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ワイルド・ソウル
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【この小説が収録されている参考書籍】
ワイルド・ソウルの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.57pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全165件 101~120 6/9ページ
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NHKで放映されていたドラマ「君たちに明日はない」が 面白かったので、「君たちに明日はない」から読み始め 逆流して本作に辿り着きました。 内容については、いまさら書くまでもないので割愛します。 久々に読んで興奮する作家に出会えたことに嬉しく思います。 | ||||
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物語は、物資も食料もない貧しい日本から、ブラジルのアマゾンの奥深くに 移民として送られてきた日本人たちの生活から始まる。 外務省が彼らに約束したことは嘘で埋め尽くされていた。 豊かな土地などなく、住む家もなく、彼らは一から自分たちの力で築き上げ、それも アマゾンの圧倒的な自然のもとに一瞬にして破壊されていく… 人々はマラリアや黄熱病で死に絶え、またはあてもなく逃亡する。 力の限りを尽くし、助けを求めに領事館までたどり着いた日本人も、門前で追い返される。 戦後の、外務省の移民政策のあまりのひどさに、これは日本政府がやったことなのか…? と、何度も自分に問い返した。 また、自分の無知に恥ずかしくなった。 物語は、そんな移民を親に持った2世の、日本外務省に対する復讐劇に移っていく。 ここからは、あっというまに、ものすごい勢いで物事が進んでいく。 復讐の計画、実行、逃亡、そのすべてが、スマートで、鮮やかだ。 一種、芸術的にさえ見える。 私の無知を補い、なおかつ、読む喜びを与えてくれる、傑作だった。 | ||||
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面白さは他の人が言っているとおり。 それプラス、この本はエンタメ小説として「レベルが高い」。 何がすごいって、これだけのストーリーにほころびが無い。 ありがちな話の破綻、消化不良、尻切れトンボが一切ない。 広げまくった風呂敷をまとめ切る見事な力。構成力。 渾身の一作、逆にいうと、このレベルの作品を この著者は今後そうそう量産できまいと思わせる。 書けてあと2,3作? その意味でも、この本は読んで損なし、と言える。 もちろん100点満点の本は無いわけで、あえて難をいえば 導入部、最初の1〜2章かな。 なんかシドニィ・シェルダンの小説を読んでる感じ。 その既視感に悩まされたけど、後半に入ってからは 雑念も消え、じつに気持ちよく引き込まれた。 クライマックス(というか下巻の後半部分)はさらに良かった。 とくに山本さんの人生の幕引き部分がたまらん。 泣けた。 これは私の好みかもしらんけど。 長さも、確かに買うとき躊躇うほど厚いけど、 しかし読み終わったあとに、これをもっと凝縮して1巻サイズに 収めるべきだったかと考えると、それはこの本の魅力を殺すと思う。 この本の熱さを殺すと思う。 要するに絶賛。これだけ褒めれる本もそうない。 3冠受賞も、プロの書き手達が同じように感じた結果と思う。 あとエンディングも意外と深い。 だって貴子はケイに対し、必ずしもイエスと言ってない。 それがわかる直前で終わってる。 そしてラストの意味深な数行がきて、終わる。 結局最後はどうなったの? このクロージング、私は秀逸だと思った。好みかもしらんけど。 | ||||
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友人に「とんでもなく面白い」と薦められて読んだ1冊。 確かにとんでもなく良かった。 日本がかつてとった移民政策によって、苛烈としかいえない環境に追いやられた多くの日本人たち。ブラジルには多くの日系人が居るということは知っていても、今では「どうしてそうなったのか」を知らない我々にとっては、小説前半部分は驚きを通り越して恐ろしい。 衛藤、ケイ、松尾、山本の主要な4人のそれぞれのバックボーン、日本という国に対する思いが太く描かれ、復讐という反社会的な行為が「当然」と思ってしまうほど圧倒的な筆力で読み進められてしまう。 それぞれの登場人物ごとにきちんとケリをつけて、その上でケイという魅力あるキャラクターにストーリーを締めくくらせる。 いやぁ、良い小説をお薦めいただきました。 | ||||
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圧倒的に5つ星評価が多い中で4つは少し心苦しいのですが・・・ ブラジル移民の悲惨さをテーマにすえて世に送り出した作者の功績はそれだけで価値があります。恥ずかしながら、このような悲惨な実態があったことをこれまで知りませんでした。 移民政策を無理やり実行した外務省への復讐劇というのは面白いし、ストーリーのスピード感、描写力も並みの作家の力量ではないと感じました。 ・・・しかし、焦点が綿密に計画された復讐劇の細部にはいりすぎていて、ブラジル移民問題がもう少し深く掘り下げられてもよかったように思います。ただこれは個人的な感想で、もちろんじゃぁ具体的にどうすればというようなことでもなく、文句なく読む価値は十分にあります。バイオレンス系の作者(そのような作風というか方向性を意識されているかはわからないのですが)に対して山崎豊子の「大地の子」のような内容を求めるのはナンセンスなだけなのかもしれませんね。ちなみにこの本が好きな人は「大地の子」、お勧めです。 | ||||
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とにかくもの凄い小説である。 理想郷を求めてブラジルに渡った移民たちを待っていたのは、 熱帯ジャングルと数々の疫病。 農耕に適さないジャングルの奥に捨てられた人々。 地獄から生き延び、日本政府に復讐を誓う男が日本にやってくる。。。 遠いブラジルから始まり、その後も壮大なスケールで展開されるのに、自分のことのように引き込まされてしまう。そして、その後のワクワク感、興奮の嵐といったら言葉にできない。 まさに作者の魂の一冊と言っても良いであろう。 近年まれにみる傑作小説。 絶対的なお勧め。 | ||||
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ある方の著作を読んで、おすすめの本として紹介されていたので、 読んでみました。スピード感があって、5日ぐらいで一気に読んで しまいました。 ●印象に残ったところ P.63 俺はその相手から受けた恩をおまえに返す。おまえもこの俺か ら受けた借りをいつかは誰かに返す。そういう風にして、世界はつ ながってゆく。 →大学時代の先輩に同じようなことを言われたことを思い出しました。 新入生だった頃に、よく先輩にご飯をおごってもらいました。その時 は、恩を着せられるようでおごられるのが好きではありませんでした。 でも、その先輩が「俺も新入生のころ、先輩におごってもらった。 だから、おまえにもおごってやる。そのかわり、また下が入ってきた らおごってやれ」と。その時は目から鱗が落ちました。それからは気 持ちよくおごってもらい、先輩になってからは同じ論理でおごり、そ の話を後輩にしたこともありました。そうやってつながる世界もある と思いました。 p.146 人間、何か窮地に陥ったとき、最後に頼りになるものは、それ までの信用でも実績でもない。人間性がいいとか悪いとか言う問題で もない。最終的には、その本人からにじみ出す愛嬌のようなものに人 は手をさしのべるのだ。 →フォーバルの社長が、ポッドキャストのインタビューで採用基準に ついて語っていたのが思い出されました。「明るく、元気で、素直」。 この3つがなければ、頭が良くて経験があっても採用しないそうです。 私も営業の採用の時には、「お客様に愛されるキャラクター」という キーワードを持っています。 ラストでFD(RX−7)が首都高を駆け抜けるシーンは非常に手 に汗を握って、スピード感があります。ネオンの光が左右に光速で蹴 散らされていくシーン。ボンネットの光の反射まで頭の中に駆け巡り ます。 貴子のイメージは、「ハゲタカ」のDVDに出てきた、栗山千明を思 い出されます。同じ、マスコミの役割だったからでしょうか? 全般的に、外務省・政府・警察内部の葛藤や苦悩があまり書かれてい なかったのが残念でした。警察内部でやり手の警官がいるのですが、も う少しキャラクターを作り込めばより重層になったと思います。また、 首相の発表もあっさりしすぎだと思います。もう少し、そこに至る過程 とその後について書いてほしかった。 久しぶりに、小説にはまりました。さくっと読めるので、おすすめです。 | ||||
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1960年代のブラジル移民の苦難が痛々しいほど伝わってきます。それに対する外務省の無責任さ。この問題については、もっと調べたくなりました。 南米の生命力にあふれたうっそうと茂ったジャングルとそこでいきているエネルギッシュなラテン系の人々の雰囲気も濃厚な熱帯の空気が感じられるほど伝わってきます。 小池 一夫 池上 遼一の「傷追い人」という漫画がありましたが、南米のリアリティ、砂金で一攫千金をねらうガリンペイロなど面白さといい似ていると思いました。 | ||||
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日本へ帰朝する友人から纏めて譲られた中の1冊。期待はおろか作者の名前すら知りませんでしたが、久し振りにストーリーそのものの魅力に圧倒されました。 歴史物、国家・官僚の犯罪という社会派物、テロ又は犯罪を扱うサスペンス、日本人とは全く異種の資質・魅力に溢れたラテン文化論、悩みを抱え、或いは過去に辛酸をなめ尽くした者達の人間ドラマ等々、読む人の興味やツボに応じて多様な楽しみ方が出来る実に間口の広い作品です。 巷間に溢れている荒唐無稽なバイオレンスにも薄っぺらいエンタメにも流れない作者の筆力とバランス感覚、そしてそれを裏付けるストーリーの密度に拍手を送ります。年明け早々、私が本年巡り会うであろうベスト5と確信しました(遅すぎ!)。 | ||||
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ブラジル移住については、いくつかの本を読んで、それなりに知識はあったつもりでしたが、 この本はすごかったです。 とにかく、国なんて信用できないってのが実感としてわかると言うか。 とても長い本ですが、一気に読めます。 で、税金払いたくなくなる(笑 | ||||
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おもしろい。とにかくおもしろい。 登場人物の心理的な描写、行動に至るまでの動機など、全てにおいて読み応えのある大作だった。 久しぶりに一気に読むことが出来たし、小説が終わってしまうのが勿体無いとさえも感じた。 あえてコメントをつけるとすれば、日系ブラジル人の描き方。ブラジルを意識させるためかわざとらしく非日本人的過ぎ。根本的には日本人が飾りをつけたようなやらせっぽいキャラクターになっている。 あと、登場する女性の心理描写。いかにも男の作者がつくりあげたキャラクターだと思ってしまう。 けど、小説が面白いことに変わりはない。 あと、過去に大変な苦労をした日系移民についての知識も同時に吸収できて興味深い。 | ||||
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ド派手で、正に「ワイルド」な犯罪が展開される。そのターゲットは日本国家と外務省。外務省の庁舎をマシンガンでドカドカと破壊したり、元外務省関係の人間を人質に取り総理大臣(=国家)の謝罪を引き出そうとしたり・・・。 この犯罪の動機は、重たすぎる史実がベースとなっている。1950年代、60年代のブラジル移民政策。ブラジルの未開の国土を開墾すれば豊かになれるという国家及び外務省の宣伝により、4万人を上回る国民が現地に渡ったものの、実際に行きついた先はジャングルのように荒れ果てた開墾困難な土地・・・。実情は戦後の食糧難の時代に少しでも人口を減らすための、国家と外務省による「棄民政策」だったのだ。彼らの開墾の努力は度重なるアマゾンの大洪水も手伝って徒労に終わり、ジャングルの中で餓死や病死するか、または都市部に逃げ出したものの乞食や売春婦に身を貶めた。地獄の移民生活の中からまともに生きながらえたのは一握りの人間達。この小説の中で、そうしたブラジル移民一世、二世の生き残り組が、過去の日本国家の裏切りに対して復讐を挑む。その結果不完全ながらもある一定の成功を果たす。そうすることで彼らはやっと自分の精神を縛り付けていた忌々しい悲惨な過去と決別し、自由な地への一歩を踏み出せたのだった。 読後は史実の重みに圧倒されながらも、ある種すがすがしい気分を味わうことができた。 ブラジル、コロンビア、日本を舞台にした地理的側面、犯罪の規模、動機、全ての点においてスケールが大きく読み応えある作品である。 | ||||
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戦後の食糧難時代に端を発した政府の棄民政策という歴史上の事実をテーマに 一貫して重苦しい内容かと思いきや、まさかのエンタメ!! そしてケイという登場人物の存在感!! すべてがカッコイイ!!! | ||||
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おもしろかったが、復讐計画が思ったよりあっさりしていたのがちょっと残念だった。犯人たちの目的が日本政府に謝罪をさせることであれば別の手段でも可能だと思うのだが、あえて回りくどいやり方をしている理由も分からなかった。ただ、ケイと貴子のやりとりはおもしろかった。自分のプライドを傷つけられた貴子はケイに意地悪をするのだが、ケイは素直にそれを受け入れ死ぬ覚悟までする。その覚悟が本気だったのか狂言だったのかは結局分からないが、陽気で嘘をつかないケイの性格にちょっと憧れた。 | ||||
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前作「ラティーノ・ラティーノ」で舞台となるブラジルとコロンビアに 実際行かれて取材されてることには敬服しますし、出来上がった「ワイルドソウル」も素晴らしかったです。 ただ実際行かれたにもかかわらず、作品中に出てくるスペイン語に(きっとポルトガル語も)あんまりな間違いが いくつか出てくるのが悲しいです。そのくらいちゃんと調べて欲しいし、幻冬社の編集さんにも猛省求む。 元ネタとしておいしく使い倒した移民の話しも、日本でのコロンビアマフィアの話しも その重さを作品に利用してるだけで、細かい嘘や誇張も多い。娯楽小説にこんなこと言われても作者は心外でしょうが。馳星周がどこかで推薦していたので読んだのですが、さもありなんと思いました。 とにかく楽しめる事は請け合います。ただ重い事実を商品として美味しく利用するに当たって、脇が甘すぎるのが難点。 | ||||
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上下巻の上巻。冒頭からしばらくは、過去の歴史にページが割かれる。 その描写は、実にリアル。そのリアルさに、読み進めることを躊躇う方も いるのではないか。個人的にも「このままだと強烈過ぎる」 と驚いた。が、本編は、その後に待っている。冒頭の印象だけで本書を判断 するのは、勿体無い。 | ||||
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友達から進められて、 上巻の読み始めは南米移民を題材にとりあげた切ない話なのかなぁ… と感じていましたが、 話がどんどん進むにつれて 展開がどんどん変わっていき、 下巻からはハードボイルドで、 愛があり笑いありの極上エンターテイメントに変わっていきます! 考えさせられるのに笑えて爽快! 読み終えた後もかなり気持ちいいです。 ぶっとい小説ですが、サクサク読めます。 騙されたと思って一度読んでみてください! | ||||
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昔のブラジル移民の大変さをまざまざと見せ付けられ、知らなかった自分が恥ずかしくなりました。ノンフィクションですが、おそらく同じようなことは昔行われていたのだと思います。 我が家で2007年度No1の小説です。 | ||||
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著者の本を読むのは、「午前三時のルースター」に続いて2作目。前作でもストーリーの疾走感と鮮烈な異国文化の描写に感動したが、本作でもそれは全く変わらず素晴らしい。文庫で上下巻に分かれた2部作(しかも2冊とも厚い!)だが、その量を気にすることなく一気に読める。 日本人の血を持ちながら中身は日本人でない二世達の心情をどうしてこうも生き生きと描くことができるのか、著者の筆力に感心する。次の作品にも大いに期待したい。 | ||||
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読みやすく、読後もすがすがしい。 キャラがしっかりたっていて飽きません。 ブラジルに行きたくなりました。 自分が生きているか自問自答しました。 貧乏臭い人生をおくらないようにしなければいけない。 身につまされました。 | ||||
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