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グラーグ57
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グラーグ57の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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レオ・デミトフ三部作を全て読破したが、この第二作だけは非常に趣きが異なる。ハッキリ言って弟子が書いたのか?とも思われるクオリティだ。 第一作「チャイルド44」ではスターリン体制下の息苦しさが、第三作「エージェント6」ではアメリカの狂気じみた「赤狩り」と、ソ連占領下のカブールでの「一触即発」な空気が色濃く描かれてるのに対し、この「グラーグ57」ではそんな、その時その時の時代の空気が全く伝わってこない。(さすがに後編のハンガリー動乱のシーンは時代背景がしっかり描かかれて来るが) そもそも、今回のストーリーを「スターリン政権下で投獄された者たちの復讐」を主題にした時点でナンセンスであり、嘘くさい。 確かにフルシチョフはスターリン批判を展開したが、それが本作で描かれてるほど当局に対し挑発的、挑戦的な「犯罪集団」の存立を許すほどソ連体制を揺るがしたとは到底思えない。丸でペレストロイカが40年早まったかのような描き方だ。 それにソ連の強制収容所が、出所した者に「投獄した者たちに復讐」を出来るほどの体力を残すような生易しい存在では無かった事は、ソルジェニーツィンの「収容所群島」を少しでも読んだことが有るヒトなら解るはずだ。(確かにソ連体制下でも「ロシアン・マフィア」は存在していたが、それはガッチリと『体制』に組み込まれていたから存立しえたのだ) また、今回のレオはソ連邦を端から端まで、ジャック・バウワー並みにやたら飛んだり跳ねたり暴れまわるが、本来必要性の無いアクションシーンを無理矢理「見せ場」欲しさに付け加えた様にしか思えない。(単に囚人一人呼び戻すだけならレオの上司フロム・パ二ンのサイン1枚で済んだものを) レオが強制収容所で窮地に立たされる度にフルシチョフの「秘密報告」を振りかざすあたりは「水戸黄門」の印籠じゃあるまいし、と甚だ呆れた。 そして今回のレオの相手役、フラエラというキャラの魅力の無さだ。当初愛する夫をレオに引き離され、自らも投獄された悲劇のヒロインとして登場したのに、それがいつの間にか血も涙も無い犯罪集団の女ボスになり、自分の復讐欲を満たす為ならレオの妻の娘も投獄された自分の夫も、果ては無関係の第三者も(後編のハンガリー動乱で)平気で犠牲にするただのエゴイストで、そのセリフには全く共感できるところが無い。自分は本作中このフラエラが登場するたびに本を閉じたい胃のムカつきを感じた。それに何でスターリン体制に復讐するのが目的なのに「実は裏で」的な事をしてるのか?まあその理由は読んでいけばそれなりには解るが、読者の裏を掻こうとする余り「敵の敵は実は又敵で・・・」みたいな堂々巡りを繰り返した結果、意味不明なキャラクターと化している。 とにかく全編に渡り話が安っぽく、ご都合主義、辻褄合わせ、荒唐無稽が酷い。まるで予算不足で頓挫した邦画のような惨状だ。他の方も評されてるが、第一作で完結した物語を無理矢理版元に書かされた続編か?とまで思える。第三作「エージェント6」はこんな酷い出来では無い事だけは申し添えて置くので念の為。 | ||||
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「チャイルド44」がおもしろかったので、期待して読み始めましたが、がっかりの一言です。 小説界にも一発屋っていますが、トム・ロブスミスもそうだったの? と思いそうになるぐらい。ともかく、前作と同一作家の作品とは思えないぐらいのレベル落ちです。 ここから先は想像ですが、「チャイルド44」は丹念に取材し、資料を調べ、長い時間をかけて試行錯誤して完成させたのでしょう。それが売れたことで、二匹目のドジョウを狙う出版社(むこうだと、エージェント?)が、「さあ書けそれ書けやれ書け早く書け」とハッパをかけて書かせたのが「グラーグ57」……想像の当否は別として、そんな感じの作品です。 | ||||
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