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悪魔の寵児



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悪魔の寵児の評価: 3.88/5点 レビュー 17件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.88pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(2pt)

他人の家に忍び込む心理的ハードルが低すぎるw

著者には「悪魔の〇〇」が四作あるが、本作はその三番目の作品。
 連載は『面白倶楽部』。ということは残念ながら『幽霊男』系の通俗作品ということである。連載の前半は『宝石』に連載中だった『悪魔の手毬唄』と重なっている。
 おもしろいことに、月ごとの〆切は『宝石』のほうが早かったが、本作の方が先に仕上がっていたという。当時『宝石』の編集者だった本書の解説子(大坪直行)の証言では、著者は「いや、あの作品(本作)はそう考えなくても書けるんだよ」(P.372)と語ったらしい。
 大坪直行は解説を書くにあたり本書を再読して気づいたとして、谷崎潤一郎などを援用しながら大いにフォローアップに努めているが、通俗臭の強い本作が(そうでない『悪魔の手毬唄』に較べて)職人的にささっと書き飛ばしやすかったというのも一面の真実。片や「転」から「結」に向かう時期で本書は「起承」の時期だから、一概に語るのは公平ではないとは言え、通俗作品としての開き直りが、執筆速度の速さの主要因だったのは間違いない。それに比例して、当時本書が酷評されたことは当然の流れだろう。

 解説の同じ頁に、「横溝正史もこれらの評に大変悩み激しい自己嫌悪をかんじていたようである」ともあったが、同時期に著者は、両長篇だけでなく、いくつかの短篇までこなしていた。
 状況はどうあれ、作家としては、多作によって質が下がれば自己嫌悪するのはわかるが、多作ゆえに質が低下するのは当然のことである。むしろきっちり『悪魔の手毬唄』を峻別管理していたのだから、逆に誇ってもよいのではないだろうか。

 というわけで、個人的には解説を読んで大いに得心したのだが、本作単体についての感想は書きにくいw
 何人もの愛人を抱えたパトロンとして"風間"と聞けば、同好の士ならば多くが、アレっ金田一のパトロンの?って考えると思う。そして、いやいや欣吾じゃなかったよなと思い直すだろう。
 後に金田一耕助が登場するにあたって、ともに戦後のし上がった同姓人物故に知遇のあった風間俊六から紹介され云々という説明描写はあったが、後に俊六が顔を出すでもなく、本当にそこだけ……。
 それで矛盾が生じることもないが、同姓云々はまるで不要の雑音でしかなかった。
 このあたりも、思いついた側から吟味もせずに書き綴っていった臭いがするw

 通俗作品――というかエンタメには目を惹くキャッチコピーが必要だが、本書の凶悪犯人に対して与えられた名前は<雨男>。
 「びしょびしょと降り続く長雨」の季節に暗躍する犯人が、レインコートで身を包んで出没を繰り返すところからつけられた名前だが、考えてみればこの物語は終始びしょびしょ雨が降っているので、捜査側の刑事や金田一だって時にレインコートを着用している。いまひとつ犯人のキャラとして目立つ特徴とも言えない。
 とは言え、題名に採用された"悪魔の寵児"ってのはいまふたつピンとこないw
 むしろ望月種子とゴリラのような黒亀の醜悪コンビの方が目立っていた。乱歩の怪作『恐怖王』を思い出したよ。

 本書ではやたらと肉欲や性癖の乱れに関する描写が目立った。
 本来質の高低とは別のベクトルだが、酷評にはそれらの要因も大きかったと思う。
 そんな描写にしたって、編集サイドの要求に応えた著者のサービスの故なのだろう……が、まぁ著者が自己嫌悪したくなるのも解るw
悪魔の寵児 (角川文庫―金田一耕助ファイル)Amazon書評・レビュー:悪魔の寵児 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304121
No.1:
(2pt)

文句なく面白い作品だとは思うんですが、、、、(ネタバレありません)

文句なく面白い作品だとは思うんですが、
正直言って私は、この作品、苦手です。

やっぱり何ですか、、、、あの「衝撃的トリック」が、、、、
気の弱い私の許容力を超えているというか、、、、

道徳心の強い方や気の弱い人には、ちょっと、お薦めできないかな、、、、
熱狂的横溝ファンの方には申し訳ないんですが、、、、
(一応、私も横溝ファンのつもりです)
悪魔の寵児 (角川文庫―金田一耕助ファイル)Amazon書評・レビュー:悪魔の寵児 (角川文庫―金田一耕助ファイル)より
4041304121

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