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(短編集)
傍聞き
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傍聞きの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.60pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全52件 41~52 3/3ページ
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この文庫で初めてこの著者を知った。 まず最初の『迷走』で先制パンチ。多少むりやりなところがあったものの、このレベルのものが3編も続くのかと、期待感を煽られた。 そして二つ目。表題作の『傍聞き』。 これはいい意味で裏切られた。本筋のミステリもさながら、細かい人間関係にもきちんと気を配っており、短編であるにも関わらず非常に良質な読後感を味わえた。それに重要なワードをタイトルに持ってきてしまう作者のチャレンジ精神にも恐れ入った。有栖川氏のレビューを読んでタイトルが重要だということを知っていたというのに、見事に騙された。 この作品は全篇を通して「時間制限のある謎解き」が印象に残った。 「けが人を乗せたまま迷走する救急車」 「主人公に恨みを持っている前科者が、明日にも自分の住む街に出所してきてしまうかもしれないという切迫感」 「火災に巻き込まれた家にいるはずの乳児が、なぜか見つけられない」 などなど。 非常にハイスピードなミステリが楽した。 他にもこの著者の作品を読んでみたいと思えるような、いい作品だったと思う。 | ||||
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長岡弘樹氏は本作を入れて、3冊出版されている。(私の知る限り) その中で本作がもっとも完成度が高いといえる。地味ではあるが冒頭の作品「迷い箱」を読んだときに、いままでにない感性にあふれた人だと思わずうなってしまった。 長岡弘樹氏の作品に通して流れているのは、心の優しさであろう。その意味では、山本周五郎の短編を読んだ後の感覚と合うところがある。恐らく山本先生が存命ならば、この作家を高く評価したに違いない。 しかし、その長岡弘樹氏は伸び悩んでいるように思える。自分の進む方向性が見つからないようなのだ。最新作「線の波紋」において連作という形で長編に挑戦されたが、いまひとつだったように思う。 無理に長編を書く必要はない。 | ||||
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「かたえぎき」と読む。直接面と向って聞かされるより、第三者に聞かせているのを傍で聞いた方が、より物事の本質を捉える事があるとでも云うのだろうか。 より判り易く云うと、傍目八目(他人の囲碁を傍で見ていると、実際に対極している時よりよく手がよめること)の事だ。 長岡弘樹という作家は全く知らなかったので、読むのが新鮮だった。短編集で何れも小品なのだが、人間の微妙な心理をついていて、その切り口がさすがである。 こういう憎いほど上手な作品を読むたびに、とてもではないが、作家になるのは無理だなと思う。 この作家の文体の特徴は多くを説明しないことだ。従って読者は少ない説明で状況を把握しなければならないが、その緊張感がよい。 | ||||
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「かたえぎき」と読む。直接面と向って聞かされるより、第三者に聞かせているのを傍で聞いた方が、より物事の本質を捉える事があるとでも云うのだろうか。 より判り易く云うと、傍目八目(他人の囲碁を傍で見ていると、実際に対極している時よりよく手がよめること)の事だ。 長岡弘樹という作家は全く知らなかったので、読むのが新鮮だった。短編集で何れも小品なのだが、人間の微妙な心理をついていて、その切り口がさすがである。 こういう憎いほど上手な作品を読むたびに、とてもではないが、作家になるのは無理だなと思う。 この作家の文体の特徴は多くを説明しないことだ。従って読者は少ない説明で状況を把握しなければならないが、その緊張感がよい。 | ||||
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先日、綺麗なブルーの表紙に魅かれて 読んでみた本「傍聞き」 なるほど、最後はこうくるか。。。 東野圭吾氏の小説をコンパクトにしたような 最後の最後に人間味あふれるオチ(?)がある 読後感の良い短編集だった。 「傍聞き」と「逃走」が特に好き。 傍聞きとは・・・ 相手から直接聞かされた話は 本当かな?と疑わしく思えるが・・・ 相手が他の誰かに喋っていて そのやりとりを自分がそばで漏れ聞いた場合 ころりと信じることができる(漏れ聞き効果) というものだそうだ。 なるほど辞書にもちゃんと載っている。 かたえーぎぎ [名](スル)かたわらにいて、人の会話を聞くともなしに聞くこと。 またひとつ勉強になりました。 | ||||
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先日、綺麗なブルーの表紙に魅かれて 読んでみた本「傍聞き」 なるほど、最後はこうくるか。。。 東野圭吾氏の小説をコンパクトにしたような 最後の最後に人間味あふれるオチ(?)がある 読後感の良い短編集だった。 「傍聞き」と「逃走」が特に好き。 傍聞きとは・・・ 相手から直接聞かされた話は 本当かな?と疑わしく思えるが・・・ 相手が他の誰かに喋っていて そのやりとりを自分がそばで漏れ聞いた場合 ころりと信じることができる(漏れ聞き効果) というものだそうだ。 なるほど辞書にもちゃんと載っている。 かたえーぎぎ [名](スル)かたわらにいて、人の会話を聞くともなしに聞くこと。 またひとつ勉強になりました。 | ||||
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短編集です。ひとつひとつ、読みやすく、なかなか楽しめます。 短編の良さの一つは「コンパクト」であることだなあと感じさせられます。 4作目の『迷走』などは、そういうわけだったの・・・。という驚きがありました。 この次は長編作を読んでみたいと思います。 そして期待しているのは、長編作としての迫力、つまり「インパクト」です。 | ||||
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短編集です。ひとつひとつ、読みやすく、なかなか楽しめます。 短編の良さの一つは「コンパクト」であることだなあと感じさせられます。 4作目の『迷走』などは、そういうわけだったの・・・。という驚きがありました。 この次は長編作を読んでみたいと思います。 そして期待しているのは、長編作としての迫力、つまり「インパクト」です。 | ||||
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表題作の「傍聞き」は、 第61回日本推理作家協会賞短編部門を 受賞した作品です。 この作品集には、 4つの短編が納められていますが、 いずれも小市民と呼べる人たちが主人公です。 「迷い箱」は更正保護施設の施設長、 「899」は消防士、 「傍聞き」は所轄の刑事、 「迷走」は救命救急士、というように。 そして、彼らの前に立ちはだかる事件は、 密室殺人や死体消失というような 派手なものではありません。 彼らが仕事上で巡り会った小さな謎が、 物語のラストに解き明かされるという 展開になっています。 いわゆる「日常の謎」と 呼ばれるものに近いと言えます。 作品は全体的に地味な感じです。 でも、それがマイナス要因になっているかと言えば、 そうではありません。 それは、いずれの作品も、 人情味豊かな人間の心理が 明かされるという展開になっているから。 派手さはないけど、 「人情噺」と言いたくなるような物語ばかりで、 読後感は爽やかです。 心温まる小説を読みたい人に、 是非読んでもらいたい作品集です。 | ||||
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表題作の「傍聞き」は、 第61回日本推理作家協会賞短編部門を 受賞した作品です。 この作品集には、 4つの短編が納められていますが、 いずれも小市民と呼べる人たちが主人公です。 「迷い箱」は更正保護施設の施設長、 「899」は消防士、 「傍聞き」は所轄の刑事、 「迷走」は救命救急士、というように。 そして、彼らの前に立ちはだかる事件は、 密室殺人や死体消失というような 派手なものではありません。 彼らが仕事上で巡り会った小さな謎が、 物語のラストに解き明かされるという 展開になっています。 いわゆる「日常の謎」と 呼ばれるものに近いと言えます。 作品は全体的に地味な感じです。 でも、それがマイナス要因になっているかと言えば、 そうではありません。 それは、いずれの作品も、 人情味豊かな人間の心理が 明かされるという展開になっているから。 派手さはないけど、 「人情噺」と言いたくなるような物語ばかりで、 読後感は爽やかです。 心温まる小説を読みたい人に、 是非読んでもらいたい作品集です。 | ||||
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”傍聞き”とは、直接話を聞かされるより、誰かに話しているところを、聞くつもりもなく、横で聞いた方が本当のことと信じやすい、ということを表した言葉。表題作は、子持ちの女性刑事が軸となって、大小の事件を解決していく話。傍聞きが、アイテムとして上手に使われている。 他の3作も、更生施設の所長、消防士、救急隊員といった、社会を支えている人たちの周りの事件。やや地味な感じで、テンポが今ひとつだが、短編で読みやすく、読後感もおおむねよい。 ただし、4作目の救急隊員の話は、医療関係者として、いろいろと引っかかるものを感じたので、4。 | ||||
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”傍聞き”とは、直接話を聞かされるより、誰かに話しているところを、聞くつもりもなく、横で聞いた方が本当のことと信じやすい、ということを表した言葉。表題作は、子持ちの女性刑事が軸となって、大小の事件を解決していく話。傍聞きが、アイテムとして上手に使われている。 他の3作も、更生施設の所長、消防士、救急隊員といった、社会を支えている人たちの周りの事件。やや地味な感じで、テンポが今ひとつだが、短編で読みやすく、読後感もおおむねよい。 ただし、4作目の救急隊員の話は、医療関係者として、いろいろと引っかかるものを感じたので、4。 | ||||
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