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クライマーズ・ハイ
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クライマーズ・ハイの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.17pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全217件 181~200 10/11ページ
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■1985年、群馬。悠木和雄は地方紙記者。山登りが趣味だ。ある事件が元で冷や飯を食わされている。そんな折、群馬山中にジャンボ旅客機が墜落。死者520名。世紀の大事故で社内に特別体制が組まれ悠木は全権デスクを命じられる。全国紙とのスクープ合戦、社内の醜い派閥抗争、疲労の中で記者達の苦悩は深まってゆく――。読み出すと止まらない。面白さ抜群、極上の味わいに感服! | ||||
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ストーリーのはこび・顛末、登場人物のキャラクター性については読み手の好き不好きはあると思う。正直これらに関して私の好みではなかった。ベストセラーとして技工的手腕が増してしまっているところに、『半落ち』前からの読者としては少々さみしさを感じたのも事実。しかし、一連の横山作品に流れる組織と個人、公と個のジレンマ描写は今までの中でも秀逸だった。(長編ということもあってか)とりまく状況で迫られる決断、そしてその中での苦悩…登場人物の行動の動機や決断については共感できなかったが、しがらみに追い立てられる状況で人間個人としてどう向き合っていくかという限界ぎりぎりの精神状態の描写には作者の力量を感じる。ファンとしては『ベストセラー作家』になりきらないでほしいと感じさせる作品。 | ||||
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週刊誌などの大騒ぎを受け、つい手にとった。結論をいえば、同じマスコミ業界にいるものとして納得できない。大いに落胆した。主人公は煮えきらず、ヘタレである(スクープに関する実際の事例からそうならざるを得なかったのかもしれないが)。しかも40歳という年齢で、枯れ感を漂わせているが、この業界、40なんてまさに花形か、まだまだ上司に罵倒され、分別なんてつかない者がいっぱいいる。なのに、他の登場人物もみんな同様に老けていて薄っぺらい。こんなヘタレで器の小さい(家族との断絶っぷりまでも曖昧)男が主人公だというところに、この小説のスケール感のなさがある。あの歴史的惨事を、こんな机上で考えたようなありきたりの構想の小説に使われるとは、残念。山登りの場面もまったく臨場感なし。で、いつ登ったの?という感じ。息子が助けてくれた(ネタバレなので書かない)という場面に至っては、2時間ドラマ並みのご都合主義。寸分違わず、そのルートを登れるのか??新聞記者、山屋などへの思い込みがステレオタイプで古いのでは。これで泣く男性がいるとのこと。女としてはどこに泣けるのか知りたいです。おまけ。装丁が安っぽい(内容の暗示?ここで気づけばよかった) | ||||
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「半落ち」にがっかりしたので敬遠していたのですが、週刊文春で1位となったのをきっかけに読みました。一言で言って「臭い」です。男臭い組織内の軋轢の描写、散見される浪花節的な泣かせ。それなりに楽しめましたが、「このミス」1位の「葉桜の季節に君を想うということ」に比して、万人に薦められるとは言えません。 | ||||
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仕事、仲間、墜落事故、クライミング、死が絡み合って一つの物語を紡ぎ出す。主人公の悠木は我々社会人がこうありたいと思う行動そのものをとる。それは時に青臭いのだが、その青臭さはまさしく我々のあきらめなのだろう。ラストへ向かっていく、再生の物語で我々はまさに快楽を得る。読み始めたら最後、あっという間出来事だった。久しぶりに物語に酔った。「陰の季節」から注目していたが、とうとうやってくれた。ありがとう。星5つです。 | ||||
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"書くまでに17年の歳月を要した"という新聞広告の文字につられて久しぶりにハードカバーの本を買ったが、あっという間に読みきり、爽やかな気持ちになった。人は自分の根幹を揺るがされるような事件や事故に遭遇すると人格も考え方も変わる。一種昂ぶった興奮が落ち着くまで、または暗い闇の中から這い出すまでに相当な時間を要する。横山秀夫は現在公開中の映画「半落ち」や「動機」、「顔 FACE」などTVドラマ化された警察小説で有名な元上毛新聞記者。現役の記者時代の1985年、御巣鷹山の日航機墜落事故に遭遇し、そのときの取材体験を長編小説として発表したのがこの「クライマーズ・ハイ」だ。クライマーズ・ハイとは山登りをしている時の興奮から"ハイ"になって恐怖感を感じなくなる状態のことで、そのまま山頂に上り詰める場合はよいが、途中で醒めると途端に恐怖が蘇り、一歩も動けなくなるという。主人公は北関東新聞(北関)という地方新聞社最古参の記者悠木。40歳の時に遭遇した日航機事故で悠木は全権デスクに就く。抜き記事といわれるスクープ合戦の興奮、小さな会社内での勢力図や派閥、・・・必ずしも正義が通るわけではない世界が、ページ数を感じさせないような猛スピードで展開されていく。登場人物それぞれが翳をもち、様々なものを背負って生きている。さすがに現場の経験に基づく小説とあって、記者の興奮が伝わってくる描写。ただし過度に興ざめするようなものではなく、感情を抑えて淡々と綴っているところがいい。悠木が全権デスクという大役を担った1週間で燃え尽きるのではなく、事故後の17年を地方(草津)記者として生き、そして山(岩)に登る・・・こうした"1人の人物の人生の一端"と"史上最悪の航空機事故の取材現場"を書ききった筆者の温かい視線と文章力に感動と爽やかさを覚えた。 | ||||
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昨今のマスコミの体たらくにイライラしている視聴者は多いだろう。物事、事件に対して局の意見なのか番組の意見なのか司会者の意見なのか、ゲストの意見を聞いてうなずく程度でお茶を濁す報道?らしい番組だらけ。打ち合わせ以外の速報は人名地名をまともに読めず終い、テレビは映像のみで実況や原稿は今や不必要になりつつある。しかし活字として明確に形として残りどこの誰がどこで何を観て何を訴えているか、新聞は読者へ真っ向勝負を毎日挑んでいる。日航機墜落事故という未曾有の大事故をとりまく地方紙デスク、主人公悠木はまさにその渦中にいた。と同時に妻、娘、息子、親友、上司、同期、部下、競合他社、過去、将来・・・一人の男をとりまくモノは事件、事故以外にも無数にある。それらを一瞬でも忘れられる場所、山登りをつうじて何かに決着をつける、はたしてその結末は・・。父親としてか会社人としてか男としてか、理由にかかわらず泣ける一冊です。 | ||||
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「40代の男性にお勧め」と言われているから,と妻がクリスマスプレゼントとして贈ってくれた。「ストーリーの説明」は他の人も書いているし,これから読もうとする人の邪魔になるといけないので書かない。作家や漫画家の「締切」はよく話題になる。しかしあまり話題にならない「新聞記者/編集者にとっての締切」はほぼ毎日。夕刊があれば半日ごとにやってくる。特に大きな事件の時に,めまぐるしい状況変化・おびただしい数の情報の中,分単位でその「締切」と戦い,なおかつ,他部門との「調整」をはかることも求められる。その中で,いかに自分に忠実であるか・・・?主人公は,結果として「日の当たらない道」を歩んだことになるのかもしれない。しかし,正しいことをしたという事実は何ごとにも変え難い。そして,それをきちんと見ていてくれた同僚・後輩がいたという点で,主人公は幸せだ。同年代,業種こそ違え,仕事あるいは自身の生き方に対する真摯な姿勢を貫きたいという思いは同じ。下らない「社内事情」や外部環境があることも同じ。その中でどう生きるか?他の人が書いているように「エンターテイメント」としては読めなかった。寧ろ「重い課題」を与えてくれたような気がするが,それでもなお,読後に爽快感が残る本。やや場面・話題があちこちに飛んでしまっている感がなくもないが,主人公の立場・仕事の内容を説明するためにはやむをえないことだったと思う。 | ||||
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一気に読み進んでしまう引き込みの良いエンターテイメント。主人公の悠木から見た新聞社内の人事、上司、同僚の間のどろどろとした人間関係は、著者が上毛新聞にいた頃の経験をもとにしたのだろうか?主人公の非合理的な行動が起こす騒動もリアル。自己矛盾を感じることなく行動し失敗し、仲間に迷惑をかける悠木に正当化や自己弁護させずにさらっと描くところが新しい。無能だかそれに気づかず、また活力だけある社員。こんな上司、同僚がいると迷惑だろうなぁ。悠木のスクープ潰しや望月彩子の投稿掲載の判断については、単に彼の弱さや独りよがりで会社や同僚に迷惑をかけただけでだなぁ。新聞の「中立性」という命題についても、著者はあえてクドクドと書いてはいないが、事実をどのように並べ、紙面を飾るかというデスクの役割がいかに政治的な役割を帯びているのかという点、初めて知った内実だ。 | ||||
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この本、某図書館では3ヶ月待ちなんだそうで、ならとりあえず読んでみようということで買いました。はっきりいって駄作。構成がふらふらしていて、入り込めません。急いで出したという感じです。売れているのも、こんなのが世に出ちゃったのも、どっちもマーケティングががんばった結果でしょうね。山岳小説が読みたいなら夢枕獏の「神々の山嶺」、新聞社ものが読みたいなら...思いつかない。新聞屋というのは下品で閉鎖的だからなかなかよいエンターテインメントの小説になりにくいのかも。 | ||||
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正直この本を読んでいて疲れました。なんというかメリハリがない気がするのです。すべての場面を見せ場にしたいという感じで、前フリとオチで言うならすべてがオチのように感じました。ですから場面場面の繋がりが弱いように思えます。最後もそれまでと同じで、まぁ…といった感じでした。しかしこう感じたのはこの本はケッコー熱い本だからで、私のようにあまり活動的ではない人間には合わないのだと思います。ですからいろいろ熱くなれる人には他の方たちが書いているように素晴らしい一冊になると思います。 | ||||
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北関東新聞の悠木は御巣鷹山日航機事故の全権デスクとして未曾有の事故の報道に挑む。一方、この事故が起こる前に同僚の安西と谷川岳に挑む約束を交わしていたが、この日航機事故の発生により約束を果たせない。そんな中、その安西が山とは関係ない場所で倒れる。〝クライマース・ハイ〟とは山登りの際、興奮状態が極限に達し恐怖感等、神経が麻痺してしまう事を指すのだそうです。但し、怖いのはその〝クライマース・ハイ〟が解けた後、興奮状態が去って我に返りその恐ろしさから足が竦んで一歩も動けなくなる事だという。主人公悠木は日航機事故原因を巡るスクープ記事掲載の時も、子育ての間も、一種のクライマーズ・ハイに陥り、そして突然、そのクライマーズ・ハイが終わってしまう経験をしたのではないか?彼の部下達も御巣鷹山で同じ経験をします。それほどまでに記者としての葛藤・父親としての葛藤が迫真に迫って描かれています。最後はそのクライマーズ・ハイが解けた後の恐怖を乗り越えて爽やかな状態になる主人公が描かれています。この本読んでから毎朝の新聞を違った意味で眺められるようになりました。 | ||||
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日航機事故の遺族の方が読まれると複雑だと思う。そう思うと,深く引き込まれなかった。けれど,ストーリーテリングが巧みで一気に読んでしまい,グッとくるシーンも点在。自分自身もオフィスで喧騒に揉まれているよう,そして衝立岩にアタックしているかのようで,手に汗握る。一つの大きな試練を乗り切ったような視界良好になる読後感が爽やか。 | ||||
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横山氏の作品ということで、どんでん返しや謎解きを期待すると肩透かしをくいます。この小説は本当に真直ぐな熱い小説でした。男の友情・仕事での葛藤・親子愛など読んでいてジーンとくるシーンが多いです。涙しそうになるシーンもあります。男性には特におすすめします。自分も仕事にこれぐらい打ち込めるか考えさせられます。 | ||||
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確かに面白いかもしれない。続きが気になって1日で読んでしまったから。だけど亡くなった同僚の遺児との話も十分に予想できる範囲(ああ、やっぱり、と思わずにはいられなかった。)だし、なんだか読後もいらつくばかり。すべてが優柔不断な主人公のマスターベーションにすぎないように感じた。作者が元記者ということも主人公=作者と思えてしまい、所詮は作者のエゴの産物なのでは、とうがった見方をしてしまいました。 | ||||
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ミステリーやサスペンスものって今まで縁遠かったのですが、進められて本作を読みました。面白かったです。文章、言い回し、展開ととても臨場感があり、迫力というのか、苦悩というのか、どんどんと伝わってきて引き込まれていきました。400ページもあったんだという感じです。地方新聞記者の経験が活かされたとてもいい作品です。しかもきちんとドラマとしてしたてられている。ラストはこちらももらい泣きしてしまいそうでした。作者の作品、もっと読んでいこうと思いました。 | ||||
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~編集局VS販売局・広告局、社長派VS専務派、デスクVS部長・局次長、デスクVSキャップ、全国紙VS地方紙、父VS息子などの様々な対立構造。航空機墜落という世界的大事故を契機に、新聞社という組織に内包していた葛藤が表面化していく。さすがに元新聞記者の作品、その描写は非常にリアルである。~横山秀夫の作品にヒーローはいない。いるのは組織の中で怒り、ぶつかり、跳ね返される生身の人間だ。ボロボロになりながらも新聞記者としての矜持を持ち続けた悠木の姿を、手を握りしめながら読んだ。 | ||||
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~構成の出来、不出来はあろうが、そんなことは構わない。名高い横山作品のなかでも「最も熱い」作品。元記者という制限(先入観)がありながらもここまで記者=自分の内面を曝け出すには時間がかかったであろうと推察させる。同業者として「抜かないことの勇気」に触れたことに陰ながら賞賛を送りたい。~~とかく特ダネ合戦が俎上にのぼる(実際そうだが)この業界にあって、華々しく「抜く」ことに光が当たるのは当然として「抜かない」という記者の葛藤について、ここまで記者の本質に迫った作品があったであろうか。しかも自分が情報を押さえておきながら他社に抜かれる喪失感、絶望、自己嫌悪。~~おそらく経験者にしか語れないであろう胸の内をこれほどまでに「䡊??品」として仕上げるとは。脱帽した。これまでの警察小説(と表現して良いのかどうか)とは一線を画した作品であることには違いない。記者と呼ばれる職業に少しばかりでも関心のある読者のかたには必読である。~ | ||||
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長さを感じさせない作品でした。主人公の冷めているようで熱い記者としての姿勢が印象に残りました。新聞社に入社する先輩に勧めたいです。 | ||||
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横山秀夫の初となる本格長編小説(?)である。主人公は地方紙の新聞記者、悠木和雅。家庭での家族との断絶、山岳を趣味とする同僚の事故、元後輩の事故(自殺)、組織内での葛藤、そして戦後空前の大惨事(御巣鷹山)等、多数の試練、難題、災いが彼に押しかける。武骨で不器用な主人公が体ごとそれにぶち当たる。汗、苦闘、そして涙。読んだ後に人間愛とは何かを感じさせてくれる。今までの横山作品とは一味も二味も違った、多分彼の作家人生でもターニングポイントとなるであろう傑作である。 「降りるためにのぼるんさ」それが一つの答えであろう。 | ||||
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