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クライマーズ・ハイ
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クライマーズ・ハイの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.17pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全217件 21~40 2/11ページ
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何のために登るのか、何故危険な山を選ぶのか。 繰り返し繰り返し出て来る「降りるために登るのさ」。 哲学的な意味があるようで、その真の意味は各自が想像するしかない。 主人公も繰り返し考える。 地方新聞における報道も同じか。 飛行経路にもない日航機123便がたまたま群馬県境に墜落した事で、地方新聞紙の社員らは、様々な狙いや不甲斐なさや欲得にまみれる。 国際的なスクープを打つギリギリの挑戦や、命とは、報道とは。自ら建てた高邁なテーマに、自らの立場や家庭を危うくする。 だが誰に頼まれたわけでもない。1日、数分早く同じネタを新聞紙に載せようとしたところで、読者も国民も会社もそんな事に価値を見出してはいない。 真実の追求でもなく、それぞれの功名心や自己陶酔、社内人事闘争の具や、社外の取引相手への土産話でさえある。 地方新聞に置いて報道記事は、共同通信の配信記事をまとめれば成立し、それよりも保守王国群馬では福田・中曽根・小渕の顔色を伺い、地元有力者とねんごろになり、地方利権を編むのが、その実態であるからだ。 そんな中に起きた歴史的事故で、「報道」「スクープ」「命」を自ら問い、焦り、走り、酔い、そしてその山を降りる。ヒーローはいない。 生々しい地方紙事情は目に浮かぶようで面白い。ただ全体に、報道の使命や、山や、家族や、命に酔い、そして実際表現としていつもいつも目眩ばかりしていて、冗長。 敏腕デスクの手直しが欲しいところである。 Audible で聞いてみた。なかなかの熱演だった。 | ||||
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『ルパン』から文章がぐっと洗練されたが、要素を詰め込みすぎて焦点がぼけるところは変わっていない。 横山秀夫は短編の人との思いを強くした。 いつも東京を気にする群馬県。全国紙を敵視する地方紙。 東京は群馬を気にしないし、全国紙も地方紙を気にしていないのに。 この妙な田舎根性、ひがみ根性がリアルだ。 「記者屋」とか「山屋」とか男の世界における自己陶酔。 この作者って女性の性を悲劇的なものとしか描けない人だよなー。 女性記者の結末にしても。パンパンの母親にだって誇りはあっただろ。 でも実際、群馬ってこういう土地だ。2022年でも公職の男性が「若い女が」と平気で口にする。 他紙と比べてどうだこうだって、多くの読者は一紙しか取ってないんだから関係ないだろ。 主人公や幹部の熱についていけない。 社内の権力闘争の描写なら高村薫の『レディー・ジョーカー』の方がずっとよかった。 他の方も書いているように、最後の唐突な投書。蛇足。 しかもこれだけ問題を起こした本人が後にその企業に就職できるか? スクープは飛ばさないし主人公も犬になるしで、現実的ではあるがそれ以外にいいところが見つからない。 小説として一定のレベルに達しているとは思った。 | ||||
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日航機墜落事故という前代未聞の事故現場がたまたま群馬県だった。 その地方紙が全国紙と戦いながら、社員のいろんな思惑がぶつかり合いながら 地域住民と被害者家族のための紙面づくりに奔走する。 横山秀夫さんの警察小説もおもしろいけれど、 やっぱり新聞記者ものは臨場感があって素晴らしい。 ところどころホロリとさせられて、命や仕事や生き方について考えさせられた。 | ||||
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横山さんの大ファンで、作品を読み漁っています。 仕事熱心で真面目で泥臭い登場人物たちにいつも感化され、心が折ては本を読んで立ち直っています。 | ||||
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テーマがなんともまだら、絞りきれていないので読後感が消化不良。 また、汚い人間関係を見せながらダラダラと読まされる新聞屋の下りに意味があるとは到底思えない。 山の部分だけで100P程度、それでじゅうぶん事が足りるだろう。 まさに時間の無駄。これが最高傑作というのなら横山某という作家は大したことがないのだろう。 | ||||
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熱い昭和の新聞社での、男たちの仕事での激闘。 書き出しの部分、土合駅の階段のシーンから一気に引き込まれる。この380の階段を登れなくば衝立に挑戦する資格はない。 | ||||
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日航機墜落事故については,これまで数冊その原因解明に挑む書籍を読んできました。この本は,てっきりその事故のことを題材にしたドキュメンタリータッチの小説かと思って読みました。ところが,中身は,端的にいうと「文屋」の話です。墜落事故から1週間の紙面ができあがるまでの経過が生々しく描かれています。大部屋に飛び交う怒声や苛立ち,焦燥感,緊張感など現場の空気感が伝わってきます。こういうことが日々社内で繰り広げられていると思うと,端から見ても胃が痛くなりそうです。この事故は,36年前に起こりましたが,小説の中ではポケベルで記者を呼び出したり,原稿をFAXで送信したり,暗室に入って写真を現像したりするなど時代を感じます。わたくしも,とある地方紙を購読しています。読者欄一つとっても,内部では様々な力関係が働いているということが興味深かったです。文句なく,今年の5本の指に入る傑作長編です。 | ||||
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日航ジャンボ機墜落事故の現場での捜索、救出活動は凄惨な犠牲者の姿に直面し、家族の心情に配慮し言葉を選びながら記事を書いていった様子が辛い。正義に燃えて航空会社へ事故原因を追及するにしろ、現場で見た光景は記者達の脳裏に深く刻まれ、将来二度と同じ過ちを起こさせない教訓を残す使命を果たしていると感じた。映画も素晴らしかったです。 | ||||
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鳥肌立てながら(笑)、さわやかな気持ちで解説まで読了。 日航ジャンボ機墜落事故の現場、御巣鷹山がある群馬県の地方新聞社で事故記事の全権デスクとなった主人公を描いた長編。 著者さんの本は初めてだった。 読み始めは、まだ少ないページに多くの人物が登場し、そのそれぞれが特有の社内組織に所属しているため、把握にストレスを感じ、元新聞記者だという著者さんの熱量に戸惑ったことも。 しかし、そこを越えると構成の巧みさ、人物描写の玄妙さにグイグイ惹き込まれていった。特に主人公の機微。生い立ちから複雑なパーソナリティーが形成され、そのことが主人公自身やその環境に長く影響するところまで丁寧に描かれていて手抜きがない。実に人間らしい複雑で繊細な内心が見事に描かれており印象深い。 本作は、時系列の先端が衝立岩の登攀なので、ハイテクが登場する余地が少なく、世界観が古くなりにくいことに加えて、ひとや命といった普遍的なテーマを扱っていることで長く読み継がれ得るモノなっていると思う。 ジャンボ機墜落事故を通して、ひとや命を立体的に描いたこの作品は小説好きならぜひ読んでおきたい一冊だと私は確信する。 また、私は解説にも感銘を受けた。筆者さんはノンフィクション作家だということでプロの思慮に感服させられた。難解な言葉を使わずに表現力で訴える技巧に好感を持った。残念ながらネタバレしているので読書の導入に読むことはできないが、本編を読了した者にとって味わいをさらに深める価値ある解説だと思う。 | ||||
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日航機事故の闇を暴くかとかと思って購入したが、そこには触れられてなかった。残念 | ||||
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著者の作品は初めて読みましたが、実に素晴らしい作品でした。1985年の日航ジャンボ機墜落事故のニュースは、私も子ども心にもよく覚えています。本書はフィクションではありますが、著者がその当時墜落現場となった群馬県の地方紙記者だったことからほぼノンフィクションではないかと思えるほどの臨場感にあふれています。本書の舞台は新聞社というある意味特殊な世界で、ジャーナリズムの使命や地方紙の存在意義などを考えさせられます。一方で、1985年と言えばバブル景気が始まった頃で一般の会社にもモーレツサラリーマンがあふれていた時代。本書はそんな時代の会社員の政治、人間関係、男社会がこれでもかというくらい緻密に描写されており、今ならセクハラ、パワハラ、モラハラとなるような事象ばかりで、当時の会社という共同体を伺い知ることができて貴重です。今から見ると隔世の感があるものの、一方で当時の会社員はそんなに熱かったのかとも思わされました。今の若い仕事人たちからすれば別世界の出来事に感じるほどではないでしょうか。本書で描写される親子関係もまた今とはかなり違うもので、父親の権威がかろうじて生きていた時代の遺物を見る思いでした。色々な意味で資料的な価値がありながら、一級のエンターテインメント小説となっています。 | ||||
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著者の警察物が大好きで、少し敬遠してましたが、やはり読み始めると止まらない。過不足のないキレイな文章。登場人物たちの等身大の魅力。読後の爽快感。面白かったです。ジャンルが私好みでないので星4しましたが… | ||||
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DVDで感動したので文庫でも読んでみたくなり購入。映画とは物語が少し違うところと全く同じセリフの場面など面白かった。 | ||||
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飛行機事故を題材に、新聞社と新聞記者の正義感や葛藤が臨場感たっぷりに描写されており、とても読み応えがありました。 | ||||
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とても良い | ||||
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感情描写がリアルで主人公と一緒になって締切に焦ったり、記事を乗せるか悩んだり、、、心臓を運動させてもらったって感じです。 横山秀夫作品の他の警察モノに出てきそうな推理のキレるキャラクターが新聞社で働いていた場合、という感じ。思考回路が細かく描写されていて、頭がいい人はこう考えるのか、と圧巻させられた。 | ||||
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墜落事故の当時は生まれたばかりだったので、事故のことを知らずに映画を観て、原作も読みたくなり購入しました。 新聞社が舞台なので映画は少し難しく感じましたが、先に観たおかげで登場人物のイメージはしやすかったです。 原作と映画では違う部分も多いですが、これだけの内容を全て収めるのは無理だと思うので、仕方ないのかなとも思います。 続きが気になってページをめくる手が止まらず、途中で何度も泣きそうになりました。 ちょうど8月12日に御巣鷹山の慰霊登山のニュースを見て、過去の映像を見たり、そのことを思いながら読みました。 誰かに説明をするのはすごく難しいです。でも、読めばそれぞれに思うことがあると思います。私は独身ですが、もし配偶者や子供や孫が犠牲者だったら…と想像するだけでつらい。それを取材して記事にする側も、新聞には載らなかったけど大切な人を亡くした人にも、色々な葛藤があります。 複数の人物の目線から見ているのに、ちゃんと繋がっていてごちゃごちゃしていないのがすごい。 | ||||
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前からオーディブル時々聞いてます。今回も読みたかった本なので、期待して購入しましたが、残念なのは朗読する方の声、話し方。すごくきれいな声で発音も聞きやすいのですが、いかんせん声または話し方に深みがなく、薄っぺらく聞こえてしまい、小説の世界に入っていけない。自己啓発的な読み物ならこれでいいけど、小説となるとまるで世界観が違う。 残念です。 | ||||
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この10年ぐらい何度も読みかけて、全然ハマらないと思って挫折して、今回読んだらどハマリした。笑 極限状態の中での職業人としての立ち振る舞いや、それゆえに言ってはいけない言葉のやり取りを重ねる場面がひりひりする。 | ||||
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稀に見る良作 もう初っ端からグイグイ引き込まれました。著者が元新聞記者ですので、描写も細かく、さりとてエグイ言葉は殆ど出さずに、事件を伝えます。 自分の人生を事件とリンクさせていく技法も見事です。 私も主人公と同年代ですっかり感情移入してしまいました。 人の命とか、組織人としての逡巡、そういったものを考えさせてくれる、そんな本です。 | ||||
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