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ワイルド・ソウル
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【この小説が収録されている参考書籍】
ワイルド・ソウルの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.57pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全165件 81~100 5/9ページ
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ブラジルに行ったこともないのに、その情景がよく分る すばらしい文章に引き込まれます。 過去の悲惨な内容で始まるストーリー。 その後の展開で舞台は日本と南米を繋いで時代もフラッシュバックして行きます。 スケールが壮大で読み応え十分です。 登場人物にも愛着がわき、その描写も良かったです。 ストーリーの展開にもドキドキ、ハラハラな要素があったり、 女性キャラの心理もうまく表現されていて引き込まれながら読みました。 史実に基づくという点で読む熱も上がります。 その点について著者が現地に足を運んで綿密な取材をしていたそうです。 読んでる人にその知らない外国をうまくイメージさせる文章が織り込まれています。 信念を持って生きることが大事なんだと教えられる内容でした。 また日本人が知ることがない史実にスポットを当てることに成功した小説です。 十分に楽しめました。 | ||||
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前半で登場人物たちの背負った業を深く書いてあるので、その後の逆襲計画を応援しつつも、もっと救われる道はないのかと不安になりつつ読み進めた。主人公の一人であるケイが非常に魅力的で、彼と貴子のラブストーリーがこの物語を一層熱いものにしている。 | ||||
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潔さとか、男らしさとか、清々しい感じを受けます。 ストーリーも展開が良いと思います。 | ||||
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スケールの大きさとリアリティで圧倒されました。 日本政府が犯したブラジル棄民政策という愚行、 その地獄から生還した者たちの、 誰も殺さない痛快無比な復讐劇。 非常に質の高い作品だと思われたし、 計算しつくされていると感じました。 | ||||
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本当に魅了された作品です。 出だしのブラジル移民の生活が暗く重くしっかりと描かれているからこそ、 その後の登場人物たちの行動がある種の爽快感を持って感情移入できました。 読み終えた感想は、どこかで莫大な費用を使って映像化してくれないかな? です。安っぽくおためごかしに作っては欲しくない、それほどの価値のある 作品。 「皆さん、服を作るにあたって一番大事なことは何でしょう?」と 「世の中には、二種類の人間しかいない。分かっていない人間と、分かっている人間・・・」 から始まる一連の文章は心にズシンと響き、今もプリントアウトして壁に飾っています。 時々こういう素晴らしい作品に出会えるからこそ読書って楽しい!と心から思える作品でした。 | ||||
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この作家さんの作品は、どれを読んでもまったく外れがない。素晴らしいの一言に尽きる。日本の宝、以上 | ||||
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普段、小説を読まないのですが知人に勧められて半信半疑で買ったら、とにかく面白い!展開が早いのもそうだが、昔の日本人の凄さ、「生きる」に対する執念の凄さを感じる。話も歴史の実話を元にフィクションの小説。その歴史の実話というのは、国民が政府に騙されてブラジルに移民した時の話である。とにかく読んでみてほしい! | ||||
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『君たちに明日はない』を読んでおもしろくなかったが、 いろんな賞を取っているこれなら もう一度垣根涼介にアタックしてみるかと思い 後ろ向きな気持ちから、 実は、下巻の最後の二人が再会する章から読み始めた。 予見された内容から想定されるほど テンポが重たくなく、するりと世界に誘われた。 それから、各章をさかのぼる形で読んだ。 事件後に背景をさかのぼるような読み方になったことがまた楽しかった。 一読後、始めから読み直した珍しい本。 二度目には主人公達の復讐への仕込み(実は作者の)が余計手に取るように理解できた。 悲痛な暗い歴史に裏打ちされているが フィクションの部分の復讐は痛快なアクションものでした。 | ||||
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戦前のブラジル移民者達の悲惨な状況が初めてわかりました。 物語もとても面白かったです。一気に読みきりました。 | ||||
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物語は過去(ブラジル、コロンビア)、現在(日本)とテンポよく進んでいきます。 舞台設定が細部までこだわって作られています。 リアルな描写と迫力のある展開に一気に引き込まれました。 建物をマシンガンで破壊するシーンや車のレースさながらの迫力あるシーンは手に汗握ります。 復讐という一貫して重い題材になるかと思いきや、コミカルな場面があったりします。 クールな男と陽気な男のかみ合わないやり取りや、女性記者とのすったもんだなどがあり面白い。 恨みや憎しみという負の感情が強い物語ですが、読み終わるとすがすがしい気持ちにさせてくれます。 戦後の移民政策は、人口過剰や食糧不足に悩んだ日本政府が行った、棄民政策とも言える非情な政策でした。 この政策により、現地で四万人もの日本人が悲惨な生活を強いられていたという事実が衝撃的でした。 アマゾンの未開の地で、原始人さながらの生活を強いられた挙句死んだ者。 土地を抜け出しても仕事がなく、売春婦や乞食同然にまで落ちた者。 テレビなどで、ブラジルなどの南米に移住して成功した日本人の話は聞いたことはありました。 しかし、その裏では想像を絶する暗い影があった事実をこの本で知りました。 戦後移民の苦悩がひしひしと伝わってくる作品です。 なかなかこういったテーマの作品を読む機会がなかったのですが、読みやすくて面白かったです。 | ||||
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いやー久しぶりに血湧き肉躍り、しかも非常に完成度の高い作品に巡り合った。単行本奥付を見ると、初版が2003年8月となっているので、早速2004年版「このミステリーがすごい!」を引っ張り出す。ぎりぎりベスト10の10位に入っていたが、この順位は大いに不満だ。 1位は「葉桜の季節に君を想うということ」だが、これには勝つだろう。3位「重力ピエロ」にも勝つ。4位「第三の時効」と、5位「グロテスク」7位「クライマーズ・ハイ」―― 若干強敵だ。8位「月の扉」と9位「流れ星と遊んだころ」には勝つ。こう書いていると自慢じゃないが私もけっこう読んでいるが、本書はこの年の間違いなくベスト5位までには入っていい作品だ。本書のような本を読むたびに、未知の本の森の中に、スグレモノがドッサリと有るように思えてならない。 さて、ワイルド・ソウル――。このタイトルでも良いが、「荒ぶる魂」にしたらどうだっただろうか? 念の為にネットで検索すると、荒ぶる魂という本のタイトルはなかったが、「荒ぶる魂たち」という映画がヒットした。2001年の日本映画である。評判にはならなかったが、ひょっとして垣根涼介は知っていて、このタイトルを気に入ったが、そのまま使えないので、ワイルド・ソウルにしたのかなと、穿って考えてみてしまうのだが――。 さて、それはさておき、日本政府・外務省のとった移民(棄民)政策は、昭和30年代の在日朝鮮人を北朝鮮へ帰還させた事業だけではない。厳密にいうと北朝鮮への帰還事業は在日朝鮮人という国籍の違う人を対象にしているが、本書は紛れも無いブラジル・アマゾンに散った日本人に対する棄民政策の故に、過酷な生涯を送らざるを得なかった人たちの怨念に満ちた復讐譚である。 こう書くと、そのような悲惨な状況を読むのは忍びないという人もいるだろう。確かに高村薫あたりが書けば先ず全体の半分はそれに重きをおいたかも知れない。また、舞台を日本に移した次の外務省襲撃・誘拐事件も正攻法で突っ走ったかも知れない。 しかし、垣根涼介は一味違う。アマゾンの悲惨状況は酸鼻を極め、その描写はインパクトがあるがサラリとかわし、日本に重点を置く。 実行部隊のケイ・松尾・山本――。彼等の人物描写が冴える。とりわけケイの設定は驚嘆ものだ。これに、民放テレビの昔女子アナで、今は報道局の貴子が絡まり、途方もない展開が繰り広げられる。 書き下ろしだけあって、随所に伏線が書き込まれ、それが見事に収斂されていく。こうなるとラストをどう締め括るかになるのだが、決まったね! エンターテイメント小説の見本みたいだ。 或る時は復讐小説、或る時はビルドゥングス小説、或る時は恋愛小説、或る時は官能小説、或る時は冒険小説、或る時は青春小説、或る時はサスペンス小説、或る時は警察小説とも読めるこの小説はいったい何なのだ。 枝葉末節な事だが参考までに書く。本書は2003年第6回大薮春彦賞、2004年第25回吉川英治文学新人賞、2004年第57回日本推理作家協会賞受賞作品である。 | ||||
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相当前に購入していた本をやっと読むことに。 二段組みの小説を読むのには、思い切りが必要ですね! いやあー、面白かった! 最後まで一気に読んでしまいました。 多少、男性目線が強い気もしますが、 そこも男性は逆にワクワクできるところ。 あんなブラジル男みたいな生き方ってカッコイイよなー!!! 読了後、いろいろ調べてみると映像化はストップしている様子。 是非とも映像でも見てみたい! | ||||
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一気に読ませる小説である。 久々に楽しい読書ができた。 | ||||
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まず南米移民についての勉強ができます。 当時の政府の無責任さにやりきれない気持ちになります。 この事だけでもこの本を読む価値があります。 なおかつ話の構成も絶妙で復讐を計画する主人公たちに 感情移入でき下巻が読みたくなります。 | ||||
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快作である。昭和60年ごろの移民化政策で悲惨な人生を歩んだ、あるいは悲惨な死を迎えた多くの移民の恨みを背負った2次世代が、外務省及び政府に対して復讐をするという話。 この作家の才能を感じさせる一冊。デビュー作『午前三時のルースター』で物足りなかった点は、ここではものの見事に解消されている。感動あり、笑いあり、サスペンスあり、アクションあり、エロスあり、社会批判あり、のぜいたくな本になった。プロットもしっかりしており、細部の構築も緻密である。終わりはちゃんと持ち味の一つの、洒落てはいるが嫌味のない気障、で締める。大藪賞ともう一つ何かをダブル受賞しているはずだが、頷ける。政府のブラジル移民策の悲惨という深刻なテーマを扱っているにもかかわらず、基本的に明るく、気質として娯楽小説向きだろう。 | ||||
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垣根さんの作品で一番好きです。ブラジル棄民の悲劇の描写は凄まじく、砂の器を思い出しました。 | ||||
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本当に引き込まれる!というか特に上巻のアマゾンでの下りが胸を打つ!色々な意味で、ですが。そこから政府への報復へ繋がる過程も、とてもスピーディで登場人物が魅力的でそのなかでも個々に色々なストーリー設定がなされていて飽きる事なく長編なのに一気に読める!!最近ではなかなかないほど引き込まれた作品でした!! | ||||
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大藪春彦賞を取っただけあって、序盤からハードボイルドの雰囲気が色濃く漂っている。長いのだが、非常に読みやすい。別の作家のやたら長く読むのが大変な作品も読んだが、この著者は長くてもスラスラと読める。これもひとつの才能だろう。 見捨てられた日系ブラジル人の怒りがひしひしと伝わってくる。ハードボイルド的なのだが、雰囲気は決して暗くない。むしろ明るいといってよい。主人公たちは日本政府に対する復讐を決意する。その内容は…この本を読んでほしい。しかし、その計画が実行されるとき、ケイ(主人公の一人)はサンバを聴く。ブラジルで死んでいった父と母にささげるために。サンバの歌詞と彼らの行動とが交互に描かれるとき、読者は何ともいえない哀しさとこれから始まる復讐への期待、ドラマチックな雰囲気を感じ取るだろう。 外務省が取った移民政策にはあきれて物も言えない。日本という国が国民のことを考えていないことは分かっていたが、これほどの仕打ちを平気でするとは…決して報われることのないアマゾン移民たち―その怒りが、想いが、この小説で爆発している。 結局、読者も十分納得できる形で物語は終わる。文学賞をトリプルで取った訳が最後まで読んで分かった。犯罪を描きながら、決して暗くならない。最初から最後まで明るいトーンに満ちている。日本という国に対する批判もきちんとされている。クライム・ノベルとしての完成度も高い。そして何より、読みやすく、面白い。もっといろいろなテーマでこの作家には書き続けてほしいと思う。 | ||||
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国の棄民政策により、騙されてアマゾンの奥深くに移民させられた日本人(日系人)達の 復讐の物語。実話を元に構成しているため、リアリティが凄い。 また、かつて、国策として口減らしのために、楽園などと嘘をついて移民を送り込んでいた史実を知ることが できた点でも有用だった。やっぱり国って国民を守るためにあるんじゃないのね。 実際、ドミニカ移民訴訟は政府が謝罪したし、これは日本人が知っておくべき事実だと思った。 さて、復讐というとチープですが、その復讐の方法が秀逸。 キャスターの貴子が、復讐に利用された事実と、局の中で評価されていく狭間で苦悩する展開も すばらしかった。 伊達に数々の賞を重複して受賞していないなっていう期待通りの読後感。万人にお勧めです。 | ||||
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大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞を 受賞した傑作小説。3冠は史上初とのこと。 先ほど読み終わったばかりなので興奮冷めやらぬまま書いてますが、 これほど文句のつけようがない小説は初めてかもしれません。 アマゾン移民者のあまりにも過酷な運命に涙し、 それでも生きようとする強い意志、人間のエネルギーに胸が熱くなり、 日本政府に対する緻密な復讐劇に驚き、興奮し、 読後には自分の内からエネルギーが湧いてくるような、そんな作品でした。 「君たちに明日はない」を読んだ時にも感じたことですが、 垣根涼介さんの小説は少し目を背けたくなるような内容にもかかわらず、 後ろ向きにはならず、最後には読者の背中を押してくれるような、 生きようとする心に力を与えてくれますね。 垣根涼介さんの熱い想いがそうさせてくれるのでしょうか。 いずれにせよ誰にでも自信を持ってお勧めできる名作だと思います。 | ||||
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