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ワイルド・ソウル
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【この小説が収録されている参考書籍】
ワイルド・ソウルの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.57pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全165件 121~140 7/9ページ
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時間を忘れて読み耽った。上下2巻で1000ページ近い大作だが、冗長なところ、無駄と思えるところはまったくない。最初から最期までスピード感を失うこともない。また、こういったスケールの大きい話になると最後は話が破綻してしまったり、尻すぼみになったりしがちだが、見事な終盤、そしてエンディングになっている。 日本の棄民政策とそれに対する復讐。どう考えても暗いが、爽やかな印象が残るのは、登場人物のキャラクターだ。(いい意味で)エンタメ小説の鏡のような作品。 南米移民の悲惨な歴史で遊ぶなという人もいるかもしれないが、どんな形であれ、その事実を多くの人が知ることができるのはいいことだと思う。また、少しでも移民の歴史を知っている人であれば、「日本という国に対する復讐」という設定が決して大袈裟なものではないと思えるはずだ。 | ||||
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戦後の貧しい時代にブラジルに渡った日本人がいたという知識はあったものの、その数が4万人にも上り、大半の人が約束された開墾地も与えられずアマゾンの奥地で飢えと病気に倒れて失意のうちに亡くなったということは知らなかった。その責任の一端は日本政府(外務省)にあるようで、現地の領事館は現地の実情を知りながらもそれを正しく伝えることをせず、現地で苦境にある移民が助けを求めに来ても冷たく追い払うことまでしていたようだ。 そのような苦境を生き延びた移民やその息子達が、現代の日本に戻ってきて政府及び当時の責任者に仕返しを試みるのが本書の主題だが、その前の移民達の苦境が描かれる前半部分の迫力に圧倒された。中盤以降の現代日本の部分は、主人公の二人の男女のキャラクターが軽めなこともあり、テンポよく進行し、最後まで一気に読める。 重厚な前半に比べて後半のノリがやや軽い点に関しては、個人的には若干の違和感があったが、さわやかな読後感を味わえたという点ではこれでよかったのかも知れない。 この著者の作品は本書が始めてであるが、500頁以上あるにも関わらずストーリー展開が巧みで一気に読ませる力があり、結構気に入った。他の作品も評価が高いようなので挑戦してみようと思う。 | ||||
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理想郷だと信じ込まされやってきたアマゾンの地。しかしそこはまさに地獄の様な世界だった。日本政府・外務省が行った「棄民政策」。次々に死んでゆく仲間たちを見ながら、日本政府への復讐を誓う男がいた。やがて時はたち、その復讐の担い手となった青年たちは、テレビ局の記者をも巻き込み外務省へ復讐を開始する。 なにしろ躍動感あふれるストーリー展開に度肝を抜かされた。最初は文庫本上下巻でかなり分厚かったため、どれほどの時間がかかるかなと思ったが、加速する物語にのめりこみ、一気に読めてしまった。主人公ら3人の男とテレビ局の女性貴子は皆個性的で魅力的だ。 多くの賞を獲得し、このミス・この文庫にも堂々のランクイン。納得の一級クライムノベルである。そしてこの本を読み終わったとき、ブラジルのことがちょっと好きになったのは私だけか? | ||||
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3人の男、そして貴子ちゃん(すべてカバーに出てくるよん)、皆最後は読者の私を満足させてくれました。もっと、彼らのハチャメチャを読みたいw | ||||
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日本政府の駄政策により、だまされるようにアマゾン棄民となり、 絶望と苦悶の末に死に絶えた親兄弟、仲間達。 過去にやり直しは利かないが、あれほどの地獄を忘ることなどできるだろうか? 彼らの復讐心に息が詰まるかのような切迫感と何にも換えがたい目的意識が見える。 それは私達読者を圧倒する説得力と魅力だ。 ケイはこのテの作品に登場するキャラクターとしてはおそろしくキャラ立ちしており、 その一挙手一投足が楽しく読める。彼の陽性ぶり、その軽い言動、ブラジリアンとしての すべては軽薄で浅慮にみえる。 そんなケイの中でどれほどの情念がたぎっているのだろう? 想像しながら読んでみてほしい。 | ||||
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上巻を読んでいたときはそうでもなかったが、 下巻を読み進めるにつれ、ある思いが深まった。 「デビューしたころの船戸与一に似ている。」 大藪春彦賞をとった本書だが、作風は、船戸のほうに似ているようだ。 ただ、終わり方が違うけども。 とにかく楽しい時間だった。 おそらくは、垣根の最もいい瞬間を味わったのだろう。 | ||||
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たった今、読了した。面白かった。作者がブラジル移民政策に着眼した時点で半分は作品の成功が決まったのではないかな。もちろん作者の技量やセンスの力もある。ケイと云う主人公のオリジナリティ、緻密な取材に拠って生まれるリアリティ。FDの加速に伴って読者はラストまで突っ走る。ただ全面的には絶賛出来ない。はっきり言って文章あんまり巧くない。一部の移民達の辛酸もっと粘っこく描いて欲しかった。しかし日本人が忘れてはならない出来事をエンターテイメントにして幅広い世代に伝える事に成功している素晴らしい作品だと思う。 | ||||
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アマゾンで生まれたケイは、日本政府の「棄民政策」によりアマゾンの奥地で朽ち果てた両親の復讐を決意する。 ノンストップで展開する社会派クライム・サスペンス。 2005年にNHKで放送された『ハルとナツ』を見て以来、ブラジルに移民した日本人たちの苦労話には興味を持っていましたが、本作で描かれる、国家的な詐欺にも等しい「棄民政策」の実態にはさらに大きな衝撃を受けました。彼らのアマゾンにおける過酷な生活が、非常に綿密に描かれており、著者の綿密な取材の成果が伺えます。 復讐劇というと、通常はどす黒く陰惨なものになりがちですが、本作の主人公・ケイはどこまでも能天気で明るく、暗いイメージを感じさせません。彼らの復讐劇のなんとからっとしていることでしょう!主人公の恋人役の貴子も、いわゆる「ツンデレ」で非常にいい味を出しています。これらの登場人物たちの魅力により、本作は、単に社会派作品としてだけではなく、エンターテイメントとして一級の仕上がりになっています。 主人公たちの復讐の大義に感情移入しつつも、読者にさわやかな読後感を残す良作。そして、日本政府のあり方についても考えさせられるようなすばらしい作品。まだ読んでいない方には是非ともおすすめしたいです。 | ||||
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本を読む度に思います。 自分が読み終わった後に、もっとこういう内容にしてほしかった、こういう結末にしてほしかった、人物像がこうあってほしかったと。 たくさんのジャンルや、たくさんの作家にトライしていく私はその都度、作家の苦労も知らずにあれこれ思いますが、この作品は私にとても合っていたのでしょうか。 現実離れしたテーマでありながら、個個に出てくる人物像が全てスーッと入ってきました。 テーマが重たいわりに、それぞれの登場人物の中にいろんな可能性を秘めた人間臭さを うまく表現していました。 よくこれだけの多彩な人物像をフィクションで描けるなと感嘆しました。 フィクションなだけに作家の作意に感嘆いたしました。 男性向けとか女性向けというより、 人間向けだと思いました。 騙されたと思って、是非世代を問わず読んでほしい長編です。 久々に映像より、グウォーンと読み終わった後の余韻を残してくれました。 読んでいる過程での主観が読んでいる間では葛藤しますが、読み終わった後で これで締めてくれて良かったと思える内容でした。希望すら与えてくれました。 この本に出会って良かったと私一個人、過大評価です。 | ||||
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1961年、衛藤一家は、夢の楽園と信じて疑わなかったブラジルへの移住するが、そこに待っていたものは、想像を絶する地獄絵図。逃げ出す場もないジャングルで獣に等しい生活を強いられ、ある者は病に息絶え、ある者は逃散して野垂れ死に…。それがすべて日本政府の愚政―戦後の食糧難を回避する"棄民政策"によるものだと知った時、すでに衛藤の人生は閉ざされていた。それから四十数年後―日本国への報復を胸に、3人の男が東京にいた・・・。 上巻では、政府の移民(棄民)事業に対する憤りと、移民した人たちの悲惨さに涙し、下巻では二世達の巻き起こす復讐劇に声援と喝采を送る。圧倒的なスケールとスピード感に脱帽! 暗くなりがちな話なのに、相対するケイのラテン系の軽快さによって救われ、相乗効果的にストーリーに深さとリアリティーさが生まれています。 | ||||
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確かに小説としては面白いと思う。 スピード感あふれテンポ良く、ページをめくるワクワク感もある。 ブラジル移民の悲惨な実態は良く書けてるし、登場人物のキャラも立ってる。 ちなみに、貴子という登場人物の造形は、氷室冴子さんの書く、ちょっととがった 女性に似ていると思った。 でもね、主人公たちの動機がねー。 そりゃ確かにブラジル移民は悲惨な思いをしたんでしょう。 外務省の対応も悪かったんでしょう。 だけど、悲惨な思いをしたのは、ブラジル移民だけじゃないでしょう。 戦争や、公害や、薬害エイズなど、政府や関係省庁の無能な対応で 悲惨な思いをした人は他にもいっぱいいます。 40年も経ってから政府に復讐してどうなるの? ブラジル移民が戦争等と違うのは、その実態を殆どの人が知らなかった という事で、世間にその悲惨さや外務省の不手際を訴えたかったという のは判ります。 だけどさ、派手な事件を起こして一時的に世間の注目を集めても、 首相から遺憾の意を引き出しても、結局はただの自己満足にしか ならないんじゃないの? 「金が欲しい!」とか、「誰かをぶっ殺してやる!」といった、月並みだけど 単純な動機の方が、より主人公たちに感情移入できたような気がする。 | ||||
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友人に薦められ、南米出張中に2日で読破。飽きさせない展開で一気に読ませる筆致は流石。 前半は戦後日本からアマゾン奥地や南米各地へ移住した方々の子孫からの取材に基づき、その苦労を偲ばせ、後半は痛快なアクション映画さながらの展開。 本書の取材旅行記である『ラティーノ・ラティーノ』と併せ、超お薦めの本である。 | ||||
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久しぶりにスピード感溢れる熱〜い快作を読ませてもらいました。ブラジル移民のことは知っていましたが、ハワイやカリフォルニアの日系人のように戦前に移住したと思っていました。1972年生まれですが、自分が生まれるほんの10年前には、食いつめて生まれ育った国や親兄弟と別れる覚悟で、当時は聞いたこともないような南半球の国に希望を求めて渡って行った方が大勢いたのですね。下の方も書いておられましたが、映画にするとおもしろそうですね。その場合、ケイ役が難しそうです。日本人の顔でブラジル育ちのスコーンとつき抜けたキャラクターを演じられる人はちょっと今思い浮かびませんね。この筆者の他の作品も読んでみなければ! | ||||
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もう眠れない、一度読み始めたらとまれない、時速320キロで明日の朝までノンストップ。 上巻の終盤で徐々に上がってきたスピード感、その熱が一気に加速度を増していきます。アクセルべた踏み狂気の域。たまに垣間見える冷却水の力…あぁもうわけわからん。 本気で映画化を、このままの作品感覚で、全部網羅して作ったら、いや作れたら、ものすげ〜傑作になると思います。すべての役柄に最高のキャスト、日本人だけじゃ足りない。う〜ん…監督やりたい。キャスト全部独断でギャラも無視して決めてとにかく練り上げて作品にしてみたい。この本読んだらそう思う人たぶんいっぱいいると思う。 ぜひこの作品の熱とスピードを味わってみてください。 | ||||
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長い助走が終わり、ようやく事件が動き始めます。松尾とケイのからりとした友情も読んでいて心地良かったです。貴子の強情な性格も読んでいて怖いと感じつつも、男性に対する厳しい視線は現代女性のリアルな描写に思えました。コンゲームよりも、いかに足取りを掴ませないかと云うことに作者は腐心しているようで、”騙し”の爽快さは余りありませんでしたが、秋津が誘拐に使用したトラックを割り出す推理は「なるほど」と思いました。唯、秋津が第二の事件の謎を暴くためだけの狂言回しで登場した感じだったので、魅力的なキャラクタだけに少しもったい無かった気がしました。 読みやすかったので一日で読了。総括すれば楽しめました。 最後に、山本のおっちゃんの侠気に合掌。 | ||||
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現実に行われた「戦後最悪の愚政」である棄民政策という重いテーマを土台にしているだけあって、非常に骨太で、しかも骨格のしっかりした傑作エンターテイメントです。まず作品を通して始めて知る事実が多く、ぐいぐいと引っ張られるようにして読みました。 一点だけ、ケイと貴子のやり取りの中で作者のミスではと気になるところがあったのですが、大変楽しめました。 同作家の「午前三時のルースター」や「ヒートアイランド」でもそうでしたが、呪われた過去を持つ主人公たちがラストでそれらから解き放たれる姿にはやはり胸を熱くさせられます。 | ||||
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最後が・・・最後が・・・勿体無さ過ぎる。 マフィアのボスの養子の彼、これのラストは良いと思う。準主役級キャラのような扱いだから、死んでもおかしくはなかった。 そこを生かしてハッピーエンドにしてくれた事は、作者に感謝したいくらいだ。 けれど、主役2人の最後が・・・ 予想できてしまう。これは結構致命的な事のように思う。 折角ここまで良い展開だったのに、と残念でならない。 最後がアレでなければ文句なしに星5つをつけたのにorz | ||||
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本作品は、第6回大藪春彦賞を受賞。 2004年度版 このミスで10位。 2003文春ミステリーベスト10で13位。 正直、これほど面白いとは思わなかった。 冒険小説、コンゲーム好きの読者の方々には、是非お勧めしたい一冊である。 外務省が己の保身のために捏造した移民政策を信じ、中南米に移住し、妻や兄弟、両親を失い、己の人生をも狂わされた男達が、40年の時を経て、外務省に復讐するというストーリー。 とにかく、前半部分のブラジル移民達の悲惨な生活ぶりには圧倒される。多くの日本人達が知らないであろう、外務省による棄民政策。まずこの事実に基づいて作品を描いたアイディアの勝利である。現実に近年の外務省に関する報道を耳にするにあたり、この部分に妙にリアリティーを感じ、中盤以降の復讐劇に共感してしまう。また、中盤以降の復讐劇は一転してスピード感があり、発想自体も面白い。衛藤、山本、松尾、ケイ、貴子の主要登場人物のキャラが、しっかりと立っており、それぞれが自分の運命に決着を付けるラスト部分といい、非常によく書けていると思う。唯一、難を挙げるとすれば、2段階に分けて行われる復讐劇の後半部分の書き込みが、若干浅く感じた。 なお、本作品を書くための取材旅行を記した「ラティーノ・ラティーノ!」もお薦め | ||||
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ちょっと男っぽい作品?と思いながら、ラテン好きな私はタイトル にひかれ、3冊まとめ買いしました。 久しぶりに読み応えのある本に出会えました。感謝です。 重苦しい事実に「許せない!」と涙し、どんどん作品に引込まれました。 下巻を読んでいるときのあのドキドキ感はもうすごかった。 あまりにもドキドキしすぎていまい(これ以上読み続けるのはムリ!) ダメとは思いながらも彼らの生死を確認してから読んでしまいました。 「ラティーノ・ラティーノ」を先に読んでいたので、「あ、あの人との 出会いの話だ」と、二重に楽しめました。 | ||||
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おもしろい、これはオススメ度No.1! 移民政策がこんなにも惨いこととは恥ずかしながら知らんかった。 この小説にでてくる、何も考えてない日本人は自分の事だろうと思う。 泣けるし、興奮するし、爽快だし、カッコイイし、励まされるし、最高ですよ! | ||||
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