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悪果



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【この小説が収録されている参考書籍】
悪果
悪果 (角川文庫)

悪果の評価: 4.28/5点 レビュー 46件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.28pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全37件 21~37 2/2ページ
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No.17:
(4pt)

後味はあまり良くないですが、面白い

悪の果てなのか、成れの果てなのか、全編にわたり
小悪党の荒んだ生活感のようなものが出ています。
でも、それがまた味となり、そうやって生きている人間がいて、
そこに人間の営みが成立しているのが、ひしひし伝わってきます。

最後の最後までスカッとしません。
でも、読み終えて、面白かった、という感情だけは確かに残りました。
黒川作品はどれも面白いです。
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No.16:
(5pt)

ありがたいです

きれいな本で満足です。とても安く手に入って非常に助かりました。
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No.15:
(4pt)

悪徳警官

ヤグザと悪徳警官の感じがリアルに感じられまたやりとり・駆け引きが面白く初めて読んだ黒川作品でしたが、他の作品も読んでみたくなりました。
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No.14:
(5pt)

この粘っこい警察小説にあなたは耐えられるか

勤務中にビール飲んで女を囲って、好き勝手やりたい放題のワルの刑事を描いて、癒着・横領・隠蔽・裏切り・暴力満載の痛快な黒川ハードボイルド・ワールド、渾身の一編。

大阪の、ひいては日本の警察の、名伏しがたい悪辣さ・闇の真実を描いて白日の元にさらした、でも颯爽とエンターテインメントです。

まあ何というハイテンポの展開であることよ、と今更ながら、そう思いながら、たしか4時間もかからないで、アッという間に読んでしまったことを記憶しています。

こういう書き方は、ひょっとすると安っぽく見られるきらいがあるかもしれないなどと、老婆心ながらフト思ってしまったりすることがありますが、名人芸に近いこのストリーテーラーの、まさか、その軽薄そうな関西弁を嫌悪している訳ではないでしょうが、本作品に直木三十五賞を出さずに候補のままにした選考委員の責任はたいへん重いはずです。

そういえば黒川のおっちゃんも、もうアラカンかと今しがた驚嘆の声を上げたところですが、『二度のお別れ』(1984年)や『キャッツアイころがった』(1986年)から、すでに25年余が過ぎようとしているのですね。

実物はきっと端正な繊細な人格者であると想像しているのですが、いや、だからこそ、透徹して、とことん悪を見定めた物語を構想できるのでは、と勝手に思い込んでいます。
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No.13:
(5pt)

最高のハードボイルド

これは悪人が主人公でありますが、ついつい読んで
しまいたくなります。
大阪を舞台に暴力団犯罪対策係の
二人の刑事の姿を描いた物語です。
この二人の軽妙なやり取りには笑いました。
しかし、平然と行われている警察と組員の癒着には
暗澹とした気分にさせられます。
世の中きれいごとだけじゃやっていけないのかも
しれませんが、ここまで来ると、
どうしようもないという感じですね。
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No.12:
(5pt)

面白い!早くTVドラマ化されないものか・・・

筆者の黒川博行さんは言わずと知れた関西ハードボイルドのトップランナーです。 2007年に出た作品(単行本ハードカバー)の文庫本版がいよいよ今年9月末に登場したのです。 日本の警察、特に大阪府警の真実・光と影に迫る出色の出来です。 前半のガサ入れまでは若干間延びする場面もありますが、 主人公・堀内が警察手帳を奪われてからは俄然スピードアップ。 何たって、月曜日の装備点検までタイムリミットはたった3日しか無いんですから。 何ともタイト過ぎる設定です(笑)。 主人公の相棒は例の如く、「喧嘩の鬼」で伊達という。 名作『疫病神』を彷彿とさせます。 何でも、筆者によれば2人コンビの関西弁会話形式は実に書き易いんだとか。 追い込まれた極悪同盟コンビは猛烈な勢いで絡みに絡んだ糸をほどいて行きます。 このスピード感が堪らなく快感で面白い。 終盤、主人公・堀内が腕を切られたときに登場する島之内の呑んだくれ院長(593p)には思わず笑ってしまいました。 金さえ積めばどんな処方箋でも出し、賭場にも出入りする腐れ医者。 しかしナート(縫合術)の腕だけは確かだとか。 黒川さん有難うございました。 存分に楽しめました。 暴力、セッOス、酒、金、横領、裏切り、殺人、陰謀、・・・ 黒川ワールド大炸裂のこの作品、壮年・中年の男性にお勧めです。 コンビが大阪中を走り廻りますですので、特に土地勘がある方は本当に楽しめますよ。 関西エリアだけでもいいので、早くTVドラマ化される事を望みます。
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No.11:
(4pt)

全編関西弁が飛び交う、実録ものと見紛う極上のエンターテインメント

’07年、「このミステリーがすごい!」国内編で第14位にランクインした、全編関西弁が飛び交う、他に例をみない警察小説。
ホステスを愛人に囲い、勤務中に飲酒やヤクザと賭け麻雀。大阪府警今里署(架空)のマル暴担当刑事・堀内信也38才は、金と女に対するモラルは低く、それらに対する執着心は人一倍強い。マルチ商法の勧誘員の妻とは家庭内離婚寸前。彼はネタ元から得た情報からヤクザが仕切る大規模な賭場の情報を得て、慎重に内偵を続け、ついに署の組織を動かしガサ入れに成功する。彼の狙いは当然手柄ではなく、逮捕された客を選び、表むきは業界紙編集長・実はブラックジャーナリスト坂辺を差し向け、記事にするぞと強請らせて広告料の名目で得た金をふたりで折半するのが目的だ。
ところが、今度の相手はタダモノではなかった。坂辺は不審な轢き逃げに遭い死亡、堀内は何者かに襲われ警察手帳を奪われてしまう。ここにおいて本書はタイムリミットが定められ、一層の緊迫感を増す。彼は同じ穴の狢とも言うべき相棒の伊達刑事と事態の収拾に関係者を洗い始めるが・・・。そこにはもうひとつの不審死と昭和46年に遡るおぞましい金の流れがあった。そして今回の賭場のガサ入れには巧緻な罠とからくりが仕組まれていた。
私は、黒川作品は代表作といわれる『疫病神』と、北朝鮮の実態を描いた『国境』に次いで3作目だが、いずれも、そして本書においても、卓越した取材力とリアリティーへの強いこだわりからか、読んでいてどこまでがフィクションかと疑ってしまうような現実味に満ちている。
本書は、警察、実業界の実態を堀内という“生臭い”刑事を通して描いた、まるで実録ものと見紛う極上のエンターテインメントである。
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No.10:
(4pt)

黒川ワールドへぜひ

主人公は警察官いやもしかしたら警察の抱える恒常的犯罪体質といってもいいかもしれません 
警察官がいかにして給与以外の収入を得るのか
そしてその方法は上層部と一介の警察官ではいかに違うのか
警察の金権体質や隠蔽体質をしっかりと浮かび上がらせながら、
中でも特に犯罪の温床となりやすい組織犯罪対策の所轄の刑事を主人公に
”日常”とそれを逸脱することになる事件を謎解きのおもしろさも添えて読ませます  
ヤクザが邪魔になった経営者がまたヤクザを使うか?とか
ヤクザが白昼、悪徳の所轄の刑事とはいえ現役の刑事を襲うか?とか 
金に執着する男が一人の女に入れあげるか?とか 
突っ込もうと思えば突っ込めますが 
それは作品のおもしろさを損なうほどのものではありません 
 
おもしろいですよ 
食わず嫌いだったかたも黒川ワールドを堪能してみませんか 
おすすめです 
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No.9:
(5pt)

最後もすかっとしていれば、なお良かったのだが。

 マル暴刑事二人組みが賭場をあげ、そこから自分の身に危険が及ぶような連鎖する事件に巻き込まれていくストーリー。
 話の筋も先が読めるような浅さではなく、主人公のイケイケぶりもあって、長編ながら途中で飽きさせない。
 また、捜査報償費など警察の裏金や、警官個人のシノギについても、事実を上手く絡めて書いており、しっかりした背景を生み出している。
 外国では、交通違反を見逃したり職務質問代わりに金をたかったりする警官がよくいるので、そのような認識が市民の側にもあるが、日本の制服警官はそんな事をしないので、本書のような事はないと思うむきもあるようだが、裏金作りや事件のフレームアップは日常的に行われており、警察とやくざがグルになっての裏カシノ摘発・首無しチャカのコインロッカーでの発見もその一端である。
 ミイラ取りがミイラになり、組織がトカゲの尻尾切りをした『北海道警察の冷たい夏』、捜査報償費の現職実名告発『ドキュメント・仙波敏郎 -告発警官1000日の記録』もそれらを裏付ける。
 捜査費用や残業代までまともに現場に回ってこない中、どのようにネタを取るための必要経費を捻出しているかを考えるだけでも、終盤の大勝負は別にして、繁華街を抱える署ならどこにでも転がっている話の集大成である本書の、真実味は明らかに増そう。
 とは言え、因果応報的エンディングは必要だったのだろうか。
 危ない目にあわずともヌクヌクと警官人生を終え天下る、上と対照させているのかも知れぬが、伏線で読めていたとは言え、二人に肩入れしていた私としては、読後感に水をさした。
  
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No.8:
(5pt)

「あ、こんな奴、いたいた」と笑えます

数あるピカレスク小説の中で、リアリティということでは、ぴかいちと思います。
ま、いわゆる悪徳警官のお話なのですが、
とにかくテンポはいいし、登場人物たちは独特だし(笑
というか、実際の世界でもよくある話しではあるんですが。
純粋培養されて世の中の裏を見たことない人には、是非に読んで欲しいです。
ついでに、裏をよーく見てきた人も、
「あ、こんな奴、いたいた」と笑えますから。
100人に一人くらいは、不真面目だと怒るかもしれませんが(笑
読んで損のない本と思います。
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No.7:
(5pt)

異能の人を無能にする組織

先日、第138回の直木賞芥川賞が発表され大きく報道された。直木賞の候補作である黒川博行の「悪果」という小説は落選はしたものの大変完成度の高いハードボイルド小説だと感じた。
 舞台は大阪、架空のB級警察署「今里署」。そこに勤めるノンキャリアの暴犯係の堀内という四十歳の刑事が主人公。優秀なマル暴の刑事であるが故に地回りのヤクザと関わり、ネタ元という協力者を培養する。そのためには必要経費を含めて自前で賄うために非合法なシノギに手を染めて行かざるえない。
官僚の中の官僚組織とまで言われる階級重視の警察の中で、出世や昇進を諦めた現場の刑事の葛藤と欲望を綿密な取材と虚構を織り交ぜながら読み手をどんどんと作品に引き込んでいく力はさすがに作家の25年のキャリアを感じさせる。
堀内はネタ元から得た大掛かりな賭博開帳の情報を元に相棒の伊達と内偵を続け、賭博開帳の現場を一毛打尽にし、暴力団の組を一つ壊滅状態にする。しかしながらこの検挙も係長佐伯の手柄になっても自分たちの昇進や査定にはなんの関係もない。堀内には別の狙いがあった。賭博の張り客の中にいた専修学校の理事長に対して、子飼いの経済誌のオーナーで強請屋の坂辺を使って暴露記事を書かない代わりに雑誌の広告料の名目で金をせしめようとする。堀内のシノギは坂辺を使った強請であり、同じ手口で何人かの広告主を得ていた。
しかしながら専修学校の理事長の森本は一筋縄でいく相手ではなく、坂辺はひき逃げに見せかけた事故で殺され、堀内は警察手帳をヤクザらしき男達に奪われる。相棒の伊達とともに警察手帳を奪還するために隠密での行動を起こす。リミットは装備点検がある月曜の朝まで三日間である。
警察の暗部を抉るように書きながらも、単なるエンターテーメントに陥らず、そこに潜む人間に心理を巧みに描く。そう言えば「仁義」と「利欲」の間で相戦う胸中というものは孟子が説いた儒教の教えでもある。
ともすれば官僚組織というものは異能の人物を無能の人にするものであるということか。
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No.6:
(4pt)

世の中カネやカネや

 悪漢警官小説だが、とにかく出てくる警官のすべてが悪漢とは…。大阪府警そのものを悪の巣窟にしている。このどでかいフィクションがあってこそ、成立する物語世界である。いい人がほとんど出てこない。大義もない。ここまで腐りきった世界を作り上げるのはなかなかのもの。
 だけど、世界にはこんな警察機構も実際あるだろう。日本人に生まれて、良かったー!(織田裕二かっ)
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No.5:
(4pt)

もちろん、フィクションです。

日本を舞台にした国内ミステリの舞台になる都市は、圧倒的に東京が多いが、これは大阪が舞台。警視庁が舞台になるとフィクションだと認識できるくせに、大阪府警が舞台になると現実と区別がつかなくなるアホな読者が多いようだ。これも、おなじみの東京メディアの偏向報道のなせる業か。本作のもつリアリティーは、あくまでも著者の筆力のたまもの。かしこい読者は勘違いしないでね。
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No.4:
(4pt)

湘南ダディは読みました。

間違いなく面白いです。最後の方になると一気に結末まで読みたい気持ちと、読み終わってしまうのが勿体ないような気持ちのせめぎ合いになるほど刺激的な作品です。
大阪今里署 暴犯課の担当巡査部長 通称マル暴担の堀内と相棒の伊達が主人公。このコンビの関西弁でのやり取りは、広島弁を流行させた「仁義なき戦い」のように見事に現実感をだしています。
二人とも平気で暴力団の組長と一緒に飲んだり麻雀をするし、情報を横流して裏で強請りの片棒を担ぎ小遣いを稼ぐシノギを行ったりする。現場方の警官たちは強制的に認印を提出させられて署内で支給される正規の手当はキャリア組の幹部連に吸い上げられてしまうため、シノギをしなければ情報屋を維持していくことも出来ないからだ。堀内がネタ元の田代から淇道会が胴元となる賭博が行われる情報を得て、閉店後のカラオケボックスで開帳されている賭場に踏み込み組員や客を一斉捕縛する。客の中には学校法人の理事長森本がいて、堀内はいつものように経済情報誌を発行している坂辺を利用して森本を強請ろうとする。ところが坂辺が帰宅の途中ひき逃げされて死亡、堀内も顔見知りのない暴力団員に付け狙われ、挙句に警察手帖を奪われ逆に新聞社にシャブと一緒送りつけるぞと脅かされることになる。
坂辺の死をめぐって森本の周辺をさぐるあたりの二人の行動もいかにもプロらしく、謎解きも一級品に仕上がっています。堀内と伊達は決して互いを信頼しあっているわけではないし、それぞれのシノギも詮索したりはしないのですが、相棒として互いにやれるデカとして認めあっています。大阪の盛り場の宵闇をこの二人が肩で風をきりながら動き回る様子が眼に浮ぶようです。最終部の盛り上がりもご都合主義の大団円などにせず渋い味わいをのこして終わります。闇にうごめく汗臭い男の世界を圧倒的な筆力で見事に描きつくしたハードボイルドの傑作といえるでしょう。
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No.3:
(5pt)

関西アウトロー

黒川博行はもっと評価されていい作家だと思う。この作品は近年にないピカレスク小説。リアリティはそこいらのノンフィクションを蹴散らし、読者の頭の中で人物が動き回る。警察官がイイ人ばかりじゃないことは皆が気付いている。配役を慎重にして、是非映画化して欲しい!
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No.2:
(5pt)

大阪府警B級署のマル暴担当刑事の恫喝。

大阪府警というのはすごい。またB級署の防犯係(マル暴担当)の刑事さんである堀内刑事と伊達刑事(共に巡査部長)はすごい。また大阪の反社会的勢力さんもすごい。この小説から、警察の内部、特に裏金作りの方法(警官が三文判を用意させられ、大量のニセ領収書作成)、その金の使い方(署の上層部の多額のお餞別、普段の宴会飲食用、ゴルフのプレー代等々らしいが)をリアルに詳しく教えてくれる。暴力団の賭場の詳細、ルールや専門用語も非常に詳しく教えてくれる。上昇志向をやめて巡査部長止まりで、「シノギ」の数を多く持てば豪遊できるというもので、交番勤めなんてやっていられない、何てったって盛り場の防犯係ということらしい。とにかく大阪の防犯担当刑事さんに脱帽だ。スリル満点であり、勧善懲悪でありながら刑事も相当悪どいという、とても面白い小説だ。
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No.1:
(5pt)

警察とヤクザ

警察人も人の子。ヤクザも人の子。相互間の人間的な葛藤が面白い。
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