見えて、それなりの挫折や過去の苦い恋人との別れがあることもさらっと描かれていたりして、この重さと軽さの微妙な兼ね合いが本書の魅力の一つだ。 自分がこのように退職勧告を受けたらどのように反応するだろうと考えながら読むと、ずしんと重くなってしまうが、そのようなことを考えずに一歩離れて読むと、様々な人間模様が巧みに描かれており、クライアントの企業も建材会社、玩具メーカー、大手都銀、大手自動車会社など様々で、業界の裏側を覗くことができるので、楽しむことができると思う。 | ||||
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アマゾンの「おすすめ」で偶然見つけた、山本周五郎賞受賞の本である。一般企業から依頼を受けて、社員の退職斡旋を請け負い、高い成功率でノルマをこなす退職斡旋専門会社に勤める主人公。退職斡旋をする相手は、辞めさせられて当然の人から、能力があるにもかかわらず派閥争いの都合で辞めさせられてしまう人まで多種多様であるが、主人公はプロ意識をもって冷徹に自分の仕事を進めようとする。ところが、色々な人間関係のしがらみで、どうしても自分の役割に徹しきれないところが主人公のかわいいところ。小説は、退職斡旋される対象にしたがって5つの章に分かれており、章が進むごとに主人公が成長していく。間延びすることなくテンポよく話が進むので、読み手の方も休みをもらえず、一気に読み進めるしか仕方ない。ちょっと不必要に下品な箇所が数カ所散見されることを除けば、気楽に読めるエンタテイメント小説である。 | ||||
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この作家の作品は、はじめてよみましたので、純粋にこの本のことだけしか書けないのですが、 一言で言うなら、テーマは重いがさらりと楽しく読めるといった印象です。 リストラ面接官の主人公とその彼が面接する様々な職業の会社員たち。 面接を受ける側の人たちのいろいろな人生が、面接会場での会話の中から、どんどんうかびあがっていく。 この面接での質問、答えという制約された会話が、おもしろくってだんだんひきこまれていきます。 こりゃ、やられた!という感じでした。 一話完結型であり、主人公もかっこいいジャニーズ崩れといった設定なので、連続ドラマ化にも良いのでは?と思いました。 会社員のわたくしとしては、「リストラ」というテーマが身につまされるものがあり、手ばなしには楽しめない複雑な気持ちもありましたが・・・。 これも作者の作戦か? | ||||
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リストラという暗いテーマとは反して楽しい気持ちで読めた。ホストのような容姿のリストラ執行者(主人公)とリストラ対象者との対話はさながら裁判のようである。一番に関心したのは主人公が所属するリストラ業を専門にする会社は存在しないということだろうか。さもありそうで「実はない」という設定を生み出す発想は凄いと思う。のど越し爽快な一冊だった。 | ||||
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解説で篠田節子が、山本周五郎賞での選評を一部披露している。作品単体をとらえれば、選評は的確であるが、それが山本周五郎賞のものとういうと、うなずけない部分が多い。 この作品は、山本周五郎が目指したものとあまりに乖離していると思うのだがどうだろう。 題名と山本周五郎賞受賞作品、および作者の作風から、まったく違う小説を予想していたのだが、これはこれで十分楽しめた。たしかに、あの人はどうなったのだろうという人もいるが、そういうことをあまり気にさせない仕上がりになっている。 ただし、やっぱり気になるのが、性描写。私には不必要であると思える。 その分、星をひとつ減らしておいた。 垣根ファンには申し訳ないが、本書のようなシチュエーションの作品を書かせたら、今日本で一番巧いのは、奥田英朗だろう。それを再認識させられた作品であった。 垣根には、「午前三時のルースター」や「ヒートアイランド」のような作品へと原点回帰をしてもらいたい。 性描写なしでもやっていける作家だと信じている。 | ||||
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リストラ請け負い会社に勤める村上真介の仕事は、首切り面接官。様々な業種で様々な人々と面談をして退職勧告を提案して行くシビアな仕事だ…。中には、怒り狂う女性が居たりそうかと思えば、自分の職業を愛するあまりに泣き出してしまうオタクな男性や旧友も居たり…。それぞれの人生模様とは如何に!? ★テンポが良くってサクサクです♪★『リストラ』という何ともシビアなテーマなのになぜかこの作品、明るく元気が出来てしまうから不思議ですね。★「明日はない」と思ってしまったらそこで全てが止まってしまう…。でも、『リストラ』を1つのチャンスとして向い合うか否かで今後の雲行きが変わってしまう。先行きの見えない事は誰でも怖いが…。この作品を読むと「一歩踏み出すこと」が、先行き明るいものに思えて来るから不思議だ。★元気が湧いて来る1冊だった。 | ||||
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続編らしきものが出たようなので、その前に読み返してみました。改めて奥深い作品だと思いました。リストラをテーマにした連作短編集ですが、縦糸が結構太いので長篇としても楽しめます。 リストラ業務を請け負うアウトソーシング企業というのが上手い。主人公は肩たたきをする面接官でありながら、身分は外部者、第三者であり、常に客観的な立場で関わる。したがって我々読者も重苦しくなることはない。主人公以外の目線で書かれた文章、節のつなぎ方も自然で違和感がなく、小説全体にふくらみを持たせている。そして長篇としてみた時のラストの締めくくりが良い。人生を、男と女の縁を象徴するようでジーンときました。 人生について考えてみたい時にピッタリの小説です。星4.5個! | ||||
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「ワイルドソウル」の疾走感を期待する人には少々拍子抜けでしょう。 理由は、短編の連作であること、身近な(マフィアとか南米とかに比べるとですが) 題材を扱っていること、苦味はあるけど比較的ハッピーな内容が多いこと。 ですが、個人的には「買い」です。 理由は簡単、作者の書く魅力的な人物が余すことなく登場するからです。 苦い過去をくぐりぬけ、非情な面もありながらユーモアがあって 魅力的な男性。容姿はともかく、度胸と愛嬌のある女性。 少々ご都合主義的な面のあるストーリー展開ではありますが、それぞれを 短い字数でコンパクトにまとめ、読後感も良いです。 ハードボイルド系の垣根涼介を求める方にはお勧めしません。 | ||||
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心の微妙な動きの襞を、丁寧に丁寧に輻輳させ、感情の波を高まらせる、まさに、山本周五郎賞受賞作品の典型と言いたくなる作品だ。登場人物は、男気、女気があり、意気地がある。粋を心得ようとしつつ、そうならんとする背伸びをしている憎めない存在だ。ラストシーンの、なんとまた胸つまることか。たいへんな衝撃に出会うことができて満足であった。 | ||||
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『リストラ請負人』である主人公を軸に、『切られていく人達』の悲喜交々が一話完結の連ドラの如く進行していく。主人公はリストラ請負人でありながら100%非情になりきれず、能力がありながら一度リストラの対象となった後、会社の姿勢に疑問を抱きながらこの先のことを考える女性と情を交わすようになったり、オタク開発者に翻弄されたり、リストラする側とされる側で再会した嘗ての同級生に悩んだりと幅の広いエピソードが盛られているところから、登場人物の設定は練りに練られている。また、結果がどうであれ、リストラの対象になった人たちは前へ進もうとする姿がすがすがしい。 | ||||
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5つの話に出てくるリルトラ対象者たちも、退職交渉の面接官の主人公も、いろいろな選択肢に手探りしながら、それでも自分なりに良い方向に向かおうとしていて、どの人も心情がわかるような気がしましたー。 リストラの話みたいなのでどうなのかなーと思いましたが、少し元気になれる話でした。 | ||||
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