■スポンサードリンク
黒蜥蜴
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
黒蜥蜴の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.34pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全56件 21~40 2/3ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
当時はそんな概念なかっただろうけど、ラノベである。ジュブナイルものと言えば良いのか、とてもわかり易くてどんどん読めるのは、乱歩ミステリらしからぬところ。内容は黒蜥蜴と呼ばれる女怪盗と名探偵明智小五郎の対決。資産家である宝石商の令嬢をさらうと犯行予告が届き、明智は彼女の身辺警護を固めるが出し抜かれて誘拐を許してしまう。明智は彼女を追い詰めるが持っていた拳銃を奪われてしまい、取り逃がす。そして繰り返される犯行予告・・・と言う筋立てだが、2度目に令嬢が誘拐されてしまった後はなかなか強烈な展開。船に令嬢を乗せて逃走しようとする黒蜥蜴を追った明智は、「人間椅子」のトリックを逆手に取って船内に潜伏。ところが黒蜥蜴にバレてしまい、明智が潜んだ椅子は簀巻きにされて海中に投棄される。 遂に仇敵を屠った黒蜥蜴は、令嬢を秘密博物館に運び込む。そこは黒蜥蜴が収集した貴金属類のみならず、何と生きた人間を牢獄に監禁してコレクションしてあったのだ。そして令嬢は裸に剥かれて、やはり裸の男が監禁されている獄中に放り込まれる。 この黒蜥蜴と明智の死闘の結末は読んでもらいたいが、遂に敗北を認めた黒蜥蜴が毒を呷り絶命する直前に好敵手だった明智小五郎への恋心を告白するラストシーンが名場面。映像化されてもさぞや見栄えがした事だろう。黒蜥蜴に扮した三輪明宏の唇を奪うのは難演技だったかも知れないが。 さて最後の牢獄シーンが典型だが、SM趣味が随所に現れるのはとても嬉しい。冒頭からして、クリスマスイブのパーティーでストリップショーを演じた黒蜥蜴の元に庇護を求めにやって来る、殺人を犯した武闘家の男。黒蜥蜴は裸身で男を悩殺しながら庇護を約束し、男に奴隷となるよう誓わせるのである。何と素晴らしい導入ではないか。 本当に最初から最後まで耽美趣味だが、スピーディーな展開で全く飽きさせない。あえて「ラノベ」的に書いたところに、職業作家としての乱歩の如才なさが窺える、などと書いたらうがち過ぎだろうか? B級ミステリの傑作と評価したい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
春陽堂の装丁ほんと好き | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
乱歩モノはいろんな版がいろんなとこから出ているけど、挿し絵が入っているものが好きな読者にとっては、やっぱり、これかなっていうのが創元推理文庫。挿し絵が文章を切り裂くように入っているので、文の続き具合が矢印(→)で表示されているのは、昔こんな雑誌があったなあ、こんな少年雑誌を読んだことがあるなあ・・・ってめっちゃ&むっちゃ懐かしい。 内容的には稚拙だけど、それを超えるこの挿し絵が醸し出すエロティシズム!で、おなじみの明智小五郎と黒蜥蜴! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
映像作品は見たことがなく、初めて読んだが、展開がスピーディーで、場面が次々と切り替わり、面白いと感じた。 確かに俗っぽいストーリーで、「そんなにうまくいくだろうか」と思わざるをえないようなご都合主義が随所に見られるし、明智小五郎は名探偵の割には迂闊だし、もっと安全に黒蜥蜴を捕まえることができるのにわざわざ劇的に逮捕するための演出過剰が見られるなど、不自然な点は多々あるが、そういうことを指摘するのは野暮というものだろう。 明智と黒蜥蜴との虚々実々の駆け引きや意表を突いた策略など、見どころ満載。 「怪老人」の正体を完全に読み誤っていて、真相には驚いた。 しかし、明智が取った策略は、人命を軽視しすぎではないだろうか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「D坂の殺人事件」読んで思い出したのは、子供の頃にTVで放送されていた明智小五郎物の事。 なかなか見せてもらえなかったので、江戸川乱歩の名前が記憶に残ったんだろうな。 で有名な物から読んでみよかと思ってこれから。 三島由紀夫脚本の演劇があった事を初めて知った。 替え玉になった桜山葉子はその後どうなったのか気になるな・・・・ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本作品は、1934年(昭和9年)に雑誌連載で発表された、江戸川乱歩の代表作としても名高いサスペンス作品です。 三島由紀夫による戯曲化が有名ですが、そのほかに、映画化やテレビドラマ化がされるなど、有名な作品で、その題名は知っていましたが、小説を全編読むのは初めてでした。 今回、廉価なkindle版が出ていましたので、読んでみることとしました。 さすがに、昭和初期の作品なので、舞台設定や物語展開に古めかしさが感じなかったといえば、嘘になります。 しかし、そこは、乱歩の代表作だけあって、女盗賊「黒トカゲ」と名探偵明智小五郎との知力を尽くした対決という展開は、21世紀の読者にとっても、楽しめるものと感じました。 内容は、女盗賊の俗称、黒蜥蜴が、大阪の宝石の豪商の娘の誘拐を企て、併せて、宝石の奪取も狙うというもの。 明智小五郎は、この豪商から依頼を受け、娘の警護を依頼されるのですが、黒蜥蜴は、大胆不敵な手段で誘拐を試みます。 これに対する明智小五郎の秘策とは?…といったストーリー。 忘れてならないのは、乱歩の作風として挙げられる「エロ・グロ」の要素が散りばめられているところ。 特に、黒蜥蜴のアジトの描写は、大変に楽しむことができました。 本書の良さは、当時の挿絵が挿入されている点で、昭和初期の雰囲気が漂う作風に、面白さを感じさせます。 また、雑誌の「次号予告」の一部も掲載されており、当時の熱狂ぶりが伝わってきます。 乱歩は没後年50年を経過していますが、決して色あせた作品ではないと思います。 21世紀の読者も楽しませる魅力を持った作品として、本作品を大いにオススメします。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
江戸川乱歩作品は、昔々に読んだ屋根裏の散歩者等の江戸川乱歩の怪奇な世界と名探偵明智小五郎が推理で問題を解き明かす点に大いに関心を持っていましたが、今回の黒蜥蜴は、黒蜥蜴と明智とのアクションがメインであり、時代考証の違いもあり期待していた割には、残念であった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
『黒蜥蜴』は1934年(昭和11)1月から11月まで「日の出」に連載された小説だ。角川ホラーミステリー文庫の『孤島の鬼』の解説によると、乱歩は昭和5年の『蜘蛛男』から一連の明智小五郎シリーズを書いている。所謂、通俗スリラーや大衆探偵小説といわれるもので、本格探偵小説ではない。『黒蜥蜴』も通俗スリラーの系譜に連なる作品だ。話の内容は、黒蜥蜴こと緑川夫人と明智小五郎の、宝石商のお嬢さんと「エジプトの星」という宝石をめぐる対決である。ついでに、『孤島の鬼』は昭和4年に書かれたもので、本格探偵小説から大衆探偵小説に移行するターニングポイント的な作品である。また、昭和2年に朝日新聞に『一寸法師』を連載し、この作品は明智小五郎が登場する、初長編小説であるが、『蜘蛛男』以前のものなので、本格探偵小説になっている。明智小五郎の短編小説なら、「二銭銅貨」、「屋根裏部屋の散歩者」など大正末、昭和1,2年に発表された、本格探偵小説がある。 さて、amazonレビューのタイトルについてであるが、黒蜥蜴こと緑川夫人は、男にも変装するので、時々、一人称がボクになる。これはボク少女の先取りかと思ったが、菅賀江留郎『戦前の少年犯罪』(築地書館)によると、1934年(昭和9)前後、女学生の間で「キミ」「ボク」「失敬」といった男言葉を使うのが流行し、当時の文部大臣荒木貞夫が「キミ・ボク」禁止令を出したそうです(p190)。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
タイトルは私がこの本を読み終わって率直に思った感想です(笑) 乱歩さんの作品…全部読んだ訳ではないですがどうも最後が何となく後味悪いと言いましょうかとにかくグロテスク!鮮血多すぎ!とゆう印象が強かったのですがこの黒蜥蜴だけはラストがとてもロマンチックで切なくて思わず「素敵な終わり方」ととてもうっとりしました。黒蜥蜴は恐ろしく天才で恐ろしく無邪気で恐ろしく美しいと彼女に対して強く思い、そして愛おしく思いました。こことは直接関係ないけど黒蜥蜴は三島由紀夫さんのverも読みました。三島さんの作品は乱歩さんの作品よりもっと黒蜥蜴を堪能(?)出来ましたが私はラストが乱歩さんが書かれた方が印象深かったし他に何か物足りなさを感じましたので例えお話は短くてもやっぱり三島さんのより原作(乱歩さん)の方が大好きです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
お芝居を観に行く予習として読んでみましたが、テレビドラマを見ているように非常に読みやすく、場面がまざまざと頭に浮かび、登場人物の粋なセリフや身のこなしにぞくぞくし、あっというまに読み終わりました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
数年前にテレビ企画のアンケートで「悪女といえば誰?」というものがあった。輝ける 一位は「峰不二子」だったのだが、我々の祖父たちに聞けばたぶん「黒蜥蜴」と答えて くれたのではないか。両者はともに美貌の泥棒で、美しいものに目がなく、殿方相手の 目の保養も辞さないサービス精神があるなど、共通点が多い。そんな女傑が活躍する 本作はアニメのない時代のヲタ?を熱狂させ、乱歩の代表作となった。舞台や映画で 作品に接した人も多く、三島由紀夫が戯曲化し、美輪明宏が演じた映画は有名である。 本書には他社版にはない売りがある。昭和9年『日の出』誌連載時の挿絵がそのまま 載っているところだ。見開きの中央にどーんと描かれる挿絵に昭和初期の懐かしさを 感じてしまう。文が変則的な回り込みをするのもまた味わいがある。「黒蜥蜴」を読む なら断然本書を勧める所以である。探偵と女賊が繰り広げる虚々実々のゲームには 目が離せないし、二人の間の畏敬はやがて恋情に至るのも実に耽美的である。三島 版戯曲「黒蜥蜴」の有名なラスト、「でも心の世界では、あなたが泥棒で私が探偵だっ たわ。あなたはとっくに盗んでいた」。どっかで聞いたような・・・、あ、ルパンつながり? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この小説は出版社数社から出ていますが、「創元推理文庫」のものは挿絵つきで、よりイメージが膨らみ2倍楽しめます。どことなく版画調でノスタルジックな感じが好きです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
迅速な送付を感謝致します。とてもきれいな状態でした。有り難うございました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
舞台「黒蜥蜴」を観劇することになり,その予習として購入しました。本当は三島由紀夫の「黒蜥蜴」が欲しかったのですが,どこを見ても絶版になっていて,高いお金を出して中古本も買いたくないし,結局乱歩原作の「黒蜥蜴」を読むことにしました。多少時代背景が古いところも無理はありませんが,その世界観は独特なものがあって一気に読めました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読み終わっても暫く物語が頭から離れませんでした。怖い場面もあり、黒蜥蜴は凄い!それに対抗する明智小五郎の推理。最初から最後まではらはらドキドキでした。これ1冊で終りの予定が変更になった事間違いなし!違うシリーズを読んでます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
江戸川乱歩氏の小説の中でも何度か映画化、舞台化されている。小生も少年時代にテレビで放映(再放映?)されたモノクロの大映映画を見た記憶がある。たしか黒蜥蜴は京マチコ?・・勘違いかも・・この小説を初めて読んだのはその後か前か?その後何年も後に、今度は舞台化で話題になった。黒蜥蜴を美輪明宏氏、明智小五郎を天地茂氏が演じ、この舞台で俳優・天地茂氏が再評価されたのを覚えている。(テレビではシリーズ化され天地氏の代表作となった。)そのすぐ後で映画化されている。明智探偵は木村功氏が演じ、この映画を小生は見ている。・・宝塚でも上演されたことはご存知ですか?・・久しぶりに再読した形であるが、懐かしくもあり、また黒蜥蜴が死ぬラストのシーンなど記憶にない部分もあったりして新鮮な思いもさせられた。今の時代に映画化されたら、さぞおどろおどろしいものができるのではと期待?しているのだが・・・懐かしくも面白く一気に読み終わってしまった。本の形ではもう手に入らないであろう乱歩シリーズを電子書籍で読めるのは本当にありがたい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
話題になっていて手に取りました。ジュナイブルっぽいのですが、多分、そうでしょう。 トリックが処々陳腐なのでジュナイブルと観たのですが、故にだらだら読みました。 処々トリックが陳腐です。素材が素晴らしいだけにもったいない。 黒蜥蜴から挑戦状を突きつけられた明智小五郎は余裕を示しますが、やられっぱなし。 最後の最後に明智小五郎が勝ちますが、それも江戸川乱歩らしく、SuperHeroe明智小五郎の天才性によるものです♪ 読んでて思ったのですが挿絵っていいですよ\(^o^)/ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
黒蜥蜴はいくつも版が出ているが、この版で特筆すべきは、雑誌連載当時の挿絵、次回予告などがそのまま収録されていることだ。 挿絵があるページでは、今では信じられないような文章の回りこみをするので、読みにくいところはあるのだが、味であるともいえる。 よって、読みやすさよりも、発表当時の時代を感じ取るとりたい方は、この版で読むのでいいだろう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
探偵明智小五郎と女賊「黒蜥蜴」緑川夫人との犯罪の駆け引きを巡る丁々発止と、物語の底流にふたりを巡る恋愛心理の萌芽と、背景に絢爛たる宝飾賛 美、剥製の肉体博物館嗜好を題材に、意表に意表をつきながらの、外連味たっぷりな小説構成である。 昭和37年3月に戯曲化した三島由紀夫の作品では、乱歩自身が上演のパンフレットに「子供らしいわたしの小説を一変し・・・」云々と寄稿している。 乱歩自身の謙遜もあろうが、この小説構成に見受ける稚気はどうしてなかなかの颯爽たるスタイルで、われわれの脳裏を絵空事の面白さで釘づけにする。 他の作品で唐突に現れる感の否めない明智小五郎も、宝石ブローカー岩瀬庄兵衛氏に雇われた探偵として無理なく登場するし、顔なじみの所轄の刑事に 理屈っぽく犯罪構成を講釈することもない。 凶悪さとは類を異にした犯罪の魅力を提示する黒蜥蜴=緑川夫人の脂粉の掛った挑戦に、時にたじろぎながら、時に上前をはねながら、乱歩の筆致は淀 みなく流麗に、いつもの毒々しさをはなれて、ついには犯罪の住処、黒蜥蜴の仮面をぬいだ緑川夫人の心に辿りつかせてくれる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
かつて読んだときは、乱歩のおどろおどろしたところが驚くほどなく、タイトルから連想した内容との乖離に拍子抜けしたものだった。 しかし、乱歩の作品、特に通俗物全てを読み尽くしたあとに読んでみてほしい。 すると、このスッキリとした、乱歩特有の陰惨さが少ない描写が本作にはピッタリであることが分かる。 それもまた、ある意味では乱歩の持ち味のひとつであり、その描写によってストーリーテリングを素直に楽しむ事が出来る、ということに気づく。 ストーリーは良く知られているように、女賊黒蜥蜴と名探偵明智の虚々実々の対決、と一言で説明できる。 細かい矛盾や齟齬はいくらでも指摘できるし、サスペンスも物足りない。 だが、それを補って余りある黒蜥蜴の魅力だ。 同様のことは、「黄金仮面」でも言えるだろう。 魅力的な敵役の存在で、明智が引き立つことになる。 深作映画版も、三島由紀夫脚本、丸山明宏(三輪明宏)主演で、とても良いムードだった。 三島も出演していたし。 京マチ子主演の方は、ミュージカル仕立てで、今ひとつ原作の雰囲気を出し切れていなかったが。 乱歩得意の陰惨な描写が全くない、という訳ではない。 だが、この控えめなところが、乱歩通俗作品の中では最も一般に好まれている要因なのであろう。 若いときには物足りなかったものが、ある程度としを取ってからだとちょうど良い、ということはよくあることだ。 本書の評価は、読者の成長とともに変化するものなのかもしれない。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!