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OUT
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【この小説が収録されている参考書籍】
OUTの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全223件 21~40 2/12ページ
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発刊から10年以上たっているが、遅ればせながら桐野夏生の小説を初めて読んだ。恐ろしく衝撃を受けた。いっぺんに著者のフアンになった。さらにもっと別な著作を読みたいと思った。登場人物の心理描写がすごい。当時、連続ドラマになった(有料で制作テレビ局から配信されているらしい)というが、小説を読み進む醍醐味は時間的な制約があるドラマ映像でどこまで表現できたかわからない。 | ||||
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妻は「この著者の作品は一般的に読後感が良くない」と言っていたが、私は全く逆! 登場人物の心理描写は、追う方、追われる方ともに公平で手抜きがない。最後はどうなるのか?とハラハラしたが、結末に少し救われた。いまさらながら桐野夏生という作家の凄さを認識した。 | ||||
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内容(「BOOK」データベース、Wikipediaより以下) 雅子、43歳、主婦。弁当工場の夜勤パート。 彼女は、なぜパート仲間が殺した夫の死体をバラバラにして捨てたのか? 自由への出口か、破滅への扉か? 四人の女たちが突っ走る荒涼たる魂の遍路。 魂を揺さぶる書下ろし犯罪小説。 1998年に日本推理作家協会賞を受賞。 テレビドラマ化、映画化、舞台化もされた。 2004年、米ミステリー界のアカデミー賞といわれるエドガー賞 長編賞の4作品に日本人作家として初めてノミネート。 深夜の弁当工場で働くパートの主婦・弥生が、夫によるDVに耐えかねて殺害したことをきっかけに、平凡な主婦たち4人が自由を求めて日常を離脱・脱社会化し、「OUT(アウト)」してゆく物語。 * どこまでいってもアウトな話。明るい話が見当たらない。 でも最後まで気になって仕方ない結末へ。感動とかが無いが。 ここまで落ちた世界観を壊さず書ききった技量がすごいな。 映像化にしたらあっという間に夢中で時間が経ちそう。 『バブル経済崩壊後の現代社会で生きる人々の日常生活や、新宿のヤクザ、日系ブラジル人出稼ぎ労働者などに対する視線と洞察が注目を浴び』とある。 裏社会というか、負イメージを集めました感はある。 ミステリー…ではなく犯罪小説か。なるほど。 上・下巻。 言わずもがな、暴力など苦手な方にはおススメしませんぞや。 | ||||
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原著の出版は1997年。文庫版の解説にも書かれていますが、評者も本編読了後解説一読前の段階で、作者は知ってか知らずか先鋭な目線で今日の日本の階級(階層)社会化を予測していたんだと思いました。それが、作家的想像力の勝利であり、本書をして単なるミステリーやサスペンス、ハードボイルドというジャンルを超えた歴史に残る一冊にしていると思いますね。 | ||||
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かつて単行本を買ったのですが、話のじめじめさに途中放棄。ただ、やはり読むべき一冊と最近感ずる所があり、今回は順調です。やはりスゴい一書です。 「佐竹はもう二度と女と交われない体になっていた。女を殺した時の恍惚が大きく深く、その体験が自分を閉じ込めてしまったのだと気が付いたのは、かなり年をとってからだった。自分の境界線を知ったということは、夢を封じ込めたことにほかならない。…… 佐竹は夢幻の中でしか女と交われないし、恍惚を得ることもない。」(73頁) 「健司は自分が会社のマスコット的存在だったから欲しがったのだ。自分のものになってしまえば、興味は失せる。いつも幻を追いかけていたい不幸な男。それが健司だ。」(86頁) 「女の関わったバラバラ殺人事件に共通するのは、「場当たり的」だということと、女同士の「連帯感」だった。…… 女は毎日料理をするから、男よりもずっと動物の肉や血に慣れているはずだ。包丁捌きもいいし、ゴミの処理もうまい。まして出産を経験した女なら、人の生死にもっとも近い位置に自分を置いたことがある訳だから肝も据わる。」(390頁) それにしても、145〜6頁と180頁の死体処理に関する雅子とヨシエのやりとりはシュールさを越えてもはやギャグでした。 | ||||
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下巻は最初のページから一瀉千里の面白さで、一日で読了しました。ただ、ラストはどうなのかなぁ。正直ちょっと???でしたが、いずれにせよやはり読むべきスゴい一書で、「読ま死ね」本ですね。個別では、「このメスよく切れるね」というヨシエの言葉はいい味出してますし(110頁)、家族との別れのシーンは達意の文章のお手本で(117〜123頁)、弥生がここで暴れていたら展開も変わったのにと地団駄を踏まされた(233頁、伏線として229頁)次第です。それにしても、こうして読み終えてみると書名である「OUT」には、色々な含意があり得ると感じているところです。 | ||||
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この社会は所詮男の持ち物。 女も当然男の持ち物。 男の持ち物にならずに女が生きていく方法はあるのでしょうか。 その方法を模索していく女性たちの物語って感じですかね。 男社会に怒ってイライラしてる方はぜひ読んでみてください。 | ||||
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ともすると陳腐な三文小説、下世話、エログロ、結末が陳腐、そういう意見もわからなくはないのですが。 桐野夏生さんの小説にどうして惹かれるのか、というとまあ人それぞれと思うけど。 女性の自由な生き方について真剣に考え、書かれたものだからだと私個人的には結論づけています。 乱暴ないいかたですが、 その一点さえ外してなければたとえ結末が陳腐だろうとエログロだろうとどうだっていいのです。 なにかのインタビュー(たぶん、柔らかな頬文庫化のとき)でOUTについて桐野さんが 「歌舞伎町のマフィアと主婦が戦う話が書きたくて」 のようなことを言っていて。 私は泣いてしまいました。 社会規範に縛り付けられた女性を社会規範から外れまくりのおっさんと戦わせるって 女性の生き方を問うことに他ならないからです。 こんなに真剣に女性の生き方について考えてくれて私は嬉しかったし 桐野さんもそれをとことん考えざるを得ない人生を歩いてきたんだと思って 私は泣いてしまったのだと思いました。 この作品で「女性の自由な生き方は社会規範の外にしかない」 と一旦は結論づけられたものととらえています。 | ||||
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展開が楽しくワクワクしながら、最後までスラーっと読めました! | ||||
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『OUT』の登場人物は、私たちのすぐそばにいそうな女性です。しかし彼女たちが境界線を飛び越える過程は呆気ないことに面白さがあります。 上下巻あります。 | ||||
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と当時思った。 話が多少強引に進むきらいはあるが、この作家の筆力は有無を言わせない凄みがある。 一気読みだったな。 | ||||
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大概の小説は上下巻ある場合ダレるのだが、これは凄い。 いささか最近の桐野には食傷気味だが、凄い小説家が居たものだと、他作品もぶっ続けに読んだ。 「桐野の最高傑作だ」といわれる方がいても不思議ではない。 | ||||
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なかなか面白い エゲツない話なのに読後感が悪くない。 複雑に絡み合う中で 話の中で全員が信用してるのは、みな 苦手としながらも雅子のみ。 そしてそれは本の外をでて、 読者にも波及する。 酷いことをしてるのに、何故か 雅子に捕まって欲しくなく、ハラハラしいつのまにか 同じような信頼を読者までも雅子に寄せていく。 キャラクター作りが的確。 登場人物は全員 自分は、まだこっち側にいると思っている。 人を殺しながら、死体解体する雅子たちよりは何故かマシだと感じてる弥生、 死体解体をしときながら、殺人を犯した弥生より マシだと思ってる雅子たち。 最後には、全員が何かしらの形で誰かを殺すか殺されるかしている。 こっち側にいると思いながら 実はみんなあっち側(outサイド)にいるのだ。そして、みながある意味求めていた結果(自由、変身)に到達してゆく。 最後の佐竹とのやりとりは白けた微妙な感じはあったものの グイグイと読ませて頂きました。 文庫版の松浦理英子の書く解説ような 単なる階級を超える云々というような 陳腐で考察の足りない解説ならつけないほうがましだと思う。 | ||||
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上巻と同様に夢中で読んでしまいました。 それぞれの登場人物の心の中を覗いているように、それぞれが抱える心の闇や考え方、性格の違いがリアルに感じました。 最後はとても意味深な感じで終わりましたが、 自分の事を殺しに来る男を好きになる気持ちが理解出来ないと共に、そこまで激しく求められることに少し羨ましくも思いました。 | ||||
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弁当工場で深夜働いたことがありますが、まさにこの小説が表現している世界でした。筆者も絶対弁当工場で働いたことがあると思います。詳細までリアルです。 死体の解体など、途中や最後に残虐な部分があり、そこは飛ばして読みました。 人間は汚さや弱い部分がたくさんある生き物です。だけど生きてるだけでいいんだ、と感じました。 ただ、ラストは私の好みではないですね。 | ||||
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「たかが荒野」をはじめて読んでとても引き込まれましたが、もっとハードボイルドなのを読みたいと思い、こちらを読んでみました。最初から最後まで、ページを繰る手が止まらず、一気読み。激しい余韻が残っています。精神の正常と異常をわける一線を、なんとかふみとどまっていた主婦の雅子が、弁当工場の夜勤パートの同僚の主婦が夫を殺してしまい、その処理をしたことから、完全にその一線を踏み越えていき、同じくすでに一線を超え、心に生じていたある常軌を逸した衝動を隠しきれずにもてあました裏社会の佐竹が、物語のあちら側とこちら側で、まるでお互いを求めるように出会ってゆく様子は鳥肌が立ちました。 雅子はじめ、パート仲間はみな、それぞれがそれぞれのレベルで出口を狂おしく求める危うい生き方をしており、なんとか保っていた人格や生活が運命的に壊れていき、それぞれの結末を迎えていく。警察につかまるよりも何よりも、ほんとうにこわいのは、心が壊れてゆくこと、そしてその孤独や壊れた部分は救いようがないということを自分がわかってしまうことだと感じました。 凄惨な描写もあり、かなりショッキングでもありましたが、、人間が深く深く描かれていて、桐野さんはすごい作家さんだと思いました。 | ||||
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登場人物が多いですが、それぞれの心情や様子が丁寧に描かれており、「あ、ここでこの人たちは繋がっていくんだ」というのがわかった瞬間一気に面白くなります。 どんな結末になるのか下巻を読むのが楽しみです。 | ||||
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読了:2016年89冊(10月14冊)★3.6 上巻からどういう終わり方(それが破滅なのか救いなのか)楽しみにしていたけれど、思いもしない終わり方だった。自分は、上巻の感想で「女性版 松本清張」だと書いた。全体を通して、「松本清張」感はちょっと違ったなぁと思ったけれど、“女性版”というのは当たった、かな。 とても女性性を感じる終わり方だった。雅子の変化には期待していたけれど、そうなるとは。事実的な終わり方というか、心境的な終わり方だった。そこに至る心理描写も女性だから描ける繊細なものが感じられる。 弥生や邦子にイライラしていた読者は、下巻で少しは溜飲が下がったんではないだろうか。ミステリィであるが、謎解きだけでは全く終わらない、寝る間も惜しんで読みたくなる一冊でした。楽しかった。 ───十文字が出て行くと、雅子はいつものビニールエプロンをつけた。そして、まだへたりこんでいるヨシエに言った。「師匠、コンベアの速度18にしてよ」(p.209) 著者:桐野夏生(1951年生まれ、本書で日本推理作家協会賞を受賞) 発行:2002/6/14 | ||||
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読了:2016年85冊(10月10冊)★3.8 桐野夏生氏の作品は初めて読んだ。“女性版・松本清張”という感じ。 最初はミステリだと思わず読んでいたから、途中で冷や汗。 バラバラ殺人の内容は、『闇金ウシジマくん』で出てきた「洗脳くん」を連想させる。小説内の遺体をバラバラにするところはリアルな部分もあり、少し怖い。しかし、そのリアルな部分に直接手を下していない弥生の言動には後半ムカつく。この弥生の言動がより小説内の殺人事件により現実味を帯びさせるところが著者の巧みなところだと思う。 後半から動き出した佐竹(彼らの存在がより作品を『闇金ウシジマくん』を彷彿とさせるのだが…)。下巻ではどういった活躍をして弥生を懲らしめるのか、また雅子の本心とは…、下巻も怖いけれど楽しみです。 ───「ね、人間転がるのなんて簡単ね」ヨシエがつぶやくと、雅子は気の毒そうにヨシエを見た。「そう。あとはブレーキの壊れた自転車が坂道を転がるようなもんだよ」「誰にも止められないってことかい」「ぶつかれば止まるよ」自分たちは何にぶつかるのだろう。この先、曲がり角の向こうに何が待っているのだろう。ヨシエは恐怖に戦いた。(p.243) 著者:桐野夏生(1951年生まれ、本書で日本推理作家協会賞を受賞) 発行:2002.6.15 − 2012.3.21 第28刷 | ||||
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とてもよかった。梱包がしっかりとそれていて尚且つ、商品状態も悪くなかった | ||||
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