■スポンサードリンク
生贄を抱く夜
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
生贄を抱く夜の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.31pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
作者が「シリーズを長く続けていると、キャラクターを外側から眺める物語を書いてみたくなる」と後書きで書いているように、事件の当事者の視点で書かれている短編集だ。超能力が関係するのはいつもの通りだが、一応上手く超能力を関わらせていて、物語として面白い。でも、保科、能解警部、嗣子、聡子、響子らが一堂に会する場がないのが、ちょっぴりさみしい。シリーズは長く続けて欲しい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ご存知「チョーモンイン」シリーズの短編集。 どれも著者お得意の超能力ミステリーで、粒ぞろいの高品質な作品集。シリーズ全体に関わりがあるのでは?という伏線も張られていて、そちらもとても気になる。 ただ久々に気になって調べてみたところ、どうやら同シリーズの講談社文庫版はすでにほとんどが絶版になっている模様。復活を心から希望したい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
西澤氏のチョーモンインシリーズの短編集だが、おなじみのキャラは今回はサブキャラにまわり、被害者視点や犯人視点からの物語が殆どの構成となっている。一種の番外編である。 超能力トリックも思い付きレベルのものが多く、いつもの緻密な論理が展開する西澤節はいまいちな感がある。 が、そうは言っても、こういった犯人視点や被害者視点で西澤氏が書くとこれが抜群にうまいんだよな。特に今回はこうした構成であるためか、動機が猟奇的なものが多い。 ユーモアミステリーとは思えないほど事件の背景が殺伐としている。 トリック等はあまりだが、読ませるという意味では標準以上の出来だ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
◆「一本木心中 他三編」 ◆「動く刺青」 問叶は、同じマンションに住むユキエ(仮名) の私生活を、ひそかに念写で撮影していた。 ある日、問叶は、ユキエのもとにやって来る男性の背中の 刺青の位置が、日によって変化していることに気づく……。 魅力的な謎の設定と、意表を衝くその解法。 内面描写のないユキエの真意も気になります。 ◆「共喰い」 中華料理店において、三人の人間が、ほぼ同時に、 それぞれ違った死因で、いっぺんに死亡した事件。 冒頭の意味深な独白と三人の死がどう繋がるのか、 期待を持たせますが、正直、肩透かしなオチでした。 ◆「情熱と無駄のあいだ」 テレポーテーションの能力を持つ女性が、十三年もの間、入念に準備し、 今まさにイタリアンレストランで実行しようとしている男への“復讐”とは? 妄念渦巻く真っ黒な他の短編と異なり、陽性でおバカなお口直しの一編。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
◆「一本木心中」 マンションの一室で起きた若い男女の死亡事件。 現場の状況から、男が女を絞殺した後、部屋から飛び降りた無理心中 と推定されたが、事件当時、Dツール(変装能力)が“観測”され……。 「一本木」というより、依怙地で虚栄心が強い男が囚われた被害妄想。 ◆「もつれて消える」 セックスにまつわる事柄に関し、予知夢を見ることがある知映子。 夫の出張中に、学生時代の恋人と密会することになるが……。 ×××を彷彿とさせる、日時誤認のトリックと、 非日常に興奮する、どうにも困った人間の性。 ◆「殺し合い」 中学生の達郎が小学四年生の時、教室で原因不明の爆発と出火が起きた。当初、 学級崩壊を苦にした担任教師の犯行と考えられたが、何の証拠も見つからず……。 超能力という非常識が実在しているがため に崩壊する、少年の自我とささやかな矜持。 ◆「生贄を抱く夜」 学生時代から付きまとう金持ちの性悪美人に、 人生を狂わされた平凡なOLが直面する惨劇。 常軌を逸した労力が費やされた犯行、そして、 他者を“人形”扱いする救いがたい自己欺瞞。 ◆「動く刺青」 問叶は、同じマンションに住むユキエ(仮名) の私生活を、ひそかに念写で撮影していた。 ある日、問叶は、ユキエのもとにやって来る男性の背中の 刺青の位置が、日によって変化していることに気づく……。 魅力的な謎の設定と、意表を衝くその解法。 内面描写のないユキエの真意も気になります。 ◆「共喰い」 中華料理店において、三人の人間が、ほぼ同時に、 それぞれ違った死因で、いっぺんに死亡した事件。 冒頭の意味深な独白と三人の死がどう繋がるのか、 期待を持たせますが、正直、肩透かしなオチでした。 ◆「情熱と無駄のあいだ」 テレポーテーションの能力を持つ女性が、十三年もの間、入念に準備し、 今まさにイタリアンレストランで実行しようとしている男への“復讐”とは? 妄念渦巻く真っ黒な他の短編と異なり、陽性でおバカなお口直しの一編。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
やった、よかった、気分ソーカイ。 外れ無しの作家さん。 はじめて手に取った「解体諸因」から、本当にソンケーし、かつ偏愛している作家の一人、 西澤保彦さんの人気シリーズ。 これもまたまた表紙だけ見ると軽い感じで、いや実際にかなり軽やかなんだけど、 通しで読むと裏にもうひとつ、いやまたひとつ、隠されたパラレルストーリーが (そうしてこれはエラク暗い)あって、多重空間のストーリーにぐるんぐるん振り回される快感。 まるでパズルみたいにぴしっとはまる快感は、七回死んだ男と同レベルの出来じゃないですか? 言葉だけで本当に、ジェットコースターに乗ったみたいにぐるぐるバーチャルな 浮遊感を与えられる作家は、この人をおいて他にはないと思う。 余談だけど折原一のパズル力もすごいとは思うんだ。 でも、折原さんのそれは、あたしにとってはこう、マラソンのそれ? 実際に自分が積み上げて、結果としてドーパミンがでている感じ。 とくにはぐらかされたりショートカットもない。 西澤さんのそれは、わけわかんない乗物に乗せられて、自分がなんにもできないのに いろんなところに連れていかれて、振り回されて翻弄されて、でも、あれ、元の場所に帰ってきたよ、そんな遊園地感覚なのよね。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
超能力者問題秘密対策委員会(通称チョーモンイン)の神麻継子とその周辺の人々が、超能力絡みの難事件に挑む超能力シリーズの7作目にあたる短編集。著者自身が「番外編的な色合いが強い」と言っている通り、おなじみの面々(神麻継子、保科匡緒、能解匡緒、神余響子)は登場するものの、どちらかというと脇役的存在。 7本の短編のうち「一本気心中」は神余響子と保科匡緒が、「共喰い」は神余響子と彼女の協力者である刑事・叶宮邦明が事件について話し合う形ですが、残る5本は事件の当事者である一般人や超能力者自身が主人公。中には超能力事件がメインにならない作品もあり、シリーズを通して読むときは良いアクセントになると思われます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
神麻嗣子シリーズの第7弾。6つの短篇+αが収められている。 なんだかイマイチな作品が並んでいる。ミステリとして不満が残り、物語として無理があり、キャラクターの魅力も物足りない。 あえて言うなら、動機に見るべきものがある。人間の心に巣食う憎悪とか怨恨とか、醜いものが赤裸々に描かれており、ぞっとする。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
作者はSF的設定の中である縛りを設け、その縛りの中で謎を論理的に解くというロジカル・ミステリの大家。本作は「神麻嗣子」シリーズの短編第4段で、超能力の存在を前提にチョーモンイン委員会(読まないと分かりません)の美少女嗣子、美人警部の能解さん、売れない作家の保科の3人が力を合わせ事件を解決する点が見もの。事件によって、嗣子の同僚でウリ二つの響子、保科の元妻聡子も活躍する。作者の言に依ると、本作はレギュラー陣側からではなく、事件当事者の視点で書いた由。 「嗣子と響子のコンビがDツール能力者に対抗するノーマル物」、「予知夢の能力を持つ淫乱女の起こす錯誤事件」、「発火能力を持ったイジメを受ける学生の転落を描く異色作」、「主従関係にある若い2人の女性とテレポーテーション能力の組み合わせ」、「念写能力を持つ男の覗き趣味が描き出す奇妙な事件」、「サイコキネシス能力を扱う男達の偶然過ぎる犯罪」、「テレポーテーション能力を持つ女のセコイ目的」。 マンネリを防ごうと言う作者の意図は分かるが、一つ一つの作品の自由度が高過ぎて従来からの読者には違和感を感じさせる。内容も「奈津子もの」に近いものが多く、遊びが過ぎるように思われる。「これは!」というトリックとその解決も見当たらない。今後を期待したい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
超能力の実在を前提にして「謎」を構築してきた同シリーズですが、今回は「謎」も「謎解き」も現れない、単なる「超能力者の話」が大半でした。動機のおぞましさは西澤氏の得意とするところですが、今回はそればかりが空回りしていたように思います。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
あとがきにあるように、超能力者たちの視点から語られた番外編/倒叙もの的な感じになっているのはいいとしましょう。問題なのは神麻嗣子が解決後にちょっとしか出てこないことではなく、保科先生が出てこないこと!保科先生がいないチョーモンインなんて、レバーの入っていないレバニラ炒めみたいなもの!純粋にミステリーとしてみても、意外性も緻密さも弱い感じでした。表題作くらいのレベルのが集まっていれば、こういう番外編としての楽しみもできたのでしょうが、シリーズ作品としてのキャラの魅力もなく、ミステリの完成度ももうひとつでは、ちょっと厳しいですね…。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ミステリ作家の悪いところは、何でも理論付けをして自己、自作を正当化してしまうところだと思います。シリーズ物のキャラクターを外部の視点から捉えるという本作品の方法論に誤りはなくても、内容が伴わなければ、一作分の印税を確保する為に、のんべんだらりとシリーズの引き伸ばしを計っているとしか、読者は思わないでしょう。そもそも、サブキャラとして描かれる事で、そのキャラクターの新しい一面が見えたとか、魅力が引き出されたとか、そういう事も全く無いのですから、作者が後付した理由、言い訳としか思えません。定期的に原稿料が入り、集めればいつの間に一冊の本が完成する、短編の雑誌連載は、「おいしい仕事」と言っていた某作家さんがいましたが、西澤氏もそれにハマってしまった口のようですね。サラッと一冊読めてしまう本ではあるのですが、良くも悪くも「軽い」感じです。収録作品の殆どは、ミステリですらありませんし、同じシリーズの長編『実況中死』あたりとは比べるべくもないです。巻末書下ろしの一編『情熱と無駄のあいだ』は、下らない冗談に無理矢理つき合わされているようで、読んでいて気が滅入りました。もっと、ずーっとユーモアのセンスある人だと信じて疑ってなかっただけに、非常に残念です。取り敢えず、次がまた短編なら、もう買いません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
デビュー作から西澤保彦をすべて読んでいます。最近は、若干暗い結末の作品を書くようになってしまいました。しかし、西澤先生の作品には、どこか明るさがあります。この生贄を抱く夜も読んでいて幸せになることのできる作品です。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!