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大いなる幻影
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【この小説が収録されている参考書籍】
大いなる幻影の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.95pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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老いた独身女性ばかりが住むK女子アパートが舞台。全ての部屋を自由に開けることのできるマスター・キーを巡って最初はちょっとした悪戯から始まって次第に深刻な事件が引き起こされていく。 前半はあまり緊張感が感じられず読み進めるには忍耐を要したが後半はサスペンスが盛り上がる。 作中の人物のつぶやきに「人は皆、幻影を背負って生きているのだ」(p151)というものがあるが、まさにその事を実感させられる。読了後は幻影のはかなさのためか無力感に襲われた。 なお、終盤で語られる「大いなる幻影」という言葉(p186)は最後のどんでん返しを意味し読者にとっては痛快な結末になっている。 全体的に現実感よりもパズル的要素が強く、ここまでやるかという感もある。 | ||||
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シャンソン歌手、クラブのママ等多彩な顔を持つ作者のミステリ処女作にして代表作。老嬢ばかり住むアパートを舞台に、ある事件を背景に様々な人生模様を描いた作品。 冒頭で交通事故死した男が描かれ、その恋人が女性専用の「K女子アパート」に住んでいる事が示唆される。同様に男女二人による幼児誘拐殺人事件が描かれ、女性の方は「K女子アパート」に住んでいる事が示唆される。時が経ち、アパートの住人は歳を取り、アパートそのものも建物毎移動する事になる。その直前の描写から始まり、アパートの住人の過去が徐々に暴かれ、やがて冒頭の事件に繋がると言う物語。思っていたより正攻法の展開なので正直驚いた。だが、如何せん住人の過去が平凡過ぎる。老嬢ばかりの登場人物と言う事で、もっとドロドロした怨念のようなものや、女流作家ならではの老嬢の頑迷さや妄信ぶりの描写を期待していたのだが、むしろ堅実な内容である。新興宗教の教祖を登場させ、交霊会まで開いているのに、オカルティックな雰囲気もない。最後に仕掛けらしきものもあるのだが、途中であれだけ「マスター・キー」の事を執拗に描けば、大抵の人は気付くだろう。「大いなる幻影」と呼ぶには平明な出来。老嬢ばかりと言う趣向を活かすなら、もっと妄想・幻想・怨念に満ちた作品にすべきだったと思う。 都電など昭和30年代の懐かしい描写も出てくるので、アパートの住人と共に過去の「幻影」を夢見るにはちょうど良い作品か。 | ||||
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シャンソン歌手、クラブのママ等多彩な顔を持つ作者のミステリ処女作にして代表作。老嬢ばかり住むアパートを舞台に、ある事件を背景に様々な人生模様を描いた作品。 冒頭で交通事故死した男が描かれ、その恋人が女性専用の「K女子アパート」に住んでいる事が示唆される。同様に男女二人による幼児誘拐殺人事件が描かれ、女性の方は「K女子アパート」に住んでいる事が示唆される。時が経ち、アパートの住人は歳を取り、アパートそのものも建物毎移動する事になる。その直前の描写から始まり、アパートの住人の過去が徐々に暴かれ、やがて冒頭の事件に繋がると言う物語。思っていたより正攻法の展開なので正直驚いた。だが、如何せん住人の過去が平凡過ぎる。老嬢ばかりの登場人物と言う事で、もっとドロドロした怨念のようなものや、女流作家ならではの老嬢の頑迷さや妄信ぶりの描写を期待していたのだが、むしろ堅実な内容である。新興宗教の教祖を登場させ、交霊会まで開いているのに、オカルティックな雰囲気もない。最後に仕掛けらしきものもあるのだが、途中であれだけ「マスター・キー」の事を執拗に描けば、大抵の人は気付くだろう。「大いなる幻影」と呼ぶには平明な出来。老嬢ばかりと言う趣向を活かすなら、もっと妄想・幻想・怨念に満ちた作品にすべきだったと思う。 都電など昭和30年代の懐かしい描写も出てくるので、アパートの住人と共に過去の「幻影」を夢見るにはちょうど良い作品か。 | ||||
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