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悪魔が来りて笛を吹く



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悪魔が来りて笛を吹くの評価: 4.38/5点 レビュー 80件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.38pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全66件 61~66 4/4ページ
No.6:
(5pt)

見事に騙されました

こういったミステリーは読み進めながら犯人や隠された秘密を推測してゆくものなのですが、横溝正史の小説だけは犯人が最後の瞬間まで分かりません。
 そして必ずぞっとするような真相が事件の闇深くに用意されているのです。
 あいつが怪しい、こういう可能性はないか、などなどあらかじめ考えうる可能性は全て金田一耕介も考えるのですよね。彼によって読者が考えそうな推測は全て語りつくされ、考えつくされ、この上どう足掻こうとも真相が掴めない、という迷宮の中に巧みに誘われてしまうのです。
 
 悪魔が来りて笛を吹く
 これ程この物語を集約し、かつ犯人を指し示しているものはありません。
 この物語を終始占め続ける陰鬱な空気と、知らない方が良い真実でも知りたい、と思わずにはいられない悪魔的な誘惑。
 金田一耕介と共に考え、迷宮を彷徨って、途方に暮れていたはずが、この天才探偵はその間に思いも寄らない可能性や推測に当たっているのです。読者は金田一と共に考えているつもりが、実は常に一歩先を見据えていた鋭い視点に終盤になる程に驚かされます。
 一昔前の探偵小説だと思いきや、これは現代でも充分に通じる最強のミステリーです。
新版横溝正史全集〈12〉悪魔が来りて笛を吹く (1975年)Amazon書評・レビュー:新版横溝正史全集〈12〉悪魔が来りて笛を吹く (1975年)より
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No.5:
(5pt)

やべっちお勧め

ナイナイのやべっちお勧めです。映画も是非。
悪魔が来りて笛を吹く (角川文庫―金田一耕助ファイル)Amazon書評・レビュー:悪魔が来りて笛を吹く (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304040
No.4:
(5pt)

やべっちお勧め

ナイナイのやべっちお勧めです。映画も是非。
新版横溝正史全集〈12〉悪魔が来りて笛を吹く (1975年)Amazon書評・レビュー:新版横溝正史全集〈12〉悪魔が来りて笛を吹く (1975年)より
B000J976J0
No.3:
(4pt)

「悪魔」の正体

氏の代表作のほとんどが地方を舞台としているのに対して,本作品は都会を舞台としている.没落貴族一族を中心とした凄惨な殺人とその裏側にある禍々しい真相などはこの作品でも健在.むしろ,地方の名士一族を描いている他の作品よりも現代の読者にはイメージが容易.本作品のキーとなるフルートを吹く悪魔とその曲目に隠された秘密が明らかになる場面は圧巻.後半はエログロな展開になるのでそういうのが苦手な人はお勧めしません.
悪魔が来りて笛を吹く (角川文庫―金田一耕助ファイル)Amazon書評・レビュー:悪魔が来りて笛を吹く (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304040
No.2:
(4pt)

「悪魔」の正体

氏の代表作のほとんどが地方を舞台としているのに対して,本作品は都会を舞台としている.没落貴族一族を中心とした凄惨な殺人とその裏側にある禍々しい真相などはこの作品でも健在.むしろ,地方の名士一族を描いている他の作品よりも現代の読者にはイメージが容易.
本作品のキーとなるフルートを吹く悪魔とその曲目に隠された秘密が明らかになる場面は圧巻.
後半はエログロな展開になるのでそういうのが苦手な人はお勧めしません.
新版横溝正史全集〈12〉悪魔が来りて笛を吹く (1975年)Amazon書評・レビュー:新版横溝正史全集〈12〉悪魔が来りて笛を吹く (1975年)より
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No.1:
(5pt)

終戦直後の今を描ききった傑作!

緻密なプロット、終盤まで先の読めない緊張感を持続させる文章、最後の一行まで完璧に計算尽くされた本作の完成度は、当時の時代背景を実に良く描ききっており、因習の絡む土着色の強い以前の作風とことなり、都会の小説として成功している。没落する華族、終戦間際の混乱した交通事情、六本木・増上寺・鎌倉・神戸・大阪・淡路島と目まぐるしく展開するシチュエーション。会話によって登場人物を完璧に表現する文章力。これだけの複雑に絡み合ったシーンがやがて最後の一行へと結実していく様はたとえようの無い快感である。大風呂敷を広げすぎの感や、某重大事件の関わりの曖昧さもあるにせよ、この小説の醍醐味は、戦前戦後を通しての時代背景に裏づけされた壮大な怨念の物語にある。その証拠に犯人のモノローグから出征した戦争体験は何ら影響を及ぼさず割愛されているのだ。獄門島も八墓村もそうであるように、作者は戦争によって及ぼされた壮大な外堀を描写することで、その堀の中で淀む「ドス黒い」ものを描いている。
悪魔が来りて笛を吹く (角川文庫―金田一耕助ファイル)Amazon書評・レビュー:悪魔が来りて笛を吹く (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304040

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