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妖鳥(ハルピュイア)
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妖鳥(ハルピュイア)の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.40pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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山田正起さんはSF作家のイメージで、本格的なミステリーは読んだ事がなかった。ミステリーコレクションの第一作として、この大作を手に取ったのだけど、素晴らしい内容で、感服した。 重病患者が多くいる病棟で、患者が死ぬ時にハルピュイアが現れると言う、都市伝説はSF的なアイディア。それも含めて、不可解な謎が怒涛の勢いで押し寄せ、こんなカオス状態、本当に解決されるのか、読んでいて不安になる。ところが本作では、謎を全部収集して解決に導くのだ。この、大量の謎の提出を、全てきちんと解決しているところが、まずミステリとして秀逸なところ。 又、山田さんらしい、理詰めな語り口が読み易く、こんな長い話を、緊張感を持って読み通す事が出来た。謎の人物の1人称語りが入る、ミステリアスな構成だけど、地の文との接続が巧みで、山田さんらしい趣向を堪能。全く無理を感じさせないのは、さすがである。 ファンタジー要素もあるが、謎解きはあくまで理詰めで、本格ミステリ的なもの。大量の謎を、きちんと解決して、納得の本格ミステリの大作と評価する。 | ||||
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山田正紀はデビューから十年くらいまで、全部読んでいた。初期のSFと冒険小説は、今でもオールタイム・ベストに推したい傑作が綺羅星のごとく並んでいた。シリーズを乱発し始めたころから疎遠になり、ミステリはほとんど読んでいない。数年前に短編集を一冊読んだが、あまり感心しなかった。 で、本作がミステリ長編の初読みだ。 不気味なガジェットが色々出てくるけど、進展が遅くて退屈する。怖くもない。 だいたい、現代日本でギリシア神話のハルピュイアなんか怖がる人がいるだろうか。 キャラクターの心理や行動は不自然で、共感できない。謎解きは論理的なので最低点にはしないが、読んでいる間の気分は最低に近かった。それから表紙のメスガキみたいな妖怪は、どう考えても内容と一致していない。ミステリ長編は一冊で充分だな。 | ||||
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●700ページにわたる大作だが平易な文章なのでサクサク読める。しかし半ばまでは同じところを行 ったり来たりで、迷路の中を歩いている様。おまけに不可能事件や不思議なことが頻発。これはミス テリーではなくファンタジー小説か?と戸惑う。 著者は一体どのように収拾するつもりなんだろうと焦ってしまう。現実とファンタジーの境目の世 界、シュールで混沌とした雰囲気を味わって欲しかったのだろうと想像する。終盤ようやく本格ミス テリーっぽく展開。現実の世界に帰ってきたと一安心。にしても、700ページはやはり長すぎです。 (蛇足) 「女は天使なのか悪魔なのか」の命題を与えられた主人公だが、ひとこと提言したい。「男は天使な のか悪魔なのか」などという発想は女性にはない。それだけ男はロマンチストと言えるのでは? | ||||
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読み易かったのであっという間に読めてしまいました。 「天使なのか悪魔なのか」その命題を廻って様々な奇怪事件が起ります。 そして、随所に張り巡らされた付箋の数々、一体何故? 読みだせば先が気になり読むことを止められない、正に第一級作品だと思います。 ただ少し気になったのが、繰り返しの状況説明が多いような気がします。 それはそう言った表現技法なのだと思いますが、ちょっと私には難ありでした。 後は、終盤(犯人の動機云々)に少し物足りなさが感じられました。終わり方もちょっと。 但し、読んで損は無いと思います。 | ||||
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多摩市にあるちょいと奇妙な病院を舞台に展開される、完璧な山田正紀ワールド。入院中、もうあまり先がない先輩から「女は天使なのか悪魔なのか」というとんでもない課題を与えられた刑事が、結構真面目にその解決(笑)に取り組むのだが、出てくる人物がすべてどこか怪しいのである。落としどころもなかなかで、最後まで楽しく読んだ。傑作。 | ||||
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多摩市にあるちょいと奇妙な病院を舞台に展開される、完璧な山田正紀ワールド。入院中、もうあまり先がない先輩から「女は天使なのか悪魔なのか」というとんでもない課題を与えられた刑事が、結構真面目にその解決(笑)に取り組むのだが、出てくる人物がすべてどこか怪しいのである。落としどころもなかなかで、最後まで楽しく読んだ。傑作。 | ||||
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多摩に建つ円筒形という変わった形の建物の聖バード病院。人が死ぬ時、ギリシャ神話の妖鳥ハルピュイアが飛ぶという噂のある病院で、次々と起こる不可思議で無残な事件。入院している同僚刑事の見舞いに来た刈屋は、排他的で妖しい病院の雰囲気に戸惑いながらも、事件を調べはじめるのだが・・・。 文庫本で700ページ近い長編ですが、読み始めたら山田正紀の描く妖しさおどろおどろしさに魅せられもう夢中、その分厚さも苦にならない、どころかもっともっと読んでいたいとページをめくる手が止まりません。 何よりミステリとしてのできが素晴らしい。密室での殺人、死体消失、火の気の無いところで炎が燃え上がる謎の放火事件、追い詰めたと思ったらスルリと逃げてしまうまるで幻のような看護婦二人。そして妖鳥ハルピュイアのおぞましく不気味な影・・・。数多くの謎が複雑に絡み合い、そこで使われている大小様々なトリックの数々。ああ、ミステリだなぁ、ミステリを読んでいるなぁ、と実感しながら読み進めることができる楽しさといったら!ミステリ好きにはたまりません。 質・量ともに読み応えのある極上のミステリ。こんなにおもしろいミステリが品切れ状態が続いているとは。古本屋を探し回ってでも読む価値有り。 | ||||
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多摩に建つ円筒形という変わった形の建物の聖バード病院。人が死ぬ時、ギリシャ神話の妖鳥ハルピュイアが飛ぶという噂のある病院で、次々と起こる不可思議で無残な事件。入院している同僚刑事の見舞いに来た刈屋は、排他的で妖しい病院の雰囲気に戸惑いながらも、事件を調べはじめるのだが・・・。 文庫本で700ページ近い長編ですが、読み始めたら山田正紀の描く妖しさおどろおどろしさに魅せられもう夢中、その分厚さも苦にならない、どころかもっともっと読んでいたいとページをめくる手が止まりません。 何よりミステリとしてのできが素晴らしい。密室での殺人、死体消失、火の気の無いところで炎が燃え上がる謎の放火事件、追い詰めたと思ったらスルリと逃げてしまうまるで幻のような看護婦二人。そして妖鳥ハルピュイアのおぞましく不気味な影・・・。数多くの謎が複雑に絡み合い、そこで使われている大小様々なトリックの数々。ああ、ミステリだなぁ、ミステリを読んでいるなぁ、と実感しながら読み進めることができる楽しさといったら!ミステリ好きにはたまりません。 質・量ともに読み応えのある極上のミステリ。こんなにおもしろいミステリが品切れ状態が続いているとは。古本屋を探し回ってでも読む価値有り。 | ||||
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この本をこんなに長く何故読まなかったんだろうと、不思議な後悔を読後に感じました。謎解きの面白さと、うーん、女は天使か?このテーマは一寸難しいけれど、でも前編を貫く統一されたアトモスフィアー。山田正紀ならではのトーン。これほどの傑作が結構読まれていないというのはある意味、有難い事なのかも知れません。僕は天使に感謝すべきなのでしょう。 | ||||
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この本をこんなに長く何故読まなかったんだろうと、不思議な後悔を読後に感じました。謎解きの面白さと、うーん、女は天使か?このテーマは一寸難しいけれど、でも前編を貫く統一されたアトモスフィアー。山田正紀ならではのトーン。これほどの傑作が結構読まれていないというのはある意味、有難い事なのかも知れません。僕は天使に感謝すべきなのでしょう。 | ||||
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