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(短編集)
陰の季節
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陰の季節の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.31pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全109件 61~80 4/6ページ
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本書はD県警の管理部門を主役に立てた4篇の短編集である。そのなかにも人間ドラマが繰り広げられます。4編ともそれなりに楽しめる作品です。 4編の短編を紹介します。 ・陰の季節:警務課で人事担当の二渡真治(別の短編でも登場する)の話。大物OBこと尾坂部が辞めないのでその説得をしないといけない。尾坂部の気持ちに共感するところがあり、私は一番好きな話である。 ・地の声:監察課で警察関係の賞罰を調査する新堂の話。タレコミがきて、生活安全部の曾根について調べることになる。 ・黒い線:警務課婦警担当係長の七尾の話。婦警の平野が出社してないので、探すことになる。 ・鞄:秘書課で議会対策をしている柘植の話。県議の鵜飼からの爆弾質問の内容をあらかじめ把握し、その質問をやめさせたい。 | ||||
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この人の短編集は本当に面白いものばかりです。 心理描写いつも素晴らしいです。 この本は4つの短編から構成されていますが、どれも楽しめます。 スポットライトを当てられるのが、管理部門の人間です。それだけで、他の警察小説とは一線を画しますが、読んでみて更にその内容の面白さに驚かされることでしょう。 『動機』や『第三の時効』を気に入った方は絶対に読んだ方が良いです。 その他の方も本当のオススメですよ! | ||||
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警察小説であるが、凶悪事件を追ったのではなく、 警察組織そのものを描いた小説とは思わなかった。 ありありと淡々と描いてくれる。 社会派だけどすごく読みやすい。 ユーモラスではないが堅苦しくもない。 「周りにもこんな奴おるおる」と、 ただそのリアリティに共感せずにはいられない。 | ||||
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第5回松本清張賞受賞作。 この本を手にするのは、もう何度目になるだろう。 読むたびに感心させられる。 短編の、短い枚数の間に、細やかにディテ−ルを積み重ねて、リアリティのある もっといえば厚みのある小説に仕上げてしまう技巧は見事だ。 本書の32ページ真ん中辺りに、以下のような記述がある。 通された和室には神棚があった。大明神の神符が祀られている。 きちんと手が入っているとみえ、白木にくすみ一つなく、供した榊の葉にも深い艶があった。 欄間に、墨痕鮮やかな『治にいて乱を忘れず』の書が飾られ、壁には額に納まった『警察職員の信条』が、恭しく掛けられている。 この4行の描写で、読み手に、尾坂部の人となりを鮮やかに印象付けている。 しかも、この描写がさりげなく挿入されていて、 まったく不自然な感じがないところがすごい。 ディテールの積み重ねでリアリティを出すという手法は、 はまれば見事であるが、 いらないディテールまで書きすぎて、文章が冗長になり、 結果、伝えたいことが伝わらずという 本末転倒な作家が多い(若い書き手に多い)中、 ディテールの取捨選択が出来ており、 伝えるべきことは伝えるという作者の技量はすばらしい。 そして、その技量に裏打ちされたストーリーテリングのうまさ。 多くの読者がこの本を手に取られんことを。 | ||||
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友人に薦められて初めて読んだ横山秀夫の小説です。 多くのレビューにあるとおり、確かに面白い! 警察内部で起こる事件を背景として、 丹念に描かれた立身出世の羨望や計算が主人公をかきたて、 ストーリがーテンポよく進行していきます。 もちろんスリリングな筋書きだけでなく、 予期せぬ驚きの結末にページを繰る手が止まりません。 本書の最後に収められている「鞄」を読む終えると同時に、 同氏の文庫本を買い増してしまいました。 | ||||
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横山秀夫といえば今やミステリー界のエースですよね。『クライマーズ・ハイ』 は読みましたが、次に読むのは、彼が最初に賞を受けた作品を読もうと思いました。 最初に賞を受けた作品は作者のそれ以降の創作の基点となっている事が多く、 作家を理解するうえで有用です。その意味で横山秀夫を知りたいと思うのなら (作者目線で作品を読むのであれば)最初に読むべきなのは『半落ち』でもなく、 『臨場』でもなく、本作なのではないでしょうか。 私自身、就職後一貫して営業部門に所属しており、自分が勤務している会社であっても 管理部門というのはブラックボックスです。そのためどうしても一歩引いて彼らに 接しています。特に「新入社員のときからずっと人事でした」なんて人間もいて 彼らに組織の運営を任せられるのか?と疑問に思っています。 本作を読んだからといって、管理部門の人の「気持ちが分かりました」とか、 「彼らも大変なんだなぁ」と単純に解った気にはなれませんが、彼らの仕事の 一断面を見る事ができた事は収穫でした。 もちろん読み物としても楽しませてもらいましたので、☆4つです。 | ||||
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警察の内部の人間模様や、内部で起きた事件などを描いている。 人事を担当する人間の苦悩や、ある誹謗中傷から巻き起こった 警察人生を狂わせる出来事や、婦警が謎の失踪をした話や、 議員を相手に飛び回る秘書課の人間が落とし穴に落とされる話など、 全部で4編の短編集。 婦警の謎の失踪は、失踪した婦警は「FACE」という小説のヒロインに なっているから、またそちらの視点から読むのも面白い。 この話では、上司の婦警の視点から物語が進んでいる。 それぞれの話が、別の人物の視点から描かれており、一話目に出てくる 二渡という人事の男が、他の主人公たちから見ると、脅威の人間のように 描かれているのが面白い。 起こる事件は、内部での些細なものだから、刑事が出てくるわけではないけど、 謎解き要素もあって、とても深い事情も絡んでいて、ずっしりした読後感がある。 | ||||
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読み始めは取っ付き難いところがあるのですが、ぐいぐいと引き込まれます。 何処が違うのだろうと思っていたのですが、解説にも記されている通り警察小説ではありますが、捜査畑の人間が主人公ではなく管理畑の人間が主人公なんです。 4つの短編が収録されていますが、それぞれ人事、組織内の対立、出世争いが上手く散りばめられ生々しさを読者に与えます。 「鞄」などは、読みながら身につまされる人が多いのではないでしょうか。 私は、いつの間にか主人公になりきるほど没頭してしまいました。 切れの良い短編4編、お勧めです。 そろそろ、横山秀夫の長編を読んでみたいです。 | ||||
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警察小説において警察官を主人公した作品はいくつもあるが、 警察を組織、警察官をそこで働く人、という構図を土台においた視点から捉えた物語はあまりないように思う。 つまり、警察官を労働者とか個人として描いた秀作は何度も読んだが、彼らを警察組織と反射させて、その人間性を描いていく作品は少ないと思うのだ。 大きな会社組織には往々にして、世間とは乖離したその会社内独自のルールというか社会が存在してしまうものだが、 警察組織もまた、そうした会社組織と同じであるということなのだ。 その閉塞感をクールに描き、そこから噴き出る人の温かみが本作の魅力だと思う。 | ||||
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この人の本を読むなら絶対に「陰の季節」から、と決めていた。 読む前に手ごたえを感じる作家がたまにいて、その人の作品を全部読もうと、読む前から決めたりする。 そんな作家の一人だ。 警察小説と言えば、高村薫の「マークスの山」だが、「陰の季節」は「マークス」より温度が低く感じる。 作者のスタンスが、現場を離れているのだ。 その分、全体が緻密に観察され、組織内の人物たちが結論なくもがき続ける様に「警察」を超えた人間模様を感じさせてくれる。 創作であっても、ある意味、組織の真実が語られていると思う。 社会の縮図として見ると、懸命に生きる人間たちの賛歌にも見えてくる。 巨大組織・警察と巨大国家・日本。 共通点は大量にある。 | ||||
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一般的に警察小説というと、刑事が事件を追って犯人を捕まえるまで・・みたいな感じのものが多いのですが、横山さんの作品は、それとは違う内部の警察組織を管理しているデスクワーク組の小説という感じです。 警察官もサラリーマンなんだなぁ・・と、そんな感じがする小説です。 | ||||
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警察官は潰しがきかない職業であるうえに、公私の区別がつけにくい。 厳しい保秘義務、些細の不祥事(あるいはそれが表に出ること)も許さない 組織文化は、自ずと警察を身内で固まるムラ社会にしてしまう。 横山警察小説を楽しむ大前提は、この警察という組織の特殊性、個人から みたときの不条理の存在を理解し受け入れることにある。組織が特殊で、 従順であることを求める一方で、更に”抜ける”コストがとてつもなく 高くからこそ、構成員である警察官は、組織の論理と自分の価値観をいか にすり合わせ行動するかに腐心せざるを得ない。要は、「保身」が 行動原理に強くビルト・インされてしまうのだ。 こうした舞台回しをしっかりと書き込んだ上で、警察の影の部分に焦点を 当て、「人間」の強さ、弱さをそれぞれの短編の中に表現した点にこの 短編集の素晴らしさがある。これは横山小説の一貫したテーマだけれど、 本編は最も成功しているものだと思う。 | ||||
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このところの移動続きでの車中読書三昧で知った、新しい発見。 横山秀夫、と言う人を知らなかった。いやぁ、恥ずかしい。 面白いですね。 基本的に警察小説だけど、ちょっとこれまでにないタイプのものかな。 一見華やかな、捜査一課の刑事、と言うような部所ではない、警察組織の管理、あるいは監査といったところにいる人達を扱っているところがおもしろい。 と言うことで、立て続けにこの横山さんの本を買って、読みつつあります。 そこでわかったのは、警察組織の管理、あるいは監査といったところにいる人達を扱ったものは今までになく、新鮮で、面白い、と言う感じですな。 うん。ま、少し読んでみよう。 | ||||
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D県警シリーズの第1段。警務部と言う人事・組織を中心に担当する部署から見た時の警察を描くという斬新な手法で話題を集めた。が、全体に若書きの傾向は否めない。 タイトル作「陰の季節」は天下りした元刑事部長の未解決事件への執念を描いて読ませる。しかし、警察幹部が天下りする様に対して批判的言辞が全く出て来ないのは如何なるものか。作者も記者時代に汚濁の水を飲みすぎたとしか思えない。「地の声」は警察組織での出世意識がテーマで問題が矮小すぎる。「黒い線」は婦警の失踪事件を扱ったもので、失踪の理由が幼稚園レベルで読む者をガッカリさせる。「鞄」は「地の声」と同じく組織内の出世に拘った作品で、同じものを2度読まされた気がした。 全体に警察は、幹部は平気で天下りするし、警部以上は出世争いに奔走する。これに対し、作者の批判的な目が感じられない。登場人物達も出世と保身のみで、人間的深みが感じられない。熟成前の作家の作品を味わったようで、今後を期待したい。 | ||||
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横山秀夫の珠玉の短編集。元警察担当の記者の経験を生かし、警察組織の細部まで詳細に描かれた作品は、読む者を引き込む。作品に登場するのは、人事を担う警務、賞罰を担当する監察、議会対策を主とする秘書課など、普段、市民が直接触れることがほとんどない、いわば、警察の裏側。自らの出世のため、あるいは、組織を守るため、奮闘する職員たちの姿が描かれる。作品ごとに主人公がかわるが、別の作品で脇役として登場することもあり、人物を内と外から見るおもしろさもある。 | ||||
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ほとんどの作品において主人公が守ろうとしているのが「組織内 における自己の立場」つまり保身であるというところに、少し迫 力不足を感じてしまいました。 確かに警察内部のしかも普段スポットライトを浴びない部署の人 々を主役に据えるというアイディアやリアルさは非常に良く描け ていると思います。ただ、その「保身」に重きが置かれ過ぎてい るので、そういう感情があまりない私(一応勤め人ですが)は、 やや感情移入しにくい点がありました。 | ||||
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警察ものの映画や小説って、犯人捜しに終始してしまうか、スリリングなカーチェイス、銃撃戦なんかに目をひかれてしまうことも多い。 しかし、ここに出てくるのは、そんな派手な警察ではありません。 捜査したり、犯人を捕まえるのだけが警察ではない。 その陰で警察という巨大な組織を支える人たちがいる。 着眼点のよさもさることながら、人間がきちんと書けているのが素晴らしい。 横山秀夫の警察小説の出発点であり、ぜひ読んでおくべき本です。 | ||||
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「完璧なムラ社会」警察組織の生々しい息遣いが聞こえてくるような一冊です。 警務部秘書課で「議会対策」にあたる男の話(「鞄」)など、 「そんな職務あるの?」と、目新しさに胸踊り、組織の詳らかな描写に心を掴まれます。 が、横山氏の凄いところは、そうやって組織というシステムを描いた上で、 そこに生きる人間の揺らぐ心や言いようのない熱さを感じさせるところではないでしょうか。 短編が四作収められていますが、主人公は全て異なります。 しかし、彼らの所属はすべてD県警。 つまり、さっきの作品で主人公だった人物が、 次の短編では脇役としてほんのちょっと顔を出したりするのです。 その、さりげない人生の交錯の仕方も、またたまりません。 警察という組織の匂いを作品の隅々にまで染みこませているおかげで、 かえって「人間」を感じさせる、お奨めの一冊です。 | ||||
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横山秀夫先生の作品にはじめて出会ったのが、この作品。 私はこの作品に出会うまでは、 警察機構ってのは「太陽にほえろ」的な 刑事部のみかとおもっていました。 でも、この作品はその世界観をガラリと180度かえました。 警察組織内での軋轢や陰謀、かけひき、人間くさいドラマが 展開されます。 主人公は警察官ですが、やっぱり1人の人間でもある。 そこをうまくみせるところに横山秀夫先生のうまさと深みがあると おもいまいた。 警察小説にはまり気味なみなさまにオススメです♪ | ||||
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いや、自分まだ若いから(学生) なかなか難しい言葉がたくさんでてきました。 そこはさておき、警察の話なのかと思ってよんでたら、ちょっと自分とは違った警察のお話のようです。。 でもかなりおもしろい。なにがおもしろいって、想像外だYOっていう終わり方ですね。 とにかくおもろいですね。 この人の作品は一つぐらい読んでみても損はないかと。 いや損はありません。 | ||||
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