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バッドラック・ムーン
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バッドラック・ムーンの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.65pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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マイクル・コナリーの作品はボッシュシリーズをはじめとして、翻訳刊行されているものはすべて読んでいる ものと思って来た。この20年ほど前に刊行された作品は、私のコナリー作品の中で読み落としなのだが、 こんな面白い作品を読んでこなかった自分の深くを猛省している。コナリー作品にはハズレがないと いつも言ってきたが、この「バッドラック・ムーン」はハズレじゃないどころか、とんでもなく面白いのだ。 刑務所から仮釈放中の凄腕の女泥棒キャシーは久しぶりの仕事で、カジノで大勝ちした男から金を 盗むことを依頼される。だが、その依頼にはいろいろと罠が仕掛けられており、これも凄腕の始末屋 カーチに命を狙われることになる。というのが粗筋だが、まさに手に汗握る展開で、しかもコンゲーム的な インテリジェンス溢れる味付けもたまらない。とにかく、今風の些か大仰な言い方なら、面白すぎて 死にそう!というぐらいの傑作とだけ言わせてもらう。 | ||||
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他の方のレヴューがあまり良くなかったので面白くないのかなと思っていましたが、実際に読んでみるとボッシュシリーズよりテンポがよく読みごたえがありました。読みだしたら止まらなくなるのはボッシュシリーズ他と同じです。今まで役20年間読んでなかったのですが、今回手に取り読むことが出来て本当に良かったです。 | ||||
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下巻を読み始めて主人公のキャシーが鬱屈した精神状態から自分を解放したいがために再びラスベガスで同じような手口の窃盗をすることにリベンジするのには深い理由があったのが明らかになった。 ネタバレになるがすべてはこの深い理由に端を発してこの事件は始まったのである。 コナリーのシリーズもの以外でもこのような面白いストーリーを思いつく才能に今更ながら感心しきりで読み進んだ。 読者に息を継がせない緊迫感を与えるコナリーならではのストーリーテリングの上手さは相変わらずである。 少しネタバレになってしまうが、ジョディーを救出するためにルームサービスワゴン車にキャシーが隠れることなど不可能のように思えたことが唯一難点である。 が、とにかく夜更かししてもページを繰る手を休ませることなく『バットラック・ムーン』下巻を読み終えた。 巻末の解説で木村仁良氏が興味深いことに触れていたので評者も確認してみようと思った。 <その1> チャンドラーの『大いなる眠り』第一章にコナリーの考えた楽屋落ちに気づかれるはずだ。 <その2> 本書に登場するある人物のその後が気になる方は、『夜より暗き闇』の第十章(の最期の部分)をお読みいただきたい。 <その3> ボッシュ・シリーズを読んでいる方は、見覚えのある人物に再開することになる。 私立探偵カーチに警察の情報を売るメトロ警察のアイヴァースン刑事や本書で言及される犯罪組織の顔役ジョーイ・マークスは、ボッシュ・シリーズの『トランク・ミュージック』に登場している。 評者にとって読了本のことなど記憶の彼方へ飛んでいるから、解説の木村仁良氏のように読んでいる本を二度楽しむことができないのが悔しいと思いながら解説を読んでしまいました。(なかなかユニークな解説ですよ!) まだまだ未訳の本が各シリーズにあるようだから翻訳出版されるのが待ち遠しいと思いながら『バッドラック・ムーン』下巻を楽しみながら読み終えました。 <追記> 本書ともっとも関係が深い(その2)だけを『夜より暗き闇』上巻第十章の最期の部分から下の・・・・・内に転載します。 ・・・・・ マッケイレブは電話を畳み、車のロックを外した。屋根越しに保釈事務所を見やると、建物の入り口の上のファサードに青い文字が書かれた大きな白い横断幕がかかっていた。 お帰り、テルマ! もどってきたのを歓迎されているテルマというのは受刑者なのだろうか、従業員なのだのうか、と思いながら、マッケイレブは車に乗り込んだ。(『夜より暗き闇』p140より) ・・・・・・ 訳者の読み方の違いでテルマが本書に登場する仮釈放監察官のセルマ・キブルであることが判る。 コナリーの粋な計らいでセルマが無事仕事に復帰したことを『夜より暗き闇』の紙上を使って読者に伝えているのです。 | ||||
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マイクル・コナリーのノン・シリーズ一作目と三作目は最近読んだから二作目の『バッドラック・ムーン』(2000年)を読むことにした。 コナリー作品ではこの作品だけ訳者が古沢嘉通氏ではなく木村二郎氏である。 このノン・シリーズでは、作者のコナリーはまったく他のシリーズとは異なる物語を創作しているから、また違った魅力を読者に与えてくれている。 木村二郎氏の訳もまた本作の異質さに色を添えているようで読みやすい。 なんせ、この物語には法律を守るような人物は上巻を読み終えたところまで仮釈放監察官のセルマ・キブル以外ひとりも登場しない。 主人公の女性キャシー・ブラックは窃盗犯であるし、もうひとり登場するカジノホテルの雇われ探偵ジャック・カーチも並みの悪ではない。 キャシー・ブラックは、ラスベガスで恋人マックス・フリーリングとタッグを組んで窃盗を働き何かのトラブルに遭遇してマックスが事故死して失敗で終えた。 キャシーは逮捕され5年の刑期をお勤めしたのち仮釈放された。 そんな身でありながら鬱屈した精神状態から自分を解放したいがために再びラスベガスで同じような手口の窃盗をすることにリベンジする。 これ以上レビューを書くとネタバレになるからやめておきますが、カジノ・ホテルのセキュリティガードを如何にして破ってゆくかなど微に入り細にいたるまで描写するためにコナリーがネタ探しに拘ることに感嘆しながらこの物語を読みすすんだ。 上巻を読み終えたところではあるが、ハリー・ボッシュ・シリーズやミッキー・ハラー・ シリーズなどとは趣を変えた本作も楽しめる作品であると思いながら読み終えたのです。 | ||||
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元窃盗犯の主人公が昔の仲間からまた裏仕事を依頼され・・・というお話。 コナリー氏の作品はボッシュ・シリーズを何作か読みましたが、単発の作品は初めてだったので、その出来は如何にと思って読みましたが、これがなかなか良く出来たサスペンスの仕上がっていて流石、と思いました。 前科持ちのヒロイン、昔の悪い仲間、悪徳私立探偵がくんずほぐれつ絡み合う、エルモア・レナードが得意とする様なキャラが動く事で話が転がるという感じの作品で、その転がり方がやはりコナリー氏がミステリをよく判っていると思わせる巧妙さで納得しました。各キャラも個性的でボッシュ・シリーズとはまた違った意味で楽しめました。 訳は悪くないですが、カリフォルニアをカリフォーニアとかデザインをディザインとか訳する所に若干違和感を感じましたが、それ以外は読みやすくて虚心坦懐に楽しめました。 ☆の数をこうしたのは読み終わった後に面白かった、以上の物がなかったのでこうしました。まぁ娯楽小説なのでそれでもいいですが。あまり気にしないでください。 コナリー氏がそのミステリの才能を遺憾なく発揮した佳作。機会があったら是非。 | ||||
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過去に男性作家の手による女性を主人公にしたノベルを読んでいて違和感を覚えたことが何度かあり、「えっ、女性ならこんな場面でそんな行動はとらないんじゃないかな」とか「それって随分と男性的思考じゃないか」と、作者に向かって問質したくなったことがあります。Connellyのこの作品は、その意味で立派な成功を収めていると言って良いでしょう。違和感がありません。それは取りも直さずConnellyが感情を削ぎ落とした文章を得意とし、Cassie という、その体内に『outlaw juice』が熱く駆け巡っている女性を主人公に据えたからでしょう。以前に読んだConnelly作品もそうでしたが、彼は作中にmental面を伝える単語はほとんど使用しません。但し感覚を伝える単語は頻繁に顔を出します。Cassieと対峙するKarchに至っては実に淡々とした筆致で描写を進め、結果としてKoontzノベルに登場するサイコパスなど比較にもならないincongruous,gruesome,といった雰囲気を醸し出しています。障害になる相手には、実に無造作にSig9ミリを発射する男。しかし彼の行為は常にkillではなく、take care ofなのです。 さて作品は力強く読み手をぐいぐい引っ張って行きますが、相変わらず作中に幾つか展開に強引過ぎる点、ちょっと無理があるなと思わせる点がありました。ストーリー全体としては実に緊張感に満ちていてサスペンスノベルとしては一級品ですが、ミステリーとしての要素に目を向けると、大凡先の読める展開で終始し、読途中で予想した通りに終結したため幾分物足りなさを感じました。 | ||||
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仮釈放中のキャッシーは、刑務所の中で生んで養親と暮らしている5才の娘が遠くへ引っ越すことになったことを知って、娘と一緒に暮らしたいと考え、大金を手に入れようと、昔の知り合いに仕事の斡旋を頼んだ。 カジノで稼いだ男の部屋に、深夜、忍び込み金庫を開けると僅かな金しか入っていない。男が持ち歩いていた鞄の中に入っていると考え、鞄を探し出すが…。 6年前に捕まったときのことと奇妙に絡みながら、話はどんどんと展開します。 読みやすく面白いのですが、最後の謎解きの部分が今一つスッキリしませんでした。 | ||||
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Cassieは、ホテルから大金を盗み出す。不吉なことが起こるから、void moon の時間を避けて盗みを実行するよう助言されたが、void moon を避けられず…大金を取り返そうとする無慈悲な男が、またたく間にCassieに迫る。どうするCassie?最初はやや単調な気もしましたが、3分の2を過ぎたあたりから佳境に入ります。それからは、読むのをやめられません。思いがけない展開、スリリングな展開。社会復帰後地道に働いていたCassieの盗みを再開したことに隠されていた深い意味。そして、終章へ。たくさんの血が流れますが、読後感は悪くありません。作者の力量を感じます。難度の高い単語をあまり使っておらず、文も短め。侵入方法などについての細かい描写を理解するのに時間がかかりましたが、総じて、わかりやすい英語と思います。 | ||||
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Michael Connellyと言えば、Harry Boschシリーズを始めとする刑事物で有名だが、この作品には刑事は登場せず、女泥棒とラスベガスの殺し屋を中心に話が進むという全くの異色作。6年の刑務所暮らしの後、仮釈放されたCassieは暫くまじめに暮らしていたが、あるとき故あって、再びホテル荒らしをすることに。ところが、思わぬ大金を手に入れたために、容赦のない殺し屋に終われる羽目になる。そして、追い詰められた彼女が打ち出す対抗策は?シリーズ物で成功している作家が別系統の作品を書くと失敗に終わるケースが少なくないが、この場合は、Harry Boschシリーズにも劣らぬ、スリルとスピード感あふれるストーリー展開で、見事成功を収めている。私はこれまでにConnellyの作品を数冊読んでいるが、この作品は他の作品に優るとも劣らない。英語も平易で、最後まで一気に読ませてくれる。Connellyファンにはもちろんのこと、はじめてConnellyの作品を読む人にもお勧めである。 | ||||
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コナリーが、女主人公を料理したのは、はじめてだろうか・欧米での女性の進出は、めざましく、小説でも、色仕掛けではない、純粋な?女のホテル泥棒まで生み出した。 生地は、愛する男と、母性愛。トッピングは、莫大な現金、ピリッと辛い追跡者、風水に自動プール清掃機、誘拐、罠。最期の一片に隠し味まであり、胸も腹も一杯! | ||||
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孤独で凛々しいキャシーや、冷酷非情でありながらどこか人間的なカーチといった登場人物が非情に魅力的。アクションシーンは切れが良いし、ストーリーの整合性も申し分がない。心のひだに染み入る最終章はすばらしかった。 | ||||
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コネリーの作品としては主人公が女性であり、警察官でもなく異色作である。さらに主人公がいかに犯罪を成し遂げるかという設定も異色である。しかし本編は読み始めたら止められない。他作品と同じに込み入ったプロットと、はらはらさせるサスペンスに満ちている。中国古来のの風水と現代的なパソコン機器類の組合せ、ラスベガスのカジノの防犯対策などの描写には感服するのみである。 | ||||
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