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べっぴんぢごく
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べっぴんぢごくの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.27pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全15件 1~15 1/1ページ
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一代おきに美女が生まれるという不思議な女系一家の繁栄と時代の変遷。 美しい女も美しくない女も因果から逃れられない。しっかりと時代の空気を反映しながら全部受け入れて淡々と、どこまで繋がっていくのか。もっと先の世代も大変だろうな。 | ||||
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美女と醜女が一代ごとに誕生する岡山の旧家の歴史を綴る話。 ホラーなのかミステリーなのか伝奇なのかジャンル分けが難しいが、この因縁ドロドロの土着的な世界観たまらなく好き。 近親相姦に不倫に少女性愛、異形愛……いつもの岩井志麻子と言ってしまえばそれまでだが、美醜に呪われた女系一族の百年に及ぶ数奇な宿命に圧倒される。美しさとはかくも業深きものなのか、魔性の囁きに惑わされ殺人すら犯してしまう男たちの哀しみとおかしみ。 | ||||
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ずいぶん前に読んだので詳しい内容は割愛します。が、当時震えました。 この世界観と内容は並の人間には思いつかない内容です。 キチガイでないと書けない内容 素晴らしいの一言 文藝や絵画や音楽、映画等のモノを創り出す芸術的な人間はこうでないといけないと 当然普通のも要りますが | ||||
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乞食から成り上がり、村一番の分限者の養女へ。そして、誰も逆らえなくなる。 それはただ、彼女が美しいからである。だが娘は…… | ||||
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土着とは「地に足がついた」ということにもつながるのでしょうが… 岩井さんの、岡山に根ざした(と思われる)世界観には、圧倒されます。 僕が男だからだろうか。 連載小説だったのですね。 名だたる作家でも、連載となると結構とっちらかることが多い中、 地に足が付いているというか、志麻子さんの底力と言いますか。 自転車競技では「地足」なんて言葉があるのですが(しぶとい、というニュアンスですかね)、 そんなものに通じる、 「根っこがぶれない」感が、流石だと思いました。 きっと、ご自身のなかで、視点がしっかり定まっているのでしょう。 何を書きたいか、はっきりしている感じ。 物語後半も、書き下ろしと言われても違和感ないくらい、読み応えがあると、僕は思います。 むしろ、この後半での引き込まれ具合は、特筆に値します。 こう感じるのは、男だからだろうか? (容姿は知らないのですが)この人(著者)、いい女なんだろうなぁ… 確かに、 『百年の孤独』に通じるもの、ありますね。 とすると、 底を流れているテーマは岡山限定ではない、世界中で普遍的なもの、ということになるのでしょうか? だとしても、 やっぱり、 おきゃあまは、こわい。 内容については、すでに素晴らしいレビューが付いているので、「そちらを読んでもらえば」 という無責任な書き方で恐縮ですが、 素晴らしいです。 最大級の、お薦め作品です。 大好きです。 | ||||
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きれいな状態で速やかに送っていただきました。内容は岩井さんのファンの方なら、ぜひおすすめです。 | ||||
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まさに岡山版『百年の孤独』、いや、岩井志麻子版『精霊たちの家』(イサベル・アジェンデ)かな。『百年の孤独』や『精霊たちの家』に比べて短めで、読みやすいけれど、途中がささっと濃密に描かれないまま進んでしまったかなという感はありますが、霊たちが見守るマジックファンタジーの薫りや、溢れ出てくるようなエロティシズムには圧倒され、満足できました。元は文芸誌に連載された作品なのでしょうか、ちょっと繰り返しが多くて、そこは閉口しましたが。解説で同じ系統と紹介された『赤朽葉家の伝説』ぐらい長くてきっちり書いてあれば、この著者の最高傑作、後年にも残る作品として★5にしていましたが、この読みやすさがよいけど、ちょっと物足りない長さでは★4です。これくらいのほうが取っつきやすいですけどね。 | ||||
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この世界観好きです。 岩井作品はこれが初めてだけど、初めてではないような印象を持ちました。 男女ともに容姿が人生に与える影響って大きい。 知らず知らずのうちに本人の性格を形成してることもあるし。 美醜・貧富は洋の東西を問わず、人々を悩ませます。 そこを鋭く抉り出して描写する著者の筆力はすばらしい。 後半、少々息切れしたような話の流れでしたが、それぞれの女性のスピンオフ作品があれば是非読みたいです。 | ||||
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岩下志麻子さんにはまり、有名なものはほとんど読ませていただきましたが、 「ぼっけえ、きょうてえ」「夜鳴きの森」そして一番おもしろかったのが、この「べっぴんぢごく」でした。 不幸な、孤独な美しいシヲ。 私も女ですが、シヲには不思議にときめきました。 「黒こげ美人」ともリンクしたところがあり、なんだかニヤリとしてしまいます(被害者の女性は憐れでしたが)。 | ||||
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この独特の世界が、何とも言えず好きです。 田舎のおばあさんが、静かな夜に話してくれそうな昔話。 「べっぴんぢごく」このタイトルも、どこか惹かれる。 乞食であったシヲが、棚ぼた形式のように村一番の分限者の養女となり 絶対に好きなにはならないと分かっている相手と結婚する。 そして、別嬪と醜女が交互に生まれる。 一人の女の一生を、100年という時間軸で描く。 主人公のシヲの生涯に、並々と受け継がれて行く血の定め。 シヲ→ふみ枝→小夜子→冬子→未央子→亜矢 6人の女の生涯が、シヲを軸にして語られる。 明治から平成へと、時代が動いて行く。 別嬪に生まれたから幸せでも、醜女に生まれたから不幸だという 話では無く、ただ淡々とそれぞれの人生を語る。 シヲの血筋が、どうしてこう因果を含んだものなのか。 その理由は最後の方で腑に落ちるようになってはいるが 理由などわからなくても、冒頭からその因果の妖しさに満ちていて 惹き付けられずにはいられない。 乞食柱・乞食隠れという土着性の強い言葉も興味をそそられる。 話自体は、意外性を求めるでもなく、突飛な話では無いかもしれない。 それでも、因果を持った一人の女の生涯を 興味深く、それこそ”そそられる”という言葉通りに 読み進めることが出来た。 ある意味、官能的な印象が強く残る。 上手く表現できないのがもどかしいが 淫蕩の艶…そういうもが澱のように沁みる。 正直に言えば、単純に「好き」な世界観なのだと思う。 他の作品も読んでみたい。 | ||||
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読了後に感じた事は、一連の主人公達は不幸なのか?そうではないのか?という事でした。これは読む人によって感じ方が違うと思いますが、自分なりの解釈が出来るという点が面白いと感じました。志麻子さんのお得意の岡山シリーズですが、お話の中で百年ほどの時が過ぎ、文化の変化を感じます。また、怪談仕立てではありませんが、心霊現象等のホラー要素もあり色々な事を考えながら読み進めていきました。志麻子さんの作品の中でも非常に気に入った一冊になりました。ぼっけえきょうてえを楽しめた方なら、こちらも楽しめると思います。 | ||||
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ぢごく。地獄。フェンダーをもしたギター。ファウンダーを手にしたときの驚きの軽さ、そして空弾きしてみたときの悪くなさ、デザインも簡素であるが故に可愛らしくさえ思えてしまう。音はペナペナとしているが雑味はない。ブランド信奉な方からすれば、バッタもんの子供の玩具に過ぎないのかもしれないが。さて当作の題名にもあるこの地獄。物の本によると8つの階層からなり、さらには128もの小部屋に放り込まれて数多の責め苦を味わうのだとか、その様は誓教寺の地獄絵図にも残されております。この作中には虎のフンドシしめた鬼も釜茹での刑もありません。しかし「地獄に落ちる行い」である殺生、姦淫、無信心、その悉くが踏破され、死後の着地は地獄であること確実です。また仏教でいう苦界である現世に思念が留意し続けることも、この作品に「ぢごく」と冠された理由の一つかもしれません。岩井志麻子の痛覚ある了察。 | ||||
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作者の地元、岡山の北部の寒村の乞食の娘シヲの年代記(明治中期〜平成初期)と言う形で、女性の美醜、官能地獄を追求した壮大な因果物語。 シヲの家系の女性は霊能力があり、死霊が見える。舞台の寒村の家には「乞食隠れ」と言う板があり、ここが常人と乞食の境である。シヲは初めから異界の人物として描かれているのだ。「乞食」に敢えて「ホイト」とルビを振っているのは「ホト=女陰」を想起させるためであろう。シヲの母も色狂いだったのだ。ひょんな事情でシヲは村一番の分限者の養女となる。身なりを整えたシヲは驚く程の別嬪だった。だが、賢いシヲは俗世とは一線を画し、平凡な結婚をする。そして、産まれた娘は醜女だった。以下、相手の男の境遇は変れど、別嬪-->醜女-->別嬪の順に娘が産まれる。"アレ"も含めて、因果を背負って。シヲを除くと別嬪でも醜女でも男には苦労する。男に惚れられるも地獄、男に無視されるのも地獄。そして彼女達には常に死霊が纏わり憑く。連綿と繋がる地獄絵のような性と宿業の饗宴を、作者は時代の雰囲気と共に巧みに描く。死霊、乞食隠れの他、狂花、凶鳥、穢人の墓地と言った題材で黄泉のイメージを膨らませている点も見逃せない。サービスなのか、集大成のつもりなのか、「ぼっけえ」も「きょうてえ」も文章中で盛んに使われる。こうした岡山弁を用いる事によって物語の土着性・因習性が増しているのは言うまでもない。 霊能力を持つ女性の年代記を通して、美醜を超越した女性が持つ性の深遠さを宿業として描いた、もう一つの「ぼっけえきょうてえ」物語。 | ||||
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明治から始まり、平成にいたるこの作品。一人の人間がその間一貫して生きてきているわけで、意外と明治って近いな、と思いました。 作品としては、始めは面白いんだけど、後半ダレる。登場人物のキャラクターはステレオタイプなところもあるが、それなりにキャラが立っていて、まあ読めます。 発想はとても面白いと思いました。 | ||||
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この話、醜女と別嬪が生まれてくる家を軸に書いてるんですけど、 女の因果って地獄といえるほどのものなのでしょうか?? ただ始めに出てくる女以前の業の深さが関係してくるだけで、醜く生まれてもちゃんと子供まで作ってるんだし、お金もある家だし、地獄っていうのは言い過ぎではないかな。 それに、読んでるうちに段々誰が誰の子供か分からなくなって混乱してくるんです。普段、小説は一晩で一冊読むんですけどこの本は、かなりキツかったです。内容はおもしろいけど、読むのは大変ですね。 それに「人とは言えないモノ」に欲情する朝鮮人の話は、どこかで読んだことがあります。同じネタを使ってるのでしょうか??? | ||||
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