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カノン
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カノンの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.79pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全19件 1~19 1/1ページ
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篠田節子さんの作品は「社会性を持たぬ天才の苦悩と地に足をつけて生きるも天才に焦がれる凡才」が多すぎませんか? ハルモニアは面白いと思いましたがこうも何度も同じ設定で書かれると食傷気味になります。 一番おかしいと思ったのが主人公がチェロの構え方を忘れていた点。 プロを志していたような人間はそう簡単に忘れないのでは…? 中学の部活レベルの自分ですら担当楽器や、何だったら小学校で習ったソプラノリコーダーの運指も練習曲も覚えているのに…。 そのせいで作品全体のリアリティが皆無になり、説得力に欠ける薄っぺらな作品になってしまったような気がします。 | ||||
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作品の内容はとても気に入っています。 作者特有の厚みや深みが感じられる心のドラマです。 そして、そこにはたしかに怪異も描かれるのですが、作品全体からするとそれはスパイス程度のものであり、物語の主体はあくまでもヒロインの心の揺らぎとその行動にあります。 知人の死をきっかけに、それまでの日常に違和感が生じ、立ち止まって振り返り、戸惑いと逡巡の中から新たな自分を再発見する。 そういう、いわば「自分探し」のドラマだと思います。 そこに加えられたホラー要素(とも言えない程度ですが)は、物語に必要ではあっても、それが中心となって登場人物たちをかき回すほどのものではありません。 にもかかわらず、カバーの裏には「異色ホラー長編」と書いてあり、ホラーのファンを当て込んでいるのが明確。 これでは本格的なホラーを期待するファンは肩透かしを食ってしまうのでは。 内容はすばらしいのですが、売り方が悪いです。 | ||||
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主人公たちは人生の折り返し点に立って過去を振り返り、自分の安逸な日常には何の意味もなかったと気づく。 本当の自分は安逸な日常を生きられない特別な存在なのだ、だから過去を捨てて新しい人生を行きるのだと、自分勝手に納得する。 自分の人生だから、仕事も家庭も放り出して構わない。我が子は我が子で行きれば良いと勝手に決めつける。 あまりの無責任さに呆れた。 モダン・ホラーかと思いきや、ナルシストの自己満足を読まされただけ。 この本を読むことに何の意味もない。時間を無駄にした。 | ||||
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ハルモニアに続く、音楽もの。 今回のテーマは、ベースが少しありきたりなようなきがする。 教師という選択をした音楽をめざした瑞穂が、 青春の時の合宿にさかのぼりながら、 フラッシュバックさせていく。 カノン いわゆる輪唱 フーガの技法 反進行と拡大によるカノン 香西康臣 小田嶋正寛 小牧瑞穂 ナスターシャ 岡宏子 の群像たち。 | ||||
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多分、人生とはこういうものなんだろうな。死ぬまで生きるだけ。 | ||||
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ストーリーの面白さ、記述の正確さとも十分満足できました。 何度も読み返しました。 | ||||
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はた迷惑なやつだ、としか思わなかった。 情緒ってモノに欠けるタチなんで。 退場は大人しくしとけよ。 としか…。 程々に楽しみました | ||||
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音楽に関する話題が半端ない。 解説はピアニストの青柳いづみこ。音楽学博士が解説を書こうと思うくらい、音楽に対する話題が豊富。 「器楽合奏による日本の四季」実際に存在している楽曲か、架空のものかが分からない。 カノン、フーガが、話題にしているのはどの曲か、できれば楽曲一覧があると嬉しい。著者の推奨CDも合わせて。 | ||||
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天才バイオリン奏者の夭折と、それを取り巻く演奏家たちの物語。真の芸術家は誰でもそうかも知れないが、特に音楽家の道の険しさは、同時に平凡な家庭生活などを平行するのが難しいなと感ぜられた。職業的な音楽家で満足できない康臣と出逢った瑞穂が常ならざる共演の後、いつしか音楽教師という安易な?道を選び、平穏な家庭人となってゆく。その後自死した康臣から贈られてきたテープが、数々の異常現象を引き起こし瑞穂を悩ませる。 だが康臣の演奏は、一般的な感動を呼ぶ音楽などを大きく超えた、優れたものであることを悟るに至る。そのためには康臣は命を捨てざるを得なくなるのだが、最後になってそれに気付いた瑞穂は・・・。北アルプス穂高岳の場面は、登山家だった篠田らしい描写だ。雷に打たれながら聞こえてくる康臣の曲がクライマックスとなる。音楽関係の用語や技法は素人には分かりにくいが、それを気にしないでも読め、芸術家の厳しさが伝わる作品である。 | ||||
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他の人たちが指摘するとおり、ちっとも怖くない。超自然的な要素もさほど強くなく、確かにどう見てもホラーとは呼べないだろう。 しかし、だからといって小説として否定することができないのは当然で、これが実に面白いのである。テーマは「至高の芸術追求」とでも言おうか。それを一気に読ませてくれる筆力も大したものだが、その果てに待っている文字通りのクライマックスの派手さには驚かされた。いくつかの論理的な疑問点も、力技で強引に持ってきたこのスペクタクル・シーンの前にはかすんでしまう。 バッハよりムソルグスキーの「禿山の一夜」とかの方が似合いそうな結末であった。 | ||||
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篠田女史の書く「音楽作品」の1つであると思う。が私はあまり彼女のこれらの作品が好きではない。音楽書から得た知識なのかどうかわからないが、不必要な説明・描写が多い。 技巧・音楽理論・作曲法における専門的な説明はこの際、蛇足ではないだろうか。 餅は餅屋、である。 確かに、学生時代の思い人が死の直前に残した演奏テープには「カノン」がおさめられていた。しかしタイトルにするほど作品と深く関わっているかは疑問である気がする。 「異色ホラー」と紹介されているが、ホラーではないと思う。が、薄気味悪さは感じた。 もっと、深い何かを期待して読み始めてしまったので、少し物足りなさを感じるのかもしれない。他の作品に見える篠田女子の厭世観のようなものが感じられない。 少し輪郭のぼやけた作品に思えてしまった。 | ||||
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篠田節子さんの作品の中では、「マエストロ」、「ハルモニア」の系統に属する音楽ものですが、その質感はかなり異なります。女性主人公の大学時代の恋人が自殺し、彼が弾いたバッハのカノンを録音したカセットテープを彼女が受け取ったところから不思議な現象が起き始めます。 彼女とと大学時代の恋人、その友人、そして彼らが高校生のときに憧れていた女性の、それぞれの過去と現代が絡み合い、微妙な音色を帯びて物語が進んでいきます。 音楽小説として読んでももちろん絶品で楽しめますが、男女の10代から40歳前後までの甘美なひずみとしての成長や、生きる過程での葛藤、心理の屈折といったものを、これほど明晰に表現し定着させた小説は、他にはほとんどないのではないかという気がします。 「ゴサインタン」、「弥勒」とはジャンルが異なりますが、それらに並ぶ傑作だと思います。いや、私にとっては最高の作品になるかもしれません。ある意味で、心の深層にひっかかる作品です。 | ||||
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ヴァイオリン演奏の描写、最後の正寛との山岳での場面などは素晴らしい。そうした状況を描きたかったのかもしれない。それならば十分に成功している。しかし、香西の自殺の理由や、正寛の山行きの理由が分かり易いとはいえない。宏子の変貌についても、もう少し描ききって欲しかった。楽しみながら読むことが出来るが、結果としては中途半端な作品となってしまったのではないか。 | ||||
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小学校の音楽教師・瑞穂に渡された、自殺した学生時代の恋人が、弾いていたバッハの「カノン」のテープ。そのテープを再生するたびに起こる奇怪な事件。 ホラーとありますが、怖さはありません、むしろ音楽とは何か?を問う純文学に近いのでは。 | ||||
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本書全体を支配するのはバッハの絶筆となった未完成の組曲「フーガの技法」だ。この曲は作曲技巧の境地を極めるものだが、演奏者により暖かく感じたり、突き放された様にも感じる不思議な側面を持つ。孤高の音楽家康臣が死に際してテープに残した演奏は後者なのだろう。天才的な素質を持つ彼のヴァイオリンは、名声を得る事をあえて嫌い、自らの死によって目的を達し様とした。 物語全体を包み込むのは幻想的雰囲気だ。そして場面は時間軸的に目まぐるしく前後する。さらに康臣の残したテープは表面的にも本質的にも時間軸を逆行する。その事により瑞穂と正寛に劇的な体験をもたらし、結果的には康臣の目的が達成された形となって物語は幕を閉じる。この幕切れが名残惜しい。もっと長く幻想に浸っていたい気分だ。 音楽、特にバッハなどの古典音楽好きの方には是非おすすめしたい。本書はフーガの技法の小説版解説書という見方も出来なくはない。 | ||||
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聴こえるバイオリンの音も、自殺したはずの香西の姿も、すべては瑞穂の心が作り出す幻なのか?それとも現実なのか?過去を忘れ、平凡に生きる日常に、不安は波紋のように広がっていく。人の思いとはこれほど強いものなのか。そして、その強さは死をも超越するものなのか。置き去りにしてきた過去の自分をしっかり見つめたとき、そこからまた新たな人生が始まる。瑞穂もそうあってほしいと願う。 | ||||
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この本のカバー裏に異色ホラーと説明書きされてますが、全然怖くない本なので夜に恐がり屋さんが読んでも大丈夫ですよ!篠田節子さんの本は名前聞くのも見るのも初めてなのですが、かなり嵌って見てしまいました。夜寝る前に少しずつ本を読む私なのですが、次がとても気になってしまって、半日で半分読み切ってしまったくらい面白かったです。そして、ピアノや音楽をやってらっしゃる方にはとても共鳴出来る本ではないでしょうか。私は何となく主人公達の気持ちが分かるような気がしました。音楽やってましたから。文才力凄いです。他の本も読んでみたいなァと思ってます。楽譜の挿し絵とかあると、もっと良かったように思えます。内容は・・・大学時代に音楽で青春時代を過ごしたかつての恋人?香西の死、テープが送られてきてから廻りに色々な怪奇現象のようなことが怒り出し、それを不思議に思った元彼女?瑞穂が調べていくうちに・・・といった青春不思議ファンタジーといったところでしょうか。自分を見つめ直せそうな本です。 | ||||
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「ホラー」とはありますが、幻想的でファンタジーのような物語です。音楽への誘いみたいな所が、恐いという感じではなかったです。主人公と自殺した恋人とその友人との間での不器用な恋愛ドラマが、主に展開されています。それが青春小説入っているだけに、ちょっと非現実的な描写が浮き立っていたような気がしました。 | ||||
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希有な才能を持ちながら若くして自死した学生時代の恋人(?)の周辺を探る主人公の音楽教師…「贋作師」の音楽編とも取れる設定だが、本作で物語を展開させるのは死者の強固な意志である。彼が死を選ぶまでの20数年間を否応なくたどるうち、主人公は自分が彼とその芸術の真の理解者であったことを認識させられるだけでなく、自分の過去20年にも対峙させられ、変化を迫られる。結果として新たな一歩を踏み出す決意をした主人公は清々しく、羨ましくさえある。たとえ、そこへ至る経過に困惑や恐怖があろうとも。 | ||||
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